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商標異議申立

2022-900294

マック、エムエイシイ

審判番号
2022-900294
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-133591
登録番号
6575774
請求日
2022年07月19日
審決日
2023年08月15日
公報発行日
2023年09月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社大屋
  • 【権利者代理人】木村 仁志
  • 【異議申立人】マクドナルド インターナショナル プロパティー カンパニー リミテッド
  • 【異議申立人代理人】又市 義男
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 山根 まり子
分類
T1652.25 -Y (W35) / T1652.261-Y (W35) / T1652.262-Y (W35) / T1652.263-Y (W35) / T1652.271-Y (W35)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6575774号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6575774号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6575774号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和3年10月27日に登録出願、第35類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同4年6月9日に登録査定され、同月22日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は、次のとおりである。 1 申立人が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2339747号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成元年6月14日 設定登録日:平成3年9月30日 書換登録日:平成15年4月2日 指定商品:第1類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (2)登録第2691117号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成元年6月14日 設定登録日:平成6年8月31日 書換登録日:平成17年10月12日 指定商品:第29類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (3)登録第5101750号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成19年5月2日 設定登録日:平成19年12月28日 指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (4)登録第5422608号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:「McCAFE」の文字を標準文字で表してなる商標 登録出願日:平成23年1月24日 設定登録日:平成23年7月1日 指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (5)登録第5422611号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:「マックカフェ」の文字を標準文字で表してなる商標 登録出願日:平成23年1月24日 設定登録日:平成23年7月1日 指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 以下、引用商標1ないし引用商標5をまとめて「引用商標」という場合がある。 2 申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章は、「マック」、「MAC」及び「Mc」、並びに、以下の(1)ないし(6)を含む一般名称又は他の名称に「Mc」又は「マック」の文字を冠した約70件の標章(以下、これらをまとめて「引用標章」という場合がある。)であって、日本マクドナルド株式会社(以下「日本マクドナルド社」又は「マクドナルド」という。)が、ハンバーガー、コーヒー等の飲食物(商品)又は飲食物の提供に使用し、需要者の間に広く認識されていると主張するものである。 (1)標章の構成:「McBURGER」の文字よりなる標章 使用商品及び使用役務:香辛料等、茶、コーヒー、菓子、パン、ハンバーガー、乳製品、清涼飲料等 (2)標章の構成:「McCAFE」及び「マックカフェ」の文字を二段に書してなる標章 使用商品及び使用役務:サンドイッチ、コーヒー、ハンバーガー、清涼飲料等、飲食物の提供 (3)標章の構成:「McMUFFIN」及び「マックマフィン」の文字を二段に書してなる標章 使用商品:サンドイッチ (4)標章の構成:「マックコール」及び「McCall」の文字を二段に書してなる標章 使用商品:ハンバーガー、食肉等 (5)標章の構成:「McFeast」の文字よりなる標章 使用商品:ハンバーガー等 (6)標章の構成:「McRIB」及び「マックリブ」の文字を二段に書してなる標章 使用商品:ハンバーガー等 なお、申立人は、上記引用標章のほかに「「マック」の称呼」をも引用しているが、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号で引用の対象とされるのは、商標又は標章であることから、当合議体は上記のように認定した。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定役務中、第35類「食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「申立てに係る役務」という。)