商標異議申立
2022-900398
リキッドオキシ、オキシ
- 審判番号
- 2022-900398
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-005542
- 登録番号
- 6587268
- 請求日
- 2022年09月22日
- 審決日
- 2023年06月14日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社サンコール
- 【異議申立人】山本 順二
- 【異議申立人代理人】窪田 英一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 大森 友子
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T1651.13 -Y (W03) / T1651.272-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6587268号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6587268号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6587268号商標(以下「本件商標」という。)は、「リキッドオキシ」の片仮名を書してなり、令和4年1月20日に登録出願、第3類「染毛剤,化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年5月26日に登録査定され、同年7月14日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立の理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録が取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標が商品の品質等を普通に用いられる方法で表示したものであること
(1)本件商標中の「リキッド」の語は、「液体」を意味する平易な英単語(liquid)を片仮名で記載したものであって(甲2)、「リキッド」は化粧品に関する商品の取引者や需要者に慣れ親しまれた言葉であり、取引者や需要者は「リキッド」は「液体」を示す言葉であることを認識する(甲3)。
(2)また、本件商標の指定商品中、「染毛剤」を扱う理美容業界では、酸化剤として過酸化水素水を含む酸化染毛剤が用いられており、そのような過酸化水素水を含有する酸化染毛剤を指す用語として「オキシ」の語が使用されている。したがって、取引者や需要者は、本件商標中の「オキシ」の語は、「過酸化水素水を含有する酸化染毛剤」であることを示す言葉であることを認識する。
実際、「オキシ」の語が過酸化水素水を含有する酸化染毛剤を示す言葉として用いられている例が相当数ある(甲7~甲24)。
なお、「オキシ」と称される過酸化水素水を含有する酸化染毛剤は通常液体である(甲11~甲14、甲17、甲19~甲21、甲23)。よって取引者、需要者は「リキッドオキシ」に接したときに、これが液体状の「オキシ」、すなわち液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤を意味することに困難はなく、むしろ一般にこのように認識するといえる。
(3)したがって、本件商標は、その指定商品中、「染毛剤」との関係では「液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤」のための商品であることを取引者、需要者に認識させ、商品の品質、効能及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。さらに、本件商標が「液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤」以外の商品に使用された場合には、その商品の品質に誤認を生じさせるおそれがある。
2 過去の拒絶例
以上に加えて、第3類「せっけん類,化粧品」等を指定商品として、液体であることを示す「リキッド」「LIQUID」と商品の品質などを示す識別力の乏しい他の語を組み合わせた結合商標についてはその商標全体も商品の品質などを表示するに過ぎず商標法第3条第1項第3号に該当し、そのような商品以外の商品に使用されたときは、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるため同法第4条第1項第16号の規定に該当するとして、拒絶査定がされた先例が認められる(甲25~甲27)。
3 小括
以上から、本件商標は、その指定商品「染毛剤」に使用された場合、取引者、需要者には「液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤」である商品と理解されるにすぎず、商品の品質、効能及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるため、商標法第3条第1項第3号に該当する。
現在に至るまででも「オキシ」について相当数の使用例があるように、「オキシ」は今後も本件商標の指定商品を取り扱う業界において何人も使用が欲されている語であって、本願商標は単に「オキシ」が液体状であることを示すに過ぎないから、特定人にその独占使用を認めることは公益上適当ではない。
さらに、本件商標が「液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤」以外の商品に使用されれば、商品の品質について誤認が生じるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性
(1)本件商標は、上記第1のとおり「リキッドオキシ」の片仮名を書してなるところ、この構成中の「リキッド」の文字は「液体」等の意味(「広辞苑第七版」岩波書店)を有する文字であり、また、申立人の提出する証拠によれば、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品」を取り扱う業界において、液状であるという製品の剤型を表す文字として使用されていることが認められる(甲3)。そして、「オキシ」の文字は、化粧品の範ちゅうの商品である「染毛剤」を取り扱う業界において、「過酸化水素」を表す語として使用されていることが認められ、さらに、当該過酸化水素の濃度を表す文字として「オキシ△%」の表示や、過酸化水素を含有する染毛剤の商品名として「○○オキシ」のように使用されていることがうかがえる(甲7~甲24)。
(2)申立人は、「オキシ」(過酸化水素水)を含有する酸化染毛剤は、通常液体であるから、本件商標である「リキッドオキシ」に接した取引者、需要者は、これが液体状の「オキシ」、すなわち液体状の、過酸化水素水を含有する酸化染毛剤を意味することに困難はなく、むしろ一般にこのように認識するといえる旨主張する。
(3)しかしながら、「リキッドオキシ」の文字に接する需要者、取引者において、当該文字が「液体」の意味を有する、あるいは「液体の製品」であることを示す「リキッド」の文字と、過酸化水素を表す文字であることを示す「オキシ」の文字を結合したものと認識するとしても、当該過酸化水素は通常液体であるから(職権調査)、液体である「オキシ」の語頭にあえて、「リキッド」の文字を付して「リキッドオキシ」としたときには、当該文字全体から生じる意味合いがかえって漠然としたものとなり、商品の具体的な品質等を表すものとは認められない。
また、申立人の提出した証拠に加え、当審において職権をもって調査するも、本件商標の登録査定時において「リキッドオキシ」の一連の文字が具体的な商品の品質を表示するものとして取引上一般に採択、使用されている事実を見いだすことはできず、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
(4)そうすると、本件商標は、その登録査定時において、これをその指定商品に使用しても、商品の品質、効能及び用途を表示するものとはいえないものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第16号該当性
本件商標は、上記1のとおり本件商標の指定商品の具体的な品質を表示するものではないから、これをその指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
3 申立人の主張について
申立人は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした過去の審決例及び拒絶理由例(甲24~甲27)を挙げて、本件商標も同号に該当する旨主張している。
しかしながら、これらの審決例及び拒絶理由例は、本件商標と構成文字が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1及び2の認定判断が左右されるものではない。
したがって、申立人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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