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商標無効審判

2022-890091

キュー、ナイン、クラブキュー、クラブナイン、クラブ

審判番号
2022-890091
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2021-077403
登録番号
6550398
請求日
2022年12月12日
審決日
2023年11月28日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】中山太陽堂興産 株式会社
  • 【請求人代理人】小谷 昌崇
  • 【請求人代理人】川瀬 幹夫
  • 【請求人代理人】並川 鉄也
  • 【被請求人】株式会社 All Year Entertainment
  • 【被請求人代理人】弁理士法人湧泉特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 小林 裕子
分類
T112 .261-Y (W03) / T112 .262-Y (W03) / T112 .263-Y (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6550398号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6550398号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和3年6月22日に登録出願、第3類「石けん類,化粧品,香水」を含む、第3類、第25類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年4月20日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の8件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)。 1 登録第6045737号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「CLUB」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:平成29年9月13日 設定登録日:平成30年5月25日 指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 2 登録第1188007号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「CLUB」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和48年3月28日 設定登録日:昭和51年3月8日 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成18年5月17日書換登録) 3 登録第5708875号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:「club」の欧文字を筆記体で横書きしてなるもの 登録出願日:平成26年5月29日 設定登録日:平成26年10月10日 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 4 登録第1082495号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:「club」の欧文字を筆記体で横書きしてなるもの 登録出願日:昭和44年9月18日 設定登録日:昭和49年8月15日 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成16年12月8日書換登録) 5 登録第5825662号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成27年9月18日 設定登録日:平成28年2月12日 指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 6 登録第450997号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:「CLUB」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和27年11月1日 設定登録日:昭和29年8月31日 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成16年12月1日書換登録) 7 登録第451005号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:「CLUB」の欧文字を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和27年11月1日 設定登録日:昭和29年8月31日 指定商品:第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成17年8月24日書換登録) 8 登録第1082494号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の構成:「クラブ」の片仮名を横書きしてなるもの 登録出願日:昭和44年9月18日 設定登録日:昭和49年8月15日 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成16年12月8日書換登録) なお、請求人が請求書において、本件登録の無効の理由として挙げた登録第6472858号商標は、本件商標と同日に出願されたものであるから、当該商標は、引用商標から除外して審理を進めた。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第3類「石けん類,化粧品,香水」(以下「本件請求商品」という。)についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。 1 審判請求書における理由 (1)本件商標と引用商標との外観、称呼、観念上の類似性 本件商標は数字の「9」とおぼしき曲線の周囲に円弧、その外側に円を配した図形(以下「図形部分」という。)と、その下の中央部分に「Club9」の文字(「以下「文字部分」という。)