商標異議申立
2022-900300
オキガタケンコーシャショク
- 審判番号
- 2022-900300
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-043614
- 登録番号
- 6556144
- 請求日
- 2022年07月22日
- 審決日
- 2023年02月20日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社KOMPEITO
- 【異議申立人】株式会社 OKAN
- 【異議申立人代理人】One ip弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 岩崎 安子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1652.261-Y (W3543) / T1652.262-Y (W3543) / T1652.263-Y (W3543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6556144号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6556144号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6556144号商標(以下「本件商標」という。)は、「置き型健康社食」の文字を標準文字で表してなり、令和3年3月30日に登録出願、第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同4年1月13日に登録査定され、同年5月16日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。
1 登録第6317274号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:置き型社食(標準文字)
指定商品・役務:第30類、第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおり商品及び役務
登録出願日:令和2年8月31日
設定登録日:令和2年11月16日
2 登録第5763050号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:健康社食(標準文字)
指定役務 :第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
登録出願日:平成26年11月13日
設定登録日:平成27年 5月15日
3 登録第6164275号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様:健康社食(標準文字)
指定商品・役務:第5類、第9類、第35類、第42類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日:平成30年8月1日
設定登録日:令和元年7月19日
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定役務中、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,求人情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告宣伝物の企画及び制作,福利厚生事業の管理,企業における福利厚生に関する企画並びにコンサルティング,福利厚生事務の代理または代行,福利厚生事業の企画及び運営,弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供,ケータリング(飲食物),弁当料理の提供及びこれに関する情報の提供」(以下「申立てに係る指定役務」という。)は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。
1 本件商標と引用商標1の類否について
本件商標は、「置き型健康社食」の標準文字からなるところ、「置き型」、「健康」及び「社食」の3つの名称の組合せからなる商標である。
他方、引用商標1は、本件商標の出願日より前に出願され、登録されたものであり、識別力を有することが特許庁により認定されている。また、引用商標1の商標権者(申立人)は、「置き型社食サービス「オフィスおかん」」と称するサービスを平成26年4月より開始し、当サービスの導入企業の従業員は、オフィスに設置された冷蔵庫・自販機と専用ボックスから、健康的な総菜をはじめ、ご飯・カレー等を1品100円で購入可能であり、少なくとも、令和3年2月24日時点において、全国47都道府県2,500社の事業所で導入されており、「置き型社食」は、全国的に周知なサービスとして、認知されている(甲3)。さらに、令和3年及び同5年のインターネット調査により、「総務・人事が選ぶ福利厚生サービスNo.1」に選出されている(甲4)。このことも、「置き型社食」の商標が、識別力を有するとして需要者に広く認知されている。
このように、引用商標1が、特許庁により高い自他商品識別力を有するものとして認定されている事実、また、「置き型社食R(決定(注):Rは〇付き)サービス「オフィスおかん」」を通じて周知性を獲得している事実に鑑みると、本件商標のうち、「置き型社食」の要素が高い識別力を有するものである。他方、「健康」が、社食の名称とともに高頻度で積極的に使用されていることに鑑みると(甲5~7)、識別力が低いものといわざるを得ず、また、本件商標が、「置き型」、「健康」、「社食」という3つの名称からなる冗長な名称であることに鑑みても、本件商標から「健康」を分離して、「置き型社食」として観察することが取引上不自然と思われるほど不可分に結合しているとはいえない。したがって、本件商標は、「置き型社食」の部分が分離して要部として観察されるべきものである。
このような前提で、本件商標から生じる称呼は、「オキガタシャショク」であり、引用商標1から生じる称呼「オキガタシャショク」と共通する。
また、外観においても、本件商標は、「置き型社食」が抽出されて観察されるべきものであり、この点においても、引用商標1の外観と共通する。
さらに、観念においても、本件商標は、「置き型」の「社食」であることが観念される一方、引用商標1においても同じ意味が生じるため、観念においても共通する。
したがって、本件商標と引用商標1は、称呼、外観及び観念について共通し、本件商標及び引用商標1に触れた需要者が、引用商標1の使用実績により獲得された、高い識別力により、「置き型社食」について強く支配的な印象を与えることを鑑みても、本件商標と引用商標1は類似するものというべきである。
2 本件商標と引用商標2及び3の類否について
本件商標は、引用商標2及び3の使用実情(甲10、11)も相まった識別力に鑑みて、「置き型」と「健康社食」との相対的な識別力の比較において、「社食」に関連する役務との関連で、「置き型」という、設置型を意味する名称が一般に普及していることを前提とするならば(甲12)、「健康社食」を要部として観察することもできる。かかる場合にあっては、本件商標から生じる称呼は、「ケンコウシャショク」であり、引用商標2及び3から生じる称呼及び外観においても共通し、また、観念においても、「健康的な社食」として共通する。
したがって、本件商標と引用商標2及び3は、称呼、外観及び観念についても共通し、「健康社食」に触れた需要者が、「健康社食」サービスの使用実績により獲得された、高い識別力により、「健康社食」について強く支配的な印象を与えることを鑑みても、本件商標と引用商標2及び3は類似するものというべきである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
