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商標無効審判

2022-890025

フレーム

審判番号
2022-890025
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2015-098291
登録番号
5940048
請求日
2022年04月14日
審決日
2023年11月02日
公報発行日
2024年04月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】フレーム エルエー ブランズ,エルエルシー
  • 【請求人代理人】曾我 道治
  • 【請求人代理人】坂上 正明
  • 【請求人代理人】鈴木 昇
  • 【被請求人】株式会社 ベイクルーズ
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T112 .261-ZC (W25) / T112 .262-ZC (W25) / T112 .263-ZC (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第46条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5940048号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5940048号の指定商品中、第25類「被服,乗馬靴」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5940048号商標(以下「本件商標」という。)は、「FRAME」の文字を標準文字で表してなり、平成27年10月9日に登録出願、第25類「被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月23日に登録査定、同年4月14日に設定登録されたものである。 なお、本件商標は、令和4年4月14日に分割(後期分)登録料不納により、商標権の登録の抹消がされ、その登録が同年12月21日にされたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において引用する商標は、次の1及び2のとおりであり、これらを合わせて「引用商標」という。 1 登録第5630681号商標(以下「引用商標1」という。)は、「FRAME DENIM」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月1日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」、第25類「被服,帽子,ベルト」及び第35類「広告業,マーケティング,販売促進のための企画及び実行の代理,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,被服及びベルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,一般事務の代行,文書又は磁気テープのファイリング,商業又は広告のための展示会の企画・運営」を指定商品及び指定役務として、同年11月15日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 2 「FRAME」の文字からなる商標(以下「引用商標2」という。)。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証から甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効にすべきものである。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、「FRAME」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字に相応して「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念が生じるものである。 (2)引用商標1 引用商標1は、「FRAME DENIM」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成全体から「フレームデニム」の称呼が生じるものである。 ア 「DENIM」の部分について 引用商標1の構成中「DENIM」の文字部分は、「綾織りの厚地綿布」を意味するものであり、アメリカ西部のズボンとして知られており、今日では、ズボンのみではなく、スカート、ジャンバーなどに広く用いられている(甲3)。すなわち、被服の分野において、「綾織りの厚地綿布、デニム製の被服」を意味するものとして、広く定着し、頻繁に使用されている。 また、「デニム」の語は、ジーンズ一般を指すこともある(甲4、甲5)。 このように、「DENIM」の語は、自他商品識別力がないか、あっても非常に弱いものであり、「DENIM」の語を含む商標が被服に使用された場合、取引者及び需要者が、「DENIM」の部分のみから当該被服が何人かの業務に係るものであるかを認識するのは不可能である。 イ 「FRAME」の部分について 「FRAME」の文字部分は、「骨組み、枠」等を意味するものであって、被服とは直接関係のない語である。そのような「FRAME」の語の次に、指定商品を被服とする限り、自他商品識別力を有しない「DENIM」の語を結合したにすぎない引用商標1をみると、「FRAME」の部分のみが自他商品識別機能を発揮する場合があるというのが相当である。 ウ 引用商標1の取引の実情について 「FRAME DENIM」は、英国ロンドン発のプレミアムジーンズブランドで、2012年2月に2人のロンドン在住スウェーデン人デザイナーによって立ち上げられ、セレブ御用達ブランドとしても有名である(甲6)。 使用態様をみると、ラベル及びタグに、2段書きで、「FRAME」の文字が、その下の「DENIM」の文字の約4倍の大きさで、目立つように書かれている(甲7)。 被服の販売店のウェブページには、「本日は、「FRAME」の新作デニムを使って、春のコーディネートをご紹介いたします。」などの記載がある(甲7、甲8)。 本件商標の登録出願時には、既に、請求人の業務に係るパンツが、「FRAME」ブランドのジーンズとして認識されていたことがうかがえる。 さらに、本件商標の商標権者は、「FRAME DENIM」について、「2012年LA発のデニムブランド。」と紹介し、請求人の業務に係る商品を「FRAME フレアパンツ」として販売している(甲9)。 以上のとおり、取引者、需要者は、商標「FRAME DENIM」が使用された商品を「FRAME」ブランドのジーンズとして認識しているというのが相当である。 エ 引用商標1から生じる称呼及び観念について 以上のとおり、引用商標1の構成中「FRAME」の文字が自他商品識別機能を発揮し得る部分であり、「FRAME」と「DENIM」の間に観念上のつながりはなく、1文字分のスペースがあることともあいまって、引用商標1に接した取引者及び需要者において、「FRAME」の部分と「DENIM」の部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに、不可分的に結合しているものとまでいえない。 したがって、引用商標1は、常にその構成全体によって称呼、観念されるとはいえず、「FRAME」の部分から「フレーム」の称呼及び「骨組み、枠」等の観念を生ずる場合もあり得るというのが相当である。 (3)本件商標と引用商標1との類否 本件商標と引用商標1とを比較すると、両商標は、「フレーム」及び「骨組み、枠」等の観念を同一にするものである。 外観についてみると、本件商標を構成する文字は、引用商標1の構成中、看者の注意をひく、前半部分の「FRAME」と同一であるから、相当程度近似するものである。 以上を総合して考察すると、本件商標と引用商標1とは、称呼及び観念において同一であり、外観において相当程度近似する、類似の商標である。 また、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品である「被服,帽子」を含むものであるから、これと同一又は類似の商品である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 3 商標法第4条第1項第15号について 引用商標1は、米国における2012年以来の使用を通じて周知・著名になっており、「セレブ御用達ブランドとして有名」(甲6)であり、本件商標の登録出願時及び査定時において、請求人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国内の取引者、需要者によっても広く認識されているというのが相当である。 