を書してなる。 一方、引用商標は、欧文字「CLUB」又は欧文字筆記体の「club」、複数の円弧の組み合わせによる枠の中に欧文字筆記体の「club」あるいは片仮名「クラブ」からなる商標である。 このように、本件商標と引用商標とは、全体の外観については相紛れることはない。しかしながら、両者は以下のとおり、称呼上及び観念上互いに類似する商標であるというべきである。 (2)引用商標から生じる称呼について 引用商標からは、その構成文字に相応して「クラブ」の称呼が生じる。 (3)本件商標から生じる称呼について 本件商標は、その構成文字から「クラブキュウ」「クラブナイン」の他、「クラブ」の称呼も生じるというべきである。その理由は、要約すると以下のとおりである。 理由1:本件商標は外観上、図形部分と文字部分の構成態様に一体性が無く、文字部分のみから称呼が生じること 理由2:本件商標の文字部分の「9」部分は、出所識別標識としての機能が極めて弱く、「Club」が主たる要部として機能し称呼「クラブ」が生じること ア 理由1について 本件商標の外観について、図形部分及び文字部分は重なることなく間隔を空けて配置されており、全体の5分の4程度を占める円状の図形部分と、下部分に横一連に表された文字部分は、視覚的に分離して看取され得る。 次に観念については、図形部分は、中央に数字「9」のような曲線を有するものの、特定の文字又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているという事情は認められないから、特定の観念は生じない。他方、文字部分は、「(トランプの)クラブ」「(ゴルフクラブなどの)クラブ」「(同好会などを表す)クラブ」等の意味合いを容易に理解させる平易な英語である「Club」と数字「9」との結合からなる。そして、図形部分と文字部分が結びついて特定の観念を生じるという事情は見いだせない。 さらに、称呼についてみるに、本件図形部分は、上記のとおり、特定の文字や意味合いを表すものと認識されないものであることから、これより称呼は生じず、本件文字部分は、構成文字に相応して「クラブキュウ」「クラブナイン」「クラブ」の称呼を生じる。 そうすると、本件商標は、図形部分と文字部分とが分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、それぞれが独立して自他商品の識別標識として機能し得る。 以上より、文字部分が取引者・需要者に対し、商品の出所識別標識として機能し、文字部分のみをもって他人の商標との類否判断をし得る。同趣旨の審決例(甲11、甲12)からも、このように判断することが相応である。 イ 理由2について 本件商標の文字部分は、欧文字「Club」と数字「9」から構成される。一般に数字は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章として認識され、商品の品番、型番、種別、型式、規格等又は役務の種別、等級等を表した記号又は符号として、取引上普通に採択、使用されている実情が認められる(甲13、甲14)。そして、数字部分を含む商標全体で一体不可分のものとして認識すべき特段の事情が生じないかぎり、数字部分は出所識別標識としての機能を果たし得ないものとするのが相当であり、識別標識としての機能を果たし得るのは文字部分であるから、これに接する取引者・需要者は、文字部分を主たる要部と認識し、当該部分に着目して取引に資する場合も少なくない。とりわけ、石鹸、化粧品、香水を取り扱う業界においては、商品の容器やパッケージに、商品ブランドとは別に、商品の品番を表示するための記号・符号として、数字を付記することは一般に行われている。 よって、本件商標の「Club9」の「9」も、商品及び役務の品番、種別等を表示するための記号、符号として認識されるといえる。結果、「Club」部分が要部として機能し、そこから称呼「クラブ」が生じる。 以上から、本件商標からは「Club」の文字に相応した「クラブ」の称呼が生じるというべきであり、これは引用商標の称呼と同一である。 (4)引用商標から生じる観念について 引用商標は「CLUB」「club」「クラブ」の文字からなるところ、「(トランプの)クラブ」「(ゴルフクラブなどの)クラブ」「(同好会などを表す)クラブ」等の意味合いを容易に理解させる、日本人に馴染みのある語であり、この構成文字に相応して、上記の観念が生じる。 (5)本件商標から生じる観念について 本件商標は、上述のとおり、図形部分と文字部分の構成態様に一体性がなく、それぞれが独立して自他商品の識別標識として機能する。そして、図形部分は、特定の観念が生じるものではない。他方、文字部分は、上述のとおり、「Club」部分が要部として機能し、この構成文字に相応して「(トランプの)クラブ」「(ゴルフクラブなどの)クラブ」「(同好会などを表す)クラブ」との観念が生じ、これは、引用商標の観念と同一である。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標は、称呼上及び観念上引用商標と類似し、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかであり、同法第46条第1項第1号の規定により登録無効とされるべきである。 2 弁駁書における主張 (1)本件商標 被請求人は、本件商標を構成する図形部分について、「9」を表して円弧に結び付けたものであり、「ナイン」又は「キュウ」の称呼が生じ得るとともに、数字「9」にまつわる意味合いが想起されると述べている。また、文字部分からは「クラブナイン」又は「クラブキュウ」の称呼が生じ、全体で「クラブナイン」「クラブキュウ」なる団体の名称の観念を生じると主張する。そして、本件商標から「9」を捨象して「Club」のみをもって取引に資される事情はないことから、「クラブ」の称呼は生じないと主張する。 しかしながら、そもそも本件商標は外観上、図形部分と文字部分の構成態様に一体性がないのは明らかである。 ちなみに被請求人は、図形部分と文字部分は、色彩及び数字「9」とその書体が共通しているとして外観上の一体感を述べているが、そもそも本件商標はモノクロ商標であり、色彩自体が問題となるものではない。また、図形の中央部分が「9」を表したものであったとしても、円状の曲線と一体化しているにすぎず、それだけを取り出して書体を比較するのは無理がある。 