商標異議申立
2022-900046
フォックスマインド
- 審判番号
- 2022-900046
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-053795
- 登録番号
- 6474691
- 請求日
- 2022年02月14日
- 審決日
- 2023年03月07日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】田 娟利
- 【異議申立人】フォックスマインド・グループ・リミテッド
- 【異議申立人代理人】中田 和博
- 【異議申立人代理人】青木 博通
- 【異議申立人代理人】片山 礼介
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.22 -Y (W28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6474691号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6474691号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6474691号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOXMIND」の文字を標準文字で表してなり、令和3年4月30日に登録出願、第28類「ゲーム用具,テレビゲーム機,業務用テレビゲーム機,ゲーム機用コントローラー,遠隔操作式おもちゃの乗物,ドローン(おもちゃ),おもちゃのロボット,おもちゃ用コントローラー,模型飛行機用のジャイロスコープ及び飛行安定装置,おもちゃ,人形,室内ゲーム用具,乗物の小型模型おもちゃ,おもちゃの空気銃,おもちゃの乗物,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ,運動用機械器具,遊戯用ボール,水泳用プール(おもちゃ),釣りざお,釣り用疑似餌,ウェストを引き締めるためのエクササイズ用ベルト,重量挙げ用ベルト,運動用具,サポーター,ひじ当て(運動用具),ひざ当て(運動用具),保護用パッド(運動用被服の部分品),運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),ゴルフ用具,ホッケー用スティック,運動用ネット,クリスマスツリー用装飾品(照明・ろうそく及び菓子を除く。),積み木(おもちゃ),チェッカー用具,釣り具」を指定商品として、同年10月11日に登録査定、同年11月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。なお、表記にあたっては、「甲○」(「○」の部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)引用商標について
ア 申立人
申立人は、玩具を製造販売するカナダ法人であり(甲1の1)、カナダにおける会社の設立は2003年であるが、2000年よりゲーム(玩具)の提供を始めており、主として、教育用ゲーム、パズル、パーティーゲームを製造し(甲1の2)、その製品は多くの国際的な賞を受賞している(甲1の3)。
イ 申立人が使用する商標
申立人の名称及びその商標である「Foxmind」、「FOXMIND」、「FoxMind」(以下、まとめて「引用商標」という。)は、「キツネ」を意味する英単語の「Fox(FOX)」と、「心、精神、知性」等を意味する英単語「mind(MIND、Mind)」を組み合わせた言葉で、辞書に掲載のない造語である。「キツネ」は申立人の本国カナダにおいてポピュラーな哺乳類であるが、彼らは非常に賢く、また適応性が高い動物で、特に雌のキツネは、愛情を込めて細心の注意を払って子供たちを教育することで知られており、申立人はこのような特徴に触発され、自らの会社名及び商標について「Foxmind」と名付けた(甲1の3)。
ウ 申立人が世界各国において有する商標
申立人及びそのグループ会社は、第28類「玩具類」に関し、世界中において商標「FOXMIND」、「Foxmind」を登録している(甲2、甲3)。
エ 引用商標の使用態様
申立人の玩具は、アメリカ合衆国においては776の店舗にて取り扱われ(甲4の1)、また、アメリカ合衆国のインターネットショッピングサイト「Amazon」においても申立人の玩具が多数取り扱われている(甲4の2)。
オ 我が国での販売状況
我が国においては、株式会社ドリームブロッサム(以下「ドリームブロッサム社」という。)が輸入代理元として、申立人の玩具を取り扱っており(甲5の1)、「月刊トイジャーナル 2021年7月臨時増刊号 おもちゃカタログ2021」(発行元:東京玩具人形協同組合)には、ドリームブロッサム社が扱っている玩具(「Foxmind」以外の玩具も含む。)の記事が掲載されている(甲5の2)。インターネットショッピングサイト「Amazon」(甲5の3)、「楽天市場」(甲5の4)、「Yahoo! ショッピング」(甲5の5)などにおいて、申立人の「Foxmind」の玩具が多数取り扱われており、検索エンジン「Google」においても、「Foxmind」を検索するとそのほとんどが申立人の玩具に関する記事である(甲5の6)。
