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商標無効審判

2022-890031

スワンエンジェル、スワンエンゼル、スワン、エンジェル、エンゼル

審判番号
2022-890031
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2016-108256
登録番号
5947687
請求日
2022年05月09日
審決日
2022年12月01日
公報発行日
2023年02月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】有限会社 エストミール
  • 【請求人代理人】岡田 純一
  • 【被請求人】小野 ひろみ
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 清川 恵子
分類
T111 .261-ZC (W41) / T111 .262-ZC (W41) / T111 .263-ZC (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5947687号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5947687号の指定役務中「第41類 電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,バレエのための施設の提供,バレエの興行の企画又は運営,バレエの興行の企画又は運営に関する情報の提供,バレエを含む舞踏全般における心理を研究したものの教授,バレエを踊った後に肉体を正常な状態に戻すために行うマッサージの方法の教授,バレエを踊っている最中の骨格の動き等を研究したものの教授,バレエを踊っている最中の生理を研究したものの教授,バレエスクールにおけるバレエの教授,バレエ音楽の教授,バレエ指導法の教授,バレエ振付法の教授」についての登録を無効とする。 その余の指定役務についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5947687号商標(以下「本件商標」という。)は、「Swan Angel」の文字を標準文字で表してなり、平成28年10月5日に登録出願、第41類「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,バレエに関する電子出版物の提供,バレエに関する放送番組の制作,バレエのための施設の提供,バレエの演出又は上演,バレエの興行の企画又は運営,バレエの興行の企画又は運営に関する情報の提供,バレエの振付,バレエを含む舞踏全般における心理を研究したものの教授,バレエを踊った後に肉体を正常な状態に戻すために行うマッサージの方法の教授,バレエを踊っている最中の骨格の動き等を研究したものの教授,バレエを踊っている最中の生理を研究したものの教授,バレエスクールにおけるバレエの教授,バレエ音楽の教授,バレエ指導法の教授,バレエ振付法の教授」を指定役務として同29年5月8日に登録査定、同月19日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判により、指定役務中「電子出版物の提供,バレエのための施設の提供,バレエの興行の企画又は運営,バレエスクールにおけるバレエの教授」以外の第41類の指定役務について取り消すべき旨の審決がされ、令和3年9月30日及び同4年2月17日にその確定審決の登録がされたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第5509646号商標は「ANGEL SWAN」の文字を標準文字で表したものであり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,バレエの興行の企画又は運営,バレエスタジオの提供,バレエ用舞台衣装の貸与,電子出版物の提供」及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年9月12日に登録出願、同24年7月27日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)両商標の類否 引用商標は、容易に「ANGEL」と「SWAN」の語を組み合わせてなるものと認識されるものであって、特定の意味合いを表すものとして知られているものではない。そして、その構成文字に相応して、引用商標は、「エンジェルスワン」又は「エンゼルスワン」の称呼を生ずるものである。 本件商標も同様に「Swan」と「Angel」の語を組み合わせてなるものと認識されるものであって、特定の意味合いを表すものとして知られているものではない。そして、その構成文字に相応して、本件商標は、「スワンエンジェル」又は「スワンエンゼル」の称呼を生ずるものである。 引用商標と本件商標は、「天使」及び「白鳥」の意味合いを有する英語としていずれも日本語化して親しまれ使用されている「ANGEL(大文字)、angel(小文字)」の語とその字音「エンジェル又はエンゼル」及び「SWAN(大文字)、swan(小文字)」の語とその字音の「スワン」の各文字の組み合わせよりなるものである。 そして、引用商標が「ANGEL」及び「エンジェル、又は、エンゼル」の語の後に「SWAN」及び「スワン」の語が続くのに対して、本件商標は「SWAN」「スワン」の語の後に「ANGEL」「エンジェル、又は、エンゼル」の語が続くものであるから、引用商標と本件商標とは、単に両語が前後に入れ替わっているにすぎないものである。 そして、その構成2語の配列において先後の違いはあるとしても、その相違により両者がそれぞれ一連の熟語的意味合いを有する語として別異の観念を生ずるというような事情は見いだせない。また、両商標共に「ANGEL」と「SWAN」の間に一文字分のスペースがあるため、一連ではなく、組み合わせによるものであると理解できる。2つの単語が別々に読まれることで、これらに接する取引者、需要者がその構成2語の配列を常に正確に記憶にとどめ、それぞれを明瞭に区別し得るというよりは、むしろ、その先後に関わりなく、その構成2語並びにそれぞれの語の有する意味合いをもって強く印象づけられるものとみるのが相当である。 そうとすると、本件商標及び引用商標に接する取引者・需要者は、これらを時と処を異にして見聞きした場合や、隔離的に観察した場合、例え大文字と小文字との外観において異なるとしても、いずれもありふれた書体の欧文字で間にスペースを空けて書され、意味合いを同じくする2語を共通にするから、外観及び観念上相紛らわしいものである。称呼の点においても前記事情よりして構成2語の先後が記憶印象上必ずしも確然としないために、いずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であるから、本件商標に接する取引者、需要者は、該構成を前記2語の任意的組み合わせとして理解し得るものであるため、称呼上互いに紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において相紛れるおそれのある類似の商標であると判断されるものである。 (2)指定役務について 本件商標と引用商標の指定役務は、第41類において、同一又は類似の役務と認められる。 (3)小括 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、観念及び称呼において互いに紛らわしいものというべきであるから、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似のものと判断するのが相当である。 (4)類似事件 構成2語を共通にし、その前後が入れ替わっているだけでは、商標法第4条第1項第11号に違反し登録することはできないとされた審決がある(甲3~甲6)。 以上、本件商標と引用商標においても、外観における差異を考慮しても、紛らわしいもの、お互いに相紛れるおそれのあるものと判断するのが当然である。 2 むすび したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、請求人の主張に対して何ら答弁していない。 第5 当審の判断 被請求人は、請求人の主張に対して何ら答弁しておらず、請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係について当事者間に争いがないから、本案について判断する。 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、前記第1のとおり、「Swan」と「Angel」の文字の間に1文字分程度の間隙を設けて標準文字で表してなるものである。 そして、構成中の「Swan」の文字は「ハクチョウ(白鳥)」(ジーニアス英和大辞典 株式会社大修館書店)の意味を、「Angel」の文字は、「天使」(同掲書)の意味を、それぞれ有する語として、一般に親しまれている平易な英単語であるところ、その組み合わせ全体をもって、既成の語として辞書類に載録されているものではなく、特定の意味合いを想起させる語として、本件商標の指定役務に係る取引者、需要者の間に認識されているものでもない。 また、これら両語は、その意味合い又は語法上において一方が他方を修飾するというような主従・軽重の差は見いだせないから、本件商標は、単に上記2語を組み合わせたにすぎないものというべきである。 そうすると、本件商標は、「白鳥」と「天使」の観念を理解させるものであり、構成文字に相応して「スワンエンジェル(エンゼル)」の称呼を生じるものである。 (2)引用商標 引用商標は、前記第2のとおり、「ANGEL」と「SWAN」の文字の間に1文字分程度の間隙を設けて標準文字で表してなるところ、上記(1)と同様に、「ANGEL」の文字は「天使」、「SWAN」の文字は「ハクチョウ(白鳥)」の意味をそれぞれ有し、両語に、主従・軽重の差は見いだせないから、本件商標は、単に上記2語を組み合わせたにすぎないものというべきである。 そうすると、引用商標は、「天使」と「白鳥」の観念を理解させるものであり、構成文字に相応して「エンジェル(エンゼル)スワン」の称呼が生じるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、上記のとおり、共に一般に親しまれた平易な英単語である「Swan(SWAN)」と「Angel(ANGEL)」の2語からなるものであって、両商標に接する取引者、需要者は、該商標を構成する各文字が単に前後に入れ替わってなるにすぎないものと認識し、把握するとみるのが自然である。 そして、本件商標と引用商標とは、「Swan(SWAN)」と「Angel(ANGEL)」の各文字とが、その配列において前後の違いはあるとしても、その相違によりそれぞれが一連の熟語的意味合いを有する語として別異の観念を生ずるというような事情は認められない。 また、両商標は、外観において文字の前後及び大文字と小文字の差異を有するとしても、それぞれを構成する2語は、いずれも親しまれた「swan」と「angel」の英単語であり、ありふれた書体で一連に横書きされているから、別異であるとの印象を与えるほど構成上の顕著な差異があるものではなく、両商標に接する取引者、需要者は、これらの文字の配列を常に正確に記憶に留めて、それぞれを識別するというよりは、むしろ、それぞれの前後に関わりなく、「白鳥」と「天使」の観念、「スワン」と「エンジェル(エンゼル)」の称呼の組み合わせからなる商標として印象づけられるものとみるのが相当である。 そうすると、本件商標と引用商標とを時と処を異にして隔離的に観察した場合は、いずれもありふれた書体の欧文字で一連に表されていること、「Swan(SWAN)」と「Angel(ANGEL)」の2語で構成されていることを共通にし、「天使」及び「白鳥」の観念を同じくすることから、外観及び観念において相紛らわしいものであり、かつ、称呼においても「エンジェル(エンゼル)」と「スワン」のいずれの語が前又は後に配置されていたかが曖昧となり、相紛れるおそれが少なからずあるものといわなければならない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、観念及び称呼において互いに紛らわしいものというべきであるから、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似のものと判断するのが相当である。 (4)本件商標と引用商標の指定役務 本件商標の指定役務中、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,バレエのための施設の提供,バレエの興行の企画又は運営,バレエの興行の企画又は運営に関する情報の提供,バレエを含む舞踏全般における心理を研究したものの教授,バレエを踊った後に肉体を正常な状態に戻すために行うマッサージの方法の教授,バレエを踊っている最中の骨格の動き等を研究したものの教授,バレエを踊っている最中の生理を研究したものの教授,バレエスクールにおけるバレエの教授,バレエ音楽の教授,バレエ指導法の教授,バレエ振付法の教授」は、引用商標の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,バレエの興行の企画又は運営,バレエスタジオの提供,電子出版物の提供」と同一又は類似の役務と認められる。 (5)小括 したがって、本件商標は、その指定役務中、結論掲記の指定役務との関係では、商標法第4条第1項第11号に該当するといわざるを得ない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、結論掲記の指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。 しかし、その余の指定役務については、上記のとおり、本件商標が本件審判請求の事由には該当せず、同法第46条第1項の規定によってその登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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