商標異議申立
2022-900140
ラッキーカンパニー、ラッキー
- 審判番号
- 2022-900140
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-085986
- 登録番号
- 6506069
- 請求日
- 2022年04月04日
- 審決日
- 2023年04月13日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】劉日福
- 【異議申立人】エービージー ラッキー リミテッド ライアビリティ カンパニー
- 【異議申立人代理人】弁理士法人RIN IP Partners
- 【異議申立人代理人】宮城 和浩
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6506069号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6506069号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6506069号商標(以下「本件商標」という。)は、「LUCKY COMPANY」の文字を標準文字で表してなり、令和3年7月9日に登録出願、第25類「ワイシャツ類及びシャツ,帽子,ズボン下,ティーシャツ,セーター,外衣,ズボン,靴及び運動用特殊靴,ソックス,被服」を指定商品として、同年12月21日に登録査定、同4年1月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)であり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3371361号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LUCKY BRAND」の欧文字を横書きしてなり、平成5年10月1日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同12年3月10日に設定登録されたものである。
(2)登録第4372994号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年7月27日に登録出願、第25類「アメリカ製の被服(但し、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製用幼児おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆いを除く。),アメリカ製の履物,アメリカ製の運動用特殊衣服,アメリカ製の運動用特殊靴」を指定商品として、同12年4月7日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
なお、証拠の記載に当たっては、以下、「甲○(「○」は数字)」のように記載する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標の構成中「COMPANY」は、「会社」を意味し、英語表記の商号中に使用されるものである。
商標審査基準の「商標の構成中に、商号の一部分として通常使用される「株式会社」「商会」「Co.」「K.K.」「Ltd.」「組合」「協同組合」等の文字が含まれている場合には、これらの文字を除外した称呼、観念も生ずるものとする」の記載に則れば、本件商標は、商号の一部分として通常使用される「COMPANY」を捨象して商取引に資されることも少なくないとみるのが相当である。
また、本件商標に接する需要者及び取引者は、「ラッキーという会社」と認識し、「ラッキー」が要部であり強い印象を残すと考えるのが自然であるから、「COMPANY」の言葉自体は自他商品の識別機能が弱い部分である。
申立人の主張は、本件商標と同様、第25類の被服関係を指定商品とする「COMPANY」を含む商標について、そのうち「COMPANY」は自他商品の識別機能が弱いと判断された審決例及び決定例からも裏付けられる(甲4、甲5)。
イ 引用商標1について
引用商標1の構成中「BRAND」は「商標、銘柄」を意味し、一般的に親しまれ使用されているものであるから、引用商標1に接する需要者及び取引者は、「ラッキーというブランド」と認識するから、「ラッキー」が要部であり強い印象を残すと考えるのが自然である。
このように「BRAND」は、指定商品との関係において自他商品の識別標識の機能を果たし得ないものといえるから、簡易、迅速を旨とする取引の実際においては、該部分を省略して取引に資することも少なくないとみるのが相当である。
申立人の主張は、引用商標1と同様、第25類の被服関係を指定商品とする「BRAND」等を含む商標について、そのうち「BRAND」等は識別標識としての機能を果たし得ないと判断した審決例からも裏付けられる(甲6、甲7)。
これらの審決例及び審査結果を鑑みれば、特に指定商品である被服の分野における「BRAND」の識別力は極めて弱いということがわかる。
一方で、語頭の「LUCKY」は「幸運で、運がよい」という意味が生じ、指定商品の品質等を直接的かつ一義的に表すものではないため、指定商品との関係で識別力を有する。
したがって、「BRAND」及び「LUCKY」の識別力の軽重を考慮すれば、引用商標1は「LUCKY」が要部として抽出されることが少なく
なく、その文字から「ラッキー」の称呼及び「幸運で、運がよい」という観念が生じる。
ウ 引用商標2について
引用商標2は、その構成中「DUNGAREES」は「ダンガリー製ズボン、ダンガリー布、デニムのズボン、ジーンズ」を意味し、指定商品の具体的品質表示に当たり、「AMERICA」は国名で、「TOO TOUGH TO DIE」は直訳すると「頑丈すぎて死なない」、すなわち、非常に強固な商品であることを説明しているにすぎない。そのため、「AMERICA」及び「TOO TOUGH TO DIE」も指定商品との関係において識別力が弱い。
一方で、引用商標1と同様の理由により「Lucky Brand」から「Lucky」が要部として抽出されることが少なくなく、その文字から「ラッキー」の称呼及び「幸運で、運がよい」という観念が生じる。
エ 類否判断
本件商標の要部は「LUCKY」、引用商標1及び引用商標2の要部も「LUCKY」、「Lucky」である。
上記を踏まえて類否判断を行うと、まず、外観について、両要部は同一の文字を表したものであり、いずれの文字のデザインも、普通に用いられる方法で表したものの域を出るものではないから、その外観は類似する。
