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商標異議申立

2022-900047

ローンビザ、ビザ

審判番号
2022-900047
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-027490
登録番号
6474939
請求日
2022年02月14日
審決日
2022年10月27日
公報発行日
2022年11月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社 ファミリーライフサービス
  • 【異議申立人】ビザ・インターナショナル・サービス・アソシエーション
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】石田 昌彦
  • 【異議申立人代理人】森本 久実
  • 【異議申立人代理人】太田 雅苗子
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 清川 恵子
分類
T1651.261-Y (W36) / T1651.262-Y (W36) / T1651.263-Y (W36) / T1651.271-Y (W36)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6474939号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6474939号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6474939号商標(以下「本件商標」という。)は、「ローンビザ」の文字を標準文字で表してなり、令和3年3月9日に登録出願、第36類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、同年10月13日に登録査定、同年11月22日に設定登録されたものである。 第2 登録申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第3253066号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「ビザ」の片仮名を横書きしたもの 登録出願日:平成4年9月29日 設定登録日:平成9年1月31日(特例商標) 指定役務:第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 2 登録第3200011号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成4年9月29日 設定登録日:平成8年9月30日(特例商標) 指定役務:第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 3 登録第3253068号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成4年9月30日 設定登録日:平成9年1月31日 指定役務:第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 4 登録第3253069号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 登録出願日:平成4年9月30日 設定登録日:平成9年1月31日(特例商標) 指定役務:第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 5 登録第4774456号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 登録出願日:平成15年8月1日 設定登録日:平成16年5月28日 指定役務:第36に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 6 登録第4993862号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:別掲6のとおり 登録出願日:平成17年3月9日 設定登録日:平成18年10月6日 指定役務:第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめていうというときは「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。 1 引用商標の著名性について (1)引用商標は、申立人の所有する登録商標であり、「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,旅行者用小切手の発行及び買取り,資金の貸付け,小切手の検証,旅行傷害保険契約の締結の媒介」等をはじめとする役務について継続的に使用している著名商標である(甲8~甲22)。 (2)申立人は、クレジットカード会社として1958年、米国のバンク・オブ・アメリカがBANK AMERICARDを設立したことに端を発し、後に、BAICへと社名とブランド名を変更、それを1976年に査証になぞらえて、国際的な意味を持たせた現在の名称に変更し、世界及び日本において活発な企業活動を行っている。引用商標にかかるクレジットカード等は、世界レベルで加盟店が非常に幅広く、日本でも主要クレジット会社としてのブランドイメージが確立されている。申立人は、日本において日本法人を設立し、長年にわたり日本のカード発行会社、加盟店、消費者等に多彩なサービスを提供している(甲8~甲22)。 (3)申立人の日本法人は、訪日観光客受け入れキャンペーン「Tokyo Grand Shopping Week」を開催し、訪日観光客のおもてなし向上を目指し、受け入れ環境の整備を行ったり、申立人の社員ボランティアによる子供たちの英語学習をサポートする活動を行ったり、日本の消費者を対象としたさまざまなイベントを開催したり、オリンピックに向けた国内外におけるキャンペーンを行ったりと、幅広い年齢層の多くの一般消費者に向けてさまざまなメッセージを伝える企業活動を行っている(甲9~甲13)。 (4)また、申立人は、オリンピックの最高位のスポンサーである、「グローバル・パートナー」として大会を支援し、また、決済サービスにおけるスポンサーであり、オリンピック競技大会において使用できる唯一の決済カードとなっている(甲13)。 (5)「VISA」商標を冠する申立人は世界のトップブランドのひとつとされており、米国のグローバルブランド評価を行っているBRANZ社の2015年のランキングでは世界で5位、フォーブス社による、世界で最も価値あるブランドのランキングを提供する「The World’s Most Valuable Brands 2020」では世界で18位、同じく同社の世界で最も革新的な会社のランキング「The World’s Most Innovative Companies 2018」では世界で36位、インターブランド社による「Best Global Brands 2021」では世界で39位、KANTAR社による世界で最も価値のあるブランドランキングTOP100では、2020年に世界5位、2021年に世界8位にランキングされている(甲16~甲21)。 (6)申立人のグローバルで革新的な企業活動により「VISA」商標は、現在世界182ケ国において商標登録を有している。 以上より、引用商標は、本件商標の登録時において、申立人に係る役務・商品を表示するものとして、既に我が国において著名であった。 2 本件商標と引用商標の類否 (1)本件商標は、「ローンビザ」の文字からなり、その指定役務に「資金の貸付け」等を含むから、その指定役務との関係で、「貸付け」、「融資」等を意味する「ローン」の文字部分は識別性を有さない。したがって、本件商標の要部は、「ビザ」にかかる部分であり、「ビザ」の称呼が生じる。 (2)引用商標は、「ビザ」ないし「VISA」の文字からなり、その文字に相応して、同じく「ビザ」、「ヴィザ」の称呼が生じる。したがって、本件商標と引用商標は、称呼が共通するものであるから、称呼上類似する。 また、外観において、本件商標の要部は、「ビザ」部分であるのに対し、引用商標1の要部も「ビザ」なので、本件商標と引用商標1は外観においても類似する。 また、観念について比較すると、本件商標の要部は、「ビザ」部分であるところ、「ビザ」は、申立人に係る役務・商品を示す商標として著名に至っている商標「VISA」及び「ビザ」(引用商標)を示すものであるから、本件商標と引用商標は申立人に係る役務・商品を示す商標を容易に観念することができ、両商標は、観念においても類似する。 以上のことに鑑みれば、本件商標と引用商標は、外観・称呼・観念のいずれにおいても類似する。 3 商標法第4条第1項第15号について (1)申立人の主要な業務の一つである「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算」等のクレジットカード決済にかかる役務は、クレジットカード会社が購入者に代わって代金を支払うことを内容とする役務であり、購入者(クレジットカード利用者)は、後払いで商品等を購入することが可能である。 (2)一方、「ローン」とは、銀行などからお金を借りて、後から少しずつ支払う(返済する)約束であり、ローンとクレジットカードサービスとは、どちらも後で代金を支払う約束であるという点、分割で支払う場合には手数料等がかかるという点において役務の質を共通にする。また、クレジットカードには、キャッシング機能が備わっており、ATMなどから現金を借り入れ、商品などを購入し、後日借入金を返済することが可能である。かかる機能は、銀行等にお金を借りて、後から少しずつ返済する「ローン」と役務の質及び内容が共通している。また、検索エンジンであるGoogleにおいて、「ビザ」及び「ローン」を検索フォームに入力した場合、「visaローンサービス 返済」、「visa ローン 金利」、「visa ローン」、「デビットカードvisaローン」、「三井住友visaローン」等の検索ワードが表示されることから、申立人は、一般消費者に「VISA」の商標を使用してローンサービスを提供している、VISAブランドは、ローンサービスと関連が強い、と認識されている(甲23)。 (3)したがって、上記のような役務の提供を行い、クレジットカードのブランドとして世界的に著名な「ビザ」の商標と、単に「貸付」「融資」等を意味する「ローン」の文字とが組み合わされた本件商標が、その指定役務である「資金の貸付け」等の金融関連役務に使用された場合には、取引者・需要者は、申立人の著名商標「ビザ」及び「VISA」と経済的又は組織的になんらかの関連があるとの出所の誤認・混同を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 申立人商標の周知、著名性について 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば以下のとおりである。 (1)申立人は、クレジットカード会社として1958年、米国のバンク・オブ・アメリカがBANK AMERICARDを設立したことに端を発し、その後、1976年に査証になぞらえて、国際的な意味を持たせた現在の社名に変更した(甲8、申立人主張)。 (2)申立人の日本におけるウェブサイトによれば、申立人の「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算」等の決済に係る役務(以下「申立人の業務に係る役務」という。)について紹介する際にVisaの文字が使用され、引用商標2(同一視できるものを含む。以下同じ。)が表示されているクレジットカード(以下「申立人カード」という。)は、200以上の国と地域で取り扱われており、2019年3月末時点で、34億枚利用されている(甲8~甲11、申立人主張)。 (3)申立人は、オリンピック大会の「ワールドワイドスポンサー」として、決済テクノロジーパートナー契約を2032年まで締結し、申立人カードは、オリンピック会場で使用できる唯一の決済用カードである(甲13)。 (4)ア 引用商標2及び申立人に係るVisaのブランド(以下「申立人ブランド」という。)は、米国のBRANZ社によるグローバルブランド評価で、2015年は世界5位(甲16)、フォーブス社による「The World‘s Most Valuable Brands 2020」では世界18位(甲17)、「The World‘s Most Innovative Companies 2018」では世界36位(甲18)にランキングされている。 イ 申立人ブランドは、インターブランド社による「Best Global Brands 2021」では世界39位(甲19)にランキングされている。 ウ 引用商標2及び申立人ブランドは、KANTAR社による世界のブランド価値ランキングTOP100では、2020年度は世界5位(甲20)にランキングされ、2021年度は世界8位にランキングされている(甲21)。 (5)2019年3月1日付け日経マネーから2021年10月23日付け京都新聞夕刊までの新聞記事等(甲22)では、申立人カードや申立人の業務に係る役務について、「Visa」「VISA」「Visaカード」「VISAカード」「ビザカード」「VISA(ビザ)」の文字が使用されているが、片仮名「ビザ」のみの使用はわずかである。 (6)上記(1)及び(2)によれば、申立人は、1976年から社名を変更し、申立人の業務に係る役務を行い、申立人の日本におけるウェブサイトにおいて「Visa」の文字及び引用商標2(以下、あわせて「使用商標」という。)を使用していることが認められる。