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商標異議申立

2022-900422

ルイビト、ルイ、ビト、アアルユウアイ

審判番号
2022-900422
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-161095
登録番号
6595438
請求日
2022年10月07日
審決日
2023年08月14日
公報発行日
2024年02月22日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】▲鄭▼清梅
  • 【異議申立人】ルイ ヴィトン マルチェ
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】佐藤 俊司
  • 【異議申立人代理人】飯田 遥
審判長/審判官
  • 審判長 矢澤 一幸
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6595438号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6595438号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6595438号商標(以下「本件商標」という。)は、「Rui vuit」の文字を標準文字で表してなり、令和3年12月24日に登録出願、同4年7月8日に登録査定され、第25類「セーター,外衣,ジャケット(被服),ドレス,オーバーコート,ドレッシングガウン,ロンパース,コート,ティーシャツ,ズボン,パジャマ,仮装用衣服,運動靴及び運動用特殊靴,ストッキング及びユニホーム用ストッキング,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ」を指定商品として、同年8月2日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の5件の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり、それら商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第1374707号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:LOUIS VUITTON 登録出願日:昭和48年3月14日 設定登録日:昭和54年2月27日 指定商品 :第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 2 登録第2195981号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:LOUIS VUITTON 登録出願日:昭和59年7月11日 設定登録日:平成元年12月25日 指定商品 :第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 3 登録第4123462号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:LOUIS VUITTON 登録出願日:平成8年8月30日 設定登録日:平成10年3月13日 指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 4 登録第5414576号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:LOUIS VUITTON(標準文字) 登録出願日:平成22年9月3日 設定登録日:平成23年5月27日 指定役務 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 5 国際登録第1486650号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:別掲のとおり 国際商標登録出願日:2018年(平成30年)12月10日(パリ条約第4条による優先権、フランス国:同年6月21日) 設定登録日:令和3年7月16日 指定商品 :第9類、第14類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第38号証(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標と引用商標の指定商品 本件商標の指定商品に割り当てられた類似群コードは、引用商標の指定商品の類似群コードに抵触しており、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品及び指定役務との関係において、生産部門、販売部門、流通経路、用途、及び需要者の範囲が一致する。したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する。 (2)引用商標の周知著名性 申立人は、バッグ類、袋物及び被服等で知られる世界的に著名な高級ブランドを擁するフランス法人であり、引用商標は、1896年に発表されて以降、現在に至るまで、継続的に申立人が展開する商品に使用され、日本のみならず世界的に広く知られるに至っており、その周知著名性は、本件商標の登録出願日時点においても継続していたものである。 ア 「LOUIS VUITTON」の沿革 申立人は、フランスのマルティエ(スーツケース職人)であるLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン)が1894年頃に創始したファッションブランドであり、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの中核ブランドである。創始者であるルイは、ルイ・ヴィトンを創業するまでに20年間トランク製造と荷造りの職人として腕を磨いていたため、フランス王室から注文を受けるほどの一流の職人として名が知れた存在であった(甲3)。 1854年、荷作り用木箱製造兼荷作職人であったルイ・ヴィトンが世界最初の旅行鞄のアトリエ「ルイ・ヴィトン」を設立したのが始まりであり(甲3、甲6、甲8)、1896年には、模倣品対策として、2代目のジョルジュ・ヴィトンが世界で最初にモノグラム柄をアイテムに取り入れた。