について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標の指定役務と、引用商標の指定商品について 本件商標の指定役務中、「牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品と抵触し、「食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は引用商標2の指定商品と抵触する。 そして、本件商標の指定役務中、「コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標3ないし引用商標5に係る指定商品「コーヒー」において抵触している。 (2)本願商標と引用商標について 引用商標1及び引用商標2から、「マック」という称呼が生じる。これは、それら商標の「商標出願・登録情報」の「称呼(参考情報)」において「マック」と記載されていることからも明らかである(甲2、甲3)。 そして、引用商標3ないし引用商標5から、「マックカフェ」という称呼が生じるところ、「cafe」、「CAFE」及び「カフェ」はフランス語でコーヒーを意味することは、日本においては顕著な事実となっているから、指定商品「コーヒー」との関係において、引用商標3ないし引用商標5の構成中の「cafe」、「CAFE」及び「カフェ」の語は顕著性を有さず、引用商標3ないし引用商標5の要部は「Mc」及び「マック」であり、これらがいずれも「マック」と称呼されることは明らかである。 これに対して、本件商標はその構成上、当然に「マック」の称呼が生じる。 したがって、本件商標から生じる「マック」の称呼は、引用商標1及び引用商標2の称呼、並びに、引用商標3ないし引用商標5の要部の称呼である「マック」と同一であり、本件商標と引用商標とは称呼において類似していることが明らかである。 また、後述するように、「マック」という名称及び称呼は、マクドナルドのハンバーガー・レストラン・ビジネス及びその商品を意味するものとして、需要者間において広く使用され受容されているものでもあるから、「マック」という称呼が生じる本件商標を、申立てに係る役務に使用すれば、需要者においてその役務はマクドナルドの商品と関連する役務であるかの誤認混同を生じさせることが明らかである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号について (1)申立人は、ハンバーガーのマクドナルドとして全世界で広く知られているマクドナルド・グループのための商標の取得・維持・管理のために設立されている米国法人である。日本におけるマクドナルドのハンバーガー・レストラン・ビジネスは、申立人の親会社である米国法人マクドナルド・コーポレーションからライセンスを受けた日本マクドナルド社により行なわれている。日本におけるマクドナルドのレストラン数は約3、000店を数え、日本全国において、ハンバーガー製品、フライドポテト製品、乳製品、食肉製品、清涼飲料、コーヒー等を含むマクドナルドの商品を提供している。 日本マクドナルド社は、日本において1971年からマクドナルドのレストラン・ビジネスを開始し、以後一貫して、「マック」、「MAC」、「Mc」という名称、及び、それらと一般名称との結合とからなる多くの商標(引用標章)を使用している。その使用対象は、各種のハンバーガー、サンドイッチ、フライドチキン、フライドポテト、コーヒードリンク、清涼飲料商品、ソフトクリーム、パイ、パンケーキ、それらのコンビネーションからなる朝食セット、昼食セット、夜食セット、各種のおもちゃとからなる子供用のセット(以下これらを「マクドナルド商品」という。)、及び飲食物の提供という役務等と極めて多岐にわたっており、これらはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、その他の宣伝広告文書、バナー広告、SNS、その他の多種のメディアを通して一貫して広く広告宣伝されている。 その結果として、「マック」、「MAC」、「Mc」という名称、及び、それらと一般名称との結合とからなる多くの商標(引用標章)は需要者間において周知・著名となっている。 また、「マック」、「MAC」、「Mc」という名称から生じる「マック」という称呼も、マクドナルドのビジネス及びその各種のマクドナルド商品を示すものとして需要者間において周知・著名となっている。 需要者間においてもマクドナルド商品は、一般的に「マック」と呼ばれているが、その一つの例として、インターネットにおいて「マック」が使用されているページのコピーを甲第7号証として提出する。そこでは、「学校帰りのマックを安くしたい!」、「マックを安く食べる方法」、「マックを半額で食べる方法」などと言う表現が繰り返して使用されており、「マック」がマクドナルド商品を意味するものとして使用されている。 このような事実からも、「マック」、「MAC」、「Mc」の名称が、マクドナルドの営業主体や商品を示すものとして、需要者間において周知・著名となっていることが明らかである。 (2)本願商標から「マック」という称呼が生じることは明白である。一方、申立人及び日本マクドナルド社が使用している「マック」、「MAC」、「Mc」という名称からは、当然に「マック」という称呼が生じ、それらは日本マクドナルド社が提供・販売している全ての飲食物の商品に関して周知・著名となっているから、本件商標が申立てに係る役務に使用されると、これを見た需要者をして、その役務はマクドナルドから許諾を受けたものであるとか、又はその他マクドナルドと何らかの関係を有する役務であるとの誤認混同を惹起せしめるおそれが極めて大きいものである。 したがって、本願商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 申立人の引用標章及び「マック」という称呼は日本マクドナルド社がそのファースト・フード・ビジネスにおいて提供・販売している広範囲の飲食物及び役務に関して周知・著名となっていることから、本件商標が申立てに係る役務に使用されると、これを見た需要者をして、その役務はマクドナルドから許諾を受けたものであるとか、又はその他マクドナルドと何らかの関係を有する役務であるとの誤認混同を惹起せしめるおそれが極めて大きいことが明らかである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用標章の周知性について 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張並びに職権調査によれば、以下のとおりである。 (1)「節約カルマ」と称するウェブサイトにおいて、2020年10月24日付け「マックを安く食べる方法ランキング/マクドナルドを半額で食べる裏技」の見出しの下、「学校帰りのマックを安くしたい!」「マクドナルドを安く食べるには?」の記載があることからすれば、日本マクドナルド社が販売又は提供する商品(飲食物)を「マック」と称している様子がうかがえる(甲7)。 (2)日本マクドナルド社が、「マック」又は「Mc」の各文字に他の文字を結合した標章を、ハンバーガー、コーヒー等の飲食物(商品)又はその提供に使用していることが確認できる(職権調査)。 (3)上記からすれば、日本マクドナルド社が、「マック」又は「Mc」の各文字に他の文字を結合した標章を、ハンバーガー、コーヒー等の飲食物(商品)又はその提供に使用し、他方、日本マクドナルド社が販売又は提供する飲食物が需要者から「マック」と称されていることはうかがえる。 しかしながら、申立人が、「MAC」の標章の使用を確認することはできない。 また、申立人は、「マック」、「MAC」及び「Mc」、並びに、一般名称又は他の名称に「Mc」又は「マック」の文字を冠した標章(引用標章)の使用に係るハンバーガー、コーヒー等の飲食物(商品)又はその提供に関する広告宣伝について述べるにとどまり、広告宣伝の規模(広告の種類及び広告金額等)を何ら明らかにしておらず、また、上記飲食物やその提供に関する販売実績(販売エリア及び売上金額等)等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出もないことからすれば、それらの詳細を確認できないものであるから、引用標章の周知性の程度を推し量ることができない。 そうすると、提出された証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第10号の該当性について 引用標章は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 したがって、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ないから、同号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、右側に「a」及び「c」の文字を細長い赤い風船を使って描いたような、やや立体的に見える特徴的にデザイン化をした態様で表してなり、左側に「m」のような中央に滴状の図形の白抜きの図形を、前記文字と同様のデザイン化した態様で表してなるものである。 本件商標の構成中、各文字部分と図形部分は、それぞれ同じ大きさ、同じデザインの同じ色で、均等に配置され、まとまりよく表され、図形部分は、「a」及び「c」の文字を隣に配していることから、「m」の欧文字をデザイン化して表したものと理解し、認識されるものと認められる。 そうすると、本件商標は、「mac」の文字をデザイン化して表したものと理解し、認識されるものと認められる。 そして、本件商標は、その「mac」の文字に相応して、「エムエーシー」の称呼を生じ、当該文字は、我が国の一般的な辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているものともいえないことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1及び引用商標2 引用商標1及び引用商標2は、別掲2のとおり、「Mc」の文字の「M」部分をややデザイン化した態様で表してなり、「Mc」の文字に相応して、「エムシー」の称呼を生じ、当該文字は、「~の息子」の意味を有する「Mac」の略称として辞書等に載録されてはいるものの、直ちにその意味合いを理解するとはいい難いことからすれば、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標3 引用商標3は、「Mc Cafe(eの上にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。)」の欧文字及び「マックカフェ」の片仮名を別掲3のとおりの態様で表してなり、かかる構成からすれば、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを特定したものと認められるものであるから、これより「マックカフェ」の称呼が生じること明らかであり、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、引用商標3の構成中の「Mc」の文字は、「~の息子」の意味を有する「Mac」の略称として辞書等に載録されてはいるものの、直ちにその意味合いを理解するとはいい難く、一方「Cafe」の文字はフランス語で「コーヒー」などの意味を有するものの、「Mc Cafe」の欧文字全体としては、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 そして、「Mc」の文字は、上記1のとおり、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものではないことから、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。 そうすると、「Mc Cafe」の欧文字は、たとえ、その構成中「Cafe」の文字が「コーヒー」などの意味を有するとしても、かかる構成、称呼及び上記実情からすれば、該文字部分が指定商品の品質等を表示したものとして認識されるというよりはむしろ、「Mc Cafe」の欧文字全体で一体として認識、把握されるものである。 なお、片仮名「マックカフェ」は、上記のとおり欧文字の読みと認められるものであるから、片仮名全体でも一体であるというべきである。 したがって、引用商標3は、欧文字及び片仮名の構成文字全体で一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないと判断するのが相当である。 