商標異議申立
2022-900285
ピクシーローズハニー、ピクシーローズ、ピクシー、ローズハニー、ハニー
- 審判番号
- 2022-900285
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-151880
- 登録番号
- 6551692
- 請求日
- 2022年07月12日
- 審決日
- 2023年07月10日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】コスメカンパニー株式会社
- 【異議申立人】スヨービク・リミテッド
- 【異議申立人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T1651.251-Y (W03) / T1651.252-Y (W03) / T1651.253-Y (W03) / T1651.271-Y (W03) / T1651.222-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6551692号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6551692号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6551692号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピクシーローズハニー」の片仮名と「Pixie Rose Honey」の欧文字を2段に横書きしてなり、令和3年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,頭髪用化粧品,その他の化粧品」を指定商品として、同4年4月19日に登録査定され、同年5月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも申立人が「せっけん類,化粧品」について使用し、同人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されているとするものである。
(1)「PIXI ROSE」の欧文字からなる商標(大文字と小文字の異なるものを含む。以下「引用商標1」という。)
(2)「ピクシーローズ」の片仮名からなる商標(5文字目にスペースのあるものを含む。以下「引用商標2」という。)
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであり、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性
申立人は、1998年にイギリスのロンドンで設立された化粧品の製造・販売を主たる事業とする企業である。
「メイクアップとは、肌の粗を隠すのではなく、自らの自然美を表現するためのものであること」を信念に、天然成分と植物エキスのブレンドを配合し、肌を育てる処方にこだわった「pixi」ブランドの商品は、メイクアップアーティストであり製品開発者として20年以上の経験を持つP氏によって生み出され、イギリスのみならず、世界各国で人気を博している。最近では日本でも絶大な人気を誇るキャラクターであるハローキティとのコラボ商品を発売するなど、その存在感はますます高まっている(甲1)。一般的な検索サイトで「PIXI コスメ」と検索すると約30万件もヒットし(甲2)、「大人気コスメPixiの魅力とは?」(甲3)、「話題のPixi Beautyに行ってきた!」(甲4)といった記事でも紹介されるなど、我が国の国民の関心の高さが見て取れる。
その中でも特に人気を博しているのが「PIXI ROSE TONIC」や「PIXI +ROSE RADIANCE PERFECTOR」といったシリーズの製品ラインである(甲5、甲6)。
我が国の人気キャラクターとのコラボ商品が販売されていることもあり、「PIXI ROSE」シリーズのトニック化粧品やオイルを配合してなる化粧品、ボディクレンザーといった商品は我が国においても広く知られるものとなっており、「PIXI ROSE」(引用商標1)、「ピクシーローズ」(引用商標2)との商標は申立人の業務内容を示すものとして取引者・需要者に広く認識されるものとなっている。
イ 商標の類似性
本件商標は、「Pixie Rose\ピクシーローズ」の語と「Honey\ハニー」の語とからなるところ(甲7)、「Honey\ハニー」の語は「はちみつ」との意味を有する語であり、はちみつを原材料とする化粧品やせっけんが広く一般的に用いられている事実が伺える(甲8)。
そうすると、同部分は、本件商標に接した取引者、需要者に単に商品の原材料であると認識させるに過ぎず、出所識別標識としての機能を発揮しない部分であって、本件商標中、取引者・需要者に強く支配的な印象を与えるのは「Pixie Rose」または「ピクシーローズ」の部分であるといえる。
なお、本件商標中「Pixie」の語と引用商標に係る「PIXI」とは語尾の「e」の有無はあるものの、いずれも「ピクシー」との称呼を生じ、同じ「妖精」との意味を有する英単語である(甲9)。英国においては「pixi」は単に「Pixie」の綴りを変化させたものであり、両商標が観念上高度に類似するものであるとの判断がなされている事実がある(甲10)。
「Pixie」「PIXI」いずれにしても我が国の国民になじみがあるとは言えない英単語であることに加え、要部である「Pixie Rose」の中央に位置する「e」の文字の有無が商標全体に与える影響は大きいとはいえず、申立人の業務に係る商標「PIXI ROSE」(引用商標1)及び「ピクシーローズ」(引用商標2)と本件商標とは類似するものといえる。
ウ 小括
以上より、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 商標の類似性
