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商標異議申立

2022-900401

ラジオリンク

審判番号
2022-900401
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-048545
登録番号
6588607
請求日
2022年09月27日
審決日
2024年05月23日
公報発行日
2024年07月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社誠真
  • 【異議申立人】深▲せん▼市楽迪電子有限公司
  • 【異議申立人代理人】崔 海龍
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 杉本 克治
分類
T1651.13 -Y (W28) / T1651.18 -Y (W28) / T1651.22 -Y (W28) / T1651.222-Y (W28) / T1651.25 -Y (W28) / T1651.271-Y (W28)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第3条第1項、商標法第4条第1項第10号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6588607号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6588607号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6588607号商標(以下「本件商標」という。)は、「RADIOLINK」の欧文字を横書きしてなり、令和3年4月2日に登録出願、第28類「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具」を指定商品として、同4年5月13日に登録査定され、同年7月19日に設定登録されたものである。 第2 引用標章 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する標章(以下「引用標章」という。)は、「RadioLink」の欧文字からなり、申立人が2007年から中国で、少なくとも2018年から我が国において、同人の業務に係る商品として「無線通信機器」について使用し、需要者の間に広く知られている旨主張するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとともに、同法第3条第1項柱書の要件を具備しないものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。 なお、証拠の表記にあたっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する場合がある。 1 商標法第3条第1項柱書について 本件商標の商標権者である「株式会社誠真」(以下「本件商標権者」という。)のホームページに掲載された内容及びその会社概要に記載された事業内容である「社員研修の設計・企画・運営の実施、研修講師・研修アシスタント・研修テクニカルスタッフの派遣、その他社員研修に付随する業務全般」(甲1、甲2)から鑑みて、本件商標は、本件商標権者が「自己の業務に係る商品について使用する商標」とは到底いえず、商標法第3条第1項柱書によりその登録が取り消されるべきである。 より具体的には、本件商標は、2021年4月2日に出願されたものであり、「RADIOLINK」の欧文字を横書きに、全体としては、まとまりよく一体的に表されているものである。 本件商標の指定商品は、第28類「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具」とされ、令和4年7月19日に登録された(甲3)。 また、本件商標権者は、本件商標と同日付けである2021年4月2日に、「FRSKY」の欧文字を商標とし、指定商品を第28類「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具」とする商標登録出願(甲4)、及び「FLYSKY」の欧文字を商標とし、指定商品を第28類「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,登山用ハーネス,釣り具」とする商標登録出願(甲5)をし、続いて、同年5月14日には、「RADIOMASTER」の欧文字を商標とし、指定商品を第28類「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具,昆虫採集用具」とする商標登録出願(甲6)をした。 ここで、申立人は、2003年9月15日に設立された中国法人で、2007年より「RadioLink」をブランド名として使用しており(甲7、甲8)、2008年1月3日には、我が国における無線通信機器の総務省MIC認証を取得し(甲9)、収集できる証拠上、少なくとも2018年12月6日から、アマゾンジャパンのショッピングサイトにて販売し続け、「RadioLink」を使用商標として、当該サイトだけで609件の商品情報が掲載されており、かかる商品は無線通信機器関連のものである(甲10)。 さらに、本件商標権者により出願された「FRSKY」の欧文字よりなる商標登録出願は、「FRSKY JAPAN」社(親会社は中国企業法人FrSky Electronic Co.、Ltd、https://frsky-rc.jp/company/)の使用商標として、同様にRC関連の商品に使用され(甲11)、収集できる証拠上、少なくとも2020年1月18日からアマゾンジャパンのショッピングサイトにて販売し続け、「FRSKY」を使用商標として当該サイトだけで205件の商品情報が掲載されており、かかる商品は無線通信機器関連のものである(甲12)。 また、本件商標権者により出願された「FLYSKY」の欧文字よりなる商標登録出願は、「深せん市富斯科技有限公司」社(中国企業法人 https://www.f1yskytech.com/about/)の使用商標として、同様にRC関連の商品に使用され(甲13)、収集できる証拠上、少なくとも2019年5月16日からアマゾンジャパンのショッピングサイトにて販売し続け、「FLYSKY」を使用商標として当該サイトだけで153件の商品情報が掲載されており、かかる商品は無線通信機器関連のものである(甲14)。 さらに、本件商標権者により出願された「RADIOMASTER」の商標も、同様に海外の企業法人(https://www.radiomasterrc.com/pages/about-radiomaster)の使用商標として、同様にRC関連の商品に使用され(甲15)、収集できる証拠上、少なくとも2021年3月23日からアマゾンジャパンのショッピングサイトにて販売し続け、「RADIOMASTER」を使用商標として、当該サイトだけで1000件以上の商品情報が掲載されており、かかる商品は無線通信機器関連のものである(甲16)。 