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商標異議申立

2022-900251

エレホテル、イリホテル、エレ、イリ、イイエルイイ

審判番号
2022-900251
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-140838
登録番号
6540427
請求日
2022年06月13日
審決日
2023年04月28日
公報発行日
2023年06月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社TEJ
  • 【異議申立人】アシェット フィリパキ プレス ソシエテ アノニム
  • 【異議申立人代理人】達野 大輔
  • 【異議申立人代理人】竹中 陽輔
  • 【異議申立人代理人】中山 真理子
  • 【異議申立人代理人】稲垣 朋子
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.261-Y (W43) / T1651.262-Y (W43) / T1651.263-Y (W43) / T1651.271-Y (W43)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6540427号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6540427号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6540427号商標(以下「本件商標」という。)は、「ELE hotel」の欧文字を横書してなり、令和3年11月11日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与」を指定役務として、同4年3月28日に登録査定、同年4月1日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する商標は、以下の4件(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)であり、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4081559号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 ELLE 指定役務 第42類に属する商標登録原簿記載に記載の役務 登録出願日 平成4年6月4日 設定登録日 平成9年11月14日 (2)登録第4081605号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 ELLE 指定役務 第42類に属する商標登録原簿記載に記載の役務 登録出願日 平成7年1月10日 設定登録日 平成9年11月14日 (3)登録第5408124号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲1のとおりの態様 指定役務 第43類に属する商標登録原簿記載に記載の役務 登録出願日 平成22年8月20日 設定登録日 平成23年4月22日 (4)登録第633578号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様 別掲2のとおりの態様 指定商品 第16類、第20類ないし第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載に記載の商品 登録出願日 昭和36年5月24日 設定登録日 昭和39年1月10日 書換登録日 平成16年12月22日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第76号証(枝番号を含む。)(ただし、甲第60号証、62号証、甲第65号証の19及び甲第65号証の24は欠番である。)を提出した。 (1)申立人及び商標「ELLE(エル)」の著名性について ア 申立人は、フランス最大の複合企業体Lagardere SCA(ラガルデール)の傘下で、女性向けファッション雑誌「ELLE(エル)」(以下「ELLE誌」という。)を始め各種雑誌を発行し、同時にファッション関連商品、各種生活用品の製造販売や紹介を行う企業である(甲3)。 ELLE誌は、衣料品・身の回り品・化粧品・家具・食器等の多種多様な商品、とりわけ世界的に有名なファッションブランドの商品に関する記事を多数掲載する女性向けファッション雑誌であり、フランスでは第二次世界大戦前から発行されてきた。ELLE誌は、現在では、日本を含む世界46か国において、ライセンス契約又は合弁事業を通じて発行されている。 そして、ELLE誌に掲載されるファッションは、「ELLE(エル)」ファッションと呼ばれ、全世界の女性の間で広く支持を得ている(甲4、甲5)。 イ 日本における商標「ELLE(エル)」の使用は、1970年(昭和45年)3月に、日本の企業が、申立人の許諾の下で雑誌「an・an(アンアン)」を日本版ELLE誌と位置付けて創刊し、「ELLE(エル)」ファッションの紹介・普及を図り、その表紙には「ELLE japon(エル・ジャポン)」の標章を付してきた(甲6)。 そして、ELLE誌は、フランスで発行され世界各国へ輸出され、日本でも、1970年(昭和45年)以来、半世紀にわたり、ファション関連商品の紹介・広告を掲載してきた。 したがって、ELLE誌を通じて、商標「ELLE(エル)」が、申立人の業務に係る商品・役務を示す商標として、本件商標の登録出願日前から、我が国の需要者の間で広く知られていたことは明らかである。 ウ 商標「ELLE(エル)」を付して販売される商品 申立人は、1964年(昭和39年)から、帝人株式会社(以下「帝人」という。)に対し、商標「ELLE」の独占的使用権を許諾し、商標「ELLE(エル)」ブランドの商品化を推進した(甲6)。