商標の類似性については上記(1)で述べたとおりである。
イ 商品間の類似性
本件商標は、第3類「せっけん類,頭髪用化粧品,その他の化粧品」を指定しているところ、これは申立人の業務に係る商品と同一である。
ウ 商品の需要者の共通性
本件商標の指定商品と申立人の業務における商品とは同一であることから、取引者・需要者は共通している。
エ 小括
上記のとおりの商標の類似性、商品間の同一性、商品の需要者の同一性に鑑みれば、本件商標に接した取引者、需要者は申立人の業務に係る商品である「PIXI ROSE」シリーズのはちみつを原材料とする商品であるとの混同を生じるおそれがあることはいうまでもない。
以上より、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人は、我が国を含め全世界で約100件「pixi」の語を含む登録商標を保有している(甲11~甲14)。この事実は、いかに申立人が全世界をまたにかけ事業を展開しているかを示すものであり、申立人の商標「PIXI ROSE」が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されているかを示している。
本件商標は、申立人の外国において広く認識されている商標に化体した信用、名声、顧客吸引力にあやかるべく不正の目的をもって出願されたものであり、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、「PIXI ローズトニック」「PIXI ローズ ボディ ポリッシュ」という化粧品が我が国で販売されていること(甲2)が認められ、また、「PIXI」の欧文字(大文字と小文字が異なるもの、ややデザイン化されたものを含む。)と当該文字と離れた位置に「Rose Tonic To-Go」「Rose Oil Blend」「Rose Caviar Essence」「Rose Glow Mist」「+Rose Favourite Trio」などの欧文字が表示された化粧品が外国で販売されていること(甲5、甲6)及び「Pixi Rose Travel Bag」という商品が外国で販売されていること(甲6)などがうかがえる。
しかしながら、引用商標1「PIXI ROSE」(ややデザイン化されたものを含む。)及び引用商標2「ピクシーローズ」が、せっけん類や化粧品に使用されていると認め得る証左は見いだせず、また、引用商標が使用された商品の売上高など販売実績を示す主張はなく、その証左も見いだせない。
イ 上記アのとおり、引用商標がせっけん類や化粧品に使用されていると認め得る証左及び引用商標が使用された商品の販売実績は見いだせないから、引用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、申立人は、引用商標が外国における需要者の間で広く認識されている証左として、我が国及び外国における「pixi」の語を含む商標登録のリストなどを提出している(甲12~甲14)が、我が国及び外国において複数の商標登録がされているからといって、そのことと需要者の認識とは直接関係があるとはいい難いから、かかる事情によっては上記判断を覆し得ない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「ピクシーローズハニー」の片仮名と「Pixie Rose Honey」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、上段の「ピクシーローズハニー」の文字部分及び下段の「Pixie Rose Honey」の文字部分は、それぞれ、その構成文字が同じ大きさで等間隔に表されており、本件商標全体として、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、上段の「ピクシーローズハニー」の片仮名部分は、下段の「Pixie Rose Honey」の欧文字の読みを表したものと容易に認識できるものであって、「ピクシーローズハニー」の称呼も、冗長ではなく、よどみなく称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中、「Pixie」の文字は「妖精」等の、「Rose」の文字は「バラ」等の、「Honey」の文字は「蜂蜜」等の意味を有する語(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第二版」株式会社小学館)であるとしても、かかる構成及び称呼においては、その商標全体をもって、特定の観念を生じない造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ピクシーローズハニー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)引用商標
a 引用商標1
引用商標1は上記2(1)のとおり「PIXI ROSE」の欧文字からなるところ、いずれも、その構成文字は同じ大きさでまとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ピクシーローズ」の称呼も冗長ではなく、よどみなく称呼し得るものである。
また、引用商標1の構成中「ROSE」の文字は、上記(ア)のとおり、「バラ」等の意味を有する語であるものの、「PIXI」の文字は、辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを認識させることのないものであり、これらを結合してなる「PIXI ROSE」としても、かかる構成及び称呼においては、その商標全体をもって、特定の観念を生じない造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「ピクシーローズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
b 引用商標2
