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商標無効審判

2022-890072

バブスパ

審判番号
2022-890072
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2020-024663
登録番号
6356767
請求日
2022年09月02日
審決日
2023年07月28日
公報発行日
2023年10月27日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】花王 株式会社
  • 【請求人代理人】田中 克郎
  • 【請求人代理人】中村 勝彦
  • 【請求人代理人】佐藤 俊司
  • 【請求人代理人】関川 淳子
  • 【請求人代理人】阪田 至彦
  • 【被請求人】鈴木 克典
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 豊瀬 京太郎
  • 審判官 板谷 玲子
分類
T111 .271-Z (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6356767号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6356767号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6356767号商標(以下「本件商標」という。)は、「バブスパ」の文字を標準文字で表してなり、令和2年3月6日に登録出願、第5類「消臭剤(工業用,身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),除菌剤(洗濯用及び工業用のものを除く。),室内用消臭剤」を指定商品として、同3年2月12日に登録査定、同月26日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において引用する登録商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、これら登録商標及び請求人が同人の業務に係る入浴剤「バブ(BUB)」シリーズ商品を表す商標として全国的な周知著名性を獲得していると主張する「バブ」(「BUB」)を総称して「引用商標」という場合がある。 1 登録第1807901号商標(以下、これのみを指すときは「引用商標1」という。) 商標の構成 バブ 指定商品 第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」 登録出願日 昭和57年8月30日 設定登録日 昭和60年9月27日 書換登録日 平成18年11月22日 2 登録第4172757号商標 商標の構成 バブ 指定商品 第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」 登録出願日 平成9年2月28日 設定登録日 平成10年7月31日 3 登録第4203541号商標 商標の構成 BUB(標準文字) 指定商品 第3類「せっけん類,香料類,薫料,化粧品,歯磨き」 登録出願日 平成9年6月16日 設定登録日 平成10年10月23日 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性 ア 請求人の「バブ(BUB)」及び「バブ(BUB)」ブランド商品について 「バブ(BUB)」は、1983年(昭和58年)に発売を開始した、請求人の入浴剤(薬用入浴剤)及びインバスヘルスケア製品の商標ないしブランド名である。また、香りの種類の豊富さなどを消費者にアピールした結果、発泡タイプと呼ばれる入浴剤がメジャーになり、入浴剤市場において、他社の追随を許さない多数のシリーズラインナップを擁し、市場全体を牽引する人気ロングライフ商品となっている(甲6)。 イ 「バブ(BUB)」及び「バブ(BUB)」ブランド商品の販売状況等 請求人の「バブ(BUB)」ブランド商品は、主としてGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)やドラッグストア、家電量販店などのほか、インターネット通信販売サイトなど、全国で取り扱われている。 「バブ(BUB)」は、配合する成分によって入浴後の効果が異なる多くのシリーズラインナップ製品があり、また、「バブ(BUB)」は、香りの種類が豊富な入浴剤であることを特徴の一つとしており、各シリーズ製品の中でも多数の香りの種類に細分化され、定番製品として永年にわたって製造販売している製品がある一方で、定期的に、多数のシリーズ製品を新規に開発し、市場に送り出している(甲6、甲7)。 ウ 「バブ(BUB)」ブランド商品の宣伝広告実績 請求人は、発売開始当初より、テレビCMを中心に各メディアを通じて、「バブ(BUB)」ブランド商品の宣伝広告を積極的に実施している(甲8)。2008年(平成20年)4月より2013年(平成25年)9月までの宣伝広告実績は、株式会社博報堂一社のみでも、総額で約9憶3725万1000円である(甲9)。