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商標異議申立

2022-900024

マイホム

審判番号
2022-900024
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-032397
登録番号
6466133
請求日
2022年01月21日
審決日
2022年09月12日
公報発行日
2022年10月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社マイホム
  • 【異議申立人】まいほむ 株式会社
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人フェニックス特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 矢澤 一幸
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
分類
T1652.25 -Y (W3637) / T1652.271-Y (W3637)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6466133号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6466133号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6466133号商標(以下「本件商標」という。)は、「マイホム」の文字を標準文字で表してなり、令和3年3月18日に登録出願、第9類、第16類、第35類ないし第38類、第41類、第42類及び第45類に属する別掲に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月22日に登録査定され、同年11月4日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議申立ての理由において引用する商標は、「まいほむ」の文字からなる商標、「まいほむ株式会社」の文字からなる商標及び「まいほむ設計事務所」の文字からなる商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり、申立人が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、不動産業及び建設工事業等の役務(以下「申立人役務」という。)に使用し、申立人役務の取引者、需要者の間に広く認識されていると主張するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第36類「全指定役務」及び第37類「全指定役務」(以下「異議申立に係る指定役務」という。)について、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 なお、甲各号証の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように表示する場合がある。 1 商標法第4条第1項第10号の該当性について 本件商標は、「マイホム」の文字を標準文字で表してなるところ、この文字は、申立人が、本件商標の登録出願前において既に申立人役務について使用し、かつ、本件商標の登録出願時及び登録査定時にその取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標と称呼が同一である類似の商標であって、申立人役務と同一又は類似の役務について使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号の該当性について 引用商標は、申立人役務について周知性を獲得しているのであって、申立人役務の分野の取引者、需要者において広く知られている。 また、本件商標に係る指定役務は、申立人役務と、その需要者の範囲が一致し得るものであり、申立人の業務に係る役務と高い関連性を有するものも含んでいる。 そうすると、本件商標をその指定役務に使用するときは、その役務が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 証拠について (1)甲第1号証は、福井テレビのCMの取引書類の写しである。 福井テレビは、福井県を放送対象地域としてテレビ放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者であり、福井県内にはNHKのほか、民放テレビ局としてはこの福井テレビと福井放送(FBC)の2局しかないことから、福井県民の視聴率は高く、テレビCMの構成は、「まいほむ」「まいほむです」と称呼する場面が何度もあり、強いインパクトで記憶に残りやすい内容であり、曜日及び時間帯ともに満遍なく放映されている。 (2)甲第2号証は、福井新聞の折り込み広告の原稿及び取引書類の写しである。 福井新聞は、福井県で発行されている県域新聞であり、発行部数は175,256部(2020年10月時点)で、福井県内での普及率は約63%である。 (3)甲第3号証は、無料情報誌「ファミール」の取引書類の写しである。 同誌は、有限会社(現、株式会社)キャストコミュニケーションズが福井県で発行しているフリーペーパーであり、発行部数は178,000部、発行は毎週金曜である。 (4)甲第4号証は、インターネットサイトにおける使用実績である。 「athome」は、アットホーム株式会社がインターネット上で運営する不動産情報サービスである。また、申立人は、インターネット上において、自社ホームページ及び各種SNSを用いて情報発信を行っている。 (5)甲第5号証は、「広報ふくい」の取引書類の写しである。 「広報ふくい」は、福井県福井市が発行する広報紙で、毎月10日と25日に発行され、発行部数は87,000部であり、福井市役所、公民館、福井市の関連施設(連絡所、図書館等)、金融機関、郵便局、コンビニエンスストアに設置されている。 (6)甲第6号証は、公的機関の証明書等の写しである。 申立人は、提供する役務に関する多くの公的機関の証明書等を所有している。 (7)甲第7号証は、ノベルティ関係の取引書類の写しである。 これらの配布によって需要者に対する浸透を図っている。 (8)甲第8号証は、屋外広告物の取引書類の写しである。 屋外広告物を交通量の多い路線に設置することによって需要者に対する浸透を図っている。 4 本件商標と引用商標との対比 本件商標は、「マイホム」の文字を標準文字で表してなる。 引用商標は、「まいほむ」、「株式会社まいほむ」及び「まいほむ設計事務所」の文字商標であり、「株式会社まいほむ」及び「まいほむ設計事務所」の構成のうち、「株式会社」及び「設計事務所」の文字には識別力がないため、自他役務を識別する商標の要部は「まいほむ」である。 そうすると、本件商標と引用商標とは称呼が同一であるから、両商標は明らかに類似する。 5 引用商標の周知・著名性について 上記証拠により確認することができる引用商標が使用されている役務は、少なくとも、建物の売買、建物又は土地の情報の提供、不動産業務、建設工事であるが、不動産業者であれば、当然に付随して周辺業務(各種保険の取り扱い、修理又は保守など。)も行われている。 また、証拠による使用実績から分かるように、引用商標は、需要者の間に広く認識されている。 ここで、引用商標が使用されている役務の主たる範囲である不動産業における周知性の地理的範囲については、全国的な周知性は不要であり、地方都市における使用であっても認められるべきである。 すなわち、不動産業にあっては、不動産である土地、建物を取り扱う役務の性質上、地域密着型の業態が不可避であり、しかも、事業を運営する上で多くの許認可等も必要であることから、単なる使用頻度の蓄積に限らず、公的機関や地域に対しても地道な取り組みが必要であり、信用と実績を蓄積するには相応の時間を費やす必要があり、短期間に達成できるものではない。 したがって、「業務上の信用」の保護を目的とする商標法の趣旨を鑑みれば、引用商標が使用されている役務が属する業界の実情の特殊性も考慮すべきであり、地道に信用を蓄積してきた未登録周知商標を看過して、先願主義のみに無条件に従うべきではない。 よって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知性を十分に獲得していた。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知・著名性について (1)ア 申立人は、引用商標や申立人役務を宣伝する方法として、「まいほむ」及び「まいほむです」と称呼するテレビコマーシャルを、福井県内の民放テレビ局において放映する契約をし、実際に、2020年8月26日から同月31日、同年9月5日から同月20日、同年10月7日から同月31日、同年12月1日から2021年3月15日、同年4月16日から5月15日、同年6月1日から同月15日、同年7月16日から8月15日、同年9月16日から同月30日、同年10月16日から同月31日、同年11月16日から同月30日の期間、放映された旨主張するが、当該テレビコマーシャルの放映内容や視聴率などは明らかでなく、また、提出されたテレビ局の取引書類(甲1)を徴するに、確認できるテレビコマーシャルの最先の放映日が2020年8月であるとすると、放映期間は、2年程度という短い期間であり、また、福井県又はその周辺地域の視聴者が、当該テレビコマーシャルをどの程度、視聴したのかは、不明である。 また、福井県内の民放テレビ局1局のみで、放映されていたとすれば、地域も限定されている。 イ 申立人は、福井新聞において、「まいほむ」の表示のある折り込み広告を行っている旨主張するが、福井新聞は、限られた地域(福井)に向けて発行される新聞であり、また、提出された福井新聞の取引書類(甲2)を徴するに、折り込み広告による宣伝広告の回数は、約1年間で16回程度である。 ウ 申立人は、無料情報誌「ファミール」において、広告掲載を行っている旨主張するが、無料情報誌「ファミール」の発行部数や配布地域は明らかではなく、また、提出された当該情報誌の取引書類(甲3)を徴するに、その広告掲載の期間は、2020年9月から同年11月までの3か月間程度にすぎない。 エ 申立人は、インターネットサイト上の使用実績として、アットホーム株式会社のウェブサイト及びその月間アクセス状況(甲4)を提出しているが、同業他社のアクセス数との比較ができないため、当該月間アクセス数は、多寡の確認ができない。 オ 申立人は、福井市が発行する広報誌「広報ふくい」の有料広告欄に広告を掲載している旨主張するところ、広報誌「広報ふくい」の発行部数や配布地域は明らかではなく、また、掲載された記事には「お家買取、買うなら」及び「まいほむ」の表示があることは確認できる(甲5)が、有料広告の掲載回数は僅か3回にとどまる。 カ 申立人は、公的機関の証明書等を所有している(甲6)として、2021年8月31日付け「令和2年度第三次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金交付決定通知書」、令和2年12月3日付け「「ふくいSDGsパートナー」登録通知書」、2021年3月12日付け「登録証」(全宅連安心R住宅事業に係る構成員としての登録証)、令和2年10月1日付け「福井市空き家流通アドバイザー派遣事業者登録事項変更完了書」、令和3年8月23日付け「変更届出書」(建設業登録許可に関するもの)、令和3年7月26日付け「建築士事務所登録証明書」、2021年9月21日付け「事業者登録申請受理証」(住宅保証機構株式会社の既存住宅売買契約瑕疵担保責任保険に関するもの)の各写しを提出しているが、当該証明書等は、申立人が広く宣伝広告に使用するような書類ではなく、公的機関が申立人に対し発行したにすぎないことからすると、当該証明書等が発行されたことが、引用商標の周知性を判断する証拠とはいえない。 キ 申立人は、ノベルティグッズを配布している旨主張しているが、ノベルティグッズに引用商標を使用しているのか否かは明らかでなく、提出されたノベルティ関係の取引書類(甲7)を徴するに、その数量も、多数とはいえず、また、配布地域や配布方法等についても明らかではない。 ク 申立人は、交通量の多い路線に屋外広告物を設置している(甲8)旨主張しているが、屋外広告物の設置期間や設置時期、需要者が屋外広告に接する頻度等は明らかではない。 (2)上記(1)によれば、申立人は、福井地方において、2020年8月頃から、テレビコマーシャルを開始したことは確認できるが、放映期間が2年程度という短い期間であり、放映地域や視聴者が限定されていること、新聞の折り込み広告や無料情報誌や市の広報誌への広告掲載は、その回数や情報誌、広報誌の発行部数や配布地域が不明であること等からすると、これらの引用商標に関する宣伝広告の手法によっては、引用商標の周知性を認めることはできない。 また、申立人の提出した証拠を確認するも、申立人役務に関する取引総額(売上額等)や市場シェアなど事業実績を示す証左は見いだせないから、引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 その他、引用商標が、我が国における需要者において、どの程度認識されているかを客観的に把握できる証拠は提出されていない。 以上によれば、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 本件商標と引用商標の類否について (1)本件商標 本件商標は、「マイホム」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を有さない造語として認識されるものであるから、その構成文字に相応して「マイホム」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 (2)引用商標 引用商標は、「まいほむ」、「まいほむ株式会社」及び「まいほむ設計事務所」の文字からなる商標であるところ、「まいほむ株式会社」及び「まいほむ設計事務所」は、「まいほむ」と「株式会社」及び「設計事務所」の文字種が異なること、並びに、「株式会社」の文字が会社の一形態を表す語として、及び「設計事務所」の文字が設計を業とする事業を行う場所の名称として一般に使用されていることから、いずれも「まいほむ」の文字部分が、独立して自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。 そうすると、引用商標は、「まいほむ」の文字及び文字部分に相応して、「マイホム」の称呼を生じ、「まいほむ」の文字は、辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を有さない造語として認識されるものであるから、引用商標は、特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と、引用商標を比較すると、両商標は、外観においてその文字の種類が片仮名と平仮名とで相違し、いずれも特定の観念は生じないため、観念において比較することができないとしても、「マイホム」の称呼を共通にすることから、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と認められる。 3 商標法第4条第1項第10号該当性について 引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において、申立人の業務に係る役務を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることができないことからすると、上記2のとおり、本件商標と引用商標とが類似するものであって、本件商標の指定商品及び指定役務中の第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,アパートの管理,アパートの貸与,アパートの貸与の媒介又は取次ぎ,コワーキング用事務所の貸与,事務所の貸与,立木の金銭的評価,建物・土地の売買又は貸借の代理又は媒介,土地・建物の管理,土地・建物の貸与,土地・建物の売買又は貸借の代理又は媒介,農場の貸与,不動産業務」及び第37類「建設工事,建築一式工事,エクステリア設置工事,リフォーム工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,足場の組立て,アスファルト舗装工事,石又はれんがの工事,屋内及び屋外の塗装,壁紙張り,金庫室の保守及び修理,ケーブルの設置工事,建設工事に関する情報の提供,建築物の取壊し,建築物の熱絶縁工事,工事現場におけるインフラ設備(公共設備)の設置工事,工場の建築工事,港湾の建設工事,採石工事,さく井,水圧破砕工事,水中作業による建築物の補修工事,水中における建設工事,倉庫の建設及び修理,建物のシーリング工事,建物の防湿の施工,厨房設備工事,電気機器の干渉有害電波の抑制工事,展示会のブース及び店舗の工事,ドア及び窓の取り付け工事,道路の舗装,塗装工事のための砂による研磨,土木・建設工事におけるリベット締め,配管工事,パイプラインの敷設工事及び保守,防波堤の建設工事,油井及びガス井の掘削工事,れんが工事,ワニス塗装工事,建設工事に関する助言」と引用商標に係る申立人役務とは、同一又は類似の役務と認められるものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において、申立人役務を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性について 本件商標は、上記2のとおり、引用商標と類似する商標であるから、類似の程度は高い。 (3)本件商標の指定商品及び指定役務中の異議申立に係る指定役務と申立人役務の関連性、需要者の共通性について 本件商標の指定商品及び指定役務中の異議申立に係る指定役務は、申立人役務と同一又は類似の役務であるから、密接な関連性を有するものであって、その需要者の範囲を共通にするものである。 (4)出所混同のおそれについて 本件商標と引用商標とは上記(2)のとおり類似する商標であり、また、上記(3)のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務中の異議申立に係る指定役務と、申立人役務とは、同一又は類似の役務であり、密接な関連性を有し、需要者を共通にするとしても、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-900024

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