商標異議申立
2022-900037
ラディアンモアサナイトファインジュエリー、ラディアン、アアル、アアルアアル
- 審判番号
- 2022-900037
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-063072
- 登録番号
- 6473449
- 請求日
- 2022年02月04日
- 審決日
- 2023年02月24日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】アイリスジャパン合同会社
- 【権利者代理人】前田 健壱
- 【異議申立人】青山 秀男
- 【異議申立人代理人】白浜 秀二
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.261-Y (W14) / T1651.262-Y (W14) / T1651.263-Y (W14)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6473449号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6473449号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6473449号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、令和3年5月24日に登録出願、第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,宝石箱,身飾品,貴金属,キーホルダー,記念カップ,記念たて,時計」を指定商品として、同年11月1日に登録査定され、同月18日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第6434623号商標(以下「引用商標」という。)は、「Radianne」の文字を標準文字で表してなり、令和3年2月24日に登録出願、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として、同年8月26日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、図形、「RADIANN」の欧文字(以下「RADIANN」という。)及び「moissanite fine jewelry」の欧文字の結合商標であり、文字部分は、大きく書された「RADIANN」とその下に小さく書された「moissanite fine jewelry」の欧文字より構成されている。
そして、本件商標の構成中「moissanite」の欧文字は、鉱石の一種であるモアサナイトを意味し、「fine jewelry」の欧文字は、天然の鉱石を用いた身飾品を意味するものであることから、「moissanite fine jewelry」の欧文字は全体として、天然の鉱石であるモアサナイトを用いた身飾品程度の意味合いを生じるものであって、本件商標の指定商品との関係においては、商品に使用される原材料又は商品自体の内容を直接的に表示するものにすぎず、自他商品の識別力を発揮し得ない記述的な表示である。
よって、本件商標において、文字部分として識別力を発揮し得る要部は、「RADIANN」であり、図形は、複数の「R」の欧文字をモチーフとしたものに見えるが、文字同士を互いにラインで結合することで大きくデザイン化され、それ自体が商品ブランド名として称呼の一部を構成するものではない。
したがって、本件商標は、その要部「RADIANN」より、「ラディアン、ラジアン」の称呼が生じるものである。
2 引用商標について
引用商標は、「Radianne」の文字を標準文字で表してなるものであるから、当該文字より「ラディアン、ラジアン」の称呼が生じ得るものである。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)外観類似について
本件商標の要部である「RADIANN」と引用商標とは、「Radiann(RADIANN)」の部分が共通しており、引用商標は語尾に「e」を有する点において相違するのみである。
すなわち、引用商標(決定注:「引用商標」は「本件商標」の誤記と認める。)は、7つの欧文字から構成されているところ、引用商標とはその構成文字中、約86%の部分が共通している。
商標の類否判断は、直接並べて比べる対比観察ではなく、時と場所を異にして商標に接することを前提とする隔離観察によって行われることに照らせば、引用商標の語尾「e」の文字の有無が強く印象に残るとはいえないことから、両商標は隔離観察においては記憶上明瞭な判別は困難であり、両商標に接した需要者をして、かれこれ出所の混同を生じるおそれがあるといえ、外観類似であることは明らかである。
(2)称呼類似について
引用商標(決定注:「引用商標」は「本件商標」の誤記と認める。)の要部である「RADIANN」は造語であり、その称呼は不特定ともいえるが、その態様から「ラディアン、ラジアン」の称呼が生じる。
一方で、引用商標は、標準文字からなる造語であって、その称呼は不特定といえるが、「ラディアン、ラジアン、ラディアンヌ」等の称呼が生じる。
ここで、引用商標は、その語尾に「e」の欧文字が付与されていることによって、「-ne」の欧文字を「ネ」や「ヌ」の語音を生じものと捉えることもできるが、「ne」の欧文字を有する英単語、例えば、「anne」(アン)、「cretonne」(クレトン)、「commedienne」(コミューディエン)、「one」(ワン)、「bone」(ボーン)、「cone」(コーン)、「cane」(ケイン)、「dine」(ダイン)等のように、「ン」の称呼を生じるものと捉えるのが自然である。
確かに、フランス語においては、例えば、「Sorbonne」(ソルボンヌ)、「Canne」(カンヌ)、「Maraianne」(マリアンヌ)のように、「-ne」及び「-nne」を「ン」ではなく「ヌ」又は「ンヌ」と発音するが、引用商標は造話であり、かつ、我が国においてはフランス語よりも英語に対して馴染みがある事実に照らせば、欧文字からなる造語の場合、英語風の発音方法によって称呼するのが自然であるため、引用商標に接した需要者又は取引者は、引用商標の語尾「ne」の欧文字を「ン」と称呼するとするのが自然である。
したがって、本件商標と引用商標は、いずれも「ラディアン、ラジアン」の同一の称呼を生じ得るものであって、称呼において類似する。
なお、フランス語においても、「panne」(パン)、「julienne」(ジュリーエン)、「tonne」(タン)等のように語尾の「nne」を「ン」と称呼する単語があることから、フランス語の発音方法においても、必ずしも「ヌ」又は「ンヌ」と称呼されるべき理由はない。
(3)観念類似について
本件商標と引用商標とはともに造語であることから、特定の観念を生じるものではないが、両商標はともに、我が国において数学用語として馴染みのある英単語「Radian」(ラジアン、弧度)を含み、それに「n」又は「ne」を付した文字から構成されていることから、かかる英単語から生じる共通した観念を生じ得る。