2014年(平成26年)以降の請求人の宣伝広告実績は、甲第10号証のとおりで、テレビCM、ラジオCM、新聞雑誌広告、インターネット広告、交通広告を通じて行っており、CMは人気テレビ番組で繰り返し放送され、上記の宣伝広告において多くの人気俳優などを起用するなどしている。 エ 「バブ(BUB)」ブランド商品の一般消費者の認知度 請求人は、東京都を中心とする首都圏30kmにおいて、同地域に居住する12歳から69歳の個人女性(小学生を除く。)を対象に、入浴剤等に関するベンチマーク調査を2009年、2011年及び2013年に実施しており、かかるベンチマーク調査において、「バブ(BUB)」の助成知名率は、常に90%以上を獲得している(甲11)。 かかる事実を裏付けるように、「バブ」は、入浴剤の売れ筋商品や人気商品として度々紙面上に取り上げられ、製品としての評価の高さや、入浴剤市場において請求人の入浴剤は売上額の市場占有率が第1位であり、特にブランド別シェアで「バブ」が第1位であることなども報じられている(甲12、甲13)。 オ 小括 人気「バブ(BUB)」ブランド商品は、1983年の販売以来、40年近くの永きにわたって製造販売されている人気ロングセラー商品であり、「バブ(BUB)」は取引者・需要者の間で請求人の製造販売に係る入浴剤を示すものとして、全国的な極めて高い周知著名性を獲得している商標である。 なお、引用商標1の「バブ」は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の「日本国周知・著名商標」に収録され、特許庁において周知・著名商標としての認定を受けている(甲20)。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標を構成する「バブ」は、一般には特定の観念を生じない造語であるが、既述のとおり、引用商標は、請求人の業務にかかる入浴剤を表すものとして全国の取引者・需要者の間に広く知られた周知著名性を獲得している商標であり、かかる周知著名な請求人の入浴剤としての観念を生じるものである。これに対し、本件商標を構成する「スパ」の文字は、「鉱泉。温泉。また、それを利用した保養施設」(甲14)という意味合いを有する語であり、入浴施設の代名詞として使用されることも少なくない一般的な語である。このため、本件商標は、「バブ」と「スパ」の語からなる結合商標として認識されるものであるが、造語である「バブ」と一般的な成語である「スパ」の間に出所識別標識としての機能(識別力)に軽重の差があり、この差は、引用商標が獲得した周知著名性によってさらに大きなものとなる。のみならず、本件商標の指定商品は、いわゆるカビ取り剤等が分類される「除菌剤(洗濯用及び工業用のものを除く。)」など、浴室等の入浴施設を清潔に保つために使用する商品を含んでいるから、入浴に供される鉱泉や温泉などの意味合いを有する「スパ(spa)」との関連性は決して低いものではなく、「スパ」の部分の自他商品識別力はより一層欠けるものとなるため、本件商標は「バブ」を要部とする商標であると強く認識されるものである。 しかして、特許庁の商標審査基準は、商標法第4条第1項第15号該当性の判断において、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱うものとする」と定めている(甲5の2)。 したがって、本件商標は、「バブ」の文字部分を要部とする商標として、「バブ」又は「BUB」の文字からなる引用商標とは、要部から生じる外観、称呼及び観念が同一又は類似する類似商標に該当する。 よって、本件商標と引用商標の類似性の程度は、相当程度高いものである。 (3)引用商標の独創性の程度 「バブ(BUB)」は、「バブ(BUB)」シリーズの入浴剤が最初に販売開始された昭和58年(1983年)当時はもちろんのこと、現在でも、商品(役務)の品質(質)を表示する語として一般に使用されているものではなく、造語の一種として理解される。 したがって、引用商標は、独創性を有するものである。 (4)本件商標の指定商品と他人の業務に係る商品等との関連性の程度 請求人の「バブ(BUB)」が周知著名性を獲得した商品は、一般に「入浴剤」と呼ばれる商品である一方、本件商標の指定商品は、入浴剤とは、一般消費者を主な需要者としており、日用品として一般に流通しているという流通経路や、ドラッグストアやスーパーマーケット等において日用品として販売されているという販売方法が共通するなど、入浴剤との関連性が高い商品である。 したがって、本件商標に係る指定商品は、引用商標が周知著名性を獲得した入浴剤と関連性が非常に強いものであるから、本件商標と引用商標の取引者・需要者の共通性も極めて高いものである。 (5)取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準 引用商標が周知著名性を獲得した入浴剤は、ドラッグストアやスーパーマーケットで一般に販売されている商品であるところ、ドラッグストア等における主な需要者は、必ずしも商標について詳細な知識を持たない一般消費者である。