以上のとおり、本件商標権者による4件の商標登録出願は、いずれも、商品及び役務の区分第28類に係る商標登録出願であり、いずれの商標も無線通信機器関連商品に係る外国法人企業のブランド名のそれぞれと同一又は類似し、少なくとも各商標に係る商品が我が国において販売された後に出願しているため、到底偶然であるとはいえず、本件商標権者は、他社のブランドを認識した上で本件出願をしたと優に考えられる。 なお、ウェブサイトにて検索したところ、本件商標権者による上記4件の商標登録出願に係る商標の使用は何ら確認できず、特に、本件商標権者の事業内容からすれば、研修に関わる役務を提供しており、商品商標のメーカーでないことは明らかである。 そこで、商標法第3条第1項柱書の趣旨が、出願人において「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」であり、他者からの許諾料や譲渡対価の取得のみを目的として行われる、いわゆる商標ブローカーなどによる濫用的な商標登録を排除し、登録商標制度の健全な運営を確保するという点にあるものと解され、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」とは、出願人において自己の業務に現在しようしているもの又は近い将来において自己の業務に使用する意思があるものであることを要するが、「自己の業務」に該当するかどうかについては、形式的に判断することは必ずしも相当ではないというべきであり、専ら他者に使用させることを目的とする商標の登録出願であっても、出願人と当該商標を使用する他者の業務との間に密接な関係があって、出願人に当該商標の商標登録を認めることに社会的、経済的にみて合理的な必要性が認められる事情があり、濫用的な商標登録を排除するという法の趣旨にも反せず、かつ、当該商標を使用する役務に係る業務を行うことができる者が他の法令上制限されているときはその制限の趣旨にも反しないと認められる場合には、当該他者の業務を当該出顆人の「自己の業務」と同視し、当該出願人において当該商標が「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」に当たると評価することができるものと解するのが相当である(平成23年10月28日東京地方裁判所、平成22年(ワ)第1232号)。 本件に照らしてみれば、本件商標権者は、何ら登録出願に係る商品商標を使用しておらず、短期間集中的に登録出願された4件の商標がいずれも他者のブランドと同一又は類似し、かかる商品も第28類において類似するため、このような商標登録出願は、他者からの許諾料や譲渡対価の取得のみを目的として行われる、いわゆる商標ブローカーなどによる濫用的な商標登録であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」に該当せず、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。 2 商標法第3条第1項第3号について 本件商標は、「RADIOLINK」の欧文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなり、当該文字は「無線回線、無線リンク」の語義を有し、特許文献においても当該語義を有する専門用語として多く使用され(甲17)、これを、おもちゃや遊戯用器具等、無線通信による操縦可能な商品に使用された場合、取引者又は需要者がその商品の品質、効能又は使用の方法その他の特徴等を表示するものと一般に認識されるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 商標法第4条第1項第7号について 商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、「当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合」が含まれるというべきである(平成18年9月20日知的財産高等裁判所、平成17年(行ケ)第10349号)。 本件商標権者は、他人の特徴的な商標を短期間に複数に登録出願している事実があり、このような登録出願の行為は、他者からの譲渡対価等の取得のみを目的として行われる、いわゆる商標プローカーなどによる濫用的な商標登録をする行為又は他社が商標登録出願していないことを奇貨として商標登録をした上で当該他社の営業を妨害する行為であると評価せざるを得ない。 このような登録出願の一環としてなされた本件商標の登録出願は、登録出願の経緯に社会的相当性を欠くというべきであるし、このような行為を商標法が予定しているとは到底考えられない。 したがって、本件商標は、当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するというべきであり、商標法第4条第1項第7号に該当する。 なお、このような商標登録を許すことにより、異議申立人などの多くの者にとっての人的及び金銭的な負担となっており、公益を損なっているというべきであるから、このような観点からも、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、登録出願時及び設定登録時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似であり、その商品又は類似する商品について使用するものである(甲7~甲10)。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 5 商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、登録出願時及び設定登録時において、申立人の使用商標「RadioLink」と類似しておりその類似度合いは高く、かかる商品は密接に関連するものである(甲7~甲10)から、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 6 商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、登録出願時及び設定登録時において、申立人の使用商標「RadioLink」と類似しておりその類似度合いは高く、申立人の使用商標は、世界各国で使用されてきており、宣伝広告費や売上高、販売数量等も多く、使用商標は他人の業務に係る商品を示すものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項柱書の要件を具備しているかについて 商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」とは、少なくとも登録査定時において、現に自己の業務に係る商品又は役務に使用している商標、あるいは、将来、自己の業務に係る商品又は役務に使用する意思のある商標と解される(平成24年5月31日知的財産高等裁判所、平成24年(行ケ)第10019号)。 