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商標異議申立

2022-900420

ニンチコードーリョーホーシンリシ、ニンチコードーリョーホーシンリ

審判番号
2022-900420
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-134943
登録番号
6613731
請求日
2022年10月06日
審決日
2023年09月07日
公報発行日
2023年10月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】石川 千鶴
  • 【異議申立人】北沢 晶子
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 山根 まり子
分類
T1651.13 -Y (W4144) / T1651.272-Y (W4144) / T1651.261-Y (W4144) / T1651.262-Y (W4144) / T1651.263-Y (W4144)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6613731号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6613731号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6613731号商標(以下「本件商標」という。)は、「認知行動療法心理士」の文字を標準文字で表してなり、令和3年10月29日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,図書の貸与,電子出版物の提供,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」及び第44類「医療情報の提供,セラピー,健康管理に関する指導及び助言」を指定役務として、同4年6月7日に登録査定され、同年9月13日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5763610号商標(以下「引用商標」という。)は、「認知行動心理士」の文字を標準文字で表してなり、平成26年12月26日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格試験の実施及び資格の認定,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定役務として、平成27年5月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について (1)書籍における「行動療法」等に関する記載について ア 認知行動療法が心理士(psychologist)の専門分野の一部であることは周知の事実であり、認知行動療法心理士という言葉は、単純に、認知行動療法を行う心理士を直接的に意味しており、そこにはなんの意外性もない(甲3~甲7)。 イ 甲第8号証には、認知行動療法心理土の英訳である“CBT psychologist”についてのインターネットの検索結果があり、CBT psychologist(詔知行動療法心理士)は、モントリオールや、メルボルンや、ニュージャージーや、オンタリオや、ブリストルや、グジャラート(インド)や、ダブリンや、カリフォルニアなど、世界各地に存在していることが分かる。CBTは、認知行動療法を直接的に表す略語であり、一般的に用いられている。 (2)小活 本件商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質を表示した語と認識するに止まるから、自他役務識別標識としての機能を果たし得ず、また、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について 認知行動療法は、認知行動に着目した療法の一種であるため(甲3~甲7)、本件に係る「認知行動療法心理士」も、引用商標「認知行動心理士」と同義と言うことができる。つまり、本件商標は、引用商標と、観念は一致しており、外観も称呼も類似している。 したがって、本件商標は、引用商標と混同を生じさせるものであることは明らかであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記第1のとおり、「認知行動療法心理士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものである。 また、本件商標の構成中、「認知行動療法」の文字は「心理療法の一つ。議論や問題解決的な思考などを通じて認知の歪みを修正する。」等の意味を、「心理」の文字は「心の働き。意識の状態または現象。行動によって捉えられる心的過程をも指す。心理学の略。」等の意味を、「士」の文字は「一定の資格・役割をもった者。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であるが、構成各文字の語義を結合した場合にその意味合いは漠然とし、具体的な意味合いを認識させるとは言い難いものであるから、その構成文字全体で特定の意味を有する成語となるものではないとみるのが相当である。 そして、申立人提出の証拠において、臨床心理学の学問分野における日本語の書籍(甲3~甲6)に、認知行動療法について記載されていることがうかがえる。 しかしながら、これらの申立人提出の証拠において、「心理士」についての記載や、申立人の主張に係る「認知行動療法が心理士(psychologist)の専門分野の一部であること」に関する記載は確認することができない。そして、各証拠において、その書籍(甲3~甲7)は、いずれもその学問分野の専門的な者に向けたものである。また、“CBT psychologist”についてのインターネットの検索結果(甲8)との証拠において示された「CBT psychologist」の文字は、何を示したものであるのか判然としないところ、これが仮に、日本語で「認知行動療法心理士」と訳されるものであるとした場合においても、それと、申立人の提出に係る一部の書籍(甲7)は、外国語によるものであって、我が国における指定役務の一般的な需要者等を対象としているとは言い難いものである。 そうすると、当該証拠によっては、「認知行動療法心理士」の文字が、需要者等に、どのように看取されるのかを具体的に把握することができない。 そして、当審において職権を持って調査したところ、本件商標の指定役務を取り扱う業界において、「認知行動療法心理士」の文字が、役務の質等を直接的に表示するものとして取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実は見いだせず、需要者等に、当該文字を、役務の質等を表示したものと認識させるというべき事情も発見できない。 してみれば、本件商標は、その指定役務との関係において、役務の質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その指定役務との関係において、役務の質等を表示するものということはできず、かつ、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「認知行動療法心理士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、本件商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。 そして、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、上記1のとおり、各語の語義を結合した意味合いは漠然とし、具体的な意味合いを認識させるとは言い難いものであるから、その構成文字全体で特定の意味を有する成語となるものではなく、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に照応して「ニンチコードーリョーホーシンリシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、「認知行動心理士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、引用商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。 そして、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものともいえないことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成文字に照応して「ニンチコードーシンリシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標と引用商標とを比較すると、これらは、上記(1)及び(2)のとおり、それぞれ構成する文字数が9文字又は7文字と、明らかに相違し、本件商標における「療法」の文字の有無に差異を有することから、両者の外観は、明確に区別し得るものであって、相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては、本件商標から生じる「ニンチコードーリョーホーシンリシ」の称呼と、引用商標から生じる「ニンチコードーシンリシ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ15音又は11音で構成されるものであって構成音数が相違し、かつ、本件商標における「リョーホー」の音の有無に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、相紛れるおそれのないものである。 ウ 観念においては、本件商標と引用商標からは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 エ 以上からすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して勘案すれば、類似しない商標というべきである。 (4)小括 以上によれば、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同項第11号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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