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商標異議申立

2022-900329

ドッグメンタリスト、メンタリスト

審判番号
2022-900329
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-107706
登録番号
6563120
請求日
2022年08月05日
審決日
2023年02月01日
公報発行日
2023年03月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ペットコミュニティハウス
  • 【異議申立人】北村 嘉啓
  • 【異議申立人代理人】永田 元昭
  • 【異議申立人代理人】大田 英司
  • 【異議申立人代理人】西村 弘
  • 【異議申立人代理人】北村 吉章
  • 【異議申立人代理人】永田 良昭
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 清川 恵子
分類
T1651.25 -Y (41) / T1651.271-Y (41)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6563120号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6563120号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6563120号商標(以下「本件商標」という。)は、「ドッグメンタリスト」の文字を標準文字で表してなり、令和3年8月17日に登録出願され、第41類「犬に関するセミナーの企画・運営又は開催,犬の食に関するセミナーの企画・運営又は開催,ドッグロスに関するセミナーの企画・運営又は開催,犬の正しい飼養に関するセミナーの企画・運営又は開催,犬に関する資格の認定及び資格の付与,犬のメンタルヘルスに関する資格の認定及び資格の付与,犬に関する知識の教授,犬の生活習慣病に関する知識の教授,犬の食に関する知識の教授,犬の正しい飼養に関する知識の教授,学校による犬に関する教育の提供,学校における犬に関する教育」を指定役務として、同4年4月13日に登録査定、同年5月30日に設定登録されたものである。 第2 使用標章 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する標章は、「ドッグメンタリスト」の文字よりなる標章(以下「使用標章」という。)であり、申立人の業務に係る役務「犬の正しい飼養に関するセミナーの企画・運営又は開催,犬に関する知識の教授,犬の正しい飼養に関する知識の教授」等に使用する標章として需要者の間に広く知られていると主張するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第10号について (1)本件商標である「ドッグメンタリスト」は、申立人が少なくとも2019年(令和元年)8月頃より、「犬の正しい飼養に関するセミナーの企画・運営又は開催,犬に関する知識の教授,犬の正しい飼養に関する知識の教授」等の役務(以下「使用役務」という。)について、申立人の肩書きとして継続して使用している。 (2)申立人の「ドッグメンタリスト」としての活動は、一般社団法人Animal Rescue Nursing(アニマルレスキューナーシング)の設立、及び、動画配信サイトYouTubeでの「ポチパパちゃんねる【保護犬達の楽園】」からの動画配信の充実と共に飛躍的に増加し、2015年(平成27年)8月のチャンネル登録から数えると1100以上の動画を配信し、総視聴回数は91,306,944回を超えるに至っている。YouTubeチャンネル登録数は24.2万人を超え、チャンネルの「概要」の「説明」の欄にも、2019年(令和元年)8月頃より、「#ドッグメンタリスト」を明記している(甲2)。 (3)このような活動が実を結び、株式会社KADOKAWAから、申立人を著者とした「どんな咬み犬でもしあわせになれる 愛と涙の“ワル犬”再生物語」が2021年(令和3年)1月28日に発行された(甲3)。著者紹介として、「ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)、・・・数多くの咬み犬の矯正訓練、犬の問題行動改善トレーニングを経て、犬の問題行動専門改善トレーナーとして活動中。力や恐怖による服従訓練などは一切行わず、問題を持つ犬と正面から向き合う様子を、YouTube「ポチパパちゃんねる 保護犬達の楽園」にて配信している。」と記載され、2021年(令和3年)12月5日には、第3版が増刷されている(甲3)。 (4)申立人は、一般社団法人保護犬のわんこ(東京都杉並区)(甲5)が製作する映画「吾輩は保護犬である(仮題)」(甲6)において取材されており、その取材エピソードを映画の広報として、当該社団法人のYouTubeチャンネル「保護わんチャンネル」において、2021年(令和3年)5月28日、同年9月26日に配信されている(甲7、甲8)。その紹介文及び動画中にも、申立人は「ドッグメンタリスト」と紹介されており、この時に既に、「ドッグメンタリスト」という語が、申立人の業務や肩書を示す商標として機能していたことを裏付けている。 当該社団法人の代表は、「ドッグメンタリスト」が使用役務について、申立人の肩書きを示す商標として需要者に広く認識されていたこと、及び上記広報の動画視聴回数は、91,448回及び138,879回視聴された(2022年1月31日現在)と宣誓している(甲9)。 (5)一般的な検索サイトであるGoogleにて「ドッグメンタリスト」を検索したところ、検索結果の2ページの検索結果19件中、5件のノイズ(ドッグビヘイビアリストなど)を除き、全て申立人に関連する記事がヒットしている(甲10)。 (6)本件商標の登録出願日よりも前の2021年(令和3年)4月26日(同月30日最終更新)(甲11)、同年2月11日(甲12)、同月27日(甲13)、同年4月23日(甲14)の日付にて、第三者により、ウェブサイト上に申立人の業務に関する記事がアップされている。当該記事の末尾には、申立人の紹介として、「ポチパパ」「問題行動犬専門家(ドッグメンタリスト)」「ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)」「ドッグメンタリスト」との記載がある。 (7)以上により、本件商標の登録出願日より前の2021年(令和3年)4月23日の時点で、「ドッグメンタリスト」という語は、申立人の業務ないしは肩書を示す商標として、需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。 