商標異議申立
2022-900189
チュー、チュウ
- 審判番号
- 2022-900189
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-026987
- 登録番号
- 6523561
- 請求日
- 2022年05月02日
- 審決日
- 2023年04月10日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ピーピービー スタディオス コーポレーションリミテッド
- 【異議申立人】ジェー、チュー、リミテッド
- 【異議申立人代理人】宮嶋 学
- 【異議申立人代理人】本宮 照久
- 【異議申立人代理人】高田 泰彦
- 【異議申立人代理人】柏 延之
- 【異議申立人代理人】副田 圭介
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T1651.261-Y (W2535) / T1651.262-Y (W2535) / T1651.263-Y (W2535) / T1651.271-Y (W2535)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6523561号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6523561号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6523561号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「chuu」の欧文字を横書きした構成からなり、令和3年3月8日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,ズボン」及び第35類「コンタクトレンズ及びその付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同4年2月21日に登録査定され、同年3月7日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下の4件の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1201378号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおり、ややデザイン化された「CHOO」の欧文字を横書きした構成からなり、2013年(平成25年)11月8日に国際商標登録出願、第3類及び第9類に属する別掲2に記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年6月12日に日本国において設定登録されたものである。
2 国際登録第1257825号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおり、ややデザイン化された「CHOO」の欧文字を横書きした構成からなり、2014年(平成26年)12月18日に国際商標登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する別掲3に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成28年11月4日に日本国において設定登録されたものである。
3 国際登録第1443377号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおり、ややデザイン化された「CHOO」の欧文字を横書きした構成からなり、2018年4月9日にUnited Kingdomにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2018年(平成30年)10月8日に国際商標登録出願、第14類、第18類及び第25類に属する別掲4に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年2月12日に日本国において設定登録されたものである。
4 国際登録第1494017号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5のとおり、ややデザイン化された「CHOO」の欧文字を横書きした構成からなり、2019年(令和元年)9月17日に国際商標登録出願、第9類に属する別掲5に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年8月6日に日本国において設定登録されたものである。
以下、上記の引用商標1ないし引用商標4をまとめて、「引用商標」という場合がある。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)指定商品の類否について
本件商標に係る指定商品中、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,ズボン」、及び第35類の全役務は、引用商標に係る商品等と類似する。
(2)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標について
本件商標は、「chuu」の文字をゴシック調欧文字により横書きしてなるものであり、その構成文字に相応し、「チュウ」の称呼が生じる。本件商標は、辞書等に掲載されている既成語ではなく、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、いずれも、「CHOO」の文字を通常の書体の文字又はゴシック調欧文字を図案化して横書きしてなるものであり、その構成文字に相応し、「チュウ」の称呼が生じる。引用商標は、辞書等に掲載されている既成語ではなく、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである。
(3)本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標は、いずれも「チュウ」の称呼を生じるものであり、特定の銀念を生じさせることのない商標である。
外観について検討すると、本件商標と引用商標は、いずれも欧文字4文字からなり、商標構成中前半の「ch(CH)」が共通しており、後半の「u/O」が2個続けて配されていることからすると、全体として、外観上互いに近似した印象を与える。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼「チュウ」において同一であり、欧文字4文字で構成されている外観において類似しており、被服等を指定商品とする商標であることを考慮してみれば、互いに類似する商標というべきものである。
(4)結論
上記のとおり、本件商標と引用商標は、その指定商品を同一又は類似とするものであり、互いに類似する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)申立人及び引用商標について
申立人は、イギリス国ロンドンに本店を有する、1996年に設立されたラグジュアリーアクセサリーブランド「JIMMY CHOO」のブランド創設者である。グローバルストアネットワークは200店舗以上に及び、世界各地の直営店舗や世界中で最も有名な百貨店、セレクトショップで販売されている。我が国においても、直営店舗及び百貨店において、商品が販売されている(甲8~甲25)。
「JIMMY CHOO」が生み出すファッションは、2008年には英国ファッション協会からデザイナー・ブランド・オブ・ザ・イヤー賞を、また米国アクセサリー協会からは2008年ACEブランド賞を、ニューヨークのフットウエア・ニュースからは2008年ブランド・オブ・ザ・イヤー賞の受賞対象となっており、現在では、国内外のセレブリティからロイヤルファミリー、ミュージシャン、ファーストレディにまで、老若男女問わず広く愛されている。
このように、「JIMMY CHOO」ブランドは、今日ではフルラインが揃うラグジュアリーアクセサリーブランドとして、レディースシューズを中核として、ハンドバッグ、革小物、スカーフ、サングラス、ベルト、フレグランスおよびメンズシューズを展開している。
(2)引用商標の周知・著名性について
引用商標は、「JIMMY CHOO」ブランドの略称又は「JIMMY CHOO」ブランドを象徴するアイコニックなブランドロゴとして、申立人が使用してきたブランドであり、本件商標の出願日である令和3年3月8日の時点において、引用商標を一見しただけで、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として認識することのできる全国的に周知・著名な商標である。
例えば、2017年秋のプロモーションでは、「I WANT CHOO」をキーフレーズとしたブランディング・マーケティング活動を行っており、現在でも、フレングラスのブランドとして使用されている(甲25)。
