商標異議申立
2022-900399
ライブトッキョチョーサ、ライブトッキョ、ライブ、トッキョチョーサ
- 審判番号
- 2022-900399
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-023679
- 登録番号
- 6589053
- 請求日
- 2022年09月26日
- 審決日
- 2024年02月28日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】正林 真之
- 【権利者代理人】林 栄二
- 【異議申立人】株式会社 イーパテント
- 【異議申立人代理人】中村 祥二
- 【異議申立人代理人】塩谷 享子
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T1651.13 -Z (W41) / T1651.272-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号商標法43条の3第2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第10条第1項、商標法第43条の3第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6589053号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6589053号商標の商標登録を取り消す。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6589053号商標(以下「本件商標」という。)は、「ライブ特許調査」の文字を標準文字で表してなり、令和2年3月23日に登録出願された商願2020-31104に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同4年3月2日に登録出願、第41類「標準化又は規格に関するセミナーの企画・運営又は開催,知的財産権の鑑定に関するセミナーの企画・運営又は開催,その他のセミナー・シンポジウム・会議・講演会の企画・運営又は開催,標準化又は規格に関する知識の教授,知的財産権の鑑定に関する知識の教授,標準化又は規格に関する資格試験の実施及び資格の認定,知的財産権の鑑定に関する資格試験の実施及び資格の認定,標準化又は規格に関する資格の付与,知的財産権の鑑定に関する資格の付与,資格試験の実施及び資格の認定・付与,知的財産権に関する財産的価値の評価方法の教授,コーチング(教育及び訓練),その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,標準化又は規格に関する電子出版物の提供,知的財産権の鑑定に関する電子出版物の提供,電子出版物の提供,オンラインによる音楽・音声・映像・画像・文字情報の提供,書籍・電子書籍・雑誌・テキスト・カタログ・パンフレット・ポスターの制作(広告・宣伝・販売に関するものを除く。),標準化又は規格に関する放送番組の制作,知的財産権に関する放送番組の制作,放送番組の制作,標準化又は規格に関するビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),知的財産権に関するビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),技術と技術革新の分野における訓練講座の実施及び講座における知識の教授,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、同年6月30日に登録査定され、同年7月19日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第38号証(枝番を含む。)を提出した。
2 商標法第3条第1項第3号又は同項第6号、及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)本件商標を構成する各文字の意味合い、使用状況について
ア 本件商標は、「ライブ特許調査」の文字を書してなり、その構成中の「ライブ」の文字部分は、「生放送。劇場・コンサートなどでの生演奏。また、音楽をその場で録音したもの」(甲2-1)を意味する語であるが、対応する英語「live」は、「(放送が)生放送の、実況中継の」や「(放送ではなく)生の、実演の」等の意味を有する形容詞又は副詞である(甲2-2)。そして、「生放送」や「生の」の文字における「生」は、「放送・配信などで録音・録画でないこと。コンサート.演劇などで直接に視聴すること。」を意味する(甲3)。
また、「特許」の文字部分は「新規で有益な発明について特許法に基づいて独占権を付与すること」(甲4)を、「調査」の文字部分は「ある事項を明確にするために調べること」(甲5)を意味する。
イ 「ライブ」の文字は、知識の教授やセミナー、講演、講座等の分野において、対面かオンラインかを問わず、生で、すなわち、録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供する行為」を指して使用されている。
例えば、「ライブセミナー」(甲6~甲8)や「ライブ診断」(甲9~甲11)、「ライブ指導」(甲12、甲14)、「ライブ授業」(甲13)、「ライブ解説」(甲15、甲16)のように使用され、「ライブセミナー」は「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供されるセミナー」、「ライブ診断」は「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される診断」、「ライブ指導」は「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される指導」、「ライブ解説」は「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される解説」であることをそれぞれ容易に看取できる。
このような「ライブ」の文字の用法は、「ライブ」単独の意味合いである「生放送。劇場・コンサートなどでの生演奏。また、音楽をその場で録音したもの」を表したものというよりも、英単語「live」(形容詞)の意味合いから無理なく導き出されるものである。
