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商標異議申立

2022-900372

ドダイビヨーエキ、ドダイ、キャロリーヌ、キャロライン、カロライン

審判番号
2022-900372
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-036552
登録番号
6576238
請求日
2022年08月30日
審決日
2023年06月26日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社イノス・ジャポン
  • 【異議申立人】花王 株式会社
  • 【異議申立人代理人】小川 雅也
審判長/審判官
  • 審判長 豊瀬 京太郎
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T1651.261-Z (W03) / T1651.262-Z (W03) / T1651.263-Z (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6576238号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6576238号商標の商標登録を取り消す。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6576238号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「土台美容液」の漢字と「caroline」の欧文字を上下2段に表してなり、令和4年3月30日に登録出願、第3類「美容液」を指定商品として、同年6月15日に登録査定され、同月22日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5799159号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「SOFINA」の欧文字と「土台美容液」の漢字を上下2段に表してなり、平成27年4月24日に登録出願、第3類「美容液」を指定商品として、同年10月9日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 2 申立人が、本件登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章は、引用商標及び「土台美容液」の文字からなる標章(以下「土台美容液」標章という。)であり、商品「美容液」に使用し、我が国の需要者、取引者の間に広く認識されていると主張するものである。 第3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第46号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1) 本件商標について 本件商標は、上段に漢字表記「土台美容液」、下段に欧文字表記「Caroline」の語を配してなる2段併記の商標である。 その構成中、上段と下段は文字種を異にすること、また、下段に比して上段「土台美容液」が極めて大書されていることから視覚上分離して看取される。 また、上段「土台美容液」部分は構成全体で大きな面積を占めることから強く支配的な印象を与え、該部分が看者の注意を最も強く引く部分である。 さらに、上段の「土台美容液」は既成語として一般の国語辞書に記載が見受けられず(甲3)、取引者・需要者層においては特定の観念を生じさせない一種の造語商標と認識されるものである。その場合、上段の「土台美容液」の文字部分は、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることから、その構成文字に相応して、「ドダイビヨウエキ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、上段に欧文字表記「SOFINA」、下段に漢字表記「土台美容液」の語を配してなる2段併記の商標である。 引用商標の構成中、上段の「ソフィーナ(SOFINA)」部分は申立人の製造販売する代表的な化粧品ブランド名である(甲4)。 そして、下段の「土台美容液」は既成語として一般の国語辞書に記載が見受けられず(甲3)、取引者・需要者層においては特定の観念を生じさせない一種の造語と認識されるものである。 また、後述するように、化粧品分野の取引者、需要者層においては「土台美容液」は申立人に係る標章として周知性を獲得しており、「土台美容液」部分は識別標識として強く機能しているものである。 以上を考慮すると、引用商標の構成中「土台美容液」部分から「ドダイビヨウエキ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標の外観を比較すると、構成する文字に差異があるものの、本件商標の要部である「土台美容液」と引用商標の「土台美容液」の文字部分を共通にするものであることから、両者は、似通った印象を与え外観において類似する。 次に、称呼を比較すると、両者は、「ドダイビヨウエキ」の称呼を共通にする。 さらに、観念を比較すると、両者は、共に特定の観念を生じないものであるから、観念については比較することができないものである。 以上を考慮すると、本件商標と引用商標の「土台美容液」の文字部分は、観念は比較できず、外観において近似した印象を与え、同一の称呼が生ずるものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似商標に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号について (1)「土台美容液」は周知性を獲得していること ア 申立人の使用状況について (ア)申立人は、「ソフィーナ(SOFINA)」のブランド名で1982年に発売を開始して以来、現在に至るまでの間、長年にわたり、基礎化粧品の製造販売を継続している(甲5~甲7)。 