商標異議申立
2022-900018
カカオキャット、キャット、シイエイテイ
- 審判番号
- 2022-900018
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-126892
- 登録番号
- 6464842
- 請求日
- 2022年01月21日
- 審決日
- 2023年02月08日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社DADACA
- 【異議申立人】グルーポ・カカオラット・エセエレ
- 【異議申立人代理人】杉本 修司
- 【異議申立人代理人】堤 健郎
- 【異議申立人代理人】小林 由佳
- 【異議申立人代理人】中田 健一
- 【異議申立人代理人】金子 大輔
- 【異議申立人代理人】谷口 洋樹
- 【異議申立人代理人】中尾 真二
- 【異議申立人代理人】笹沼 崇
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1652.261-Y (W30) / T1652.262-Y (W30) / T1652.263-Y (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6464842号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6464842号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6464842号商標(以下「本件商標」という。)は別掲のとおりの構成よりなり、令和2年10月14日に登録出願、第30類「菓子,パン」及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同3年8月31日に登録査定、同年11月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1270283号商標(以下「引用商標」という。)は、「CACAOLAT」の欧文字を書してなり、2016年(平成28年)12月13日に国際商標登録出願(事後指定)、第30類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年8月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第30類「菓子,パン」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標
ア 本件商標
本件商標は、欧文字の大文字で「CACAOCAT」と等間隔に横書き一段で表記した文字商標であり、その称呼は「カカオキャット」又は「カカオカット」とするのが適当である。したがって、本件商標の文字数は8文字、音数は6音となる。本件商標中の前半部分「CACAO」は、スペイン語が原語(カカオ【(スペイン)cacao】)であり、日本人が一番慣れた英語でも同じスペルで表すとはいえ、製品名のチョコレートではなく原材料名に過ぎない。すなわち、「カカオ」のスペイン語である「CACAO」という表記が、本件商標の需要者である一般消費者への認知度が高いとはいい難く、外観からみたときに、「CACAO」の表記がチョコレートの主原材料と認識されず、その観念を創出するとはいえない。したがって、本件商標中、英語で「猫」を意味する後半部分「CAT」と共に、前半部分「CACAO」も本件商標の要部であり、前半部分と後半部分との組合せが音数や文字数からみても冗長ではなく、その間にスペースも入れていないことから、本件商標は、一体化した結合商標である。
イ 引用商標
引用商標は、欧文字の大文字で「CACAOLAT」と等間隔に横書き一段で表記した文字商標であり、その称呼は「カカオラット」とするのが適当である。したがって、文字数は8文字、音数は6音となる。
引用商標中、前半部分の「CACAO」は、チョコレートの原料として知られる「カカオ」のスペイン語であり、後半部分の「LAT」には意味はなく、「CACAO」と一体化された造語である。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標の称呼を「カカオキャット」又は「カカオカット」と、引用商標の称呼を「カカオラット」とした場合、相違点は、本件商標の第4音目「キャ」又は「カ」と引用商標の第4音目「ラ」のみであり、その相違点が通常の日本人において聞き分けられるかが問題となる。音素としての「キャ」又は「カ」と、「ラ」とは母音「ア」を共通とし、近似している。その上、双方ともに外来語であり、日本人の発音、日本語化した発音では、双方の音調は完全に一致するため、容易に聞き分けられるものではなく、類似する。
外観においては、本件商標、引用商標とも、欧文字の大文字を8文字等間隔に横書き一段で表記した文字商標であるため、相違点がそれぞれの商標中の「CACAO」と「AT」との間の6文字目が「C」か、「L」かであり、スペイン語又は英語に堪能な日本人でない限り、スペースを空けていない、前半部分「CACAO」と後半部分「CAT」又は「LAT」とを分割して視認することはないため、日本人の一般消費者にとって、本件商標と引用商標との相違点は、容易に視認可能とはいえない。
そもそも、英語が日本人にとって最も親しんでいる言語だとしても、スペイン語を言語とする「CACAO」は、当然に英語の特徴的なつづりではなく、その「CACAO」に、本件商標においては「CAT」が、引用商標では「LAT」が、スペースを空けることなく続くことで、両商標とも「C」と「A」が多用された識別が困難な文字列となっている。