帝人は、商標「ELLE(エル)」を付した衣料品を製造販売する一方で、その独占的使用権に基づき、商標「ELLE」の再使用権を許諾して、商標「ELLE(エル)」を付した商品を開発し、当該ブランドの広告宣伝・製造販売及び普及に努めた(甲15)。 その後、1984年(昭和59年)7月に、前述のライセンス関係を解約し、子会社を通じて積極的に「ELLE(エル)」ファッションの市場開発・調査及び企画を行い、日本における「ELLE(エル)」ブランドの利用・普及を更に推進してきた(甲18~甲20)。また、複数のライセンシー(甲26、甲61、甲63、甲65、甲66~甲69)を通じ、「ELLE(エル)」を付したファッション関連商品及び各種生活用品にまで広がった(甲1、甲13、甲14、甲16,甲22~甲44、甲52~甲54、甲56、甲70~甲72)。 以上の事実に鑑みれば、商標「ELLE(エル)」は、本件商標の出願日前から、ファッション関連商品及び各種生活用品の取引者・需要者の間で、申立人の業務に係る商品・役務を容易に想起させるものとして、広く知られており、その状態が本件商標の登録査定時においても継続していたことは明らかである。 エ 商標「ELLE(エル)」の著名性については、これを認定した審決、申立人の有する登録第1978527号を基本商標として、防護標章7件の登録及び特許庁電子図書館の「日本国周知・著名商標」リスト検索への掲載がある(甲50、甲51)。 オ 小括 以上述べた事実、審決における認定等から、申立人の商標「ELLE(エル)」が、本件商標の出願日以前から、既に、ファッション関連商品及び各種生活用品の分野において周知著名となっており、その状態が本件商標の登録査定時においても継続していたことは明らかである。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、「ELE hotel」の欧文字を横書きにしてなるものであり、小文字で表された「hotel」との対比で、大文字で表された「ELE」の部分が強調された態様である。 また、本件商標構成中の「hote1」の部分は、「旅館、特に洋式の宿泊施設」を意味し、指定役務との関係においては、自他商品役務識別標識の機能を発揮しないものであるから、「ELE」の部分から生ずる外観・称呼又は観念により、引用商標1ないし3の商標の類否を判断するのが相当である。 イ 引用商標1ないし引用商標3について これに対し、引用商標1及び2は「ELLE」の欧文字で構成される商標であり、引用商標3は「ELLE」の欧文字とそれより少し小さなサイズのフォントで表された「CAFE」(決定注:Eにはアクサンテギュが付されている。)の欧文字を2段書きして構成された商標である。 引用1ないし3に含まれる「ELLE」の文字は、引用商標又は「ELLE」ブランドを知る需要者・取引者であれば、指定商品との関係において、「ファッションブランドのELLE」という観念が生じる。 ウ 外観上の類似について 本件商標の構成中の、「ELE」の部分は、引用商標1ないし3の「ELLE」の4文字の欧文字中3文字の綴りが共通することから、外観上類似する。 エ 称呼上の類似について 本件商標の構成中「ELE」の文字部分は、引用商標1ないし3と比べ、綴り上「L」が少ないものの、「E」と「L」という共通する文字で綴られていることから、自然に「エル」という称呼が生じるものであり、引用商標1ないし3から生じる「エル」の称呼と同一である。 オ 観念上の類似について 引用商標1ないし3を構成する「ELLE」の語は、フランス語で、「彼女」「(女性名詞をうけて)それ」という観念が自然に生じる(甲59)ほか、「ファッションブランドのELLE」という観念が生じる。 他方、本件商標の構成中、自他商品役務識別標識として機能する「ELE」の部分は、引用商標1ないし3と比べ、綴り上「L」が少ないものの、「E」と「L」という共通する文字で綴れていることから、自然に「エル」という称呼が生じ、フランス語で、「彼女」「(女性名詞をうけて)それ」という観念が自然に生じるほか、「ファッションブランドのELLE」という同一の観念も生ずるものである。 カ 指定役務の類否について 本件商標に係る指定役務中「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」は、引用商標2及び3の指定役務と同一又は類似の役務である。 また、本件商標に係る指定役務中「飲食物の提供」は引用商標1ないし3の指定役務と同一又は類似の役務である。 そして、本件商標に係る指定役務中「動物の宿泊施設の提供」は、引用商標2の指定役務と類似である。 さらに、本件商標に係る指定役務中「会議室の貸与,展示施設の貸与」は、引用商標2の指定役務と同一である。 キ 小括 以上のとおり、本件商標に係る指定役務は、引用商標1ないし3に係る指定役務と同一又は類似の役務を含み、本件商標は、称呼・観念・外観のいずれの点からも、引用商標1ないし3と同一又は類似する商標である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人の著名な商標である「ELLE」からなる、又は構成中に含む、引用商標1ないし4との関係において、本件商標は、同一の観念・称呼を生じ、外観においても類似するから、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。 ア 商標の類似性 上記(2)アのとおり、本件商標の「ELE」の部分は、独立して、自他商品役務識別標識として、十分に機能するものであるとともに、外観・称呼・観念のいずれの観点においても引用商標と類似する。 イ 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務との関連性並びに取引者・需要者の共通性 本件商標に係る指定役務は、引用商標に係る一部の指定役務と同一又は類似であるから、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の関連性は極めて高いとともに、需要者・取引者は共通する。 