さらに、被請求人は、図形部分の「9」が、文字部分の末尾の数字であることが容易に理解でき、文字部分の称呼及び観念の特定に寄与すると主張するが、取引の実情に鑑みれば、数字部分を捨象して認識するというのが相当であるから、本件商標に接した需要者は、図形部分を構成する「9」から、単に商品の品番等と捉えるのが自然である。また、被請求人の当該主張によれば、文字部分の数字「9」も、図形部分と同様に品番等と認識された結果、「Club」のみをもって取引に資されるとするのが穏当である。 以上より、図形部分と文字部分の数字「9」が共通するとしても、それらは捨象して認識されるから、図形部分と文字部分が不可分に結合しているとする被請求人の主張は当を失する。また、図形部分は特段の称呼や観念を生じるものではなく、文字部分は「Club」の文字から「クラブ」の称呼のみを生じ、当該文字に相応して「(トランプの)クラブ」「(ゴルフクラブなどの)クラブ」「(同好会などを表す)クラブ」といった観念が生じる。 したがって、本件商標の文字部分から「クラブナイン」又は「クラブキュウ」の称呼を生じ、そこから団体の名称の観念を生じるとはいえない。 (2)引用商標 登録第6472858号商標について、本件商標と出願日が同日であるから、商標法第4条第1項第11号の要件に該当しないとの被請求人の主張について、請求人はこれを認め、当該登録商標が、本件商標に類似するとの主張は取り消す。 (3)本件商標と引用商標の類否 被請求人は、本件商標から「ナインクラブナイン」「ナイン」「クラブナイン」又は「キュウクラブキュウ」「キュウ」「クラブキュウ」の称呼が生ずるとして、引用商標より生ずる「クラブ」の称呼とは、互いに紛れるおそれはない旨、また、本件商標の図形部分が文字部分の観念の形成を補完するとした上で、文字部分から「クラブナイン」又は「クラブキュウ」なる団体の名称の観念が生じる旨主張する。 しかし、本件商標からは、その文字部分より「クラブ」の称呼のみを生じることから、引用商標とは称呼上類似する。また、本件商標の「Club」の文字部分が識別標識として機能し、この構成文字に相応して「(トランプの)クラブ」「(ゴルフクラブなどの)クラブ」「(同好会などを表す)クラブ」の観念を生じ、引用商標とは観念上も類似する。よって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において類似する商標である。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書において要旨以下のように述べた。 1 本件商標と引用商標との類否について (1)本件商標 ア 全体構成 本件商標は、図形部分の下方の中央部分に、図形部分と同じ色彩で、文字部分を横書きしてなる。 イ 図形部分 図形部分は、円の内側にC字状の円弧を配し、その内側に特殊な書体の数字「9」を表して該円弧に結び付けたものであり、「ナイン」又は「キュウ」の称呼が生じ得るとともに、「9」にまつわる意味合いが想起される。 ウ 文字部分 文字部分「Club9」を構成する文字と数字は、図形部分の「9」と同じ書体により、同じ大きさで、スペース等を挟むことなく等間隔で外観上まとまりよく一体に表されている。よって、文字部分からは、よどみなく一連に称呼可能な「クラブナイン」又は「クラブキュウ」の称呼が生ずる。 また、文字部分を構成する「Club」の文字は、一般に政治、社交、文芸、娯楽その他の共通の目的によって集まった人々の団体の名称を意味する語としてよく知られているところであり、団体の名称を表す場合に一般に何らかの語の前後に付して使用されているのが実情であって、何らかの語と結合しやすい性質を有している。そのため、「Club」の文字は、文字部分中の数字「9」との外観及び称呼上の一体性を併せ考慮すると、観念においても、文字部分中の数字「9」と一体のものとして捉えられる。そのため、文字部分は、その構成全体をもって、「クラブナイン」又は「クラブキュウ」なる団体の名称の観念を生ずる。 (2)本件商標の一体性 本件商標の図形部分と文字部分は、外観上、同じ色彩で表され、数字「9」をともに有し、かつ、図形部分中の「9」と文字部分は書体の種類を同じくする。また、図形部分中の「9」は、文字部分の末尾の数字であることが容易に理解できるものであって、文字部分の称呼及び観念に結びつくだけでなく、文字部分の称呼及び観念の特定に寄与するものでもある。 そうすると、本件商標は、図形部分と文字部分とが外観、称呼及び観念上まとまりをもって結合し、これらを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分に結合しているものといえる。 また、本件商標は、図形部分においてデザイン化され顕著に表された「9」の部分が殊更目を引き、称呼を生じ、意味合いを想起し得るものであることから、図形部分は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。よって、この図形部分に着目せずに文字部分のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るとみるのは不自然である。 さらに、「Club」の文字は、上記のとおり、何らかの語と結合しやすい性質を有し、何らかの語と結合し一体不可分のものと認識、把握されるものとみるのが自然である。文字部分は、外観上一体的であり、文字と数字が結びつくことにより全体で「クラブナイン」又は「クラブキュウ」なる団体の名称の観念が生ずるから、一連一体でのみ機能する。そうすると、文字部分中の数字「9」は単なる記号又は符号として認識されるものではないから、「9」を省略して「Club」を分離、抽出するのは不自然である。 したがって、本件商標は、全体として一体的にまとまりよく構成され、殊更に構成中の図形部分と文字部分中の「9」を捨象し、「Club」の文字のみをもって取引に資されるというべき特段の事情は見いだせない。 そうとすると、本件商標は、その図形部分及び文字部分に相応して、「ナインクラブナイン」「ナイン」「クラブナイン」又は「キュウクラブキュウ」「キュウ」「クラブキュウ」の称呼を生ずるものというのが相当であり、「クラブ」のみの称呼は生じない。 (3)引用商標について ア 登録第6472858号商標 本件商標と出願日が同日であるから、商標法第4条第1項第11号の要件に適合せず、引用商標として適格でない。 イ 引用商標 引用商標1ないし引用商標4、引用商標6ないし引用商標8は、「CLUB」、「club」(筆記体)又は「クラブ」のいずれかの文字のみよりなる商標であり、引用商標5は、「club」(筆記体)の文字を含む図形商標である。よって、これらの引用商標は、その構成文字に相応して、いずれも「クラブ」の称呼を生ずる。 (4)本件商標と引用商標の対比 ア 外観 本件商標と引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上明らかに区別し得る非類似のものである。 イ 称呼 本件商標より生ずる「ナインクラブナイン」「ナイン」「クラブナイン」又は「キュウクラブキュウ」「キュウ」「クラブキュウ」の称呼と、引用商標より生ずる「クラブ」の称呼は、構成する音の数・音質・音感等の差異により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、互いに紛れるおそれはない。したがって、両者は、称呼上類似しない。 ウ 観念 本件商標は、その構成中の図形部分より、数字「9」にまつわるもの程の意味合いが想起され、これが文字部分の観念の形成を補完し、文字部分より「クラブナイン」又は「クラブキュウ」なる団体の名称の観念が生ずる。 そして、引用商標からは、本件商標と同一又は類似の観念が生ずるとみるべき理由は見いだせない。したがって、両者は、観念上類似しない。 エ 小括 以上より、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項第1号の規定により登録を無効とされるべきものではない。 第5 当審の判断 1 請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、当事者間に争いがないものであり、請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。 以下、本案に入って審理する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、円の内側に、一部を切り欠いた円と、数字の9をモチーフとしたとおぼしき図形を組み合わせたものを配してなる図形(図形部分)と、その下に横書きされた「Club9」の文字(文字部分)からなるところ、図形部分と文字部分は、視覚上分離して把握されることに加え、構成中の図形部分は特定の称呼及び観念を生じないため、文字部分との間に称呼及び観念上のつながりはなく、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではないから、本件商標に接する取引者、需要者は、構成中の図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当である。 そして、構成中の「Club9」の文字部分は、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体に表され、文字部分全体から生じる「クラブナイン」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。 そうすると、構成中の「Club」の文字が「クラブ、同好会」(株式会社大修館書店 ベーシックジーニアス英和辞典第2版)の意味を有する語であり、他方、「9」が一般に記号等として用いられる数字の一つであるとしても、上記の文字部分の構成及び称呼からすれば、本件商標に接する需要者をして、殊更「9」を捨象して、「Club」の文字のみが認識されるというよりはむしろ、「Club9」の文字部分全体で一体のものとして認識されるというべきである。 以上のことからすれば、本件商標においては、図形部分と文字部分がそれぞれ自他商品及び役務の識別力を有するものであり、文字部分が独立して、自他商品及び役務の識別標識として機能するといい得るものであって、かつ、文字部分は構成全体として認識されるものである。 したがって、本件商標は、構成中の「Club9」の文字部分に相応して、「クラブナイン」の称呼を生じ、当該文字部分は全体として辞書類に載録されているものではなく、特定の意味合いをもって認識されているという事情も見いだせないものであって、一種の造語として理解されるものであるから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標1ないし引用商標4、及び引用商標6ないし引用商標8については、上記第2のとおり、その書体に差異はあるものの、いずれも「CLUB」、「club」又は「クラブ」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「クラブ」の称呼を生じ、「クラブ、同好会」の観念を生じるものである。 また、引用商標5は、別掲2のとおり、花を模したとおぼしき黒塗りの図形の内部に、筆記体の「club」の文字を白抜きで横書きしてなるところ、「club」の文字は、花様の図形の中央の目立つ位置に明瞭に記載され、視覚上、花様の図形と明確に区別して認識できるものであり、両者に称呼及び観念上のつながりもないものである。そうすると、引用商標5は、構成中の花様の図形部分と「club」の文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、両者がそれぞれ独立して、自他役務を識別する機能を有する要部であるというべきである。よって、引用商標5は、構成中の「club」の文字部分に相応して「クラブ」の称呼を生じ、「クラブ、同好会」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標の外観を比較すると、図形の有無、「9」の有無又は文字種において明らかに相違するから、両者は外観において相紛れるおそれはない。 また、本件商標から生じる称呼「クラブナイン」と、引用商標から生じる称呼「クラブ」とは、後半における「ナイン」の音の有無において明らかに相違し、明確に聴別できる。 そして、本件商標が特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「クラブ、同好会」の観念を生じるから、両者は観念においても相紛れるおそれはない。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない、非類似の商標というべきである。 (4)小括 上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 そうすると、本件請求商品が引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。 よって、結論のとおり審決する。

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