商標異議申立
2022-900007
- 審判番号
- 2022-900007
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-088408
- 登録番号
- 6462764
- 請求日
- 2022年01月12日
- 審決日
- 2022年08月24日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ORPHE
- 【異議申立人】マーク ジェイコブズ トレードマークス エル エル シー
- 【異議申立人代理人】高松 薫
- 【異議申立人代理人】鈴岡 正
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T1652.261-Y (W0925)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の3第2項、商標法第4条第1号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6462764号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6462764号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6462764号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,令和3年7月14日に登録出願,第9類、第25類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年10月13日に登録査定,同月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する国際登録第1282779号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,2015年(平成27年)9月15日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2016年(同28年)3月7日に国際商標登録出願(事後指定),第3類,第9類,第14類,第18類,第25類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2017年(同29年)10月27日に設定登録され,その後,2018年(同30年)5月24日に国際登録に記録された基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了を原因とする当該商標権の登録の一部抹消があった結果,指定商品及び指定役務を第3類,第9類,第14類,第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品として,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第9類及び第25類に属する全指定商品は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1項により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の概要
ア 本件商標の概要
本件商標は,アルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で横向きに組み合わせた図形からなる商標であり,第25類「履物,被服,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。)」等を指定商品として令和3年7月14日に出願され,同年10月27日に登録されたものである。
イ 引用商標の概要
引用商標は,アルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で縦向きに組み合わせた図形からなる商標であり,第25類「Clothing, namely, jerseys, shirts, t-shirts, tank tops, blouses, polo shirts, sweaters, cardigan sweaters, pullovers, hoodies, sweatshirts, pants, jeans, shorts, dresses, skirts, suits, blazers, jackets, coats, overcoats; belts; ties; scarves; shawls; bandanas; waistcoats; gloves; mittens; pajamas; footwear, namely, shoes, boots, sandals and slippers; headwear, namely, hats and caps」等を指定商品として,平成29年10月27日に登録されたものである。
(2)本件商標と引用商標の類似
ア 外観
(ア)本件商標は,アルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で横向きに組み合わせた図形からなる商標であり,引用商標は,アルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で縦向きに組み合わせた図形からなる商標である。
(イ)商標の外観の類否は,商標に接する需要者に強く印象付けられる両外観を比較するとともに,需要者が,視覚を通じて認識する外観の全体的印象が,互いに紛らわしいか否かを考察する(商標審査基準)。
(ウ)この点,本件商標及び引用商標におけるそれぞれの「J」に着目すると,本件商標は,「J」の両端が斜めになっている点,「J」の右が短く左が長い点で,引用商標の「J」と差異が見られるものの,これらの差異は軽微なものにすぎず,本件商標と引用商標の外観を全体的な視点で見れば,アルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で組み合わせたものという特徴的な外観が共通しており,その全体的な印象が,互いに紛らわしいものといえる。
また,本件商標は,「J」2個が横向きに組み合わせたものとなっているのに対し,引用商標は「J」2個を縦向きに組み合わせたものとなっている点も異なるものの,これらはいずれも上下反対にしても同じデザインとなる図形であることから,「J」という文字として認識される重要性は低いデザインであるといえる。そのため,一般需要者においても,「J」が縦向きであることに着目して引用商標を認識しているものとは考え難く,本件商標のように「J」が横向きに組み合わせたものを見たとしても,本件商標と誤認することが考えられるため,本件商標と引用商標は,全体的な印象として互いに紛らわしいものといえる。
