商標取消審判
2022-300775
アーミス、アルミス
- 審判番号
- 2022-300775
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-110762
- 登録番号
- 6169109
- 請求日
- 2022年08月19日
- 審決日
- 2024年12月12日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】菅野 歩
- 【被請求人】株式会社 アーミス
- 【被請求人代理人】弁理士法人M&Partners
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W42) / T132 .11 -Y (W42)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第4号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6169109号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6169109号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1の構成からなり、平成30年8月21日に登録出願され、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供」を含む第42類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、令和元年8月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年9月5日であり、その請求の登録前3年以内の同元年9月5日から同4年9月4日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証には、本件商標及び請求に係る指定役務に関する記載がなく、そもそも要証期間外に発行されたものである。
(2)乙第2号証には、公開日が不明であり、会社情報、ビジョン、事業内容等が示されるのみで、請求に係る指定役務に関する記載はない。
(3)乙第3号所の1の見積書は、要証期間外のものであり、請求に係る指定役務に関する記載がなく、見積書記載の役務は、あくまでモーターに関するものであって、電子計算機用プログラム(ソフトウェア)に関するものではない。ベクトル制御に関するコンサルティングも、新規モーター設計・試作に向けた、モーターに関するコンサルティングと解される。
乙第3号証の2、3、5及び7は、同一の注文に係る注文書、請求書(1)、受領書及び請求書(2)であり、そのうち、本件商標の確認ができるのは、請求書(1)及び請求書(2)のみであり、その注文内容、請求内容及び受領内容は、「センサレスベクトル制御のコンサルシング」、「モーター設計のコンサルティング」、「モーター設計書作成費用」及び「モーター試作・テスト・評価費用」であり、乙第3号証の1と同様、請求に係る指定役務に関する記載はない。残りの乙第3号証の4及び6は、他社との取引書類ではなく、他社名が黒塗りされており、他社に内容の真実性を確認することができず、信用性を欠く。しかも、乙第3号証の4の「打ち合わせを元にソフトウェアを新規作成」は、コンサルティングそれ自体でなく、プログラム提供でもないことから、乙第3号証の4に、請求に係る指定役務の記載はない。また、乙第3号証の6にも、本件役務に関する記載はない。
(4)乙第1号証ないし乙第3号証の7全体をみると、本件商標権者は、他社に対し、モーターの設計に関するコンサルティングを行い、その対価を他社より受けているものと解され、こうした役務は、請求に係る指定役務ではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書、令和5年5月24日付け、同6年5月2日付け及び同年8月7日付け回答書において、その理由(及び弁駁(審尋)に対する回答)を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出している。
1 答弁書
(1)本件商標権者(被請求人)の主な業は、モーター及びモータードライブ制御に関わる「技術者教育」、「開発支援と共同開発」、「製品開発」及び大学の研究室と連携しビジネスを創出することであり、具体的には、依頼者の要求仕様に即したモーター及びモーター制御のためのソフトウェア(電子計算機プログラム)を開発し、納品すると共に、当該モーターのカスタマイズが可能なように、設計及び制御に関するノウハウを伝授することである。また、モーター制御のためのソフトウェア(電子計算機プログラム)の開発手法、デバック手法など技術的な悩み事、困りごとなどに関する具体的な相談を受け、解決策を提示することも業として行っている。
(2)2019年3月19日付けで本件商標権者が取引先の株式会社丙(以下「丙」という。)に提示した見積書(乙3の1)の内容は、新規モーターを丙の要求仕様に即した形でカスタマイズした試作機(4台)の納品と共に、そのモーターの設計方法、テスト・評価方法まで全てのノウハウを教示する(「手の内化」する)ためにコンサルティング(技術供与)を行うことを趣旨とする業務であるとともに、複数回にわたり請求書を発行する旨が記載されている。乙第3号証の7は、2020年3月23日付けで本件商標権者が丙に対して発行した一連の業務に対する請求書である。本件商標権者の業務は、丙の要求仕様に即したモーターの試作機及びモーターの制御に必要なソフトウェア(電子計算機プログラム)を納品すると共に、その設計手法や評価手法等について助言・指導を行っているから、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供」に係る業務の取引書類に本件商標(社会通念上同一のもの含む、以下同様。)を使用していることは、明らかである。
