商標異議申立
2022-900212
ウバガミダイジングートギョサイ、ウバガミダイジングートギョ、ウバガミダイジングー
- 審判番号
- 2022-900212
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-161051
- 登録番号
- 6527080
- 請求日
- 2022年05月20日
- 審決日
- 2023年06月27日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】宗教法人姥神大神宮
- 【権利者代理人】佐川 慎悟
- 【権利者代理人】太田 清子
- 【権利者代理人】川野 陽輔
- 【権利者代理人】江部 陽子
- 【権利者代理人】大窪 智行
- 【異議申立人】江差町
- 【異議申立人代理人】嶋田 敬昌
- 【異議申立人代理人】平井 喜一
- 【異議申立人代理人】岡谷 直明
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1651.11 -Y (W41) / T1651.12 -Y (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項1号商標法3条1項2号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第1号、商標法第3条第1項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6527080号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6527080号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6527080号商標(以下「本件商標」という。)は、「姥神大神宮渡御祭」の文字を標準文字により表してなり、令和3年12月24日に登録出願、第41類「お祭りを主とする催事・伝統行事及び記念イベントの企画・運営又は開催,伝統行事の企画・運営又は開催,郷土祭り・イベントの企画・運営又は開催,民俗芸能の祭典の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),人及び地域の交流を目的とするイベントの企画・運営又は開催,文化のためのイベントの企画・運営,日本伝統演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,日本伝統音楽の演奏,伝統芸能の上演,音楽の演奏,演芸の上演,演劇の演出又は上演,インターネットを利用して行う音楽の提供,山車等の催し物(ページェント)を特徴とする娯楽の提供,音楽祭用・演奏会用・演劇用ステージの貸与,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,日本の伝統文化に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,写真の撮影,動画の撮影,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」を指定役務として、令和4年2月22日に登録査定され、同年3月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要旨
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第3条第1項第1号及び同項第2号に該当するから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。枝番をすべて含む場合には枝番を省略して記す場合がある。)を提出した。
(2)商標法第3条第1項第1号及び同項第2号該当性について
「姥神大神宮渡御祭」は370有余年の歴史があり、本件商標権者である宗教法人姥神大神宮ではなく、姥神大神宮祭典協賛実行委員会を保護団体として「北海道指定無形民俗文化財」に指定(平成31年3月19日指定)され、「北海道遺産」として認定されている(甲1、甲2)。
また、「姥神大神宮渡御祭」では、各町内会が所有する13台の山車を出し、その際に「姥神大神宮渡御祭」と記載された名刺を各所にご祝儀のお礼として渡す風習がある。
さらに、これまで「姥神大神宮渡御祭」を明記した数多くの商品(扇子,缶バッジ,ポロシャツやTシャツ)、広告物(幟,ポスター等)、動画(江差山車会館での動画,江差町のHP,Youtube等)及び写真集等が製作されている(甲7~甲14)。
すなわち、「姥神大神宮渡御祭」の名称は、宗教法人姥神大神宮神社の独占が許されるべきものではなく、江差町民が共有する伝統文化財である。
そうすると、江差町において「姥神大神宮渡御祭」とは、普通名称又は慣用商標であり、識別力を欠く上、江差町、江差観光コンベンション協会、江差商工会、江差山車会館及び江差町各町内会などの他人による自由使用が要請される。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当する。
以上から、本件商標登録は取消の理由が存在し、これを取り消すべきものである。
3 当審の判断
申立人は、「姥神大神宮渡御祭」の文字は、江差町において、普通名称又は慣用商標であるから、本件商標は商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当する旨主張しているから、これについて、以下のとおり判断する。
(1)商標法第3条第1項第1号、同項第2号該当性について
ア 商標法第3条第1項第1号は、「その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」については商標登録を受けることができない旨定めているところ、その「普通名称」とは、取引者において、その商品又は役務の一般的な名称であると認識されるに至っているものをいうと解される。
また、商標法第3条第1項第2号は、「その商品について慣用されている商標」については商標登録を受けることができない旨定めているところ、その「慣用されている商標」とは、同業者間において一般的に使用されるに至った結果、自己の商品と他人の商品とを識別することができなくなった商標をいうと解される。
そして、本件商標がこれら各号に該当するか否かの判断時は、登録査定時である。
イ 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「姥神大神宮渡御祭」の文字を標準文字により表してなり、第41類に属する、前記1のとおりの役務を指定役務とするものである。
(2)「姥神大神宮渡御祭」の文字について
ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、「姥神大神宮渡御祭」は、北海道文化財保護条例(昭和30年北海道条例第83号)第26条第1項の規定により、平成31年3月19日に北海道の無形民俗文化財に指定された、北海道檜山郡江差町において、同町に所在する姥神大神宮の祭礼として伝承されてきたものである(甲2)。
イ 上記アからすれば、「姥神大神宮渡御祭」は、祭りの名称であることは認められる。
しかしながら、上記(1)アのとおり、普通名称とは、取引者において、その商品又は役務の一般的な名称であると認識されるに至っているものであるところ、提出された証拠からは、「姥神大神宮渡御祭」の文字が、本件商標に係る指定役務の取引者において一般的な名称であると認識されるに至っていると認めることはできない。
また、上記(1)アのとおり、商品又は役務について慣用されている商標とは、同業者間において一般的に使用されるに至った結果、自己の商品と他人の商品とを識別することができなくなった商標をいうところ、提出された証拠からは、「姥神大神宮渡御祭」の文字が、本件商標に係る指定役務について、一般的に使用されるに至った結果、自己の商品又は役務と他人の商品又は役務をと識別することができなくなった商標と認めることはできない。
そうすると、申立人の提出した証拠によっては、本件商標の登録査定時において、「姥神大神宮渡御祭」の文字からなる本件商標は、その指定役務との関係において、普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標又は慣用されている商標であるということはできない。
してみれば、本件商標は、商標法第3条第1項第1号及び同項第2号のいずれにも該当しない。
なお、商標権者は、令和4年8月24日受付にかかる「上申書」を提出し、種々述べているが、本決定の判断には、何らの影響を与えるものではないとして判断した。
(3)申立人の主張について
申立人は、「姥神大神宮渡御祭」の文字は、江差町において、普通名称又は慣用商標であるから、本件商標は商標法第3条第1項第1号又は同項第2号に該当する旨主張している。
しかしながら、北海道江差町において、「祭り」といえば「姥神大神宮渡御祭」を指すものであるとしても、上記(2)のとおり、「姥神大神宮渡御祭」の文字が本件商標の指定役務に係る我が国の取引者全般において、一般的な名称であると認識されるに至った又は一般的に使用された結果、自己の商品と他人の商品とを識別することができなくなったと認めることはできないから、申立人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第1号及び同項第2号に違反してされたものではなく、他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-900212