最近では、「FoxMind GoPOP!」というシリコン製の玩具がヒットしており、日本の「Amazon」で1番売れているおもちゃで1位となっている(甲5の7)。また、「月刊トイジャーナル 2021年7月号」(発行元:東京玩具人形協同組合)の裏表紙には、ドリームブロッサム社による「FoxMind GoPOP!」に関する広告が掲載されている(甲5の8)
(2)本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)について
ア 本件商標権者の本国
本件商標権者は、中華人民共和国の国民と思われるところ、中華人民共和国においては、申立人が2013年から商標登録を有しており(甲3の6)、中国最大級のインターネット通販モールである「ヤマシュン(Ama
zon)」(甲6の1)や「京東(JDMall)」(甲6の2)などにおいて、申立人の「Foxmind」ブランドの玩具が販売されている。
イ 本件商標権者の事業
本件商標権者は、ここ2年間、幅広い区分において商標登録出願及び商標登録を36件行っているが(甲7)、検索エンジン「Google」等を用いて調査した限りでは、本件商標権者が我が国において、玩具類を含む上記商品に関する商取引を行っている事実をうかがわせる証拠を発見することができなかった。この事実を見る限り、本件商標権者は我が国において具体的な営業活動を行っていない可能性が高い。
(3)商標法第4条第1項第7号について
申立人は、世界中で玩具を販売し、各国において商標登録を有しており、本件商標権者の本国である中華人民共和国においても商標登録を有している。一方、本件商標権者は、我が国において商標登録を36件有しているが、そのうち「玩具」を指定商品とするものは2件だけであり、商標を使用する意思を有しているのか疑わざるを得ない。本件商標と引用商標は辞書等に掲載されていない造語であって、その独創性は高いものであり、本件商標権者が偶然に引用商標と同じつづりからなる商標を採択したとは想定できず、むしろ、本件商標の登録出願は、カナダ、アメリカ合衆国や我が国での引用商標の存在を認識し、引用商標が我が国において登録されていないことを知った上で採択したものと推認せざるを得ない。
「Foxmind」ブランドとはなんら関係ない者が自己の商標として登録することは、商標法が目的とする公正な競業秩序を乱すものであり,国際間の信義則を保つ観点から適当ではない。本件商標は、その登録出願の経緯において、社会的相当性を欠くものがあり、その登録を認めることは、健全な商取引の遂行を阻害、公正な競業秩序を害するものであり、商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するものというべきであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であって、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
3 当審の判断
(1)申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人及び引用商標について
(ア)申立人は、2003年にカナダ国において設立された、玩具(以下「申立人商品」という。)を製造販売する法人であり、申立人商品は、メンサ賞、ゲームオブザイヤー賞及びトイオブザイヤー賞などの国際的な賞を受賞しているとするが、当該各賞の具体的な受賞年や受賞対象商品などは確認できない(甲1)。
(イ)引用商標は、申立人の名称及び申立人商品について使用され、申立人及びそのグループ会社は、第28類「玩具類」等を指定商品として、「FOXMIND」又は「FoxMind」の商標を、アメリカ合衆国、カナダ、欧州、中華人民共和国等において商標登録している(甲2、甲3)。
(ウ)申立人は、アメリカ合衆国国内では、776店舗を展開していることがうかがえ(甲4の1)、また、「Amazon.com」(2022年5月12日出力)の英語のウェブサイトにおいて、引用商標が付された玩具が紹介されているものの、当該ウェブサイトの打ち出し日は、本件商標の登録査定後である(甲4の2)。
(エ)我が国においては、申立人商品の輸入代理元とするドリームブロッサム社が取り扱うおもちゃとして、ドリームブロッサム社のホームページ(甲5の1)、「おもちゃカタログ2021」(2021年6月8日発行)(甲5の2)、インターネットショッピングサイトの「Amazon」(甲5の3)、「楽天市場」(甲5の4)、「Yahoo!ショッピング」(甲5の5)などにおいて、「FoxMind」の商標を付した玩具が紹介されており、それらのうち、申立人商品の輸入代理元とするドリームブロッサム社が取り扱っていることが、同社のホームページ及び「おもちゃカタログ2021」で確認できるとしても、「おもちゃカタログ2021」については、その発行日が確認できるものの、同カタログ以外の上記各ウェブサイトの掲載日は確認できない(甲5の1~甲5の5)。