ア 本件商標は、上記第1のとおり「置き型健康社食」の文字を標準文字で表した、「置き型」、「健康」及び「社食」の文字の結合商標であって、その構成文字は、同書同大同間隔で視覚上まとまりよく表されていて、いずれかの文字部分が看者に強い印象を与えるような態様ではない。
イ 申立人は、本件商標の構成中、「置き型社食」の文字部分は、周知性を有し強く支配的であること、「健康」の文字は社食の分野で積極的に使用されていることから識別力は低い部分であること、また、「置き型」の文字は、「社食」に関連する役務との関係において、設置型を意味するものとして一般に普及しているから、「健康社食」の文字の使用実情(周知性)も相まって、「健康社食」の文字を要部として観察することもできるなどと主張しているのでその点について検討する。
(ア)申立人は、平成26年頃から、自己が提供する社食サービス(以下「社食サービス」という。)を「オフィスおかん」と称していて、2,500社の事業所等で導入されていると主張するところ、社食サービスに「置き型社食」の文字も使用していることは認められるものの、当該文字の使用開始時期は明らかではない(甲3、4)。
また、申立人は、「置き型社食」の文字を社食サービスに使用した販売(提供)実績(売上額、提供地域、業界シェア等)並びに広告実績(広告額、広告の地域及び方法等)を客観的に確認できる証拠を何ら提出していない。
そうすると、「置き型社食」の文字は、本件商標の登録出願時はもとより登録査定時において、申立人の業務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものとはいえないものであるから、本件商標において強く支配的な印象を与えるとはいえない。
(イ)次に、「健康」の文字が、社員食堂(社食)に関する記事(ウェブサイト)において、他の語と結合した状態又は他の文字を伴った状態で文章中に表示されていることは確認できる(甲5~7)。しかしながら、わずか3件の記事にすぎないものであるから、これらの表示例からただちに「健康」の文字が役務の質を表示するものとして認識されるとまではいい難いことに加え、本件商標は、上記アのとおりの構成からなるところ、「健康」の文字は本件商標の中頃に位置することも相まって、本件商標に接する取引者、需要者が、殊更、当該文字を役務の質と認識し捨象して本件商標を看取するともいい難いものである。
(ウ)さらに、「置き型」の文字が、社員食堂(社食)に関する記事(ウェブサイト)において、その文章中に表示されているとしても(甲12)、わずか1件にすぎず、この表示をもって、当該文字が社食との関係において一般に用いられている語と認めることはできず、本件商標に係る指定役務の質を表示するものでもないから、自他役務の識別標識として機能しない又は弱いとはいえない。また、「健康社食」の文字(甲10、11)にしても、上記(ア)と同様の理由により、需要者の間に広く認識されているものとはいえず、強く支配的な印象を与えるものでもない。
(エ)以上(ア)ないし(ウ)からすると、本件商標は、その構成中の、「置き型社食」の文字が強く支配的な印象を与えるとはいえないこと、「健康」の文字が役務の質として認識されるとはいい難く、自他役務の識別標識として機能しない又は弱いとはいえないことなどが認められる。また、「置き型」の文字が、自他役務の識別標識として機能しない又は弱いとはいえず、「健康社食」の文字が強く支配的な印象を与えるともいえないことから、「健康社食」の文字を要部として観察することはできないというべきである。
この他に、本件商標の構成中いずれかの文字部分が、強く支配的である又は自他役務の識別標識として機能しない若しくは弱いと認め得る事情は見いだせない。
ウ 以上ア及びイを踏まえると、本件商標はその構成全体をもって一体不可分のものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「オキガタケンコウシャショク」の称呼を生じ、その構成文字が、それぞれ意味を有するとしても、全体として何らかの意味合いを理解させるものではないから特定の観念は生じない。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、上記第2、1のとおり、「置き型社食」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書同大同間隔で視覚上まとまりよく表されているものであって、いずれかの文字部分が看者に強い印象を与えるような態様ではなく、また、その構成文字に相応して生じる「オキガタシャショク」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、「置き型社食」の文字(引用商標1)は、上記(1)イ(ア)のとおり、需要者の間に広く認識されていたものではなく、また、全体として何らかの意味合いを理解させるものでもない。
そうすると、引用商標1は、全体として何らかの意味合いを理解させるものではないが、かかる構成及び称呼からすれば、これを一体のものとして看取、把握されるというべきである。
したがって、引用商標1は、「オキガタシャショク」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2及び3
引用商標2及び3は、上記第2、2及び3のとおり、ともに「健康社食」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書同大同間隔で視覚上まとまりよく表されているものであって、いずれかの文字部分が看者に強い印象を与えるような態様ではなく、また、その構成文字に相応して生じる「ケンコウシャショク」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、「健康社食」の文字(引用商標2及び3)は、上記(1)イ(ウ)のとおり、需要者の間に広く認識されていたものではなく、また、全体として何らかの意味合いを理解させるものでもない。
そうすると、引用商標2及び3は、全体として何らかの意味合いを理解させるものではないが、かかる構成及び称呼からすれば、これを一体のものとして看取、把握されるというべきである。
したがって、引用商標2及び3は、その構成文字全体から「ケンコウシャショク」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、構成文字及び文字数に差異を有するものであるから、外観において判然と区別することができる。
次に、本件商標から生じる「オキガタケンコウシャショク」の称呼と、引用商標から生じる「オキガタシャショク」又は「ケンコウシャショク」の称呼とは、構成音数及び語調語感が異なり、明瞭に聴別できる。
そして、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じるものではないから、比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において区別又は聴別できるものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない類似しない商標であるというべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は類似しない商標であるから、両者の指定商品及び指定役務の類否について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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