この2代目のジョルジョ・ヴィトンが考案したモノグラムは、「L」と「V」と花と星を組み合わせたもので、当時流行していたジャポニズムの影響下にあったヨーロッパで、ジョルジュが日本の家紋などからインスピレーションを受けて生まれたといわれている(甲3、甲5)。 1987年、申立人は、ヘネシー社と合併し、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループが誕生した。その後、クリスチャンディオールを率いるベルナール・アルノーがLVMHの株を取得して議長に就任し、アルノーは世界的なラグジュアリーファッショングループを築き上げた(甲6)。 1997年に、申立人は、ニューヨークのデザイナーであるマーク・ジェイコブズをデザイナーとして起用し、アパレル分野に進出した。「機能的」かつ「実用的」なウェアは初コレクションから大好評を博してきた。コレクションでは、モデルが新作のバッグを披露する形式を採用しており(甲6)、マーク・ジェイコブズの戦略のもと、バッグの分野でも伝統を重視しつつ、次々に改革を始め、1998年には、ダミエ・ラインが定番商品として復活した。その他にも、申立人は日本人アーティストの村上隆とのコラボレーションなど、さまざまな挑戦を続けている(甲3、甲6)。 2011年、ダンヒルにてクリエイティブ・ディレクターを勤めていたキム・ジョーンズがルイ・ヴィトンのメンズスタイル・ディレクターに就任した(甲6)。2013年及び2014年には、春夏コレクション終了後にマーク・ジェイコブスが退任し元バレンシアガのニコラ・ジェスキエールがアーティスティック・ディレクターに就任した(甲6)。2014年には、フランク・ゲーリーが設計を担当した現代アートの殿堂「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」がパリに誕生した(甲6)。2018年の秋冬メンズコレクションを最後に、7年間にわたりメンズコレクション アーティスティック・ディレクターを務めたキム・ジョーンズが退任し、後任として、オフーホワイトc/oヴァージル アブローのヴァジル・アブローが就任した(甲6)。2019年4月より、メンズの新ラインである「ステープルズ エディション バイ ルイ・ヴィトン(Staples Edition by Louis Vuitton)」をローンチするなど新たなチャレンジを続けている(甲6)。2020年6月には、元々レザーグッズのデザイナーとしてのキャリアをルイ・ヴィトンでスタートしていたジョニー・コカがルイ・ヴィトン ウィメンズ レザーグッズ・ディレクターに就任した(甲6)。 日本にルイ・ヴィトンが上陸したのは、1978年のことである。フランスで成功したルイ・ヴィトンが初めての世界進出に乗り出した国が日本であった(甲3)。1978年のうちに東京・大阪に6店舗出店し、ファッション界で話題を集めた。2008年9月には、コム デ ギャルソンとの期間限定ショップ「ルイ・ヴィトン・アット・コム・デ・ギャルソン」を東京・青山にオープンしたことで話題を呼んだ(甲6)。2016年には、東京紀尾井町で創業からの軌跡を1000作品で辿る展覧会「旅するルイ・ヴィトン」を開催し、同年、藤原ヒロシとのコラボレーションアイテムを発表した(甲6)。2022年現在、日本全国には59店舗を構えるに至っている(甲7)。 イ 日本における「LOUIS VUITTON」ブランドの宣伝広告実績 1978年に申立人が日本に進出して以降現在に至るまで、申立人は、かなりの高頻度で「LOUIS VUITTON」ブランドの宣伝広告を行っている。その宣伝広告実績はあまりも膨大であるため、直近5年(2018年~2022年10月)に行った宣伝広告実績に限定して、その実績を以下に説明する。 (ア)テレビCMにおける宣伝広告 申立人は、2018年9月に、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日の各大手テレビ局を通じて、タレントのEmma Stoneを起用した30秒のテレビCMを公開した(甲9)。2019年11月及び12月にも、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日の各大手放送局を通じて、同様に、タレントのEmma Stoneを起用した30秒のテレビCMを公開した(甲10)。また、2021年12月及び、2022年4月~6月には、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、ABC朝日放送、関西テレビ放送、読売テレビ、東海テレビ、CBCテレビ、名古屋テレビ、中京テレビの各放送局を通じて、タレントのLea Seydouxを起用した30秒のテレビCMを公開した(甲11)。放送されたこれら全てのCMには、「LOUIS VUITTON」の文字が大きく目立つ態様で表示されている(甲9~甲11)。 (イ)新聞における宣伝広告 申立人は、2018年から2022年10月までの直近5年間において、新作の香水やバッグ、洋服等の宣伝広告を新聞の1ページ全面もしくは2ページに亘って掲載した(甲12~甲20)。これら全ての広告には、「LOUIS VUITTON」の文字が大きく目立つ態様で表示されている。 (ウ)雑誌等における宣伝広告 2018年から2022年10月までに、申立人自身が「LOUIS VUITTON」商標を付した商品の広告を掲載した雑誌等は、53媒体であり、各雑誌等への掲載回数も相当数ある(甲21の1~4)。 (エ)雑誌等の掲載実績 直近5年間に相当する2018年1月から2022年10月までの期間において、申立人の商品は、少なくとも、Story、Lee、Crea、Baila、Inrerd、Ginza、Numero、SPUR、marieClaire、ELLE、DAZZLE.VOGUE、Precious、Leon、Harper’s BAZAAR、FIGARO、25ans、家庭画報、婦人画報、Safari、Pen、commons & sense、NIKKEI MAGAZINE STYLE Ai、POPEYE、BRUTUS、GQ、SENSE、T-Japan、CasaBRUTUS、DEPERTURES、Uomo、Mercedes magazine、Libertuub/DUNE、i-D JAPAN、Mens Precious、Urban Safari、Vogue Wedding、ZEXY PREMIER、BMW Magazine、CENTURION、25ans Wedding、EILLE MARIAGE、Chronos、世界の腕時計、Oceans、MEN'S NON-NO、CasaBRUTUS、Mercedes me magazine、Cr Fashion Book、IMPRESSION GOLD等の名だたる雑誌に、引用商標とともに掲載された。