審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2022-900390

ポジティブニンチコードーリョーホーシ、ポジティブニンチコードーリョーホー、ポジティブ

審判番号
2022-900390
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-061109
登録番号
6583014
請求日
2022年09月14日
審決日
2023年09月07日
公報発行日
2023年11月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会
  • 【異議申立人】北沢 晶子
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 山根 まり子
分類
T1651.13 -Y (W41) / T1651.272-Y (W41) / T1651.261-Y (W41) / T1651.262-Y (W41) / T1651.263-Y (W41)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6583014号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6583014号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6583014号商標(以下「本件商標」という。)は、「ポジティブ認知行動療法士」の文字を標準文字で表してなり、令和3年5月6日に登録出願、第41類「肯定的な心理学および肯定的な認知行動療法に関わる理論とその実践技法の教授,資格の認定及び資格の付与,資格取得のための講義・実習・試験の企画・運営又は開催」を指定役務として、同4年2月17日に登録査定され、同年7月6日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第5540766号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「行動療法士」の文字を標準文字で表してなる商標 登録出願日:平成24年4月10日 設定登録日:平成24年12月7日 指定商品及び指定役務:第16類、第35類、第38類及び第41類ないし第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 2 登録第6287192号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「認知行動療法師」の文字を標準文字で表してなる商標 登録出願日:平成31年2月28日 設定登録日:令和2年9月2日 指定役務:第41類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、引用商標という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について (1)書籍における「行動療法」等に関する記載について ア 行動療法が変遷してきたことは周知の事実である(甲4~甲7)。 イ 甲第6号証には、「認知行動療法では、患者の認知的要因である思考、態度、信念などは患者自身のコントロール下にあるという考え方のもとに、その治療的働きかけにおいて伝統的な行動療法よりも、より患者のセルフコントロール力にウエイトが置かれ、かつ問題行動なり症状の克服だけでなく、その克服過程をも組織的に学ぶ面が強い」と、認知行動療法が、よりポジティブな面に着目するようになってきていることが示されている。 ウ 甲第7号証には、認知行動療法が行動療法の一種であることが示され、「陰性negative感情」による苦悩を軽減すること(つまりpositive認知行動療法)について言及がある。 エ 甲第8号証には、Cognitive-behavioral therapy(認知行動療法)について、基本的な説明があり、認知行動療法が問題解決を中心としたものから、よりポジティブなものへと変化してきていることが記載されている。 オ 甲第9号証には、「ポジティブ認知行動療法」は、認知行動療法の業界において非常に一般的に使用されている言葉であり、何ら識別力を有しない言葉であり、具体的には、「人がどんな問題に直面しているか」ではなく「人がどう進むことが正しいか」に注目したセラピーである、と説明がある。 カ 上記を踏まえると、「ポジティブ認知行動療法士」についても、識別力がないものと言わざるを得ない。 (2)小活 本件商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質を表示した語と認識するに止まるから、自他役務識別標識としての機能を果たし得ず、また、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について 引用商標は、引用商標権者により、長年使用され、十分な信用が化体している。 そして、認知行動療法は、行動療法から派生したものであり、行動療法の一種であるため(甲4~甲9)、本件に係る「ポジティブ認知行動療法士」も、行動療法士の一種と言うことができる。また、本件商標は、引用商標と、称呼も観念も外観も類似している。 したがって、本件商標は、引用商標と混同を生じさせるものであることは明らかであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記第1のとおり、「ポジティブ認知行動療法士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものである。 また、本件商標の構成中、「ポジティブ」の文字は「積極的。肯定的。」等の意味を、「認知行動療法」の文字は「心理療法の一つ。議論や問題解決的な思考などを通じて認知の歪みを修正する。」等の意味を、「士」の文字は「一定の資格・役割をもった者。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であるが、構成各文字の語義を結合した場合にその意味合いは漠然とし、具体的な意味合いを認識させるとは言い難いものであるから、その構成文字全体で特定の意味を有する成語となるものではないとみるのが相当である。 そして、申立人提出の証拠において、臨床心理学の学問分野における英語の書籍や記事(甲8、甲9)に、「認知行動療法が問題解決を中心としたものから、よりポジティブなものへと変化してきていること」や、「ポジティブ認知行動療法」と訳され得る何らかの治療法について記載があり、また、同分野における日本語の書籍(甲4~甲7)に、認知行動療法がよりポジティブな面に着目するようになってきている旨などの「認知行動療法」等に係る説明が一部に記載されていることがうかがえる。 しかしながら、これらの申立人提出の証拠は、いずれもその学問分野の専門的な者に向けたものであり、例え、「認知行動療法」に関する事項においてポジティブな面が着目される場合がある等の記載が一部にあるとしても、その内容は判然としないものである。加えて、一部の書籍は外国語によるものであって、我が国における指定役務の一般的な需要者等を対象としているとは言い難いものであるし、また、「ポジティブ認知行動療法士」の語が使用されている例は見いだせないから、当該証拠によっては、「ポジティブ認知行動療法士」の文字が、需要者等に、どのように看取されるのかを具体的に把握することができない。 そして、当審において職権を持って調査したところ、本件商標の指定役務を取り扱う業界において、「ポジティブ認知行動療法士」の文字が、役務の質等を直接的に表示するものとして取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実は見いだせず、需要者等に、当該文字を、役務の質等を表示したものと認識させるというべき事情も発見できない。 してみれば、本件商標は、その指定役務との関係において、役務の質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その指定役務との関係において、役務の質等を表示するものということはできず、かつ、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「ポジティブ認知行動療法士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、本件商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。 そして、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、上記1のとおり、各語の語義を結合した意味合いは漠然とし、具体的な意味合いを認識させるとは言い難いものであるから、その構成文字全体で特定の意味を有する成語となるものではなく、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に照応して「ポジティブニンチコードーリョーホーシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標1について 引用商標1は、「行動療法士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、引用商標1は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。 そして、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものともいえないことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標1は、その構成文字に照応して「コードーリョーホーシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (3)引用商標2について 引用商標2は、「認知行動療法師」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、空白なく、等間隔に表されており、視覚上、まとまりよく一体的に看取されるものであるから、本件商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。 そして、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものともいえないことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標2は、その構成文字に照応して「ニンチコードーリョーホーシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (4)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標と引用商標とを比較すると、これらは、上記(1)ないし(3)のとおり、それぞれ構成する文字数が12文字と、5文字又は7文字と、明らかに相違することから、両者の外観は、明確に区別し得るものであって、相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては、本件商標から生じる「ポジティブニンチコードーリョーホーシ」の称呼と、引用商標1から生じる「コードーリョーホーシ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ16音又は9音で構成されるものであって構成音数が相違し、かつ、語頭の「ポジティブニンチ」の音の有無に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、相紛れるおそれのないものである。 また、本件商標から生じる称呼と、引用商標2から生じる「ニンチコードーリョーホーシ」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ16音又は12音で構成されるものであって構成音数が相違し、かつ、語頭の「ポジティブ」の音の有無に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、相紛れるおそれのないものである。 ウ 観念においては、本件商標と引用商標からは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 エ 以上からすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して勘案すれば、類似しない商標というべきである。 (5)小括 以上によれば、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同項第11号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-900390

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存