商標異議申立
2022-900171
トリニティ
- 審判番号
- 2022-900171
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-118753
- 登録番号
- 6520905
- 請求日
- 2022年04月27日
- 審決日
- 2023年03月03日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】グローブライド株式会社
- 【異議申立人】株式会社 土肥富
- 【異議申立人代理人】藤田 典彦
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.261-Y (W28) / T1651.262-Y (W28) / T1651.263-Y (W28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6520905号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6520905号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6520905号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRINITY」の文字を標準文字で表してなり、令和3年9月24日に登録出願、第28類「釣り具」を指定商品として、同4年2月24日に登録査定、同年3月1日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録第5340187号商標(以下「引用商標」という。)は、「TRINITY TREBLE HOOKS」の欧文字を横書きしてなり、平成22年1月13日に登録出願、第28類「釣針」を指定商品として、同年7月23日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
なお、証拠の表記にあたっては、以下、甲第1号証を「甲1」のように省略して記載する。
1 本件商標について
本件商標は、「TRINITY」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字より、「トリニティ」の称呼を生じ、「三つ組」、「三人組」又は「三位一体」の観念を生じるものである。
2 引用商標について
引用商標は、「TRINITY TREBLE HOOKS」の欧文字を横書してなるところ、その構成中の「TREBLE HOOKS」の欧文字は、指定商品である釣針の一種であり、針が円周を3分割した120度の間隔で3本配置されたいわゆる「3本針」(以下「3本針」という)の名称として普通に使用されている(甲3~甲9)。
甲第3号証及び甲第4号証は、株式会社土肥富が発行する商品カタログ(写し)であり、2003年(平成15年)1月発行の商品カタログ(甲3)の19頁、27頁及び28頁には3本針の名称として「TREBLE HOOKS」の文字が記載され、2014年(平成26年)2月発行の同社商品カタログ(甲4)の31頁及び32頁には3本針の名称として「TREBLE HOOKS」の文字が記載されている。
甲第5号証は2018年度版の長明漁具有限公司の商品力タログ(写し)であり、当該カタログの35頁には3本針の名称として「TREBLE HOOKS」と実質同一である「TREBLE HOOK」の文字が記載されている。
甲第6号証は2019/2020年度版のVMCPECHE(12rue du General de Gaulle, 90120 Morvillars,France)の商品カタログであるが、この7頁、8頁、12頁には3本針の名称として「TREBLE HOOKS」の文字が記載されていることがわかる。
甲第7号証は2020年版のO Mustad & Son AS(Raufossvegen 40,Gjovik,2821,Norway:「Gjovik」の「o」はラテン文字である。)の商品カタログであるが、この33頁、35頁、79頁には3本針の名称として「TREBLE HOOKS」と実質同一である「TREBLE HOOK」の文字が記載されていることがわかる。
さらに、インターネット検索にて「TREBLE HOOK」又は「TREBLE HOOKS」をキーワードに検索すると多くのヒット例が見られるものであり、いずれも「3本針」を一般的に表示する名称として普通に使用されている事実がわかる。
甲第8号証は株式会社カツイチのホームページの記載であるが、3本針の名称として「TREBLE HOOKS」と実質同一である「Treble Hook」の文字が記載されている事実がわかる。
甲第9号証は、タカ産業株式会社のホームページの記載であるが、3本針の名称として「TREBLE HOOKS」と実質同一である「TREBLE HOOK」の文字が記載されている事実がわかる。
以上に示すように、商品「釣針」の一種である3本針について「TREBLE HOOKS」又はこれと実質同一である「TREBLE HOOK」の文字が普通に使用されていることは明らかである。
3 本件商標と引用商標の類否について
引用商標の構成中の「TREBLE HOOKS」の文字は、指定商品の釣針の一種である3本針との関係においては商品の普通名称であり、自他識別機能が極めて弱いか、又はその機能を果たさないものとみるのが相当である。
そうすると、引用商標に接する需要者及び取引者は、自他識別機能が極めて弱いか、又はその機能を果たさない「TREBLE HOOKS」の文字を省いた「TRINITY」の文字部分に着目し、これより生じる称呼及び観念をもって取引に当たる場合も少なくないものと考えられる。
すなわち、当該「TRINITY」の文字部分のみを抽出して商標の類否判断をすることに理由はあるというべきものである。
そうすると、引用商標はその全体より生じる「トリニティトレブルフックス」の称呼とは別に、自他識別のための要部である「TRINITY」の部分より生じる「トリニティ」の称呼が生じ、その文字より「二つ組」、「二人組」又は「三位一体」の観念が生じるものである。
よって、「TRINITY」の文字を標準文字で表して、「トリニティ」の称呼が生じ、「三つ組」、「二人組」又は「三位一体」の観念が生じる本件商標と同じく、「トリニティ」の称呼を生じ、「二つ組」、「二人組」又は「三位一体」の観念を生じる引用商標とは「トリニティ」の称呼を同一にするとともに、観念も類似する。
また、本件商標の指定商品「釣り具」は引用商標の指定商品「釣針」を含み、その指定商品も類似のものである。
4 むすび
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「TRINITY」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「三位一体、三つ組、三つ揃い」等(出典:研究社 新英和中辞典)を意味する語であるから、構成文字に相応して、「トリニティ」の称呼を生じ、「三位一体、三つ組、三つ揃い」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「TRINITY TREBLE HOOKS」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「TRINITY」、「TREBLE」及び「HOOKS」の各文字間は、一文字程度の空白をもって表されているとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、「TRINITY」の文字のみが殊更に強調されているような態様ではないことから、その構成中の「TRINITY」の文字が、語頭に位置しているとしても当該文字のみを分離、抽出して観察しなければならない格別の理由は存しない。
また、引用商標の構成文字全体に相応して生じる「トリニティトレブルフックス」の称呼もやや長い称呼といえるとしても、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、その構成中「TREBLE」及び「HOOKS」の各文字を結合した「TREBLE HOOKS」の文字が「三本鉤」を意味するものであるとしても、上記のとおり、引用商標は、その構成中の「TRINITY」の文字のみを分離、抽出しなければならない事情はなく、構成全体として一連一体のものと判断するのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「トリニティトレブルフックス」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の類否を検討するに、本件商標は、「TRINITY」の文字を標準文字で表してなるのに対し、引用商標は、「TRINITY TREBLE HOOKS」の欧文字を表してなるものであるから、構成態様及び構成文字数において相違し、外観上明確に区別することができる
そして、本件商標から生じる「トリニティ」の称呼と引用商標の構成全体から生じる「トリニティトレブルフックス」の称呼とは、音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから、両称呼は、語調、語感が異なり、互いに相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は、「三位一体」の観念を生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
他に、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似する商品を含むとしても、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといえない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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