これらの雑誌に掲載されたページ数の概数は膨大である(甲22~甲27)。 (オ)審査、審決及び判決における判断 特許庁や裁判所においても、引用商標が周知著名であることは、認定されている(甲28~甲32)。 (カ)小括 以上のとおり、「LOUIS VUITTON」ブランド商品は、1894年創業以来、120年以上の永きにわたって世界中で愛されており、引用商標「LOUIS VUITTON」は、申立人の商標として、本件商標の登録出願日前より、日本のみならず、全世界的な周知著名性を獲得している。 (3)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標と引用商標の構成 本件商標は、欧文字で「Rui vuit」を書してなり、その構成文字に相応して、「ルイヴィト」の称呼が生じる。また、本件商標は造語であるから、これより特定の観念は生じない。 一方、引用商標は、「LOUIS VUITTON」又は「Louis Vuitton」の欧文字より構成され、構成文字に相応して、「ルイヴィトン」の称呼が生じる。また、引用商標からは、全世界的に周知著名性を獲得した申立人の業務に係る「LOUIS VUITTON」ブランドとしての観念が生じる。 イ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とは、大文字と小文字の差異を有するものの、両者の書体はいずれも格別特徴があるものでなく一般的な書体といえること、及びつづり字において引用商標は、本件商標を構成するアルファベットの大半を占める「ui vuit」の文字を含むから、かかる差異が両者の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きくなく、両者は外観において類似する。 次に、本件商標から生じる「ルイヴィト」の称呼と引用商標から生じる「ルイヴィトン」の称呼を比較すると、両者は、語尾音「ン」の有無に差異を有するものの、該差異音が鼻音であって語尾に位置する撥音であることから明瞭には聴別し難いこと、及び称呼の識別上最も重要な役割を果たす語頭音を含む4音全てを共通にすることから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは語調、語感が近似し、称呼において類似する。 さらに、本件商標は特定の観念を生じないから、観念において比較できない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び特に称呼において相紛らわしいから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標である。 (4)審決及び過去の裁判例 本件商標が引用商標に類似するとの申立人の主張は、審決に照らすことでより明確になるものと考える。すなわち、審決例は、本件商標と同様に4音または5音の語からなる商標が、語尾における撥音の有無のみの差異を有する商標と類似するか否かについて判断された先例であるところ、いずれの審決も、語尾における撥音の有無のみの差異を有する商標は、互いに類似すると判断している(甲33~甲36)。 (5)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、称呼及び外観が類似する類似商標であり、引用商標に係る指定商品又は役務と同一又は類似する商品を指定商品とするものであって、引用商標の後願に係るものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号該当性 (1)引用商標の周知著名性 申立人は、バッグ類、袋物及び被服等で知られる世界的に著名な高級ブランドを擁するフランス法人であり、フランスでの同ブランドに係る事業の創業は、1854年に遡るところ、引用商標は、1896年に発表されて以降、現在に至るまで、申立人が展開する商品に使用されて世界的に広く知られるに至っている。 したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、世界的に広く知られた周知著名商標であった。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標は、引用商標との類似性が極めて高い。 (3)引用商標の独創性の程度 引用商標を構成する「LOUIS VUITTON」は、一般の辞典類に載録されている既成の語ではないことから、独創性が高い。 (4)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品及び役務等との関連性の程度、取引者・需要者の共通性等 引用商標が周知著名性を獲得した商品は、バッグ、被服、履物、ジュエリー等のアパレル製品であるのに対し、本件商標は、まさにこのアパレル製品の中核を指定商品としている。これらの商品は、申立人と同様に、アパレルメーカーが一般に製造しているものであり、また、デパートや専門店等において販売されているものであるから、生産部門及び販売部門が一致する。また、いずれの商品も、女性を中心とする一般消費者を需要者として製造販売されることから、需要者の範囲も一致する。 (5)判決及び審決 他人の周知著名な商標に類似する商標について、当該他人の業務に係る商品等と混同を生じるおそれがあるとして、登録拒絶又は登録無効若しくは取消しの判断をした判決や審決は多数存在する(甲38の1~3)。 (6)小括 以上のとおり、引用商標が申立人の業務を表すものとして周知著名な商標であること、本件商標は引用商標とは高い類似性を有すること、引用商標が独創性の高い商標であること、本件商標の指定商品が引用商標が周知著名性を獲得したアパレル商品そのものであり、需要者の範囲も一致すること、過去の裁判例や審決にみられる判断等を総合して考慮すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る「LOUIS VUITTON」や「Louis Vuitton」を想起、連想し、あたかも申立人又はグループ会社が取り扱う業務に係る商品であるかの如く認識して取引にあたると考えられるため、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標は、「Rui vuit」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、語間に1文字分の間隔を空けながらも、横一列にまとまりのよい構成からなるから、一連一体の語を表してなると看取できる。 そして、当該構成文字は、辞書等に掲載された語ではない。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ルイヴィト」又は「ルイヴイト」等の称呼を生じ得るが、特定の観念は生じない。 イ 引用商標は、「LOUIS VUITTON」の文字を横書き、又は「Louis Vuitton」の文字を筆記体で表してなるところ、それら構成文字は、以下2(1)のとおり、申立人のファッションブランド「ルイ・ヴィトン」に通じるものである。 そうすると、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、「ルイヴィトン」の称呼を生じ、「申立人のファッションブランド「ルイ・ヴィトン」」の観念を生じる。 ウ 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、全体としてつづりの異なる別異の語を表してなるから、判別は容易である。また、称呼においては、「ルイヴィト」と「ルイヴィトン」の称呼を比較すると、語頭の「ルイヴィト」の4音を共通にするが、語尾の「ン」の音の有無の差異を有するもので、全体で5音という短い音構成の中では、当該差異音が全体の語調、語感に与える影響は大きいから、聴別は容易である。そして、「ルイヴイト」と「ルイヴィトン」の称呼を比較すると、語頭の「ルイ」の2音を共通にするが、その他の構成音の差異から、全体としての語調、語感は明らかに相違し、聴別は容易である。さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものの、引用商標は「申立人のファッションブランド「ルイ・ヴィトン」」の観念を生じるから、記憶される印象において差異があり、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において判別又は聴別は容易であり、観念において相紛れるおそれはないから、類似性の程度が低い別異の商標であり、同一又は類似の商品に使用されるときであっても、出所の誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。 (2)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、それぞれの指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)引用商標の著名性について ア 申立人の提出証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。 (ア)申立人のファッションブランドである「ルイ・ヴィトン」(LOUIS VUITTON)(以下「申立人ブランド」という。)は、1894年にオープンした旅行用トランク専門アトリエが前身であり、日本に上陸したのは1978年である(甲3)。 (イ)申立人ブランドの取扱商品には、バッグ、ウェア、シューズ、アクセサリー、ジュエリー、文房具などがある(甲6)。 (ウ)申立人ブランドの店舗は、東京や大阪のほか日本各地に約60店ある(甲7)。 (エ)申立人ブランドのテレビCM(「LOUIS VUITTON」の文字を表示している。)は、2018年、2019年、2021年及び2022年に、複数の放送局を通じて放映されている(甲9~甲11)。 (オ)申立人ブランドの新聞広告(「LOUIS VUITTON」の文字を表示している。)は、2018年、2019年、2021年及び2022年に、複数の新聞媒体に掲載されている(甲12~甲20)。 (カ)申立人ブランドの雑誌広告(「LOUIS VUITTON」の文字を表示している。)は、2018年から2022年の間に、複数の雑誌媒体に掲載されている(甲21の1~5)。 (キ)申立人ブランドの商品(ドレス、バッグ、ブルゾン、ジャケット、靴など)や店舗を紹介する記事は、複数の雑誌媒体に掲載されている(甲27の1~50)。 イ 上記の認定事実によれば、申立人ブランド「LOUIS VUITTON」(ルイ・ヴィトン)は、1978年以降、我が国における店舗を通じて広く商品販売をしており、近年(2018年~2022年)も継続して広告宣伝活動(テレビCM、新聞広告、雑誌広告など)をしているから、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品(バッグ、被服など)を表示する標章として著名性を獲得し、広く知られるに至っていると認められる。 (2)本件商標と引用商標の類似性について 本件商標と引用商標は、上記1(1)ウのとおり、外観及び称呼において判別又は聴別は容易であり、観念において相紛れるおそれはないから、類似性の程度が低い別異の商標である。 (3)出所の混同のおそれについて 以上を踏まえると、申立人ブランドに通じる引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示する標章として我が国の需要者の間において広く知られるに至っており、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品(ウェア、シューズなど)とは重複し、生産部門や販売部門、需要者の範囲が共通するとしても、本件商標と引用商標は類似性の程度が低い別異の商標であるから、本件商標は、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、引用商標又は申立人らの業務に係る商品との関連性や、他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900422

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