ウ 出所混同のおそれ 引用商標の著名性は、上記(1)のとおりであり、本件商標の指定役務の取引者層・需要者層と申立人の業務に係る役務の取引者層・需要者層は共通している。そして、本件商標は、取引者・需要者において、世界的に著名な引用商標を容易に想起・連想させる類似の商標である。 したがって、本件商標がその指定役務について使用された場合、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標から、これと類似する著名な商標である引用商標を容易に想起・認識し、申立人又はこれに関連する者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同して認識するおそれは高いというべきである。 エ 引用商標に化体した信用を害されるおそれ 商標「ELLE(エル)」は、申立人に係る商品・役務を表示するものとして、日本はもとより世界中で一般の取引者・需要者の間に広く認識されている著名商標であり、申立人の提供する商品・役務に係る絶大な信用が化体した重要な財産である。 したがって、本件商標の登録が維持されると、申立人と何ら関係のない者により、申立人の意図とは無関係に、申立人が現にその商標を付して使用している商品及び提供している役務とその取引者層・需要者層を同一にする商品・役務について、引用商標と類似する商標、すなわち本件商標が自由に使用されてしまうことになる。その結果として、劣悪な品質の商品・役務が引用商標と類似する商標によって提供されるという事態が生じ得ることも否定できず、申立人が永年にわたり多大な努力を費やして培ってきた「ELLE(エル)」のブランドイメージが著しく毀損され、申立人が多大な損害を被ることは明白である。 オ 小括 本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標に該当するから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)「ELLE」の文字からなる商標の著名性について ア 申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、ELLE誌等の各種雑誌を発行し、ファッション関連商品、各種生活用品の製造、販売等を行うフランスの企業であり、1945年(昭和20年)に、革新的女性週刊誌としてELLE誌を創刊し、その後、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア及びアフリカ等の多数の国において創刊したものであり、該雑誌の表紙の上部には、題号として、「ELLE」の構成態様からなる商標が表示され、ファッションを中心に、美容、インテリア、アクセサリー等様々な分野の商品が掲載された(主張、甲3(11葉))。 (イ)ELLE誌は、我が国において、1970年(昭和45年)に株式会社マガジンハウスが日本版として雑誌「アンアン」を出版し、その表紙に「ELLE japon」の標章を付してきた(主張)。1982年(昭和57年)4月以降は、日本語版として、「ELLE JAPON(エルジャポン」の創刊号を発行した(甲7)。以後、「エルジャポン」の出版は、いくつかの出版元を変遷し、現在は、ハースト婦人画報社により承継され、現在も我が国において発行され、その他、「ELLE」の文字を冠した題号の雑誌が同社により多数発行された(甲9~甲12、甲73)。 (ウ)ハースト婦人画報社は、ウェブマガジンの日本版として、ファッション、美容、健康等の各種情報を内容とする「エル・オンライン」(http://www.elle.co.jp/)を1996年(平成8年)に開設した(甲9の2(9葉))。 (エ)申立人は、日本において、複数のライセンシーを介して、婦人服、紳士服、子供服、アクセサリー、時計、バッグ、靴、眼鏡等のファッション関連商品、せっけん、化粧雑貨、喫煙具、食器、文房具等の日用品、ゴルフ用具、自転車等の様々な商品の販売活動を展開し(甲15~甲44、甲52~甲54、甲70~甲72)、これらの商品には、「ELLE」の文字が大きく表示され、申立人のライセンシーの数は、2015年~2017年に30社前後で推移し、2019年に24社であることがうかがえる(甲21、甲61、甲66~甲69)。 イ 以上によれば、「ELLE」の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)は、「エル」と称呼され、申立人の発行に係るファッション雑誌の題号として、本件商標の登録出願時(令和3年11月11日)において、我が国の若い女性を中心とした需要者及び出版関連の分野の取引者の間に広く知られていたものであり、ELLE誌を介して様々な商品が紹介され、申立人のライセンシーを通じて、申立人商標を付した婦人服、紳士服、子供服、アクセサリー、時計、バッグ、靴、眼鏡等のファッション関連商品、せっけん、化粧雑貨、喫煙具、食器、文房具等の日用品等、様々な商品が我が国において販売されたものであるから、申立人の業務に係るこれら商品を表示する商標としても、我が国の需要者・取引者の間に広く認識されていたものと認めることができ、その著名性は、本件商標の登録査定時を含め、現在も継続しているものといえる。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標は、「ELE hotel」の欧文字を横書きしてなる。 ところで、本件商標構成中の「ELE」の語は、一般的な辞書等に載録されているような既成の語ではなく、また、特定の意味を有するものとして一般に親しまれているような語でもないことから、本件商標は、特定の観念は生じないものである。 そして、特定の意味を有しない欧文字は、一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるか、それになじまないときは、一文字ずつ区切って読むものであるところ、例えば、「象」を意味する「ELEPHANT」や「電気」を意味する「ELECTRIC」をいずれも、語頭における「ELE」の部分を「エレ」と発音することからすれば、本件商標の「ELE」の部分からは、「エレ」の称呼を生じ、また、全体として何らかの意味合いを理解させるものではなく、指定役務との関係で特定の語義を有するものというべき特段の事情も見当たらないものであるから、「ELE」の文字部分から、特定の意味合いは生じない。 