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商標異議申立

2022-900339

ユナイテッドアローズゴルフ、ユナイテッドアローズ、ユナイテッド、アローズ

審判番号
2022-900339
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-123419
登録番号
6563938
請求日
2022年08月08日
審決日
2023年06月14日
公報発行日
2023年07月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ユナイテッドアローズ
  • 【権利者代理人】田中 克郎
  • 【権利者代理人】稲葉 良幸
  • 【権利者代理人】廣中 健
  • 【権利者代理人】小林 彰治
  • 【異議申立人】フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
  • 【異議申立人代理人】江崎 光史
  • 【異議申立人代理人】佐久間 洋子
  • 【異議申立人代理人】田崎 恵美子
  • 【異議申立人代理人】高橋 正宏
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1651.271-Y (W18242528)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6563938号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6563938号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6563938号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和3年10月5日に登録出願、第18類、第24類、第25類及び第28類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として、同4年5月12日に登録査定、同月31日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第1231859号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「Golf」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和48年11月29日 優先権主張:ドイツ連邦共和国1973年(昭和48年)5月29日 設定登録日:昭和51年11月4日 指定商品:第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成19年4月4日書換登録) 2 登録第1661545号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「Golf」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和48年11月29日 設定登録日:昭和59年2月23日 指定商品:第7類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成16年7月14日書換登録) 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第15号について (1)本件商標について 本件商標は、「UNITED ARROWS Golf」の欧文字及び図形からなるところ、文字部分「UNITED ARROWS Golf」は、商標としては冗長であり、その全体から生じる「ユナイテッドアローズゴルフ」の称呼も13音と冗長である。加えて、本件商標中の図形は非常に小さく表されていること、「UNITED ARROWS」が一般的な書体で小さく書されている一方で「Golf」は筆記体調であり、「Golf」の文字は縦の長さが「UNITED ARROWS」の3.5倍と目立つ態様で表されている。そして、後述するように、引用商標は、申立人が長年商品「自動車」について使用した結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者・取引者間において、申立人の取扱いに係る商品「自動車」を表示する商標として周知著名となっているので、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標中の「Golf」の文字部分から、申立人の自動車「Golf」を難なく連想、想起する。したがって、本件商標の指定商品との関係においては、「Golf」の文字部分が、本件商標の自他商品識別標識として機能する部分(商標の要部)である。 (2)引用商標の周知著名性について ア 申立人が製造・販売する、引用商標が使用された自動車(以下「使用商品」という。)は、1974年に生産を開始し、39年間で累計生産台数3000万台を達成(2013年6月)し、45年目で3500万台超を生産した申立人の主力車種であり、欧州メーカー車において累計生産台数が3000万台に到達した車種は、「Golf」が初めてである(甲4)。 イ 使用商品は、1975年に日本での輸入販売が開始されて以来、47年目を迎える今日(2022年)に至るまで、継続的に日本国内において販売されている(甲6~甲8)。 ウ 使用商品の日本での販売実績は、外国メーカー車モデル別新車販売台数が、2015年までに28年連続して第1位であって(甲9、甲10)、その後も常時トップ3に位置し(甲10)、中古車市場においても根強い人気があり全国的に流通している(甲11、甲12)。 エ 使用商品は、申立人の子会社「フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社」(略称:VGJ)が全国に展開する正規ディーラー(甲13)をはじめとして、自動車を取り扱う販売店(中古車販売店を含む)にて販売されている(甲11、甲12)のみならず、販売された車が購入者等の駐車場に置かれ、また市中を始め日本各地で使用され走行しているから、需要者・取引者のみならず一般人も目にする馴染みのものとなっている。 