2 令和5年5月24日付け回答書及び同年6月22日付け上申書
(1)ベクトル制御インバータの回路図面(乙4)及びマイクロコントローラのデータシート(乙5)は、実際に丙に提出され、技術コンサル業務を行う上で使用されたものである。回路図面には、データシートの記載に含まれるルネサスエレクトロニクス株式会社製のマイクロコントローラが使用されていることがわかる。このように、ベクトル制御インバータは、電子計算機の一種たるマイクロコントローラで実現されており、そのプログラミングによって動作する。
(2)丙の従業者による陳述書(乙6)を提出する。2023
3 令和6年5月2日付け回答書
(1)請求書(乙3の7)に記載された「センサレスベクトル制御のコンサルティング」は、陳述書(乙6)における「センサレスベクトル制御のコンサルティング」と同じ役務提供をしているものである。
(2)センサレスベクトル制御のコンサルティングに係る請求額として、相当の金額の請求がなされた(乙3の7)が、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」、「モータ設計コンサルティング」、「モータ設計費用」は、顧客である丙が要求する仕様に即したものを丙自身が独自開発できるようになること(「手の内化」)を目的として提供される一連一体の技術供与という認識である。
(3)乙第3号証の6の報告書は、2020年3月19日に宅配業者を通じてモーターを配送した際に、印刷した物を同梱する形で丙に提供された(乙7)。
(4)ベクトル制御インバータの回路図面(乙4)は、全ての試作機において共通して使用される電力変換装置(モーターの駆動電源)のための回路図面であり、センサレスベクトル制御のプログラムは、この図面記載のインバータ回路(電源回路)に搭載された電子計算機であるマイクロコントローラ(乙5)上で実行される。本件商標権者は、丙に対し、「手の内化」を目的として、このマイクロコントローラに要求仕様に即したベクトル制御を出力させるプログラムを開発するためのノウハウについてコンサルしている。なお、ベクトル制御対応の高効率モーターはプログラムによってその動作が確定するため、モーターの設計手法について教示することは、すなわちどのようにプログラミングすれば所望の動作を行うことができるかについて教示することと等しく、また、プログラミングである以上、動作の検証(テスト・評価)を含めた一連の開発手法を教示することが当然に含まれる。
4 令和6年8月7日付け回答書
(1)乙6陳述書の「講義・講習(実技を含む)」に記載の日付は誤りであり、正しい日付は、2019年5月ないし2020年2月である。
このため、乙第6号証記載の日付を訂正する趣旨の陳述書を乙第8号証として提出すると共に、乙第6号証が言及するコンサルティング会が乙第3号証の6により示されるコンサルティングレポートそのものである旨を陳述する。併せて、上記コンサルティングを実施するに際して締結された契約書を乙第9号証として提出する。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び職権調査によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、静岡県浜松市にある国立大学法人静岡大学のイノベーション社会連携推進機構内に所在する株式会社(乙2、乙3の1、乙3の3、職権調査)であって、その事業内容は、モーター及びモータードライブ制御に関わる技術者教育、開発支援と共同開発、製品開発等である(乙2)。
なお、本件商標権者の英語名は、「ARMIS CORPORATION(ARMIS Corp.)」である(乙2、職権調査)。
(2) 本件商標権者は、2019年3月19日付けで、丙に対し、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」、「モーター設計コンサルティング」等を内容とする「ベクトル制御インバー技術及びモーター技術に関わる見積もり」を行い(乙3の1)、本件商標権者と丙は、同年4月1日付けで、丙を委託者とし、本件商標権者を受託者として、ベクトル制御インバータ技術及びモーター技術に関するコンサルティング契約(以下「本件契約」という。)を締結した(乙9)。
本件契約における委託業務の内容は、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」、「モーター設計コンサルティング」、「検証用モーターの設計及びシミュレーション」、「モーターの試作、テスト及び評価」であり、委託業務成果物として、「コンサルティング結果まとめ」、「試作モーターの設計図面」、「シミュレーション結果まとめ」、「テスト結果まとめ」それぞれ一式と検証に使用したモーター4台を委託業務の期間の末日である2020年3月20日までに納入するというものであった(乙9)。本件商標権者は、同年3月18日に同月19日を配達希望日とする「モーター」の品名の荷物の配達を宅配業者に依頼しており(乙7)、委託業務成果物は契約どおりに委託業務の期間の末日までに納品されたものと推認できる。
(3)本件商標権者は、上記(2)の本件契約の委託業務のうち「モーターの試作、テスト及び評価」に係る費用について、2019年9月27日付けで丙に対し、代金請求をした(乙3の3)。
(4)本件商標権者は、2020年3月13日付け「ソフトウェア開発概要」(乙3の4)及び同年3月20日付け「コンサルティングレポート」(乙3の6)を作成した。