(3)本件商標と引用商標の類似性の程度について
上記1(3)で述べたとおり、本件商標は、周知商標である引用商標の構成文字「CHOO」の文字と配列が近似するものであり、全体として引用商標と印象が酷似するものである。
すなわち、本件商標は「chuu」と表記されるが、かかる態様を引用商標「CHOO」と比較すると、外観上の差異は本件商標の三文字目及び四文字目に位置する「U」と「O」のみであることから、その外観において非常に相紛らわしいといえる。さらに、称呼においても、両称呼は同一である。
(4)商品間の関連性について
上記(1)で述べたとおり、両者の指定商品等は、被服等を中心としたファッション分野の商品であり、同一営業主により製造販売される商品であり、同一店舗の同一販売部門で取り扱われることが多く、用途においても類似し、需要者の範囲も共通している。
したがって、両者の指定商品は、それに同一又は類似の商標を使用すれば同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがある高い互いに極めて関連性の強い商品であることは明らかである。
(5)需要者の注意力について
本件商標の指定商品「被服」等の主たる需要者は、専門知識を有しない一般の消費者であることから、商品の選択や購入をする際に払われる通常の注意力は、各段高いとは言い得ないものである。
引用商標「CHOO」(「JIMMY CHOO」の略称)として高い周知・著名性、顧客吸引力、かつハウスマークの象徴であるという引用商標の顕著性を鑑みれば、「被服」等に使用される本件商標に接した一般消費者は、過去の蓄積された記憶の中から、「CHOO」「JIMMY CHOO」を即座に思い浮かべ、その強い印象、連想の程度は商標上の微々たる差異を優に凌駕するものである。
すなわち、本願商標に接する需要者は、引用商標を連想、想起して、需要者にその商品の出所について混同を生ぜしめることになるおそれが高いことは明らかである。
上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
3 むすび
本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、本件商標登録は同法第43の2第1号により取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 引用商標及びその周知性について
(1)申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、1996年(平成8年)に英国のラグジュアリーアクセサリーブランド「JIMMY CHOO」を創設し(申立人の主張、甲8,甲9、甲23等)、2008年(平成20年)に英国ファッション協会からデザイナー・ブランド・オブ・ザ・イヤー賞、米国アクセサリー協会から2008年ACEブランド賞、ニューヨークのフットウエア・ニュースから2008年ブランド・オブ・ザ・イヤー賞を受賞したこと(甲22)がうかがえる。
イ 我が国においては、2006年(平成18年)に日本初の直営店が表参道ヒルズ内にオープンし(甲23)、2022年(令和4年)8月1日時点で、「JIMMY CHOO」ブランドの商品を取り扱う店舗は、「GINZA SIX」(甲9)を含む49店舗(甲8)であり、「高島屋」や「三越伊勢丹」のオンラインショップ(甲10~甲14)及び「JIMMY CHOO」の公式サイト(甲15~甲19、甲21、甲25)においても「JIMMY CHOO」の表示とともに、商品「バッグ、靴、財布等」が掲載されていたことが認められる。
ウ また、2019年4月25日より、引用商標3を付したスニーカーが、ジミーチュウ直営店及び公式オンラインブティックで発売されたこと(甲20)がうかがえる。
エ しかしながら、引用商標の文字を使用した商品の我が国における売上額など販売実績や市場シェア、広告宣伝の規模等を示す主張はなく、その証左は見いだせない。
(2)上記(1)のとおり、申立人は1996年(平成8年)より「JIMMY CHOO」ブランドを継続して使用し、我が国においては2006年(平成18年)以降、現在も全国の店舗やオンラインショップ等で取り扱われていることがうかがえるものの、引用商標については、引用商標3が単独で使用されている証拠として商品「スニーカー」についての使用例を1件提出したのみであって、その他、引用商標1,引用商標2,引用商標4を使用した証拠は見いだせない。
なお、申立人は、引用商標は「JIMMY CHOO」ブランドの略称又は「JIMMY CHOO」ブランドを象徴するアイコニックなブランドロゴであり、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として認識することのできる周知・著名な商標であるなどと述べているが、上記のとおり、申立人は、引用商標について、引用商標3に関する証拠をわずかに提出したのみであり、引用商標が「JIMMY CHOO」ブランドの略称又は「JIMMY CHOO」ブランドを象徴するロゴであることを示す証拠の提出はない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「chuu」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「チュー」の称呼を生じ、また、該文字は、一般の辞書等に載録されている既成の語ではないから、特定の意味を認識させない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、「チュー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標1ないし4は、別掲2ないし5に示すとおり、「CHOO」(その構成は、「CHOO」の欧文字をデザイン化して表したものと認識できる。以下同じ。)の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成文字に相応して「チュー」又は「チョー」の称呼を生じ、また、該文字は、一般の辞書等に載録されている既成の語ではないから、特定の意味を認識させない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、「チュー」又は「チョー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観
本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、小文字と大文字の差異、文字の太さ、デザイン化の有無及び後半部の「uu」の文字と「OO」の文字の差異などがあり、これらの差異が共に4文字という少ない文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象は著しく相違し、外観上、判然と区別し得るものである。
イ 称呼
本件商標からは、「チュー」の称呼が生じ、引用商標からは、「チュー」又は「チョー」の称呼を生じるものであるから、両商標は、「チュー」の称呼を共通にするものであって、称呼上、類似するものといえる。
ウ 観念
本件商標と引用商標からは、いずれも特定の観念を生じないから、両者は、観念上、比較することができないものである。
エ まとめ
上記アないしウによれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できず、称呼において共通する場合があるとしても、外観において印象が著しく相違し、判然と区別し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を凌駕するとはいい難く、これらを総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることはできないものである。
そして、上記2(3)のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標である。
そうすると、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務は、ファッション関連分野における取引者、需要者において共通性があるものの、本件商標は、これを本件商標権者がその指定商品及び指定役務に使用しても、取引者、需要者が引用商標を連想又は想起して、その商品及び役務が他人(申立人)又は同人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、その商品等の需要者が商品等の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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