そうすると、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、本件商標を自己の業務に係る指定商品について現に使用していなくとも、将来においてその使用をする意思があれば、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するといえる。 申立人は、本件商標権者のホームページに掲載された事業内容等によれば、本件商標は、本件商標権者が自己の業務に係る商品について使用する商標とはいえない旨主張している。 申立人提出の証拠(甲1、甲2)によれば、本件商標権者は、現在、研修に関する事業を行っていることが認められるが、だからといって、本件商標権者が、本件商標を将来においても使用をする意思がないとは直ちにいうことはできない。 また、申立人は、本件商標権者によって短期間集中的に登録出願された4件の商標が、いずれも他者のブランドと同一又は類似し、その商品も類似するため、このような商標登録出願は、他者からの許諾料や譲渡対価の取得のみを目的として行われる旨主張している。 申立人提出の証拠(甲3~甲16)によれば、本件商標権者は、4つの商標について第28類の商品を指定商品として登録出願をしており、これらが登録出願される前から、これらの商標と同一又は類似の商標が他者によって無線通信機器関連の商品に使用されていることがうかがえる。 しかしながら、本件商標の指定商品は上記第1のとおりであり、無線通信機器関連の商品とは類似しないものであるから、本件商標権者による4つの商標登録出願が他者からの許諾料や譲渡対価の取得のみを目的として行われたものとはいえない。 他に、本件商標の使用又は使用の意思に合理的な疑義があるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。 2 商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、上記第1のとおり、「RADIOLINK」の欧文字を横書きしてなるものである。 そして、申立人提出の証拠によれば、「radio link」の文字(語)が「双方向ラジオ通信システム」や「無線リンク」(甲17)の意味を有することが認められるものの、当該文字(語)が本件商標の指定商品の品質、効能又は使用の方法その他の特徴を表示するものとして使用又は認識されていることを示す証拠の提出はない。 また、当審において職権をもって調査するも、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「RADIOLINK」の文字が、商品の品質、効能又は使用の方法その他の特徴を表示するものとして使用されている事実は発見できず、さらに、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質、効能又は使用の方法その他の特徴等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質、効能又は使用の方法その他の特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとはいえないものである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 3 引用標章及び使用標章の周知性について (1)申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 申立人は、2003年9月15日に設立された中国法人で、2007年から「RadioLink」をブランド名として使用しており(甲7、甲8)、2018年(平成30年)1月3日には、我が国における無線通信機器についての認証を取得し(甲9)、遅くとも2018年(平成30年)12月6日から、アマゾンのショッピングサイトにて、別掲のとおりの構成からなる、「RadioLink」の文字をレタリングした標章(以下「使用標章」という。)を使用した商品の取扱いが開始されたことがうかがえる。 当該ショッピングサイト(甲10)には、使用標章を付した商品に関する情報が掲載されており、かかる商品中には無線通信機器又はそれに関連するものが含まれている。 (2)上記(1)からすると、使用標章を付した申立人の商品が、2018年12月6日以降、販売される状況であったことはうかがえるものの、使用標章の使用に係る商品(以下「申立人商品」という。)についての我が国及び外国における販売実績、売上高、市場シェア、宣伝広告の規模(宣伝広告の金額、期間、時期、回数、地域)等の詳細は不明である。 その他、引用標章及び使用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において広く認識されていたことを示す具体的な証拠はない。 そうすると、使用標章が、申立人商品に使用されているとしても、これらの使用をもって、需要者の間に広く認識されている状態にあると判断することができず、我が国及び外国における販売実績、売上高、市場シェア、宣伝広告宣伝の規模等を裏付ける証左は見いだせないから、申立人の提出に係る甲各号証を総合して考察してみても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章及び使用標章が、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。 4 本件商標と引用標章及び使用標章との類似性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「RADIOLINK」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字に相応し「ラジオリンク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 (2)引用標章及び使用標章 引用標章及び使用標章は、上記第2及び別掲のとおり、「RadioLink」の文字から構成されるところ、当該構成文字に相応して、「ラジオリンク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 (3)本件商標と引用標章及び使用標章との類否について 本件商標と引用標章及び使用標章とを比較すると、外観においては、書体等の違いはあるものの、両者は「RADIOLINK(RadioLink)」の文字つづりを同じくし、称呼においては、両者は「ラジオリンク」の称呼を共通にするものであり、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから比較することができない。 したがって、本件商標と引用標章及び使用標章とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのある類似の商標である。 5 本件商標の指定商品と申立人商品との関連性の程度について 本件商標の指定商品は、上記第1のとおり、玩具や運動用具等を主とする商品であり、玩具メーカー、運動用具メーカーが製造、販売する商品であるのに対し、申立人商品である「無線通信機器」は、通信機器メーカーが製造、販売する商品であって、同一の営業主が製造、販売するような密接な関連性はなく、需要者の範囲等も異なるものであるから、関連性の程度は低い。 