商標異議申立
2022-900250
パンダホールエリート、パンダホール、エリート
- 審判番号
- 2022-900250
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-094143
- 登録番号
- 6540967
- 請求日
- 2022年06月07日
- 審決日
- 2023年09月05日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】黄凱峰
- 【異議申立人】深▲セン▼市君信科技有限公司
- 【異議申立人代理人】原田 貴史
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.25 -Y (W26) / T1651.271-Y (W26)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6540967号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6540967号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6540967号商標(以下「本件商標」という。)は、「PandaHall Elite」の文字を標準文字で表してなり、令和3年7月29日に登録出願、第26類「チャーム(宝飾品、キーホルダー用のものを除く。),贈答品包装用の織物製蝶形リボン,贈答品包装用リボン(紙製のものを除く。),ビーズ(宝飾品製造用のものを除く。),手芸用ビーズ,衣服用バックル,造花,ヘアラップの性質を帯びた髪飾り,ヘアクリップ,包装用織物製リボン,髪用装飾品,裁縫キット,かつら」を指定商品として、同4年3月24日に登録査定、同年4月4日に設定登録されたものである。
第2 引用標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する標章は、「PandaHall」の欧文字(以下「引用標章1」という。)及び「PandaHall Elite」の欧文字よりなる標章(以下「引用標章2」といい、引用標章1及び引用標章2をまとめて「引用標章」という場合がある。)であり、申立人が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「手芸用ビーズ、チャーム(宝飾品、キーホルダー用のものを除く。)、ボタン」等の商品(以下「申立人商品」という。)に使用し、申立人商品の取引者、需要者の間に広く認識されていると主張するものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1項第1号の規定により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
なお、甲各号証の表記にあたっては、以下、甲第1号証を「甲1」のように省略して表示する場合がある。
1 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)本件商標と引用標章2が同一であること
本件商標は、「PandaHall Elite」の文字を標準文字で表してなるところ、申立人が、2004年より申立人商品について使用している引用標章1及び10年以上にわたって申立人商品について使用している引用標章2の各標章のうち、引用標章2が本件商標と構成文字が完全に一致するため、本件商標と引用標章2は、互いに同一の商標(標章)である。
(2)引用標章の周知性について
申立人は、引用標章1を用いた申立人商品について、中国を中心に2004年に販売を開始し、中国や我が国のみならず、北米、欧州及びオンライン上にて、現在でも販売を続けている。
その結果、40万種類の宝飾品やアクセサリーを取り扱う店舗となり、また、申立人は、引用標章2を用いた申立人商品を、10年ほど前からウェブサイト上で販売を開始し、現在でも1,300種類以上の商品を販売している(甲3)。
そして、多くの商品は、本件商標の登録出願日より前に発売を開始し、甲第4号証に表示された各商品については、相当数の商品の発注がされ、また高評価のレビューも多数存在していることが明らかである(甲5)。
また、申立人運営のウェブサイトのみならず、Amazonでも、引用標章2を用いた申立人商品を販売しており、顧客からの多くの好評のレビューを、本件商標の登録出願日より前から得ていることが分かる(甲6~甲9)。
よって、本件商標に接する需要者は、本件商標を申立人に係る事業であると混同するおそれがある。
以上より、本件商標は、その登録出願日より前に、その指定商品の業界において、申立人の出所標識として需要者の間に広く認識されていた標章と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用標章2に類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人が申立人商品について使用している引用標章は、本件商標の登録出願日より前に、申立人商品の業界において、申立人の出所標識として需要者の間に広く認識され、著名となっていたものである。
そして、本件商標は、引用標章とほぼ同一であって、本件商標を構成する「PandaHall Elite」の欧文字は、そもそも申立人によって、約10年前に独自に採択された独創性の高い造語である。
また、本件商標の指定商品と申立人商品とは、極めて密接な関連性があり、それゆえに需要者の共通性を有している。
したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標と評価されるべきである。
仮に、本件商標の登録を認める場合には、周知表示又は著名表示へのただ乗り及び当該表示の希釈化を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護するという商標法第4条第1項第15号の趣旨を無に帰することになる。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 当審の判断
1 引用標章の周知性について
申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標の登録出願前に引用標章2を使用したアクセサリーパーツ等の商品が販売されていることは確認できる(甲7~甲9)が、これらの証拠に、申立人の表示が見当たらないことから、当該証拠に掲載された商品が申立人に係る商品であることは確認することができない。