そうすると、今日において「ライブ」の文字は、知識の教授やセミナー、講演、購座等の分野において、他の語と結合して用いられることにより、対面かオンラインかを問わず、当該他の語が意味することの提供の態様、すなわち、「ライブ」の文字が、録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供されることを指しているといえる。
ウ 「特許調査」の文字は、「特許に関する情報を調査すること」を意味する言葉として一般的に使用されている(甲17~甲19)。
エ 以上から、本件商標「ライブ特許調査」は、その構成文字全体から、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」程の意味合いを容易に認識、理解し得る。
(2)指定役務の分野の状況について
特許調査の実務能力を評価する大会として、「特許検索競技大会」が2007年から開催されている(甲20)。そして、2019年6月19日に弁理士によるクレーム(特許請求の範囲)を作成する技術を競うイベントが開催された(甲21)。また、2019年10月10日に、弁理士3名がAIと対決するイベント「AIvs弁理士~商標調査対決~」が開催された(甲23)。
上記のような公開された催しの他、特許調査の知識や手法に関しては、様々なセミナーや動画配信が行われ、知識の教授がなされ(甲24~甲30)、その中には、対面で行われるもののほか(甲24)、オンラインで行われるものもある(甲25~甲30)。
そして、オンラインで行われるものについては、ライブ配信(Live配信)と表示され、リアルタイムな状態で提供されることを周知させているものもある(甲27~甲30)。
そうすると、本件商標の指定役務の分野、知的財産に関する実務について、対面かオンラインかを問わず、録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される催しや講座・セミナー等が多く存在している状況といえる。
(3)「ライブ特許調査」の文字の使用状況について
そして、「ライブ特許調査」の文字は、本件商標の登録以前から、指定役務の分野において使用されている。
例えば、「特許・情報フェア&コンファレンス2016」の出展ブースにおいて、「ライヴ特許調査:「その場で検索」」と題して特許調査の実演イベント(ミニセミナー)が開催された(甲31~甲33)。そして、「2021特許・情報フェア&コンファレンス」の出展ブースにおいて、「ライブ特許調査&ライブ特許分析」と題して、特許調査の実演イベント(ミニセミナー)が開催され(甲34~甲36),「2019特許・情報フェア&コンファレンス」においても、同様に「ライブ特許調査」が実施された(甲37)。
また、「新事業を成功に導く「知財ナビゲーター」の成果発表会」を紹介するウェブサイトにおいて「「発明ブレスト」の議論を止めずにその場で先行技術文献を調べて、示唆を得ながらさらに発明を考える「ライブ特許調査」を実践しています」との記載がある(甲38)。
以上から、本件商標の登録査定時には、指定役務の分野において、知的財産の実務に関連して、対面かオンラインかを問わず、録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される催しや講座・セミナー等が多く存在しており、また、実際に「ライブ特許調査」の文字が使用されていたということができる。
(4)商標法第3条第1項第3号又は同項第6号該当性について
本件商標は、「ライブ特許調査」の文字を標準文字で書してなるところ、上記のとおり、その構成文字全体から、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」程の意味合いを容易に認識、理解し得る。
そして、本件商標の登録査定時には、知的財産の実務に関して、知識を教授したり知識や技術を披露したりする催しや講座・セミナー等が行われている実情があり、実際に「ライブ特許調査」の文字が、その字義どおり、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」を表す語として、使用されているものといえる。
そうすると、本件商標からは、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」の意味合いが容易に認識、理解されるものである。
してみれば、本件商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」の意を理解するにすぎないというべきであるから、「セミナー・シンポジウム・会議・講演会の企画・運営又は開催」等におけるテーマや内容等を表示したもの、すなわち、その役務の質、内容を表示したものと認識するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同項第6号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、「録音・録画ではないリアルタイムな状態で提供される特許に関する情報の調査」の意味合いが容易に認識されるものであるから、前記指定役務以外の役務に使用されるときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審における取消理由
当審において、商標権者に対して、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は、同条の規定に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて取り消すべき旨の取消理由を、令和5年10月13日付けで通知した。
第4 商標権者の意見
商標権者は、上記第3の取消理由に対して、要旨次のように意見を述べ、証拠方法として、資料1から資料3を提出した。
1 商標法第3条第1項第3号に該当しない点について
(1)「ライブ○○」の語が多数使用されているからといって、本件商標の識別性がないとする何等の根拠にもならない。
すなわち、本件商標は「ライブ」と「特許調査」の語より構成されるところ、全体の意味合いを考慮するに際しては、構成中の「特許調査」、つまり特許を含む知的財産権に関する事業分野の取引の実情を考慮した上で「ライブ」の語の意味合いについて判断されるべきであって、別掲2及び別掲3で示されている実例については、いずれも特許調査とは無関係の音楽やコンサート、映像装置などで使用されている語であって、これらの本件商標とは無関係な語の意味合いを考慮することは、取引の実情を全く無視した判断である。