6 商標法第4条第1項第10号該当性について 商標法第4条第1項第10号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するもの」と規定している。 引用標章及び使用標章は、上記3のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る商品等を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ず、本件商標と引用標章及び使用標章との類否及び本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との類否について判断するまでもなく、同号に該当しない。 7 商標法第4条第1項第15号該当性について 上記4(3)のとおり、本件商標と引用標章及び使用標章とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのある類似の商標であるから、本件商標と引用標章及び使用標章との類似性の程度は高いといえる。 しかしながら、引用標章及び使用標章は、上記3のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものであり、また、上記5のとおり、本件商標の指定商品と申立人商品との関連性の程度は低いものである。 してみれば、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用標章及び使用標章を連想、想起することはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。 その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 8 商標法第4条第1項第19号該当性について 商標法第4条第1項第19号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されているところ、上記3のとおり、引用標章及び使用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。 そうすると、引用標章及び使用標章が我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたことを前提に、本件商標は不正の目的をもって使用をするものであるとする申立人の主張は、その前提を欠くものである。 また、本件商標は、引用標章及び使用標章の構成文字と、そのつづりを同じくする類似性の程度が高い、類似する商標といえるものの、申立人提出の証拠によっては、本件商標は、引用標章及び使用標章の信用、名声に便乗するものといえないし、かつ、引用標章及び使用標章の顧客吸引力を希釈化させ、その信用、名声を毀損するなど不正の目的をもって使用をするものというべき証左は見いだせないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 9 商標法第4条第1項第7号該当性について (1)商標法第4条第1項第7号について 商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、ア その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、イ 当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、ウ 他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、エ 特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、オ 当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(平成18年9月20日知的財産高等裁判所、平成17年(行ケ)第10349号)。 (2)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、本件商標権者は他人の特徴的な商標を短期間に複数に登録出願している事実があり、このような登録出願の行為は、他者からの譲渡対価等の取得のみを目的として行われる、いわゆる商標プローカーなどによる濫用的な商標登録をする行為又は他社が商標登録出願していないことを奇貨として商標登録をした上で当該他社の営業を妨害する行為であると評価せざるを得ず、このような登録出願の一環としてなされた本件商標の登録出願は、登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するというべきであり、商標法第4条第1項第7号に該当する旨主張している。 しかしながら、上記3のとおり、引用標章及び使用標章は、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、上記8のとおり、本件商標は、引用標章及び使用標章の信用、名声に便乗するものといえず、かつ、引用標章及び使用標章の顧客吸引力を希釈化させ、その信用、名声を毀損するなど不正の目的をもって使用をするものというべき証左は見いだせない。 そして、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるようなものでないことが明らかであり、本件商標をその指定商品に使用しても社会の一般的道徳観念に反するとはいえず、また、本件商標が、他の法律によって使用が禁止されているという事実も見当たらず、さらに、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事実も見いだせない。 そうすると、申立人の主張するところを全て考慮しても、本件商標の登録出願から商標権取得に至る行為を不当ということはできないし、かつ、本件商標の登録出願が不正の目的でなされたということもできないから、本件商標を登録出願し商標権を取得した行為が著しく社会的妥当性を欠き、その登録を容認することが商標法の目的に反するということはできず、本件全証拠によっても本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する商標ということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 10 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものではなく、同項第3号、同法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するとはいえず、その登録は、同法第3条及び同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえない。 その他、本件商標の登録が、商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900401

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