このうち、「コンサルティングレポート」には、コンサルティング内容について、センサレスベクトル制御及びモーター設計について「理解度やテスト推進状況に合わせて適切にコンサルティングを実施」した旨、コンサルティング実績として、「5/10」から「2/14」までに全11回のコンサルティング会が開催され、そのうち第10回が「1/31」の開催であった旨、等が示されている(乙3の6)。
このコンサルティングレポートは、上記(2)の本件契約に係る委託業務期間の末日付けのものであることから、本件契約の委託業務成果物である「コンサルティング結果まとめ」に相当するものであり、これに示されたコンサルティング会におけるコンサルティング(以下「本件役務」という。)は、上記(2)の本件契約の委託業務である「センサレスベクトル制御のコンサルティング」及び「モーター設計コンサルティング」を含むことが明らかである。
そして、本件契約の契約日及びコンサルティングレポート(コンサルティング結果まとめ)を含む委託業務成果物の納品日からみて、当該コンサルティング会は、初回が、2019年5月10日、その後、第10回が、2020年1月31日、第11回が、同年2月14日に開催されたものと認められる。
(5)本件商標権者は、上記(2)の本件契約の委託業務のうち「センサレスベクトル制御のコンサルティング」、「モーター設計のコンサルティング」、「モーター設計書作成費用」について、2020年3月23日付けで丙に対し代金請求をした(乙3の7)。
この代金請求を示す請求書(乙3の7。以下「本件請求書」という。)には、別掲2の使用商標1と本件商標権者の名称が表示されている。
なお、この代金請求のうち、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」に係る請求額は、20%を超える割合のものとなっており、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」の役務は、本件役務の一部として有償で提供されたことが明らかである。
(6)「全ての試作機において共通して使用される電力変換装置のための回路図面」(乙4。以下「本件図面」という。)は、ルネサス社製のマイコン(型名がR5F566TEADFPであるもの(乙4、乙5)。以下「本件マイコン」という。)を含む回路図を記載したものである。
本件図面には、別掲3の使用商標2と本件商標権者を示す「ARMIS Corporation」の表示があり、2020年1月31日に作成され、同年3月16日に確認されたものである旨が示されている。
(7)丙の従業者(開発担当のマネージャー)Aの陳述書(乙6、乙7)によれば、次のとおりの事実が認められる。
本件商標権者と丙は、「継続的なコンサルティング契約」を締結しており、この契約は、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」を含むものである。そして、Aは、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」について、2019年5月10日から2020年2月14日まで、ほぼ月1回のペースで全11回にわたって、丙指定の要求仕様の出力特性と状態遷移が実現されるベクトル制御対応の高効率モーターの設計開発に関連するノウハウの習得のための「講義・講習(実技を含む。)」を受けた。この「講義・講習(実技を含む。)」は、プログラムの設計、作成又は保守の手法に関する内容を含み、また、回路図面に示された本件マイコンを搭載した回路基板を市販の電子計算機にケーブル接続しての実習を含むものであった。具体的には、C言語等のプログラム言語を用いたソースコードの作成・編集及びコンパイルを用いた本件マイコンで実行可能な形式のプログラムの生成を当該電子計算機で行い、これを本件マイコンのチップに焼き付ける一連のステップを伴うものであり、これによって、本件マイコンによる丙指定の要求仕様の出力特性と状態遷移が実現されるベクトル制御対応のモーターの試作機を実現するプログラムの設計及びそのテスト評価を実際に行うものであった。
(8)上記(2)(4)(7)に照らせば、上記(7)の「継続的なコンサルティング契約」は、上記(2)の本件契約であり、上記(7)の「講義・講習(実技を含む。)」は、上記(4)のコンサルティング会におけるものであって、本件役務の提供を含むものであることが明らかである。
よって、本件役務は、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」を含むものであるところ、この「センサレスベクトル制御のコンサルティング」は、コンサルティング会における「講義・講習(実技を含む。)」を通じて、本件図面が示す「試作モーター」の実現のためのプログラムの設計、作成又は保守の手法を本件商標権者から丙に移転するものであったと認められる。
(9)さらに、上記(6)の本件図面は、全ての試作機において使用される電力変換装置のための回路図面であり、上記(7)の丙指定の要求仕様の出力特性と状態遷移を実現するための本件マイコンを搭載した回路を示す回路図面として作成されたものであることが明らかである。