オ 使用商品は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、第25回(2004-2005年)のインポート・カー・オブ・ザ・イヤー及び第28回(2007-2008年)の特別賞等を受賞している(甲14~甲18)。 カ 「英和商品名辞典」に「Golf」「ゴルフ」は、申立人の製造する乗用車として記載され(甲19)、「新英和大辞典」にも同様の記載がある(甲20)。 キ 我が国において、使用商品に関する雑誌や書籍は数多く出版されており、またモデルチェンジ等の最新動向は常に注目を集め、雑誌やインターネットの記事で紹介されている(甲4、甲5、甲7、甲8、甲21~甲23)。 ク J-PlatPatにおいて、引用商標1は、日本国周知・著名商標と認定されている(甲24)。 ケ 以上の事実からしても、「Golf」「ゴルフ」の文字は、本件商標の登録出願時には、既に申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として、自動車関連業界の取引者、需要者のみならず、一般人においても周知著名であり、その周知著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたことは疑念のないところである。また、「Golf」の文字からなる引用商標は、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標「Golf」と実質的に同一といえるものであるから、引用商標も、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するものとして、自動車関連業界の取引者、需要者だけではなく、一般人の間にも広く認識されていた。 (3)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標の構成中、独立して自他商品識別標識として機能する「Golf」と引用商標は、書体の違いはあるものの、つづりを同じくするところからすれば、両商標は、外観上において類似している。 イ 本件商標の要部「Golf」からは「ゴルフ」の称呼が生じ、引用商標からも「ゴルフ」の称呼を生じるので、両商標は、称呼を共通にする。 ウ 引用商標が申立人の周知著名な自動車の名称であることからすれば、本件商標及び引用商標からは、共通して「申立人の業務に係る周知著名な自動車としてのGolf(ゴルフ)」の観念が生じる。 エ 以上を総合すると、本件商標は、引用商標と外観が類似し、称呼と観念を共通にする類似の商標である。 (4)申立人の商品と混同を生ずるおそれについて ア 引用商標は、前記したとおり、申立人が長年にわたり使用した結果、本件商標の登録出願時から本件商標の査定時に至るまで、需要者・取引者間において申立人の取扱いに係る商品「自動車」を表示する商標として、広く認識され周知著名となっている。また、申立人自身あるいは使用許諾を与えた者が、本件商標の指定商品に含まれている様々な商品を製造・販売している(甲25~甲27)。 イ そうすると、本件商標は申立人の周知著名な引用商標に類似する商標であるので、本件商標に接する需要者・取引者は、申立人の周知著名な引用商標を容易に連想又は想起し、本件商標に係る商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に関わる商品であると捉えるから、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるといえる。 2 むすび 上記したとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性について ア 申立人の提出した証拠、同人の主張及び職権調査によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、欧州最大手の自動車メーカーであって、引用商標を使用した使用商品(自動車)は、申立人が1974年に生産を開始し、2013年6月に、欧州メーカー車としては初めてとされる累計生産台数3000万台を達成、45年間で3500万台超を生産した、申立人の主力車種である(甲4、甲5)。 (イ)使用商品は、1975年に日本での輸入販売が開始されて以来、2022年に至るまで、継続的に日本国内において販売されている(甲6~甲8)。 (ウ)使用商品の日本での販売実績は、外国メーカー車モデル別新車販売台数では、「ゴルフシリーズ」が2015年まで28年連続で第1位となっており(甲9、甲10)、その後もトップ3に位置している(甲10)。 (エ)使用商品は、申立人の子会社であるVGJ社が展開する正規ディーラーをはじめとして、自動車を取り扱う販売店(中古車販売店を含む。)において、全国的に販売されている(甲11~甲13)。 (オ)使用商品は、市販を前提として日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀な車を選定する「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、第25回(2004年-2005年)、第30回(2009年-2010年)及び第42回(2021年-2022年)のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに、第28回(2007-2008)の特別賞に、第34回(2013-2014)には輸入車として初めて日本カー・オブ・ザ・イヤーに、それぞれ選定された(甲14、甲15の1・2)。 (カ)「英和商品名辞典」(初版 株式会社研究社発行)及び「新英和大辞典」(第6版 株式会社研究社発行)において、「Golf(ゴルフ)」が、申立人の製造する小型乗用車として掲載されている(甲19、甲20)。