そして、「SOFINA」ブランドの傘下に、「土台美容液」標章を2015年から現在に至るまで、商品「美容液」に使用している。 (イ)申立人は「SOFINA」ブランドの「SOFINA iP」シリーズの商品として、2015年11月13日に一部店舗で商品「美活パワームース(土台美容液)」を先行販売し、2016年1月より全国の百貨店で(甲8)、同年9月13日より全国の総合スーパーやドラッグストアで販売を開始した(甲9)。その品質の高さから世間の注目を得て各種メディアで「土台美容液」の特集が組まれ(甲10、甲11)、2015年から2017年にかけて、各種メディアにおいて化粧品に関するランキングの上位に順位付けされた(甲12~甲17)。 (ウ)申立人は、2016年9月から2017年12月の期間の国内の美容液市場(美白を除く)で売り上げ1位であったこの「土台美容液」を改良し、2018年9月11日より「ベースケアエッセンス(土台美容液)」として新発売し(甲18)、日本国内の他、台湾、香港、シンガポール、中国でも順次展開し(甲19)、2018年11月6日には、初代「土台美容液」ともいえる「美活パワームース(土台美容液)」と合わせて累計出荷本数が400万本を突破し(甲20)、現在は「ベースケアセラム(土台美容液)」と名称を変え、販売を継続している(甲21)。 該商品も需要者より人気を得て、2018年から2021年にかけて、各種メディアにおいて化粧品に関するランキングの上位に順位付けされ(甲22~甲30)、2022年においてもランキングの上位に順位付けされている(甲31)。 (エ)販売地域に関しては、過去販売していた「美活パワームース(土台美容液)」、「ベースケアエッセンス(土台美容液)」や、現在販売している「ベースケアセラム(土台美容液)」は、日本全国で販売されており、取扱う販売店も百貨店、総合スーパー、ドラックストア等多数に上る。 なお、具体的な出荷金額や出荷数量の情報に関しては、申立人の高度な営業秘密に属しており、開示は困難なものの、出荷金額や出荷数量、エリア別出荷実績に関し、マスキング処理を施した資料を提出する(甲32、甲33)。 イ 「土台美容液」に関する宣伝広告及び第三者の記事等について 申立人は「土台美容液」に関して、テレビCM、SNS等各種メディアで幅広く広告を展開しており、その一例として2016年から2022年にかけて行った広告の一部について以下に述べる。 (ア)甲第34号証として提出する資料は、2016年から2022年に行った広告の内容が把握できる画像が掲載された資料である。該広告において「土台美容液」が目立つ態様で使用されている。 (イ)甲第35号証は2018年6月から2022年5月まで行ったキャンペーンやモニター企画に関する内容が把握できる画像が掲載された申立人作成の資料である。該画像ではいずれも「土台美容液」が十分視認できる態様で使用されている。 また、「土台美容液」はその品質の高さから評判を得て、世間の耳目を集め様々なメディアや媒体、消費者の一である著名人のSNS、YouTube等に取り上げられている。 (ウ)甲第36号証として提出する資料は、各種メディアでの「化粧品」に関する特集記事や著名人の愛用品としての紹介記事、著名人のSNS等においても取り上げられた事実、及びその内容が把握できる画像が掲載された資料である。 (エ)甲第37号証及び甲第38号証として提出する資料は、M氏が愛用する化粧品についての紹介を内容とする記事であり、申立人の商品「土台美容液」が紹介されている。 (オ)甲第39号証として提出する資料は、Y氏が愛用する化粧品についての紹介を内容とする記事であり、申立人の商品「土台美容液」が紹介されている。また同氏のYouTubeでも申立人の商品「土台美容液」を紹介している(甲40)。 (カ)甲第41号証として提出する資料は、K氏が申立人の商品「土台美容液」を解説している記事であり、同氏のYouTubeでも申立人の商品「土台美容液」を名品として紹介している(甲42)。 ウ 小括 以上のとおり、申立人は2015年から継続して「美容液」の表示として「土台美容液」を使用していること、また相当量の広告費を費やし、強力な宣伝広告に努めていることは明らかである。また様々な媒体や著名人等によっても申立人の商品である「土台美容液」が取り上げられていること等を考慮すると、現在「土台美容液」は、申立人の提供する商品を識別する標識として機能し、一定の周知性を獲得するに至っていることは明らかである。 (2)本件商標との類否 本件商標は、上段の「土台美容液」の文字部分が下段に比して極めて大書されていることから、その構成中「土台美容液」部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。 本件商標の要部である「土台美容液」は、申立人の「美容液」を示すものとして広く認識されている「土台美容液」と称呼及び外観を同一にする類似の商標であり、指定商品も「美容液」と同一である。 したがって、本件商標は、申立人の商品「美容液」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「土台美容液」標章と類似する商標であって、その商品と同一の商品について使用する商標であることから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。 3 商標法第4条第1項第15号について 「土台美容液」は、申立人の「美容液」の表示として2015年から現在に至るまで使用されていること、及び認知度向上のため2015年の販売当初から現在に至るまで多くの宣伝広告を行ってきたことは、上述のとおりであり、上記より申立人が商品「土台美容液」を継続して提供していること、及び、その強い出所識別機能が現在に至るまで継続していることが把握できる。 上記を考慮すると、本件商標の指定商品「美容液」においては、引用商標及び「土台美容液」標章は取引者・需要者の間に広く認識され、全国的に著名性を獲得していることは明白である。 さらに、「土台美容液」は申立人の創作に係る造語であって、その独創性は消費者の感想でも「あまり聞きなれない」や「スゴイ」と記載されていること、申立人の商品を紹介するウェブサイトでも「土台美容液のネーミングはとても秀逸で」と記載されていることからも明らかである(甲43~甲45)。 