こうした一般消費者は、商品の購入や役務の提供を受けるに際して、メーカー名などについて常に注意深く確認するとは限らないことからすれば、商品購入時に払う注意力は高いものではなく(知的財産高等裁判所判決、甲15)、商標構成中の覚えやすく親しみやすい印象及び過去に購買した際の記憶に基づいてその商品又は役務を選択ないし購買する。 しかして、一般消費者の間において、健康や疲労回復等に対する関心が押し並べて高いことは顕著な事実であり、引用商標が、血行促進効果を有する炭酸ガスが発生する入浴剤として、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されている事情や、「スパ」が一般的な成語であること、及び本件商標の指定商品が、浴室で使用される「浴室用消臭剤」や「浴室用除菌剤」等を含むものであって「スパ(spa)」との関連性は低いものではないことを考慮すると、本件商標に接する需要者は、その構成中、引用商標と同一の綴りである「バブ」の文字部分に着目し、当該文字部分によって請求人の「バブ(BUB)」と同じく入浴に関連した商品として印象付けられ、引用商標を想起、連想するというべきである。 (6)裁判例及び特許庁の審決(決定) 他人の周知著名な商標を一部に含む商標について、当該他人の業務に係る商品等と混同を生じるおそれがあるとして、登録拒絶又は登録無効若しくは取消しの判断をした判決や特許庁の審決は多数存在する(甲16)。そうした先例の中でも、引用商標1を含む請求人の「バブ(BUB)」の周知著名性を認定し、一般には非類似の商品である使用時に気泡を発生させる機械器具との関係において、請求人の業務にかかる商品(「薬用入浴剤」又は「入浴剤」)と混同を生じるおそれがあると判断している審決(決定)がある(甲16の2・4・5)。これらの審決(決定)において示された判断は、浴室等との関連性を想起させる商品を指定商品とする本件商標と引用商標の出所混同可能性の判断にも同様に当てはまる。裁判例(甲16の7~12)にみられる判断に照らせば、「入浴剤(薬用入浴剤)」と関連性の高い商品を指定商品とし、周知著名性を獲得した引用商標と同一の「バブ」の文字を含む本件商標は、引用商標にかかる「バブ(BUB)」シリーズ商品と出所混同を生じるおそれが当然に高いものであることは明らかである。 (7)考慮すべき特別な事情 被請求人は、本件商標の登録後に確認されたインターネット情報によると、気泡発生式のシャワー器具類のほか、本件指定商品に類似する「次亜塩素酸水」を製造販売していた事実が認められる(甲17の1)。被請求人のウェブサイトによると、少なくとも「バブスパ」を店舗名として使用していた(甲17の2)ほか、「バブスパ」及び「BubSpa」の文字からなるロゴを自己の商標として業として使用していた事実が確認され(甲17の1)、被請求人のロゴは、「バブ」と「スパ」を円的図形で分断していること、上記円的図形も、上下に併記した「Bub」と「Spa」の各欧文字を表したものであること、主体的に表した「BubSpa」の欧文字部分は、「S」が英大文字で表されていることから、本件商標は片仮名の「バブスパ」を標準文字で表したものであるとしても、被請求人は、本件商標を現実に使用するに際して、「バブ(Bub)」を「Spa(スパ)」と分離することによって強調した使用をしているという具体的な取引の実情が認められる。 また、被請求人は、自己の「次亜塩素酸水」の商品説明において、請求人のウェブサイトにリンクを貼っている(甲17の3)。 被請求人がシャワー器具類を製造販売していた者であるとすれば、入浴剤として全国的な周知著名性を獲得している請求人の「バブ(BUB)」を知らないはずはないが、被請求人が請求人のウェブサイトを閲覧していた事実や、請求人のウェブサイトにアクセスできるウェブページが設置されていたことは疑いようがなく、本件商標の実際の使用態様である「バブ(Bub)」部分を分離したロゴも考慮すれば、当該商品説明に接した取引者、需要者の通常の注意力からすると、被請求人及び本件商標を使用した商品は、請求人と緊密な営業上の関係がある者、又は請求人から特別な許諾を得た関係にある者の業務に係る商品ではないかと誤信させるおそれがより一層高まっているといわざるを得ない。 商標法第4条第1項第15号の該当性を判断する上では、具体的な取引の実情を考慮すべきであり、この点は、特許庁の審決も明確に述べている(甲18)。 (8)小括 引用商標が請求人の業務に係る「バブ(BUB)」ブランド商品を表すものとして全国的に周知著名な商標であること、本件商標は、引用商標と同一又は類似する「バブ」の文字部分を要部とする商標として、引用商標と高い類似性を有すること、「バブ(BUB)」が独創性の高い商標であること、本件商標の指定商品は、引用商標が周知著名性を獲得した商品と関連性が高いものであり、需要者の範囲も一致するものであることから、本件商標は取引者・需要者にとって引用商標と強い関連性を持って認識されること、過去の裁判例や特許庁の審決にみられる判断、さらには、被請求人による本件商標の使用態様等を総合して考慮すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、請求人の「バブ(BUB)」ブランド商品を想起・連想し、あたかも請求人が取り扱う業務に係る商品であるかの如く認識して取引にあたると考えられるため、その出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標の要部ないし本件商標と引用商標1の類否 本件商標を構成する「バブ」は、一般には特定の観念を生じない造語であるが、引用商標は、請求人の業務にかかる入浴剤を表すものとして全国の取引者・需要者の間に広く知られた周知著名性を獲得している商標である。