商標異議申立
2022-685020
アルゴンプレシジョンキャップ、アーゴンプレシジョンキャップ、アルゴン、アーゴン、プレシジョンキャップ
- 審判番号
- 2022-685020
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- —
- 請求日
- 2022年10月24日
- 審決日
- 2023年08月08日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】Ovesco Endoscopy AG
- 【異議申立人】アルゴン メディカル デバイスズ インコーポレーテッド
- 【異議申立人代理人】横畑 雅子
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.261-Y (W10) / T1651.262-Y (W10) / T1651.263-Y (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1608898号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
国際登録第1608898号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件国際登録第1608898号商標(以下「本件商標」という。)は、「Argon Precision Cap」の文字を横書きしてなり、2021年2月18日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(令和3年)7月5日に国際商標登録出願、第10類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品(第10類「Surgical, medical, dental and veterinary apparatus and instruments; apparatus and instruments for endoscopy; apparatus and instruments for proctology; apparatus and instruments for high-frequency surgery; electronic medical instruments; endoscope attachments; parts and accessories for all the aforesaid goods, included in this class.」)を指定商品として、令和4年(2022年)5月16日に登録査定、同年9月16日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5734327号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成26年9月2日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同27年1月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標
本件商標は、「Argon Precision Cap」の17文字の欧文字より構成されている。これは、極めて冗長な構成といえるばかりでなく、これより生じる「アルゴンプレシジョンキャップ」の称呼も、大変冗長なものといえる。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、本件商標に接する取引者、需要者は、前半の「Argon」の文字部分に着目して、これより生じる「アルゴン」の称呼をもって取引に当たることも決して少なくないというべきである。
してみれば、本件商標は、その指定商品については、その構成文字に相応して「アルゴンプレシジョンキャップ」の一連の称呼を生じるほか、「Argon」の文字部分に相応して「アルゴン」の称呼も生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、上部に三角形の図案を配し、下部に「ARGON」の欧文字を配して構成される。したがって、引用商標からは「ARGON」の文字部分に相応して、「アルゴン」の称呼が生じる。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、共に「アルゴン」の称呼を生じるものであるから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本件商標の構成中、「Argon」の欧文字は、引用商標の欧文字「ARGON」と全く同じつづりであり、大文字であるか小文字であるかの差異にすぎないものであるから、外観上も近似した印象を与える。
本件商標に接した取引者及び需要者は、本件商標と引用商標が同一ではないことを認識した上で、それでもなお、「Argon」の文字部分に着目して、本件商標が、引用商標と関連したものではないか、あるいは、指定商品との関係において、シリーズ化した新しい商品ではないか等、出所について誤認混同するおそれがある。
(4)指定商品の類否
本件商標の指定商品には、「外科用・内科用・歯科用及び獣医科用の機器」が指定されている。
一方、引用商標に係る指定商品には、「医療用機械器具及びその部並びに附属品」が指定されている。
そうすると、本件商標と引用商標は、指定商品においても同一又は類似するものである。
(5)結論
以上より、本件商標は、引用商標と類似するものであり、また、その指定商品においても、引用商標と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり「Argon Precision Cap」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「Argon」、「Precision」及び「Cap」の各文字は、それぞれ「アルゴン(空気中に存在する希ガス元素)」、「正確、精密」、「帽子、ふた」等の意味を有する英語(いずれも「新英和中辞典」研究社)であって、本件商標全体として特定の観念を生じるものではないとしても、本件商標の指定商品との関係において、いずれかの文字又は文字の組合せが、観念上、他の部分に比して出所識別標識として強く支配的な印象を与える又は特段出所識別標識としての機能が弱いということはできないものである。
そして、本件商標は、同じ書体の文字を、スペースを介して一連に表してなるものであるから、いずれかの部分又はいずれかの部分の組合せが、外観上、強い印象を与えるものではない。
さらに、本件商標の構成全体から生じる「アルゴンプレシジョンキャップ」の称呼も、やや冗長ではあるものの、一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、本件商標全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当であり、本件商標は、構成全体を一体的に観察して、引用商標との類否を判断すべきものである。
したがって、本件商標は、「アルゴンプレシジョンキャップ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、略三角形の図形部分と「ARGON」の文字部分とを上下二段に配してなるところ、その構成態様からして、当該図形部分と文字部分とがそれぞれ独立して出所識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。そうすると、引用商標は、「ARGON」の文字部分に相応して、「アルゴン」の称呼及び「アルゴン(空気中に存在する希ガス元素)」(前掲書)の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両者は、つづりが同一の文字部分(「Argon」又は「ARGON」)をその構成中に含む点で共通するものの、本件商標の構成中の「Precision Cap」の文字部分の有無の点において相違し、視覚的な印象が大きく異なるから、両者は、外観上、相紛れるおそれのないものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「アルゴンプレシジョンキャップ」の称呼と引用商標から生じる「アルゴン」の称呼とは、構成音数が明らかに相違し、明瞭に聴別し得るものあるから、両者は、称呼上、相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「アルゴン(空気中に存在する希ガス元素)」(前掲書)の観念を生じるものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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