なお、当該ウェブサイトに申立人カード等が200以上の国と地域で取り扱われており、2019年3月末時点で、利用されているVisaカードは34億枚である旨記載がある。 そして、上記(3)によれば、申立人が決済テクノロジーパートナーで、オリンピック会場で使用できる唯一の決済カードであり、申立人のウェブサイトには、使用商標が掲載されていることが認められる。 また、上記(4)によれば、使用商標は、世界のブランドランキングにおいて、2015年、2018年、2020年、2021年にランキングされている。 さらに、上記(5)の、2019年から2021年の新聞記事には、使用商標あるいは、「VISA」、「VISAカード」「ビザカード」あるいは「VISA(ビザ)」の文字が申立人カードや申立人の業務に係る役務を表す文字として使用されているものの、「ビザ」の片仮名のみの使用例はわずかである。 そうすると、申立人は、1976年から「Visa」の文字を申立人の業務に係る役務について使用していること、申立人カードがオリンピック、パラリンピック会場で使用できる唯一の決済ブランドであること、申立人の業務に係る役務について「Visa」「VISA」等の文字をもって新聞記事等で紹介されていること、また、使用商標は、世界のブランドランキングで上位に入っていること等からすれば、使用商標は、申立人の業務に係る役務に使用され、本件商標の登録出願日(令和3年3月9日)及び登録査定日(同年10月13日)には既に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたといい得るものである。 してみれば、使用商標に含まれる引用商標2をはじめ、引用商標2とほぼ同じ態様の「VISA」の文字を有する引用商標3ないし6も我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたといい得るものである。 しかしながら、「ビザ」の片仮名は、「VISA」の欧文字又は「カード」の文字といった、他の文字とともに使用されていることはある程度認められるものの、当該文字が単独で申立人カードや決済サービスを表すものとして使用している例はわずかであり、また「ビザ」の文字は「査証」の意味を有する既成の語として親しまれた文字でもある。 したがって、申立人の提出に係る甲各号証においては、「ビザ」の片仮名からなる引用商標1が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表すものとして、我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたとまではいえない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「ローンビザ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体同じ大きさでまとまりよく一体に表されているものであって、その構成文字全体から生じる「ローンビザ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「ローン」の文字が「貸付け」、「融資」等の意味を有するとしても、かかる構成においては、むしろ、構成全体をもって一体不可分のものとみるのが自然であって、その構成全体としては、辞書等に掲載されているものではなく、特定の意味合いを認識させるものともいえない。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ローンビザ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標1は、上記第2のとおり「ビザ」の片仮名を書してなり、当該文字に相応して「ビザ」の称呼を生じるところ、上記1(6)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されているものではないから、「ビザ、査証」の観念を生じる。 また、引用商標2ないし6はややデザイン化された「VISA」の文字及び「VISA」の文字を含むものであり、それらの文字に相応して「ビザ」の称呼を生じるところ、申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されているから「(申立人のブランドとしての)VISA」の観念及び「ビザ、査証」の観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標とを対比すると、外観においては、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成であって、「ローン」の文字の有無や構成態様など明らかに区別し得るものであるから、本件商標と引用商標とは、外観上、判然と区別し得るものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「ローンビザ」の称呼と引用商標から生じる「ビザ」の称呼とは、その音構成及び音数において明白な差異を有するものであるから、両者は、明瞭に聴別し得るものである。 そして、観念については、本件商標からは特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標からは「ビザ、査証」又は「(申立人のブランドとしての)VISA」の観念を生じるものであるから、観念において相紛れるおそれはない。 以上からすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、それらの指定役務が同一又は類似であるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は「ローンビザ」の片仮名からなるところ、引用商標1は、上記1(5)のとおり、申立人の業務に係る役務を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められないものであり、本件商標とは、上記2(3)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標である。 また、引用商標2ないし6は、上記1(5)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されているものの、本件商標とは、上記2(3)のとおり、相紛れるおそれない非類似の商標であって、別異の商標である。 そうすると、本件商標は、その商標権者が、これをその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するとはいえず、他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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