また、「PR TIMES」のウェブサイトには、ドリームブロッサム社のプレスリリース(2021年9月22日)として、「アメリカ発の玩具メーカーフォックスマインド(FoxMind)の代理店、株式会社ドリームブロッサム(・・・)が4月に発売開始した“GoPop!”が日本のアマゾンで1番売れているおもちゃで1位になりました!」の記事が紹介され(甲5の7)、そして、「月刊トイジャーナル 2021年7月号」の裏表紙には、ドリームブロッサム社による「FoxMind GoPop!」に関する広告が掲載されている(甲5の8)。
(オ)中華人民共和国においては、インターネット通販モールである「ヤマシュン(Amazon)」(甲6の1)や「京東(JDMall)」(甲6の2)などのウェブサイトにおいて、「FoxMind」の商標が付された申立人商品が販売されているものの、これらのウェブサイトの掲載日は確認できない。
イ 上記アからすると、申立人商品は、遅くとも、2021年6月8日以降、商品カタログを通じて我が国で販売されたこと、並びに、申立人はアメリカ合衆国において、776店舗を展開していることはうかがえる。
しかしながら、申立人が提出した証拠からは、申立人商品が紹介されている各ウェブサイトの掲載日が確認できない上、申立人商品の我が国及び外国における売上高、市場シェアなどの具体的な販売実績も客観的に把握できないこと、申立人が主張する申立人商品の国際的な賞の受賞について、当該各賞の具体的な受賞年や受賞対象商品などが確認できないこと、申立人商品が掲載された雑誌は、1種類のみにとどまり、その他の申立人商品の広告宣伝活動の内容や広告宣伝費などは明らかでないことから、本件商標の登録出願時及び登録査定時における申立人商品の我が国及び外国の需要者の認識を推し量ることができない。
そうすると、提出証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く知られていたと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、世界中で玩具を販売し、各国において商標登録を有しており、本件商標権者の本国である中華人民共和国においても商標登録を有しているのに対し、本件商標権者は、我が国において商標登録を36件有しているが、そのうち「玩具」を指定商品とするのは2件だけであり、商標を使用する意思を有しているか疑わざるを得ないこと、また、本件商標と引用商標は辞書等に掲載されていない造語であるから、独創性は高いものであり、本件商標権者が偶然に引用商標と同じつづりからなる商標を採択したとは想定できず、むしろ、本件商標の登録出願は、カナダ、アメリカ合衆国や我が国での引用商標の存在を認識し、引用商標が我が国において登録されていないことを知った上で採択したものと推認せざるを得ない旨主張している。
しかしながら、引用商標は、上記(1)のとおり、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであるから、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、本件商標に接する取引者、需要者が、周知著名ではない引用商標を想起又は連想することは考えにくいというべきであり、申立人の主張する本件商標権者の我が国における商標登録状況を勘案したとしても、申立人の事業活動に便乗又は阻害するような行為に及んだことを示す具体的な証拠は見いだせないから、本件商標権者による本件商標の使用が、その著名性に便乗するものであるかは明らかではない。
また、申立人の提出に係る全証拠を勘案しても、本件商標権者による本件商標の登録出願の経緯は必ずしも明らかでないばかりか、本件商標が先取り的に出願されたものであることを示す具体的な証拠を見いだせないから、公正な商取引の秩序を乱すおそれがあるなど、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を著しく欠く、又は本件商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般道徳観念及び国際信義に反するとまで認めるに足りない。
そうすると、本件商標権者が仮に引用商標を知りながら本件商標の登録出願に及んでいたとしても、それだけで、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような事情があったとまでは認めることはできず、公の秩序又は善良の風俗を害するというような事情があるということもできない。
その他、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものでなく、また、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。
してみると、本件商標は、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標に該当するとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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