なお、本件商標中の「hotel」の文字部分は、本件商標の指定役務との関係において、英語及びこれに由来する外来語として、「旅館、特に洋式の宿泊施設」を意味するよく知られた語といえるものである。 そして、「ELE」の文字が大文字で、「hotel」の文字が小文字で書され、かつ、「ELE」の文字と「hotel」の文字との間に半文字程度の空白を有していることから、視覚的にも分離把握される可能性は否定できない。 そうすると、本件商標は、その構成文字全体から、「エレホテル」の称呼が生じるとともに、「ELE」の部分から「エレ」の称呼をも生じるものである。 また、特定の意味を有する語として一般の辞書等に掲載されていないものであるから、造語と認められ、特定の観念を生じないものということができる。 なお、申立人は、本件商標中の「hotel」及び「ホテル」の文字部分は、「旅館、特に洋式の宿泊施設」を意味する語として容易に把握させるとして、自他商品の識別機能を有しないものであり、本件商標は、「ELE」の文字部分から、「エル」の称呼及び「彼女、それ」若しくは「ファッションブランドとしてのELLE」の観念が生ずる旨主張している。 しかしながら、本件商標構成中の「ELE」の文字部分から「エレ」の称呼が生じるものであり、係るつづりの語が一部の辞書等への掲載があるとしても、我が国において知られている単語とは言い難いことから、一種の造語として捉えるとみるのが相当である。さらに、これを超えて、つづりも称呼も異なる「ELLE」を連想し、「ファッションブランドとしてのELLE」の観念を生ずるとする合理的理由があるとはいえない。 したがって、申立人の主張は、採用することができない。 イ 引用商標1ないし3 引用商標1及び2は、いずれも「ELLE」の欧文字を表してなり、これからは、「エル」の称呼を生じ、申立人の業務に係るファッション関連商品、各種生活用品を表示するものとして、我が国の取引者・需要者に広く知られているものであるから、申立人の業務に係る商品を表すものとしての「ELLE(エル)」の観念を生ずるものである。 引用商標3は、「ELLE」の欧文字と「CAFE」の欧文字を二段書きしてなるところ、「ELLE」の文字部分と「CAFE」の文字部分とは、太字と細字、互いに書体が異なることから、それぞれが視覚上分離して観察されるものであるばかりでなく、その構成中の「CAFE」の文字は、「客にコーヒーを飲ませるための店・施設」等を意味し、当該店舗を想起させるものであって、出所識別標識としての識別力がないか極めて弱いものとして理解されるというのが相当である。 そうすると、引用商標3は、これをその指定役務について使用するときは、その構成中「ELLE」の文字部分が看者の注意をひき、強く印象付けられるものであって、自他商品及び役務の識別標識としての機能を有する要部であると認められるものであり、上述のとおり、申立人の業務に係るファッション関連商品、各種生活用品を表示するものとして、我が国の取引者・需要者に広く知られているものである。 したがって、引用商標3は、その構成文字の全体に相応して「エルカフェ」の称呼を生じ、かつ、その構成中の「ELLE」の文字に相応して「エル」の称呼をも生じるものであって、申立人の業務に係る商品を表すものとしての「ELLE(エル)」の観念を生ずるものである。 ウ 本件商標と引用商標1ないし3との類否 本件商標と引用商標1ないし3との類否について検討するに、本件商標は、「ELE hotel」の欧文字を横書きしてなるものであるのに対し、引用商標1ないし3は、「ELLE」又は「ELLE」の欧文字と「CAFE」の欧文字を二段書きしてなるものであるから、両商標は、構成文字及び構成態様が異なり、外観上、相紛れるおそれはないものである。 そして、称呼においては、本件商標から生ずる「エレホテル」の称呼又は「エレ」の称呼と引用商標1ないし3から生ずる「エル」及び「エルカフェ」の称呼とは、その構成音数に明らかな差異を有するものであるから、明瞭に聴別できるものと認められる。 また、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、申立人の業務に係る商品を表すものとしての「ELLE(エル)」の観念を生ずる引用商標1ないし3とは相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 前記(1)のとおり、申立人商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の需要者・取引者の間に広く認識されていたものと認められる。 しかしながら、前記(2)のとおり、本件商標は、引用商標1ないし3とは、非類似の商標であるから、申立人商標とも相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであって、別異の商標と認められる。 そうすると、本件商標に係る指定役務の取引者、需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すれば、本件商標権者が、本件商標をその指定役務について使用をしても、これに接する取引者、需要者をして、申立人商標を連想、想起することはなく、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の取扱いに係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が引用商標又は申立人商標と出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900251

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