引用商標2は上記2(2)のとおり「ピクシーローズ」の片仮名からなるところ、いずれも、その構成文字は同じ大きさで等間隔にまとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ピクシーローズ」の称呼も冗長ではなく、よどみなく称呼し得るものである。
また、引用商標2の構成中、「ピクシー」の文字は「おとぎ話に登場する、いたずら好きの小さな妖精」の意味を(「大辞泉 第二版」株式会社)、また「ローズ」の文字は、「ばら」等の意味を有する語(前掲「広辞苑第七版」)であるものの、かかる構成及び称呼においては、その構成文字全体をもって、特定の観念を生じない造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
したがって、引用商標2は、その文字に相応し「ピクシーローズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標1の外観を比較すると、両者の上記(ア)及び(イ)aのとおりの外観は、前者が片仮名と欧文字を2段に横書きした構成であるのに対し、後者は欧文字を横一連に表した構成であるという差異があるから、構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
また、本願商標と引用商標2の外観を比較すると、両者の上記(ア)及び(イ)bのとおりの外観は、前者が片仮名と欧文字を2段に横書きした構成であるのに対し、後者は片仮名を横一連に表した構成であるという差異があるから、構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
なお、本件商標の構成中「ピクシーローズハニー」の文字と引用商標2「ピクシーローズ」の比較、及び、本件商標の構成中「Pixie Rose Honey」の文字と引用商標1「PIXI ROSE」の比較においても、両者は語尾部における「ハニー」及び「Honey」の文字の有無という顕著な差異があることにより、外観上、判然と区別できるものである。
次に、本件商標から生じる「ピクシーローズハニー」の称呼と引用商標から生じる「ピクシーローズ」の称呼を比較すると、両者は語尾部における「ハニー」の音の有無という顕著な差異を有するから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、両商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観において判然と区別することができるものであって、称呼において明瞭に聴別し得るものであるから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
イ 小括
上記アのとおり本件商標と引用商標は非類似の商標であり、上記(1)のとおり引用商標は、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標の指定商品と申立人が使用するとする商品(せっけん類、化粧品)が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)アのとおり本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、本件商標の指定商品と申立人が使用するとする商品との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国及び外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、上記(2)アのとおり本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであり、さらに上記(3)のとおり本件商標は、引用商標を連想又は想起させるものでもない。
加えて、申立人提出の証拠からは、本件商標権者による本件商標の使用が引用商標に蓄積された名声や信用にフリーライドし、それらを毀損させるものというべき事実は見いだせないばかりでなく、他に、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用をするものであることを具体的に示す証拠もない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)申立人の主張について
申立人は、本件商標の構成中「Honey」「ハニー」の語は「はちみつ」の意味を有し、はちみつを原材料とする化粧品やせっけんが広く一般的に用いられているから、同部分は取引者・需要者に単に商品の原材料であると認識させるに過ぎず、出所識別標識としての機能を発揮しない部分であって、本件商標の構成中「Pixie Rose」又は「ピクシーローズ」の部分が取引者・需要者に強く支配的な印象を与える旨主張している。
しかしながら、たとえ、本件商標の構成中「Honey」「ハニー」の語が「はちみつ」の意味を有し、はちみつが配合された化粧品などが存在するとしても、本件商標は、上記1のとおり、その構成及び称呼においては、構成文字全体をもって、「ピクシーローズハニー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
また、本件商標は、その構成中「ピクシーローズ」又は「Pixie Rose」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討すべきとする事情は見いだせない。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
(6)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する
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