また、使用商品に関する雑誌やこれを特集した雑誌や書籍が、本件商標の登録出願前に複数発行され、また、使用商品に関するモデルチェンジ等の最新動向が、雑誌やインターネットの記事で紹介された(甲4、甲5、甲7、甲8、甲21~甲23)。 イ 上記アによれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていたとみるのが相当である。 (2)本件商標と引用商標の類似性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、「UNITED ARROWS Golf」の文字及び図形からなるところ、その構成中、「UNITED ARROWS」の文字と「Golf」の文字とは、文字の大きさ、書体において相違することから、視覚的に分離して看取されるものである。また、「Golf」の文字の右下部分に配された図形は、仔細に視認し難いほど小さく付記的に表されたものであって、自他商品の識別標識として機能を発揮する部分とは認識されないものとみるのが相当である。 そして、本件商標の構成中の「UNITED」の文字は「団結した、結束した」(ベーシックジーニアス英和辞典第2版 株式会社大修館書店)の意味を有する語であり、「ARROWS」の文字は「(弓矢の)矢」(前掲書)の複数形を表す語であるが、これらを一連に表した「UNITED ARROWS」の文字は、辞書類に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを有するものとして一般に認識されているというような事情も見いだせないことから、一種の造語として認識されるものであって、自他商品識別標識としての機能を十分に有する部分といえる。 他方、本件商標の構成中、「Golf」の文字は、スポーツとしての「ゴルフ」(前掲書)の意味を有する平易な英語であって、本件商標の指定商品中、「ゴルフ用具,ゴルフバッグ(車付、車のないもの),ゴルフ用手袋」等、ゴルフに適した商品が含まれるところ、その指定商品との関係においては、「Golf」の文字部分は、自他商品識別標識としての機能が比較的弱い部分というべきである。 そうすると、本件商標は、その構成中、「UNITED ARROWS」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、当該文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、本件商標は、構成文字全体に相応して、「ユナイテッドアローズゴルフ」の称呼を生じるほか、構成中の「UNITED ARROWS」の文字部分に相応して「ユナイテッドアローズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は、前記第2のとおり、いずれも「Golf」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「ゴルフ」の称呼を生じ、該文字は、上記アのとおり、スポーツとしての「ゴルフ」の意味を有する語であり、かつ、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するものとして広く認識されていることから、スポーツとしての「ゴルフ」及び「自動車のGolfブランド」の観念が生じる。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とは、その構成中の「Golf(GOLF)」の文字のつづりを同じくするとしても、両者は、「UNITED ARROWS」の文字及び図形の有無に差異を有するものであるから、両者は外観上判然と区別できるものであり、相紛れるおそれはない。 また、本件商標は、「ユナイテッドアローズゴルフ」及び「ユナイテッドアローズ」の称呼を生じ、引用商標は、「ゴルフ」の称呼を生じるところ、両者は音構成及び音数において明らかに相違し、明確に聴別できるものであるから、称呼上相紛れるおそれはない。 さらに、本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、スポーツとしての「ゴルフ」及び「自動車のGolfブランド」の観念が生じるから、両者は、観念においても相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものであるから、両者の類似性の程度は低いものである。 (3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性、需要者の共通性 申立人自身あるいは使用許諾を与えた者が、本件商標の指定商品に含まれるミニカー等を製造・販売している例がある(甲25~甲27)としても、本件商標の指定商品は、主にファッション関連商品や生活用品であって、申立人の業務に係る自動車とは、その生産部門や流通経路を異にするものであって、これらの商品について、互いに関連性が高いとはいえず、これらの商品の需要者も、必ずしも共通するものではない。 (4)出所の混同のおそれについて 上記(1)ないし(3)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る自動車を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標と引用商標の類似性の程度は低く、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る自動車とは、商品の関連性が高いものともいえず、需要者も必ずしも共通するものでもないことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人の業務に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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