ここで、本件契約は、委託業務成果物として「コンサルティング結果まとめ」(上記(4)に示した「センサレスベクトル制御のコンサルティング」等のコンサルティングの実施を示す「コンサルティングレポート」)とともに「試作モーターの設計図面」の納入を求めものとなっており、いわば、「試作モーターの設計図面」をコンサルティングの進行に合わせて作成することを予定したものとなっている。そして、上記(6)の本件図面は、第1回ないし第9回のコンサルティング会における「講義・講習(実技を含む。)」におけるモーターの試作機を実現するプログラムの設計及びそのテスト評価の進行を踏まえた「試作モーター」を示すものとして、第10回のコンサルティング会の開催日である2020年1月31日に作成されたものである。このことから、本件図面作成後である同年2月14日に開催された第11回における「プログラム」についての「講義・講習(実技を含む。)」にあたっては、その時点での「プログラム」に係る「試作モーター」を示すものとして本件図面を用いることが可能であったし、これを用いる必要があったものといえる。この点、本件図面には、同年3月16日に確認された旨が示されているものの、作成から確認までの間に同日に確認された旨の箇所以外の変更は考えられず、この間も本件図面を用いることが可能であったことが明らかである。
よって、本件商標権者は、第11回のコンサルティング会における「講義・講習(実技を含む。)において、その時点での「プログラム」に係る「試作モーター」を示すものとして本件図面を用いたものと推認される。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり「ARMIS」の文字、このうちの「RM」の文字を囲む円及びその右上の小さい円を組み合わせ、RMを円内で反転文字とした青色からなるロゴであり、これに対し、使用商標1及び使用商標2においては、別掲2及び別掲3のとおり色彩が異なるものの、いずれも、本件商標と同様に、「ARMIS」の文字、このうちの「RM」の文字を囲む円及びその右上の小さい円を組み合わせ、RMを円内で反転文字としたロゴであり、本件商標と同一又は社会通念上同一のものであることが明らかである。
よって、使用商標1及び使用商標2は、本件商標と同一又は社会通念上同一である。
(2)使用者について
上記1(5)の本件請求書には、使用商標1とともに本件商標権者の名称が表示されており、本件請求書を作成、送付したのは、本件商標権者である。また、上記1(6)の本件図面には、使用商標2とともに本件商標権者を示す「ARMIS Corporation」の表示があり、本件図面を作成、用いたのは、本件商標権者である。
よって、使用商標1及び使用商標2の使用者は、いずれも本件商標権者である。
(3)使用役務について
ア 使用商標1
使用商標1を表示する上記1(5)の本件請求書は、本件役務を含む本件契約の委託業務に係る代金請求を示すものであるところ、上記1(8)のとおり、本件役務は、「センサレスベクトル制御のコンサルティング」を含み、この「センサレスベクトル制御のコンサルティング」は、本件図面が示す「試作モーター」の実現のためのプログラムの設計、作成又は保守の手法を「講義・講習(実技を含む。)」を通じて丙に移転するものであったと認められる。
このことから、使用商標1の使用役務は、本件役務である。
イ 使用商標2
上記1(9)のとおり、本件商標権者は、第11回のコンサルティング会における「講義・講習(実技を含む。)において本件役務を提供するに際して、その時点での「プログラム」に係る「試作モーター」を示すものとして使用商標2を表示した本件図面を用いたものと推認される。
このことから、使用商標2の使用役務は、本件役務である。
ウ 以上のとおり、使用商標1及び使用商標2の使用役務は、いずれも本件役務である。そして、本件役務は、本件図面が示す「試作モーター」の実現のためのプログラムの設計、作成又は保守の手法の丙への移転を含むものであり、請求に係る指定役務のうち「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング」の範ちゅうのものであるといえる。
(4)使用時期、使用場所について
ア 使用商標1
上記1(5)のとおり、使用商標1を表示した本件請求書は、2020年(令和2年)3月23日付けでの丙に対する代金請求のために、丙に頒布されるか電磁的方法により提供されたことが明らかであり、使用時期は、要証期間内である。
また、使用場所が国内であることも、明らかである。
イ 使用商標2
上記(3)イのとおり、使用商標2を表示した本件図面は、2021年(令和3年)2月14日の第11回のコンサルティング会における本件役務の提供において用いられたことから、使用時期は、要証期間内である。
また、使用場所が国内であることも、明らかである。
(5)使用行為について
ア 使用商標1
上記(4)アの本件請求書は、本件役務に関する取引書類であるところ、上記(3)アに示したとおり、本件役務は、請求に係る指定役務のうち「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング」の範ちゅうの役務であるといえるから、本件請求書は、請求に係る指定役務に関する取引書類である。
よって、本件商標権者は、請求に係る指定役務の範ちゅうの役務に関する取引書類である本件請求書に使用商標1を付して頒布し又は電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
イ 使用商標2
上記(4)イの本件図面は、本件役務の提供にあたりその提供を受ける者である丙ないし丙従業者Aの利用に供する物であるといえる。
よって、本件商標権者は、請求に係る指定役務の範ちゅうの役務の提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に使用商標2を付したものを用いて当該役務を提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第4号の使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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