なお,東京高裁平成14年6月18日判決(「Ω」・「OMEGA」・「オメガ」事件)においても,対象商標が「Ω」を時計回りに90度回転させた図形と類似していたが,同裁判例では,「引用各商標との対比においては,本件商標を時計回りに90度回転させた態様のものとして,以下判断する」として,図形の向きが同じものであることを前提として外観の類似性を判断している(甲3,甲4)。
(エ)したがって,本件商標の外親は,引用商標の外観に類似する。
イ 称呼
引用商標には「ジェイジェイ」という呼称が生じるものの,本件商標には呼称が生じない。
ウ 観念
本件商標と引用商標からは特段の観念は生じない。
エ 小括
以上からすると,本件商標と引用商標は類似する。
(3)指定商品の類似性
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,同一ないし類似する。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標と引用商標は類似し,かつ本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するから,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって,本件商標は,商標法第43条の3第2項の規定により,その登録を取消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1号第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,横長の楕円形状の黒色輪郭線を配し,当該輪郭線上の上部やや左側と下部やや右側には,斜めに切り取られたような白抜きの部分を有する図形よりなるものである。
イ 引用商標について
引用商標は,別掲3のとおり,縦長の楕円形状の黒色輪郭線を配し,当該輪郭線上の右側上部と左側下部には,水平方向に切り取られたような白抜きの部分(以下,切り取られたような白抜きの部分を「切除部分」という。)を有する図形よりなるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否を検討するに,本件商標と引用商標は,それぞれ,前記ア及びイのとおりの構成よりなるところ,本件商標と引用商標とは,共に,楕円形状の輪郭線を配し,その輪郭線のほぼ対角線上に切除部分を有するという大まかな構成において,一定の共通性があるといえる。
しかしながら,本件商標は,曲線の部分が直線の部分よりやや多く,また曲線の部分は滑らかに湾曲していることから,全体として丸みを帯びた印象を与えるのに対し,引用商標は,直線の部分が曲線の部分より明らかに多く,また曲線の部分は湾曲が急であるから,全体として細長い印象を与えるものである。
また,本件商標は,全体における輪郭線の部分と比較して輪郭線内側の空白部分(以下「内側空白部分」という。)の占める割合が圧倒的に多く,内側空白部分が広く見えるのに対し,引用商標は,輪郭線の太さと内側空白部分の横幅がさほど変わらない程度であるなど,内側空白部分が狭く見えるものである。また,引用商標は,上記のとおり商標全体が細長い構成であることも相俟って,内側空白部分は,その細長さがより際立って見えるものである。
さらに,本件商標の切除部分は,太く,斜めに切れ込まれているものであり,切除部分を中央方向に向けた延長線上が,互いに一部接するかのようにデザインされていることから,輪郭線の全体を斜めに切断したような印象を与えるものである。これに対し,引用商標の切除部分は,輪郭線の直線部分と直角に切り込まれており,その幅は細く,また,その位置も互いに相当離れているから,上記のように全体を斜めに切断したような印象を与えるものではない。
以上よりすると,本件商標と引用商標とは,多くの点において差異を有するものであり,これら差異はいずれも商標の構成において特徴的な部分といえるから,両商標を時と所を異にして接しても,外観において十分に区別することができるというべきである。
したがって,本件商標と引用商標は,外観上相紛れるおそれはない非類似のものと判断するのが相当である。
エ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,本件商標の指定商品に,引用商標の指定商品と同一又は類似のものが含まれるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
ア 申立人は,本件商標と引用商標は,共にアルファベットの大文字「J」2個をそれぞれの上部が向かい合うような形で組み合わせたものであり,その特徴的な外観が共通しているから,全体的な印象は,互いに紛らわしいものである旨主張する。
しかしながら,本件商標及び引用商標は,上記(1)ア及びイのとおり,楕円形状の輪郭線を一部加工して表したものと認識するのが相当であり,一見して申立人が主張するようなアルファベットの「J」の文字を組み合わせたものと認識することは困難というべきであるから,両商標に接する取引者,需要者が,両商標をアルファベットの「J」の文字の組み合わせとして認識し,単純にそのような特徴をもって両商標を記憶,連想することはないというべきである。そして,両商標は,共に楕円形状の輪郭線を基本的な構成とするものであっても,特徴的な点において多くの差異を有するものであることは,上記(1)のとおりである。
イ 申立人は,本件商標と引用商標とは,横向きと縦向きの差異があるとしても,角度を変えれば同じデザインとなる図形であることから,相紛れるおそれがある旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,両商標は,多くの特徴的な点において差異を有するものであるから,仮にいずれかの商標の角度を変えて両商標に接したとしても,両商標が紛れるおそれはないというべきである。
ウ したがって,申立人の主張は,いずれも採用することはできない。
(3)その他
申立人は,「申立の理由の要約」の表中にのみ,本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨を記載するが,申立ての根拠や具体的理由等において何らの主張や説明がされていないから,これを採用することはできず,また,当審において職権をもって調査するも,本件商標が同号に該当すると認めるに足りる事情は見いだせない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当せず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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