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商標拒絶査定不服審判

2022-650048

カスカラ、キャスキャラ

審判番号
2022-650048
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
1519181
請求日
2022年06月16日
審決日
2023年09月14日
公報発行日
2024年06月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】Cabosse Naturals Switzerland AG
  • 【請求人代理人】橘 哲男
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 茂木 祐輔
分類
T18 .13 -Z (W01) / T18 .272-Z (W01)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際登録第1519181号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。

結論

本件審判の請求は、成り立たない。

理由

1 本願商標 本願商標は、「CASCARA」の欧文字を横書きしてなり、第1類「Chemical compositions and additives made from cocoa shell or cocoa pod for use in the manufacture of food and beverages, including pectin for the food industry or for other industrial purposes; chemical additives for use in the manufacture of food and beverages; cocoa shell pulp for use in further manufacture; artificial sweeteners made from cocoa shell or cocoa pod used as ingredients in the food, drinks, pharmaceutical and feed industry.」を指定商品として、2019年(令和元年)5月22日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月15日に国際商標登録出願されたものである。 本願は、2021年(令和3年)5月28日付けで暫定拒絶通報の通知がされ、令和3年8月20日付けで意見書が提出されたが、2022年(令和4年)3月31日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和4年6月16日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「CASCARA」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、当該文字は「ロッキー山脈に生息する熱帯樹木の総称で、乾燥した樹皮は通じ薬として用いられる植物の名称」の意味を有する英単語であり、「CASCARA」の樹皮を乾繰させたものを表す「cascara sagrada」と同義語である。そして、本願指定商品に関する分野では、「CASCARA」の表音である「カスカラ」の文字、及び「cascara sagrada」の表音である「カスカラサグラダ」の文字が、医薬品やサプリメント等の原材料として使用されている実情がある。このような状況を考慮すると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「CASCARAを原材料とする商品」であることを認識、理解するにとどまり、本願商標を「CASCARAを原材料とする商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれある。したがって、本願商標は、商標法第第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における審尋 当審において、令和5年3月8日付け審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。 4 審尋に対する請求人の回答の要旨 請求人は、前記3の審尋に対し、令和5年6月13日付けで回答書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。 (1)審尋では、ほんの十数例の、極めて専門性が高いインターネット上の使用例を根拠として挙げている。インターネットを駆使しても、たった十数件しか探し出すことができないとすると、そのような語は、社会全体に通用しているとは認め難く、むしろ自他商品識別力を積極的に肯定するための根拠とするのが自然である。 (2)飲食料品業界における取引者、需要者は、一般的な注意力を持つに過ぎないものであるため、使用例に挙げられたような極めて高度、かつ、専門的な知識に対しては到底理解が及ばない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号の考え方について 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(昭和53年(行ツ)第129号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決。)。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「CASCARA」の欧文字を横書きしてものであり、「CASCARA」の欧文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認められる。 そして、当該文字は、「西和中辞典」(株式会社小学館発行)によれば、「殻,外皮,さや」等の意味を有するスペイン語であり、別掲に記載のインターネット情報、雑誌、新聞記事情報によれば、「CASCARA」の文字及びその表音である「カスカラ」の片仮名は、飲食料品を製造、販売する業界において、「コーヒーの果実の中にあるコーヒー豆(種子)を取り除く工程で分離した外側の果皮と果肉の部分」を表すものとして使用されており、当該「カスカラ」を煮出してお茶として飲む「カスカラティー」や、「カスカラ」を使用した「カスカラシロップ」、「カスカラ」をパウダーにした「カスカラパウダー」等、「カスカラ」が飲食料品の原材料として使用され、取引されている実情が見受けられる。 してみれば、「CASCARA(カスカラ)」の文字は、飲食料品を製造、販売する業界において、商品の原材料を表すものとして認識されるものとみるのが相当である。 そして、本願商標の指定商品は、飲食料品の製造に用いる商品や、飲食料品の原材料として用いる商品、すなわち「飲食料品」と密接に関連する商品といえるものである。 そうすると、「CASCARA」の文字からなる本願商標を、その指定商品中、「Chemical additives for use in the manufacture of food and beverages.(参考和訳:飲食物の製造用の化学添加剤)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「カスカラを使用した飲食物の製造用の化学添加剤」であることを認識、把握するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質、原材料を表すものにすぎないと判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を、その指定商品中、「カスカラを使用した「Chemical additives for use in the manufacture of food and beverages.」」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、審尋では、極めて専門性が高いインターネット上の使用例を根拠として挙げており、しかもインターネットを駆使しても、たった十数件しか探し出すことができないとすると、そのような語は、社会全体に通用しているとはいい難い旨主張する。 しかしながら、「CASCARA(カスカラ)」が飲食料品の原材料として使用され、紹介されている事例には、インターネット情報のみならず、新聞記事情報(別掲13、14)に加え、食やライフスタイル等に係る広く一般に知られた大衆紙又は大手出版社による雑誌(別掲8~12)も含まれており、これらは広く一般の目に触れる機会もあるというべきであるから、「CASCARA(カスカラ)」の語が社会に通用し得ないということはできない。 イ 請求人は、飲食料品業界における取引者、需要者は、一般的な注意力を持つに過ぎないものであるため、使用例に挙げられたような極めて高度、かつ、専門的な知識に対しては理解が及ばない旨主張する。 しかしながら、本願商標の指定商品は、「Chemical additives for use in the manufacture of food and beverages.」等、飲食物の製造等に用いられるものであって、その取引者、需要者は、一般の消費者というよりは、飲食物の製造業者や加工業者といった専門業者というべきであるから、一般的な注意力を有する者というよりは、飲食物やその原材料についての専門的知識を有する者が多く含まれるといえるものである。 また、「CASCARA(カスカラ)」の文字が、広く一般の目に触れる機会もあることは、上記アのとおりである。 してみれば、本願商標の指定商品の取引者、需要者が、本願商標の意味を理解できないということはできず、むしろ本願商標は、その指定商品との関係で、商品の品質、原材料を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、また、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質や原材料を表示したものと一般に認識されるものというべきである。 ウ 請求人は、中学2年生レベルの単語を網羅的に掲載している英和辞典において、「CASCARA」の語は掲載されていないから、我が国における取引者、需要者が、当該語を理解、把握することはできない旨主張する。 しかしながら、本願商標の指定商品の取引者、需要者が、主に飲食物の製造業者等の専門業者であって、専門的知識を有する者が多く含まれることは上記イのとおりであるから、請求人が提示する英語辞典に「CASCARA」の語が掲載されていないことをもって、上記(2)の判断が左右されるものではない。 エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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