人が一度に読み取れる文字数はアルファベットでは、5文字弱とされており(甲4)、その認知判断も、「一般に正単語(スペルが正しい)に対する認知判断のほうが、偽単語に対する知覚判断よりもしやすい」(甲5)とされている。つまり、スペイン語や英語に堪能な人間でも8文字の文字列である「CACAOCAT」又は「CACAOLAT」は認知し辛く、堪能でない人間にとっては、偽単語同様、読み取る可能性は更に低いのである。そのことは、甲第6号証をみれば明らかである。双方の商標の6文字目が「C」と「L」とで相違するとわかった上で、並んだ本件商標と引用商標とを見比べても、実際、一目で判別するのは難しい。パンやお菓子を購入する場合に、「CACAOCAT」と記載された商品と「CACAOLAT」と記載された商品が並んでいたら、混同する購入者が多いだろうことは容易に想像できる。
観念については、本件商標及び引用商標は、文字商標のため、文字の意味がわかるか否かで創出される観念は変わってくる。
双方の商標共に、「CACAO」をスペイン語の「カカオ」と判別できた場合、「カカオとネコ」か、又は「カカオと何か」を意味するため、似た印象が創出される上、称呼のみから本件商標と引用商標の観念を考えると、「L」と「R」を言い分けられない日本人の一般消費者にとって、本件商標は「カカオキャット(カカオネコ)」、引用商標は「カカオラット(カカオネズミ)」、であり、双方、愛玩動物として親しまれ、キャラクターにも多く採用されているものとの組合せで、近似の印象が創出される。
スペイン語の「CACAO」と判別できない消費者にとっては、双方の商標とも「C」と「A」を多用したアルファベットの羅列にしか見えず、外観から創出される観念はほぼないといえる。
以上のように、本件商標及び引用商標は、文字の意味がわかるか否かで創出される観念が変わってきたとしても、その観念は類似している。
上述のように、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念において類似している。
よって、本件商標と引用商標とは類似する。
(2)本件の異議申立対象の指定商品と引用商標の指定商品の対比
本件の異議申立対象の指定商品である第30類「菓子,パン」は、引用商標が第30類で指定する「chocolate;chocolate powder;cocoa‐based products;chocolate‐based products;chocolate confectionery;sweets(チョコレート,粉末状のチョコレート,ココア製品,チョコレートを主材料とする製品,チョコレート菓子,砂糖菓子)」と類似する。
(3)結び
上述のとおり、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、本件商標の異議申立対象の指定商品も引用商標に係る指定商品と類似のものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおり、その構成中の「C」と「A」の文字が連結された特徴的な書体を用いて、「CACAOCAT」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「CACAO」の文字からは「カカオ」の称呼を生じるものであり、その称呼からは、本件指定商品の原材料として一般に用いられる「カカオ」を容易に想起させるものであるから、「カカオ」の観念を生じるものである。また、「CAT」の文字は「猫」を意味する平易な英単語であることから、「キャット」の称呼及び「猫」の観念を生じるものである。そうすると、本件商標は、「カカオキャット」の称呼を生じ、「カカオと猫」程の観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、「CACAOLAT」の欧文字を普通に用いられる書体で横書きしてなり、その構成文字に相応して「カカオラット」の称呼を生じ、その構成文字は、辞書等に載録されておらず、何らかの意味合いを直ちに理解させるともいえないことから、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるものであって、その書体及び構成文字の相違により、一見して判然と区別しうる顕著な差異を有するものであるから、外観上、相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生じる「カカオキャット」の称呼と、引用商標から生じる「カカオラット」の称呼とは、中間における「キャ」と「ラ」の音において差異を有し、両称呼が共に6音という比較的短い音構成であることからすれば、該差異音が両称呼に及ぼす影響が決して小さいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはなく、十分に聴別しうるものである。
また、観念においては、本件商標が「カカオと猫」程の観念を生じるのに対し、引用商標は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の異議申立てに係る指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、異議申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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