特に「ライブ(Live)」の語は、国語辞書及び英語辞書を徴してみると、「a.生放送、b.生演奏、c.残響があること(音が残っていること)、a.生きている、b.生の、c.燃えている、d.通電している、e.非常に反響する、f.現在有効な」等の意味合いを有している(資料1)。
そして、上記意味合いのうち、特許に関する分野における取引実情を考慮するに、特許や商標の検索表示として、権利が有効な状態を「Live」と表示し、権利が消滅する等有効でない状態を「Dead」と表示する取引実情がある。
例えば、資料2に示すように米国特許商標庁(USPTO)の商標検索サイトでは、権利の有効・消滅の検索条件を「Live」「Dead」で表示している。また資料3に示すように中国の国家知識産権局における商標検索表示において権利が登録済みで有効であることを示す際に「LIVE/REGISTRATION」の表示を使用している。これらは一例であり、知的財産に関する分野において権利が生きている(有効である)ことを示す表示として一般に使用されている実情があり、本件商標は、例えば「現在有効な権利についての特許調査」のような意味合いが想起するといえる。
(2)取消理由通知では、別掲4ないし別掲6の資料を示して、リアルタイムに特許調査が行われ、また「ライブ特許調査」の文字が使用されている実情があると指摘されたが、これらの資料を参酌してもリアルタイムに特許調査を行うことが本件商標「ライブ特許調査」であるとして一般に使用されている実情にはないことが明らかである。
すなわち、「特許調査」は「・・その発明が特許権を受ける技術的内容を有しているか、新規性や進歩性という面で特許を得る要件を満たしているかなど、先行特許や先行技術の有無などについて調査すること」(別掲4)とあり、特許を得る要件を満たしているかなどを明確にするために調べることであって「特許の文献などを調べて探しだすこと」である場合は「特許検索」であって「特許調査」とはいわない。
そして、別掲5のいずれを参酌してもリアルタイムで特許調査を行っている実情はなく、取引の実情を示す何等の根拠にもならない。
また、別掲6において「ライブ特許調査」の文字が使用されていると指摘されているが、たったの2例のみが示されているにすぎず、一般に使用されているとの根拠には到底ならない。
(3)このように「ライブ」、「特許調査」の使用例はあるものの、特許の検索式を示すことについて「ライブ特許調査」とするなど、「リアルタイム(ライブ)で行われている特許調査」の意味合いにおいて使用されている例が掲示されていないことからも明らかなように、取引上、一般に使用される可能性のない商標に関しては、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。
そして、本件商標は、その商標の構成や係る指定役務の取引分野の実清を考慮したとしても、一体不可分の一種の造語、つまり、ひとつのまとまった商標とみるのが自然であって、仮に本件商標の構成より意味合いが暗示されるとしても、それは特定の意味合いが想起されない識別性を有する「間接表示による商標」と認識し、理解するにとどまるものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第16号に該当しない点について
本件商標は指定役務との関係において、語呂のよい造語であり、役務の質を示す表示として認識されるものではなく、本件商標は、取引者、需要者をして質の誤認を生じさせるおそれがあるものといえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
第5 当審の判断
1 本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、「ライブ特許調査」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字、文字種の違い及び後述する意味合いから、「ライブ」のカタカナ3字と「特許調査」の漢字4字とを結合して一連表記したものと容易に看取、理解されるものである。
(1)「ライブ」の文字やそれに関連する取引の実情について
本件商標の構成中、「ライブ」の文字は、「生(なま)の、実況の、の意。ラジオ・テレビなどの録音・録画でない放送。」、「生中継。実況放送。(録音・録画と違って)聴衆の前で行なわれる演奏。」、「舞台での実演。」の意味を有する語として、広く一般に親しまれているものである(別掲1)。
また、辞書における「ライブ」の語の用例に、「ライブコンサート」、「ライブ録音」、「ライブ映像」、「ライブ配信」(別掲1)のような「ライブ○○」の構成からなる語の載録があり、それらの例において、前半の「ライブ」の文字は「生(なま)の、実況の、録音・録画でない、実演。」等を意味するものであって、「即時。同時。実時間。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する「リアルタイム(real time)」の語とほぼ同義のものとして使用されている。そして、各種の商品又は役務との関係において、事前に行われた録音、録画等ではなく、同時刻に対話ができる等の状態、すなわち、リアルタイム(ライブ)にて、調査をしてもらう、相談ができるサービスなどが一般に行われており、例えば、「ライブ調査」、「ライブ相談」、「ライブ修理相談」、「ライブ物件案内」、「ライブオークション」(別掲2)があるように、提供する役務等の名称に「ライブ」の文字を冠した語が、リアルタイム(ライブ)にて当該役務等が提供されるといった、役務等の質(内容)、特徴等を表すものとして、広く用いられている実情を確認することができる。
また、本件商標の指定役務に係る教育、音楽、映像の提供等に関連する業界において、前記と同様に、リアルタイム(ライブ)にて、レッスン、授業や指導を受けられるサービスなどが行われており、例えば、「ライブレッスン」、「ライブ学習」、「ライブ授業」、「ライブセミナー」、「ライブ解説」、「ライブ伝送」、「ライブ指導」、「ライブ診断」(別掲3)があるように、提供する役務等の名称に「ライブ」の文字を冠した語が、当該役務等が、リアルタイム(ライブ)にて提供されるといった、役務の質(内容)、特徴等を表すものとして、広く用いられている実情を確認することができる。