ウ 引用商標4 引用商標4は、「McCAFE」の文字を標準文字でまとまりよく表してなるものであって、その構成文字に相応して生じる「マックカフェ」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標4は引用商標3の欧文字部分と同じ文字から構成されていることから、引用商標3と同様に、その構成文字全体が一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じない。 エ 引用商標5 引用商標5は、「マックカフェ」の文字を標準文字でまとまりよく表してなるものであって、その構成文字に相応して生じる「マックカフェ」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。 また、引用商標5の構成中の「マック」の文字は、一般の辞書等に載録のない文字であるから特定の観念は生じない、一方「カフェ」の文字はフランス語で「コーヒー」などの意味を有するものの、商標全体としては、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 そして、「マック」の文字は、上記1のとおり、日本マクドナルド社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものではないことから、取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。 そうすると、引用商標5は、たとえ、その構成中「カフェ」の文字が「コーヒー」などの意味を有するとしても、かかる構成、称呼及び上記実情からすれば、該文字部分が指定商品の品質等を表示したものとして認識されるというよりはむしろ、「マックカフェ」の構成文字全体が一体不可分のものとして認識、把握されるものであって、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 したがって、引用商標5は、その構成文字全体が一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものと判断するのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 本件商標と引用商標1及び引用商標2の類否について 本件商標と引用商標1及び引用商標2は、上記(1)及び(2)アのとおりの構成からなるところ、両商標は、「a」の文字の有無の差異を有し、そして、本願商標が、左側に「m」のような中央に滴状の図形の白抜きの図形を配し、細長い赤い風船を使って描いたような、やや立体的に見える特徴的にデザイン化をした態様で、「mac」の文字を表してなるのに対し、引用商標1及び引用商標2は、「Mc」の文字の「M」部分をややデザイン化した態様で表してなるという差異を有し、この差異が、ともにわずか3文字又は2文字という少ない文字構成からなる両者の視覚的印象に与える影響は大きく、両者は、別異の語であるとの印象を強く与えるものであることからすれば、視覚的な印象が著しく相違するというべきであるから、両商標は、外観上、見誤るおそれはなく、判然と区別することができ相紛れるおそれはない。 次に、本件商標は、上記(1)のとおり、「エムエーシー」の称呼が生じるのに対し、引用商標1及び引用商標2は、上記(2)アのとおり、「エムシー」の称呼が生じるものであるから、両者は、音数及び音調が相違し、明瞭に聴別することができ相紛れるおそれはない。 そして、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、上記(1)及び(2)アのとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 イ 本件商標と引用商標3ないし引用商標5の類否について 本件商標と引用商標3ないし引用商標5は、上記(1)及び(2)イないしエのとおりの構成からなるところ、両者の構成文字が明らかに相違するものであるから、外観において判然と区別することができ相紛れるおそれはない。 次に、本件商標は、上記(1)のとおり、「エムエーシー」の称呼が生じるのに対し、引用商標3ないし引用商標5は、上記(2)イないしエのとおり、「マックカフェ」の称呼が生じるものであるから、両者は、音数及び音調が相違し、明瞭に聴別することができ相紛れるおそれはない。 そして、本件商標と引用商標3ないし引用商標5は、上記(1)及び(2)イないしエのとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 ウ まとめ 以上からすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して勘案すれば、類似しない商標というべきである。 なお、仮に、本件商標から「マック」の称呼が生じるとしても、外観、称呼及び観念において紛れるおそれはないこと明らかであるから、本件商標は、引用商標と類似しないというべきである。 (4)小括 本件商標は、引用商標とは類似しない商標であるから、本件商標の指定役務中、「申立てに係る役務」と引用商標の指定商品が類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号の該当性について 引用標章は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたと認められないものであり、周知性を備えていないものであるから、本件商標に接する取引者、需要者が、一般的に同社の業務に係る申立人商標を連想又は想起するものということはできない。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務中、「申立てに係る役務」に使用しても、取引者、需要者が、その役務が他人(日本マクドナルド社)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者(申立人又はその親会社)の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定役務中、「申立てに係る役務」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900294

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