とりわけ、引用商標1の「バブ」は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の「日本国周知・著名商標」に収録され、特許庁において周知・著名商標としての認定を受けている(甲20)から、「バブ」は、周知著名な請求人の入浴剤としての観念を生じる部分である。 これに対し、本件商標を構成する「スパ」の文字は、「鉱泉。温泉。また、それを利用した保養施設」(甲14)という意味合いを有する語であり、入浴施設の代名詞として使用されることも少なくない一般的な語である。このため、本件商標は、「バブ」と「スパ」の語からなる結合商標として認識されるものであるが、造語である「バブ」と一般的な成語である「スパ」の間に出所識別標識としての機能(識別力)に軽重の差があり、この差は、引用商標が獲得した周知著名性によってさらに大きなものとなるから、本件商標は「バブ」を要部とする商標であると強く認識されるものである。 しかして、特許庁の商標審査基準(甲19の3)に照らせば、本件商標は、請求人の周知著名性を獲得した「バブ」と一般的な語である「スパ」が結合した商標であり、「指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形等と結合した商標」であることが合理的に導き出される。 したがって、本件商標は、引用商標1に類似する。 (2)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品 本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品の内「薬剤」とは互いに類似する商品とされている(類似群コード:0lB0l)。 したがって、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品「薬剤」に類似する。 (3)過去の裁判例及び特許庁の登録実務 本件商標が「バブ」の文字部分を要部とする商標であって、引用商標1に類似するとの請求人の主張は、過去の裁判例や特許庁の審決にみられる判断に照らすことでより明確になる(甲21)。 (4)小括 本件商標は、引用商標1に類似する商標であり、引用商標1に係る指定商品と同一又は類似する商品を指定商品とするものであって、引用商標1の後願に係るものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 3 結び 以上により、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同項第11号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号の規定に基づき、その登録は無効とされるべきである。 第4 被請求人の主張 被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。 第5 当審の判断 1 本件審判の請求の利益について 請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、被請求人は何ら争っておらず、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。 以下、本案に入って審理する。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)商標「バブ」の周知著名性及び独創性の程度について ア 請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。 (ア)請求人は、「バブ」の片仮名からなる商標を使用した入浴剤(以下「請求人商品」という。)を1983年に発売して以来、継続して、その商品の製造、販売を行っている(甲7、甲13の6 ほか)。 (イ)請求人商品の宣伝広告は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット及び公共交通機関を通じて行われてきた(甲8~甲10)。 (ウ)2012年ないし2020年に発行された、請求人商品が紹介されている新聞・雑誌記事(甲12、甲13)には、特に、以下の記載がある。 a 日本経済新聞社が行った、小売業者のバイヤーを対象にした入浴剤についての調査では、「ブランド力」、「リピート購入率」等の14項目中11項目(2020年)又は12項目(2015年)で最も高い評価を得、総合評価で首位(甲13の2・4)。 