以上の全ての理由により、本件商標は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」に該当することは明らかであり、商標法第4条第1項第10号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号について 上記1のとおり、本件商標は、その登録出願日には、使用役務について申立人の業務を示す商標として、需要者に広く認識されていたものであるから、本件商標がその指定役務に使用された場合、その役務の需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 使用標章の周知性について (1)申立人の提出に係る甲各号証及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は北村紋義と称して(以下、単に「申立人」という場合がある。)、2019年(令和元年)8月頃より、「ドッグメンタリスト」の文字を使用役務及び申立人の肩書きとして使用していると主張しているところ、使用開始時期を証明する客観的な証拠はない。 イ 申立人は、動画配信サイトYouTubeにおいて「ポチパパちゃんねる【保護犬達の楽園】」をチャンネル名とする動画配信を行い、2015年(平成27年)8月のチャンネル登録から数えると1,100以上の動画を配信し、その総視聴回数は91,306,944回であり、YouTubeチャンネル登録数は24.2万人であることがうかがえるところ、当該チャンネルにある程度の登録者数が存在するとしても、視聴回数の多寡については、比較すべき客観的な証拠も見いだせないため、これらから需要者の認知度を把握することができない。 また、当該チャンネルの「概要」の「説明」の欄に、「#ドッグメンタリスト」が表示されている(甲2)ところ、当該文字が表示された日付は確認できない上に、当該「説明」の欄の最下部に小さく表示された「ドッグメンタリスト」の文字が、視聴者に強く印象付けられるものとはいえないものである。さらに、当該「説明」の欄は、動画とは別のタブに掲載されており、動画の視聴回数との関連性は明らかでない。 ウ 申立人著作の書籍が株式会社KADOKAWAから2021年(令和3年)1月28日に発行、同年12月5日には、第3版が増刷され、著者紹介として「ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)」の記載がある(甲3)ところ、同人の著作は、わずか1冊にすぎない上に、表紙には同人の肩書きとして「ポチパパ・ドッグメンタリスト」との表示もある。 エ 一般社団法人保護犬のわんこ(東京都杉並区)(甲5)が製作する映画(甲6)の広報動画として、当該社団法人のYouTubeチャンネルで、「ポチパパと咬み犬と動物愛護と」、「ポチパパの人生を変えた保護犬」と題する申立人に関する動画が紹介されており、その紹介文に、同人を「ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)」、「北村紋義さん(ポチパパ)」「北村さんがドッグメンタリストとなった」と紹介されている(甲7、甲8)。そして、当該法人によって、それぞれの動画は、91,448回及び138,879回視聴された(2022年1月31日現在)と宣誓されている(甲9)ところ、それを証明する客観的な証拠はなく、その視聴回数の多寡については、比較すべき客観的な証拠も見いだせないため、当該数字から需要者の認知度を把握することができない。 また、「ドッグメンタリスト」の文字は、「問題行動犬専門家」や「ポチパパ」の文字と併記されており、単独での表示は1回のみである。 オ 2021年(令和3年)4月26日(同月30日最終更新)、同年2月11日、同月27日、同年4月23日の日付にて、第三者により、ウェブサイト上に申立人の業務に関する記事が掲載されている(甲11~甲14)。記事内では、同人の紹介として「ポチパパ」、「問題行動犬専門家(ドッグメンタリスト)」、「ドッグメンタリスト」などと記載されているところ、当該記事は、2021年2月と4月に4回掲載されたにすぎないものであり、かつ「ドッグメンタリスト」単独での表示は1回のみである。 (2)以上(1)を踏まえると、申立人のチャンネルにおける動画、同人の著者、同人に関する映画広告動画及びウェブサイト記事は、使用役務に関連するものであることは認められる。 しかしながら、申立人のチャンネルにおける動画や映画広告動画における視聴回数からは、需要者の認知度を把握することができず、また同人の著作はわずか1冊であって、ウェブサイトの記事も4回掲載されたにすぎず、それらの数は多いものとはいえない。また、それらの中で使用標章「ドッグメンタリスト」の文字の単独での使用は3件程度であり、その3件以外の使用は、他の文字とともに使用されていることから、当該文字のみが需要者に強く印象づけられるものといえないものである。そして、申立人が使用標章を使用して、使用役務を提供している市場シェア等の実績や広告期間、地域、規模等の広告実績を定量的に確認できる客観的な証拠は見いだせないから、使用標章の周知性の程度は明らかではない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、使用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。 したがって、使用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について 使用標章は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務であることを表示するものとして、日本国内の需要者の間に広く認識されているということはできないものである。 そうすると、本件商標と使用標章が同一又は類似の商標であり、また、本件商標に係る指定役務と使用標章の使用役務とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標とはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 使用標章は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る役務であることを表示するものとして、日本国内の需要者の間に広く認識されているものということはできないものである。 そうすると、本件商標と使用標章の類似性の程度、両商標に係る役務並びに取引者及び需要者の関連性の程度などを考慮しても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が使用標章を連想又は想起することはないものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標権者が本件商標をその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして使用標章を連想又は想起させることはなく、その役務が、他人(申立人)の業務と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が、その指定役務の取引者、需要者において出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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