(4)まとめ
以上(1)ないし(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において互いに類似するものであり、互いに出所の混同を生じるものである。
特に、現実の取引において、第14類に属するアクセサリーや貴金属は、飲食料品や化粧品等の日用品の分野に比べて商品ブランド数が少なく、需要者及び取引者の商品ブランド名に関する識別判断基準が低いといえることから、本件商標と引用商標との関係のように、7つ以上の英単語から構成される造語において、語尾における「e」の有無のみで、隔離観察において互いのブランド名を識別することは困難であり、出所の混同を生じるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は引用商標と類似するものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲に示すとおり、八角形図形内に4個の「R」の欧文字をモチーフとしたような図形を配した幾何図形(以下「幾何図形」という。)と、幾何図形の下に、語頭の「R」の欧文字、6文字目及び7文字目の「NN」の欧文字がやや図案化された「RADIANN」を横書きし、「RADIANN」の下に当該文字より小さく、「moissanite fine jewelry」の欧文字を横書きしてなるものである。
ところで、本件商標について詳細に見ると、本件商標を構成する幾何図形並びに「RADIANN」及び「moissanite fine jewelry」の欧文字は、いずれも重なることなく配置されていることからすると、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。
また、本件商標の構成中の「RADIANN」は、その構成中の幾何図形及び「moissanite fine jewelry」の欧文字と比べて、大きく顕著に表されていることから、看者の注意を引く部分であるといえ、当該文字は、一般の辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いは生じないものであり、本件商標の指定商品との関係において、その商品の品質等を表示するものである等の特別な事情はない。
そして、本件商標の構成中の幾何図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、本件商標の構成中の「moissanite fine jewelry」の欧文字は、「moissanite」の欧文字が鉱石の一種である「モアサナイト」の意味を有し、「fine jewelry」の欧文字が「天然の宝石を使用した宝飾品」ほどの意味合いを有する語であることから、全体として「天然の鉱石であるモアサナイトを使用した宝飾品」ほどの意味合いを理解させるものであるから、本件商標の指定商品との関係においては、商品の出所表示機能を果たさないか、極めて弱いものと需要者、取引者に認識させるものであることが認められる。
さらに、本件商標の構成中の「RADIANN」は、特定の語義を有しない造語にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みにならって称呼するのが自然であることから、これよりは「ラディアン」の称呼が生じるものと判断するのが相当である。
加えて、本件商標は、その構成中の「RADIANN」及び「moissanite fine jewelry」の欧文字より、「ラディアンモアサナイトファインジュエリー」の称呼が生じるものと認められるが、かかる称呼は冗長といえる。
そうすると、本件商標は、引用商標の類否を判断するに当たって、本件商標の構成中、顕著に表された「RADIANN」を要部として抽出し、これのみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本件商標は、その構成中の「RADIANN」に相応して「ラディアン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「Radianne」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いは生じないものであり、引用商標の指定商品との関係において、その商品の品質等を表示するものである等の特別な事情はない。
また、引用商標が、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情も認められないことから、特定の観念を有しない一種の造語として認識、把握されるものであり、特定の語義を有しない造語にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みにならって称呼するのが自然である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「ラディアンネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、構成全体を見た場合、幾何図形の有無、「moissanite fine jewelry」の欧文字の有無等の差異を有するものである。
また、本件商標の要部である「RADIANN」と引用商標とは、2文字目以降が大文字か小文字かの差異を有し、「RADIANN」の6文字目及び7文字目の「NN」は、やや図案化されていることに加え、語尾の「e」の欧文字の有無という明確な差異を有することから、本件商標と引用商標は、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標の構成中の「RADIANN」より生じる「ラディアン」の称呼と引用商標より生じる「ラディアンネ」の称呼とは、語尾の「ネ」の音の有無に差異を有し、4音又は5音と短い音構成において当該差異が称呼全体に与える影響は決して少ないとはいえず、両称呼を一連に称呼するときは、明瞭に聴別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、これらの観念を比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念を比較することができないとしても、外観上は判然と区別し得るものであり、称呼上も明瞭に聴別し得るものであるから、これらを総合的に勘案すると、互いに非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだせない。
(4)小括
上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似の商品であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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