b 2015年の入浴剤についての「ブランド別シェアベスト5」において第1位(甲13の5)。 c 2015年11月23日ないし同年12月20日の入浴剤についての日経POSデータにおける金額ベースでの売上は、「バブ ゆずの香り」が第1位、「バブ 森の香り」が第2位、「バブ のんびり、ゆったり ほのぼの湯」が第4位(甲13の3)。 d 2014年11月17日ないし同月23日の入浴剤についての日経POSデータにおける金額ベースでの売上は、「バブ ゆずの香り」が第1位、「バブ 森の香り」が第2位、「バブ ヨーロピアンスパ」が第4位(甲13の1)。 e 2020年に、日本経済新聞社の「日経POSセレクション2020 ロングセラー」(10年以上売れ続けて好調をキープしている人気商品)の一つに選出された(甲13の6)。 イ 前記アの事実を総合すると、請求人商品は、1983年の発売以来、約40年に亘って継続して製造販売され宣伝広告されたものであり、その結果、入浴剤の市場における売上規模等で上位に位置しているものであり、これに使用される商標「バブ」(以下「請求人商標」という。)は、請求人の業務に係る商品(請求人商品)を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、既に我が国において需要者の間に広く認識されていたものといえ、その状態は、本件商標の登録査定時においても継続していたというのが相当であって、その周知著名性の程度は高いものといえる。 ウ そして、「バブ」の文字は、辞書等に掲載されていないものであって、一種の造語とみるべきものであるから、該文字から構成される請求人商標は、独創性が高いものといえる。 (2)本件商標と請求人商標との類似性の程度について 本件商標は、前記第1のとおり、「バブスパ」の文字を標準文字で表してなるところ、その前半部を構成する「バブ」の文字は、前記(1)のとおり、辞書等に掲載されていない造語であって、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている請求人商標「バブ」と、同一の綴りである。そして、本件商標の後半部を構成する「スパ」の文字は、「鉱泉。温泉。また、それを利用した保養施設。」の意味を有する語(甲14)である。加えて、「バブスパ」の文字は、その全体では辞書等に掲載されていないものであって、一体となって特定の意味合いを認識させるものとして親しまれている語とはいえない。 そうすると、本件商標は、その構成中に、請求人商品を表示するものとして周知著名な請求人商標「バブ」の文字を有するものであり、これに、当該文字が看者の注意をひきやすい語頭に位置すること、当該文字が造語であるのに対し、構成中の「スパ」の文字は上記意味を有する成語であることをあわせみれば、本件商標においては、構成中の「バブ」の文字部分が強く印象付けられるものというのが相当である。 してみれば、本件商標において強く印象づけられる「バブ」の文字が請求人商標と共通するのであるから、両商標は、一定程度の類似性を有するものといえる。 (3)本件商標の指定商品と請求人商品との関連性並びに取引者及び需要者の共通性について 本件商標の指定商品と請求人商品「入浴剤」は、ドラッグストアやスーパーマーケットの日用品売場等で販売されることが多いものであり、その取引者を共通にし、また、いずれも一般消費者を対象とするものである。 そうすると、両商品は、その販売場所を共通にする関連性を有するものといえ、取引者及び需要者も共通するものといえる。 (4)出所の混同のおそれ 前記(1)ないし(3)のとおり、請求人商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして周知著名なものであり、その独創性も高いといえる。そして、本件商標と請求人商標とは一定程度の類似性を有し、また、本件商標の指定商品と請求人商品とは関連性を有するものであって、取引者、需要者も共通するものである。 以上を踏まえ、本件商標の指定商品の需要者である一般消費者において普通に払われる注意力(商品の購入に際し、メーカー名などについて常に注意深く確認するとは限らないものと考えられる。)を基準として、総合的に判断すれば、本件商標権者が、本件商標をその指定商品に使用したときは、これに接する需要者は、請求人商標を想起、連想し、当該商品を他人(請求人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。 (5)小括 したがって、本件商標は、他人(請求人)の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件商標の登録は、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。 なお、請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨も主張しているが、当審は、上記のとおり、本件商標が同項第15号に該当するものと判断する。 よって、結論のとおり審決する。

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