商標拒絶査定不服審判
2022-650095
イージーフィット、イージー、フィット、エフアイテイ
- 審判番号
- 2022-650095
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1524750
- 請求日
- 2022年11月04日
- 審決日
- 2025年01月23日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】HUAWEI TECHNOLOGIES CO., LTD.
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】行田 朋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 大塚 正俊
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W0914)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際商標登録第1524750号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 手続の経緯
本願は、2019年9月27日にChinaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2020年(令和2年)1月3日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2021年(令和3年)7月21日付け:暫定拒絶通報
2021年(令和3年)12月3日:意見書、手続補正書の提出
2022年(令和4年)7月21日付け:拒絶査定
2022年(令和4年)11月4日:審判請求書の提出
2024年(令和6年)5月16日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「EasyFit」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類及び第14類に属する商品を指定商品として、国際商標登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、当審における上記1の手続補正書により、第9類及び第14類に属する別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「EasyFit」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、「Easy」の文字は、「容易である」の意味を、「Fit」の文字は、「形状や大きさがぴったり合う」の意味を有するものであり、両文字とも一般に用いられている語である。そうすると、本願商標は、その指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「容易に形状や大きさがぴったり合う商品」であると認識するにとどまり、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 職権証拠調べに対する請求人の意見
上記4の「証拠調べ通知」に対して、請求人からは何らの意見、応答はなかった。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、本願商標は、「EasyFit」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、「Easy」の文字は、「容易な。簡単な。」(出典:株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典 第六版」)等の意味、「Fit」の文字は、「ぴったり合う」(前掲書)等の意味を有する語であり、両文字とも一般に親しまれている語である。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、様々な分野において、「EasyFit」の表音である「イージーフィット」の文字が商品の特徴を示すための語として使用されている事実(別掲2)があることに加え、本願の指定商品に関連する腕時計の分野において、「簡単に装着できること」や「腕にぴったり合うこと」などを特徴とする商品が製造、販売されている事実(別掲3)が認められる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、第9類「headphones; earphones; connected bracelets (measuring instruments).」及び第14類「Watch straps; watch bands; leather watch bands; watch band clasps; watch bands of metal, leather or plastics; sports watches; diving watches; outdoor watches; automatic watches; watch movements; wristwatches.」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「簡単に装着できること」や「腕などにぴったり合うこと」などを特徴とする商品であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他商品役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「EasyFit」の文字が「時計」の分野にて、「着け心地の良い腕時計」程の意味合いの語として一般的に用いられている事実は存在せず、また、「EasyFit」の文字をキーワードとしてインターネット検索すると、出願人とその関係者に係る商品に関するウェブサイトばかりが検出されること等をもって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張する。
しかしながら、様々な分野において、「EasyFit」の表音である「イージーフィット」の文字が商品の特徴を示すための語として使用されている事実があることに加え、本願の指定商品に関連する腕時計の分野において、「簡単に装着できること」や「腕にぴったり合うこと」などを特徴とする商品が製造、販売されている事実があることは、上記(2)のとおりである。
また、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標が指定商品との関係で、将来を含め、その取引者、需要者によって商品の品質又は役務の質を表示するものと一般に認識されるものであれば足りることは、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成態様や指定商品が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは、上記(2)のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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