次に、称呼について、本件商標及び引用商標は「ラッキー」と称呼されるので、その称呼は同一である。
さらに、観念について、本件商標及び引用商標は「幸運で、運がよい」を意味するから、その観念は同一である。
してみれば、本件商標及び引用商標は、外観、称呼及び観念において、互いに同一又は類似する商標であるというのが相当であり、本件商標と引用商標の指定商品は、互いに同一又は類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「LUCKY COMPANY」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「LUCKY」の文字と「COMPANY」の文字の間に一文字程度のスペースを有しているとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、本件商標の構成中「LUCKY」の文字は、「幸運で、運がよい」(「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店発行)の意味を有し、その構成中の「COMPANY」の文字が、「会社」の意味を有する場合があるとしても、当該文字は、他に「訪問客。仲間。」(前掲書)などの意味を有するものとしても一般によく知られているものであるから、その構成文字全体として、直ちに特定の意味合いを理解させるものではない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ラッキーカンパニー」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1
引用商標1は、「LUCKY BRAND」の欧文字を横書きしてなるところ、「LUCKY」の文字と「BRAND」の文字の間に一文字程度のスペースを有しているとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、引用商標1の構成中「LUCKY」の文字は、「幸運で、運がよい」の意味を有し、「BRAND」の文字が、「銘柄、商標」(前掲書)の意味を有するとしても、かかる構成においては、その構成文字全体をもって一体不可分の語を表してなると理解するのが自然である。
そうすると、引用商標1は、その構成文字全体に相応して生じる「ラッキーブランド」の称呼のみを生じるものであり、かつ、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標1は、構成文字全体として、各語の語義を結合した意味合いを漠然と想起させるとしても、具体的な意味合いまでを直ちに理解させるものではない。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「ラッキーブランド」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、曲線状の線をつなぎ合わせたような略四角形枠内の中央に楕円内にクローバーを描いた図形を配し、当該図形の上段に「Lucky Brand」の文字、当該図形の下段に「DUNGAREES」、「or」、「AMERICA」及び「TOO TOUGH TO DIE」の文字を配してなるところ、引用商標2の図形部分及び各文字部分は、段を異にして、間隔を空けて独立した態様で配置され、かつ、各文字部分の書体、大きさも相違するから、図形部分及び各文字部分は、視覚上分離して認識されるものである。
そうすると、引用商標2の構成中、独立して出所識別標識としての機能を有する「Lucky Brand」の文字部分は、他の図形部分及び各文字部分と分離、抽出して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、また、当該文字部分は、上段に配され、他の文字に比して大きく表示されているから、引用商標2の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部と認められる。
また、引用商標2の要部である「Lucky Brand」の構成中「Lucky」の文字は、「幸運で、運がよい」の意味を有する語であり、その構成中の「BRAND」の文字が、「銘柄、商標」の意味を有するとしても、かかる構成においては、その構成文字全体をもって一体不可分の語を表してなると理解するのが自然である。
そうすると、引用商標2は、その要部である「Lucky Brand」の文字に相応して生じる「ラッキーブランド」の称呼を生じるものであり、かつ、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標2の要部は、構成文字全体として、各語の語義を結合した意味合いを漠然と想起させるとしても、具体的な意味合いまでを直ちに理解させるものではない。
したがって、引用商標2は、その要部である「Lucky Brand」の構成文字に相応して、「ラッキーブランド」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本件商標と引用商標1及び引用商標2の要部とは、「COMPANY」及び「BRAND(Brand)」の文字の有無の差異を有し、本件商標と引用商標2の構成全体とは、上記差異に加えて、図形部分及び「DUNGAREES」、「or」、「AMERICA」、「TOO TOUGH TO DIE」の各文字の有無の差異を有するものであるから、構成文字及び構成態様が明らかに相違し、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ラッキーカンパニー」の称呼と、引用商標1及び引用商標2の要部から生じる「ラッキーブランド」の称呼とは、「ラッキー」の音を含む点を共通にするとしても、「カンパニー」及び「ブランド」の音の差異を有するものであり、その音構成が明らかに相違するから、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標1及び引用商標2の要部は、いずれも特定の観念を生じないから、比較できない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号にも該当するものではなく、その登録は、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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