商標無効審判
2022-890047
- 審判番号
- 2022-890047
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 商願2017-145232
- 登録番号
- 6060862
- 請求日
- 2022年06月17日
- 審決日
- 2023年02月14日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 大阪屋
- 【請求人代理人】近藤 彰
- 【被請求人】雪国あられ 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T111 .261-Y (W30) / T111 .262-Y (W30) / T111 .263-Y (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法46条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6060862号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6060862号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成29年10月20日に登録出願、第30類「菓子」を指定商品として、同30年6月4日に登録査定がされ、同年7月13日に設定登録されたものである。
2 引用商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第696781号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和39年3月7日に登録出願、同40年12月10日に登録査定、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同41年1月29日に設定登録され、平成18年2月1日に第30類「菓子及びパン」を指定商品とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)背景事実
請求人は引用商標の商標権者であり、被請求人は引用商標の通常使用権者である。被請求人は引用商標の通常使用権者にも関わらず、引用商標の表現態様をそのまま採用した本件商標の出願を行って登録を受けたものである。
(2)使用商品の同一
本件商標は引用商標と同一の商品に使用するものである。
(3)本件登録と引用商標の類似
ア 引用商標と本件商標の対比
引用商標は、「モンペを穿き藁沓の昔の服装の少年と少女が並んで立ち、少年は頭巾を被り、少女は雪帽子を被っている」絵柄から「昔の雪国の少年少女(以下少年も含め「雪ん子」という)」が素朴なタッチで表現されている。
本件商標は、「モンペ風の昔ながら服装の少年と少女が並んで立ち、少年は頭巾を被り、少女は雪帽子を被っている」絵柄から「昔(田舎)の雪国の少年少女(雪ん子)」が表現されている。
なお、頭部の大きさの表現や服装の表現が「マンガ風」に表現されている。
本件商標と引用商標を対比すると、「雪ん子の全体の構成態様」が一致し、引用商標が素朴なタッチであるのに対し、本件商標は、シンプルに滑らかなラインを採用してやや漫画チックに表現されている点で相違する。
イ 引用商標と本件商標の外観類似
引用商標と本件商標は、共に「二人の少年少女からなる雪ん子」が表現され、全体の構成の軌をーにしている。
本件商標は、引用商標をやや現代風の表現にアレンジしたにすぎなく、しかもアレンジの程度は外観の印象を強く変更するものではなく、商品出所表示機能としては同一といえる。
したがって、両商標を使用した場合を想定すると、商品出所の誤認混同の恐れが大きいと認められ、両商標は外観上類似する。
ウ 引用商標と本件商標の観念類似及び称呼類似
引用商標及び本件商標は、図形商標であり当該図形は共に「雪国における子供(雪ん子)」を表現しているので、「雪国における子供(雪ん子)」が観念され、仮に称呼するとするならば「ユキンコ」と称呼される。
したがって、引用商標と本件商標とは、観念及び称呼上同一である。
エ まとめ
以上のとおり、引用商標と本件商標とは、全体の表現構成(雪ん子の図柄)が一致し、外観上類似すると共に、観念、称呼において区別し得るものではないので、本件商標は引用商標に類似し、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書により、要旨次のように述べた。
類似した商標の指摘には本質的な根拠に無理がある。
本件商標は被請求人たる雪国あられの社名にちなんで開発登録申請した商標である。
社名の「雪国」に連想される、雪国の風景(里山の風景)や人々そして暮らしをイメージして作成された。
商標にある「雪ん子」もその一つであり、インターネットで「雪ん子」の画像を検索すれば、同様の藁頭巾・藁帽子をかぶり、どてらやちゃんちゃんこを着てもんぺのようなズボンを履いた少年・少女の画像が多種・多様に検索され、一般的なイメージと推察される。
表現形態の類似との指摘があるが、上記のような一般的なイメージが似ているのは全て個人的な感想であり、本件商標を登録申請する際には引用商標(登録第1702497号)(審決注:登録第696781号の誤記と思われる。)とは異なるデザインを考え特許庁の許可を得たものである。
一般的な雪国の「雪ん子」のイメージで作成された本件商標が類似と指摘されるのは他の全ての一般的な「雪ん子」のイメージを違法類似商標と認識すると同等と推察し本質的な根拠に無理がある。
ただ似ているというだけで登録無効とすることは独占禁止法が定める公正かつ自由な競争にも抵触するのではないかと考える。
「ただ似ているから」だけでは本件商標を無効とする根拠にならない。
5 当審の判断
(1)本件審判の請求の利益
請求人が本件審判を請求することについて、被請求人は利害関係について争っておらず、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。
よって、以下本案に入って審理し、判断する。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、頭部を覆う頭巾をかぶり、ちゃんちゃんこを羽織った男の子と、頭部から身体まで覆う頭巾と着物風の衣服を身につけた女の子(共に頭部が大きいことから、子どもとして把握させる。)を表したものと看取させる図形からなるところ、上記男の子と女の子をイラスト風に表現するものとして把握、認識させるものであるが、特定の称呼及び観念は生じないとみるのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、頭部を覆う頭巾をかぶり、着物ともんぺと思しき衣服を着て、藁沓を履いた男性と、頭部から身体まで覆う蓑を身につけて、着物ともんぺと思しき衣服を着て、藁沓を履いた女性(身体のバランスから、子どもとまでは連想しない。)を看取させる図形からなるところ、特定の称呼及び観念は生じないとみるのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、それぞれ、前記ア及びイのとおりの構成からなるところ、両商標を対比すると、その構成が男女の図形よりなる点に共通性があるということはできる。
しかしながら、本件商標が、男女の子どもを認識させるものであるのに対し、引用商標においては、男女の子どもとは認識し得ないという点、本件商標はイラスト風に表現されているものであるのに対して、引用商標は素朴な描写で表現されているものである点、本件商標と引用商標の男女の衣服の模様、頭巾及び履物の形状等が明らかに異なる点において相違している。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観上区別することができるというべきである。
また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の称呼及び観念が生じないものであるから、称呼及び観念上、比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較できず、外観において区別できるものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、非類似の商標とみるのが相当である。
以上のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、指定商品が同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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