仮に本件商標が引用商標1と類似しないとしても、本件商標と引用商標1は、「FRAME」の文字を共通とし、近似するものである。 また、引用商標2については、ジーンズのタグやラベルに、下の「DENIM」の文字の約4倍の大きさで、目立つように書かれており、販売店のウェブサイトに「FRAMEは、アメリカ・ロサンゼルス発祥のブランドで、海外セレブが愛用していることで知られています。」と記載されている(甲7)ことから、本件商標の登録出願時には、既に、請求人の業務に係る商品を表示する商標として認識されていたことがうかがえる。 そして、引用商標2は、本件商標と同一であるから、商標の類似性の程度については論をまたない。 さらに、本件商標の指定商品は、請求人の業務に係る商品と共通であり、需要者層も共通にするものである。 以上のことから、本件商標に接した取引者、需要者は、「FRAME DENIM」又は「FRAME」ブランドを連想、想起し、本件商標の付された商品が請求人又は請求人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の商品であると誤認し、商品の出所について混同を生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、請求人の主張に対して、何ら答弁していない。 第5 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標は、前記第1のとおり、「FRAME」の文字を標準文字で表してなるものであり、「フレーム」の称呼及び観念を生じるものである。 (2)引用商標1は、前記第2の1のとおり、「FRAME DENIM」の文字を標準文字で表してなるものである。 そして、引用商標1は、その構成文字及び意味合いから、「FRAME」の文字(語)と「DENIM」の文字(語)からなると容易に認識できるものであり、両語はいずれも一般に親しまれた平易な語である。 また、引用商標1の構成中「DENIM」の文字(語)は、「デニム生地」又は「ジーンズ一般」を意味し(甲4)、「被服」等との関係では、商品の品質又は原材料を表すものであるから、その部分からは出所識別標識としての称呼、観念は生じないものといえ、その結果として、引用商標1の構成中「FRAME」の文字部分が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。 そうすると、引用商標1は、その構成中「FRAME」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、引用商標1は、その構成中「FRAME」の文字部分から、「フレーム」の称呼及び観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標1の構成中「FRAME」の文字部分とを比較すると、両者はいずれも標準文字で表された「FRAME」の文字からなり、「フレーム」の称呼及び観念を生じるものであるから、外観、称呼及び観念を共通にするものである。 そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛らわしい類似の商標といわなければならない。 (4)本件商標の指定商品中、第25類「被服」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第25類「被服,帽子」及び第35類「被服及びベルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似するものである。 また、本件商標の指定商品中、第25類「運動用特殊靴」に含まれる「乗馬靴」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第18類「乗馬用具」と類似する商品である。 しかしながら、本件商標の指定商品中、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,乗馬靴以外の運動用特殊靴」は、引用商標1の指定商品及び指定役務とは非類似の商品である。 (5)以上により、本件商標は、引用商標1に類似する商標であって、引用商標1の指定商品及び指定役務と同一又は類似する「被服,乗馬靴」について使用をするものである。 したがって、本件商標は、その指定商品中、第25類「被服,乗馬靴」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 しかしながら、本件商標は、その指定商品中、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,乗馬靴以外の運動用特殊靴」については、引用商標1の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品について使用をするものではないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性の程度について 請求人の提出に係る証拠によれば、引用商標1は、「FukuDB」と称するウェブサイトにおいて、英国ロンドン発のプレミアムジーンズブランドであって、2012年(平成24年)に2人のロンドン在住スウェーデン人デザイナーによって立ち上げられ、セレブ御用達ブランドであると紹介されていること(甲6)、販売店のウェブサイトにおいて、当該ブランドの商品が「FRAME」と紹介されていること(甲7、甲8)、ファッション通販サイトにおいて、引用商標1が使用された「フレアパンツ」が販売されており、「FRAME フレアパンツ」と紹介されていること(甲9)が認められる。 しかしながら、引用商標が使用された商品に関する生産・販売数及び広告宣伝の規模等についての証拠は何ら提出されていない。 そうすると、僅かなウェブサイトにおける引用商標に関する紹介記事のみでは、引用商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは到底認めることはできない。 (2)出所の混同について 前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛らわしい類似の商標であるから、両者の類似性の程度は高いといえる。 また、本件商標と引用商標2とは、いずれも「FRAME」の文字からなるものであるから、両者の類似性の程度も高いといえる。 しかしながら、前記(1)のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められない。 そうすると、本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品との間の関連性及び需要者の共通性を考慮したとしても、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用しても、需要者、取引者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 まとめ 以上により、本件商標は、その指定商品中、第25類「被服,乗馬靴」については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同項の規定に違反してされたものである。 しかしながら、本件商標は、その指定商品中、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,乗馬靴以外の運動用特殊靴」については、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではなく、その登録は、同項の規定に違反してされたものではない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項により、その指定商品中、第25類「被服,乗馬靴」については無効とすべきであるが、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,乗馬靴以外の運動用特殊靴」については、無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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