以上を踏まえると、教育、音楽、映像の提供等並びにそれら以外の商品や役務との関係において、録音、録画等ではなく、リアルタイム(ライブ)にて提供される役務等であることを表すものとして、「ライブ○○」の語の使用が広く浸透しているといえるから、役務等の名称を表す語の前に、「ライブ」の語を結合した場合は、それらの「ライブ」部分は、当該役務等がリアルタイム(ライブ)にて提供されるといった、役務等の質(内容)、特徴等を表すものであることが、一般的に認識、理解されているものということができる。
(2)「特許調査」の文字やそれに関連する取引の実情について
本件商標の構成中、「特許」の文字は「新規で有益な発明について特許法に基づいて独占権を付与すること。」の意味を、「調査」の文字は「ある事項を明確にするためにしらべること。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有するものであり、これらを合わせて表記した「特許調査」の文字は、「特許出願を行う前に、先行特許や先行技術の有無などについて調査すること。」程度を表すものとして広く用いられているものである(別掲4)。
そして、本件商標の構成中、「ライブ」の文字や「ライブ○○」の語の使用状況は上記(1)のとおりであるところ、「特許調査」との関係においても、リアルタイム(ライブ)にて「特許調査」が行われ、当該調査のための商品や役務(サービス)が販売、提供されている実情が認められ(別掲5)、また、「(リアルタイム(ライブ)にて)その場で特許の検索をする」程度を表すものとして、「ライブ特許調査」の文字が使用されている実情(別掲6、甲33)も認められる。
(3)「ライブ特許調査」の文字について
上記(1)及び(2)を総合して考慮すれば、前半に「ライブ」の文字と、後半に「特許調査」の文字とを組み合わせた「ライブ特許調査」との文字から構成される本件商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査」程度を表すと容易に認識、理解させるというべきである。
してみれば、本件商標を、その指定役務中、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査」に関係する役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務が、例えば、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査を内容とする役務」、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査のための役務」、「リアルタイム(ライブ)にて特許調査を行うための役務」に関係する役務(例えば、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査を主たる内容とするセミナーの企画・運営又は開催」、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査のための映像の提供」、「リアルタイム(ライブ)にて特許調査を行うための知識の教授」等)であること、すなわち役務の質(内容)、特徴等を表示したものと一般に認識するというべきである。
したがって、本件商標は、これをその指定役務中、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査」に関係する役務に使用するときは、役務の質(内容)、特徴等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 商標権者の主張について
(1)商標権者は、本件商標は、その構成や指定役務の取引分野の実清を考慮すると一体不可分の一種の造語とみるのが自然であって、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、教育、音楽、映像の提供等を含む本願の指定役務との関係では、録音、録画等ではなく、リアルタイム(ライブ)にて提供される役務等であることを表すものとして、「ライブ○○」の語の使用が広く浸透しているといえるから、役務等の名称を表す語の前に、「ライブ」の語を結合した場合は、それらの「ライブ」部分は、当該役務等がリアルタイム(ライブ)にて提供されるといった、役務等の質(内容)、特徴等を表すものであることが、一般的に認識、理解されているといえる。
そして、上記1(2)のとおり、「特許調査」の文字は、「特許出願を行う前に、先行特許や先行技術の有無などについて調査すること。」程度を表すものとして広く用いられているものであり(別掲4)、リアルタイム(ライブ)にて「特許調査」が行われ、当該調査のための商品や役務(サービス)が販売、提供されている実情が認められ(別掲5)、また、「(リアルタイム(ライブ)にて)その場で特許の検索をする」程度を表すものとして、「ライブ特許調査」の文字が使用されている実情(別掲6、甲33)も認められる。
そうすると、前半に「ライブ」の文字と、後半に「特許調査」の文字とを組み合わせた「ライブ特許調査」との文字から構成される本件商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として、特定の意味合いを有しない造語として認識されるというよりも、「リアルタイム(ライブ)にて行われる特許調査」程度を表すと容易に認識、理解させるものとみるのが自然である。
(2)商標権者は、語頭に「ライブ」や「Live」の文字を構成する商標の登録例を挙げ、本件商標の識別力を否定できない旨主張する。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かの判断は、商標の構成態様や指定商品又は指定役務との関係に基づいて、判断時(査定時又は審決時)の取引の実情などを考察しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標と上記登録例はその構成態様、指定役務及び判断時期が異なることから、商標権者が挙げた過去の登録例によって、本認定は左右されないというべきである。
(3)したがって、商標権者の上記の主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上により、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は、同条の規定に違反してされたものである。
したがって、本件商標の登録は、上記以外の登録異議の申立ての理由について検討するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-900399