本件商標は、引用商標及び「土台美容液」標章と同一の指定商品である「美容液」を指定していること、その構成中に申立人の「美容液」を表示するものとして広く認識されている「土台美容液」の文字を有していることから、本件商標を付した美容液が市場に投入された場合、申立人との間で現実の出所の混同が生ずる恐れは極めて高いものといわざるを得ない。 また、独立行政法人工業所有権情報・研修館の提供による、J-Platpatの商標出願・登録情報データにおいて、構成中に「土台美容液」の語を有する商標は、全区分で申立人の商標、他者によるものとしては本件商標の商標権者による2件のみである(甲46)。 これらの登録例に鑑みても、特許庁の審査実務ではその構成中に「土台美容液」の文字を有する場合、申立人の提供する商品「美容液」との間で現実の出所の混同が生ずる恐れが高いと認められていたことから、第三者による「土台美容液」の文字を含む商標の登録を認めていなかったことの証左ともいえるものである。本件商標についてこれと異なる解釈をする合理的理由は存しないものである。 第4 取消理由の通知 当審において、商標権者に対し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の3第2項の規定に基づいて、取り消すべきである旨の取消理由を令和5年3月23日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。 第5 商標権者の意見 上記第4の取消理由に対し、商標権者は、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)商標の類否について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、上段に「土台美容液」の漢字を大きく、下段に「caroline」の欧文字を小さく表してなるものであり、両文字部分が2段に重なり合うこともなく配置されていることから、外観上分離して看取されるものである。 そして、「土台美容液」及び「caroline」の両文字は、いずれも本件商標の指定商品「美容液」との関係において、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、両文字の間に観念的なつながりがあるものとはいえない。 そうすると、本件商標は、その構成中「土台美容液」と「caroline」の両文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものであり、「土台美容液」と「caroline」の各文字部分が独立して商品の出所識別標識として機能し得るものであって、それら文字部分をそれぞれ要部として抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成中の「土台美容液」の文字に相応して「ドダイビヨウエキ」の称呼をも生じ、また、当該文字は辞書等に載録のない文字であることから、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、上段に「SOFINA」の欧文字を、下段に「土台美容液」の漢字を表してなるものであり、両文字部分が2段に重なり合うこともなく配置されていることから、両文字は外観上分離して看取されるものである。 そして、「SOFINA」及び「土台美容液」の両文字は、いずれも引用商標の指定商品「美容液」との関係において、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、両文字の間に観念的なつながりがあるものとはいえない。 そうすると、引用商標は、その構成中「SOFINA」と「土台美容液」の両文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものであり、「SOFINA」と「土台美容液」の各文字部分が独立して商品の出所識別標識として機能し得るものであって、それら文字部分をそれぞれ要部として抽出し他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものと判断するのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成中の「土台美容液」の文字に相応して「ドダイビヨウエキ」の称呼をも生じ、また、当該文字は辞書等に載録のない文字であることから、特定の観念を生じないものある。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 上記ア及びイのとおり、本件商標と引用商標は、いずれもそれらの構成中「土台美容液」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、その要部である「土台美容液」の文字部分について、観念において比較できないとしても、「ドダイビヨウエキ」の称呼を共通にし、その文字のつづりを共通にすることから、外観において近似した印象を与えるものであり、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。 (2)指定商品の類否について 本件商標の指定商品及び引用商標の指定商品は、上記第1及び第2のとおり、いずれも第3類「美容液」であるから、両者は同一の商品である。 (3)小括 したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一の商品について使用をするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同項第10号及び第15号該当性について判断するまでもなく、同法43条の3第2項の規定により、その登録は、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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