仮に、これらの証拠に掲載された商品が、申立人商品に関するものであったとしても、当該商品の我が国又は外国における販売数、売上高、市場占有率などの当該商品の販売実績等を客観的かつ具体的に示す主張もなく、その証拠も提出されていない。
また、引用標章を付した申立人商品に関する宣伝広告の規模、費用などの実績等を客観的かつ具体的に示す主張もなく、その証拠も提出されていない。
したがって、申立人提出の証拠によっては、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 本件商標と引用標章の類似性及びその程度について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「PandaHall Elite」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字に相応し「パンダホールエリート」の称呼が生じるものであり、当該文字は、一般の辞書等に載録されている特定の意味合いを有する語ではないことから、特定の観念が生じないものである。
(2)引用標章について
引用標章1は、「PandaHall」の欧文字よりなるものであり、その構成文字に相応し「パンダホール」の称呼が生じるものであり、当該文字は、一般の辞書等に載録されている特定の意味合いを有する語ではないことから、特定の観念が生じないものである。
引用標章2は、「PandaHall Elite」の欧文字よりなるものであって、その構成文字に相応して「パンダホールエリート」の称呼を生じるものであり、当該文字は、一般の辞書等に載録されている特定の意味合いを有する語ではないことから、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用標章の類似性及びその程度について
ア 本件商標と引用標章1の類似性及びその程度について
本件商標と引用標章1とは、「Elite」の文字の有無に差異を有するため、構成文字全体として異なる語となるから、外観上、相紛れるおそれはない。
本件商標より生じる「パンダホールエリート」の称呼と、引用標章1より生じる「パンダホール」の称呼とは、構成音及びその音数が相違するため、それぞれを一連に称呼した場合は、語調語感が相違し、称呼上、互いに紛れるおそれはない。
本件商標及び引用標章1は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念について比較することができない。
以上から、本件商標と引用標章1とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、これらは相紛れるおそれのない非類似の商標(標章)というべきものであり、類似性の程度はそれほど高いとはいえない。
イ 本件商標と引用標章2とは、「PandaHall Elite」の文字を共通にするものであり、かつ、「パンダホールエリート」の称呼を共通にするものであるから、これらの観念において比較できないとしても、これらは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標及び標章と認められ、類似性の程度は高いといえる。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)上記1のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、また、上記2(3)アのとおり、本件商標と引用標章1とは、互いに、相紛れるおそれのない非類似の商標(標章)であるから、本件商標の指定商品と申立人商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、引用標章1との関係において、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(2)上記2(3)イのとおり、本件商標と引用標章2とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標及び標章と認められ、本件商標の指定商品と申立人商品が同一又は類似するとしても、上記1のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないことから、本件商標は、引用標章2との関係において、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標の指定商品と申立人商品が同一又は類似し、需要者の共通性等を有するものであるとしても、上記1のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、また、上記2(3)アのとおり、本件商標と引用標章1とは、互いに、相紛れるおそれのない非類似の商標(標章)であるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用標章1を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとはいい難い。
(2)上記2(3)イのとおり、本件商標と引用標章2とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標及び標章と認められ、本件商標の指定商品と申立人商品が同一又は類似し、需要者の共通性等を有しているとしても、上記1のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないことから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用標章2を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとはいい難い。
(3)その他、本件商標が、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
(4)以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれが商標ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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