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特許拒絶査定不服審判

2022-021342

発電機セット

審判番号
2022-021342
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-505957
請求日
2022年12月28日
審決日
2024年10月16日
公報発行日
2025年03月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】林 岡▲チン▼
  • 【請求人代理人】あいわ弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 柿崎 拓
  • 審判官 長馬 望
  • 審判官 伊藤 秀行
分類
P18 .536-WZ (H02K) / P18 .537-WZ (H02K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条
データ出所
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特願2021-505957「発電機セット」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 4月15日国際公開、WO2021/068426、令和 4年 1月31日国内公表、特表2022-511245〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)9月23日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2019年10月10日、中国(CN)、2019年10月10日、中国(CN))を国際出願日とする出願であって、令和4年3月11日付け拒絶理由通知に対し、同年5月16日に意見書が提出されると共に、同日提出の手続補正書により手続補正がなされたが、同年9月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると共に、同日付け手続補正書により手続補正がなされ、その後、令和6年3月15日付け拒絶理由通知に対し、同年6月10日に意見書が提出されると共に、同日付け手続補正書により手続補正がなされたものである。 第2 請求項に係る発明、発明の詳細な説明及び図面の記載 1 請求項に係る発明 本願の請求項1ないし5に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明5」といい、これらを総称して「本願発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるところ、本願発明1ないし5は、令和6年6月10日になされた手続補正により補正された、次のとおりのものである。 「【請求項1】 発電機セットであって、ステーターのスロットにおいて、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線が交差するように配置され、同じ磁場を形成し、前記ステーター内に配置されたローターは、前記モーターと前記ジェネレーターによって同軸で共有されているため、前記モーターと前記ジェネレーターのローターは同じ方向に回転し、前記モーターは、前記ジェネレーターとの発電機セットを構成し、前記モーターは、前記ジェネレーターと連動して、動力機械エネルギーと発電エネルギーを同期的に出力し、前記モーターの励磁コイル巻線は、DCブラシレス駆動コントローラーを介して順次位相交換して通電され、ローターを駆動して動作させ、前記発電機セットの前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線と、を△形で接続され、前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点は三相交流の出力点であり、前記モーターの励磁コイル巻線の中心点は電源入力点であり、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点は電圧出力点であり、三相コイル巻線の構成を完成させることを特徴とする、発電機セット。 【請求項2】 発電機セットであって、ステーターのスロットにおいて、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線が交差するように配置され、同じ磁場を形成し、前記ステーター内に配置されたローターは、前記モーターと前記ジェネレーターによって同軸で共有されているため、前記モーターと前記ジェネレーターのローターは同じ方向に回転し、前記モーターは、前記ジェネレーターとの発電機セットを構成し、前記モーターは、前記ジェネレーターと連動して、動力機械エネルギーと発電エネルギーを同期的に出力し、前記モーターの励磁コイル巻線は、DCブラシレス駆動コントローラーを介して順番に整流され、通電され、前記ローターを駆動し、前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線はY字形に接続されており、前記モーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の各相の端部が出力点になり、前記モーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点は△形接続されており、前記△形接続の中心点は前記モーターの励磁コイル巻線の電源入力点であり、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の電圧出力点であり、三相コイル巻線の構成を完成させることを特徴とする、発電機セット。 【請求項3】 発電機セットであって、ステーターのスロットにおいて、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線が交差するように配置され、同じ磁場を形成し、前記ステーターに配置されたローターは、前記モーターと前記ジェネレーターによって同軸で共有されているため、前記モーターと前記ジェネレーターのローターは同じ方向に回転し、前記モーターは、前記ジェネレーターとの発電機セットを構成し、前記モーターは、前記ジェネレーターと連動して、動力機械エネルギーと発電エネルギーを同期的に出力し、前記モーターの励磁コイル巻線は、DCブラシレス駆動コントローラーを介して順番に整流され、通電され、前記ローターを駆動し、前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線は△形とY字形接続で構成され、前記Y字形接続の各相の端部は前記△形接続の相間の接続点に接続され、前記△形接続の相間の接続点は三相交流の出力点であり、前記△形接続の前記モーターの励磁コイル巻線の中心点は電源入力点であり、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点は電圧出力点であることを特徴とする、発電機セット。 【請求項4】 前記DCブラシレス駆動コントローラーの入力端はバッテリーに接続されており、前記発電機セットの出力端の一部を整流器に接続し、出力された交流電力を変圧器により整流し、前記バッテリーに接続して充電し、相互接続ループ共生回路を形成し、他の部分は、電圧調整器と別の変圧器を介して、同期にAC電源に使用され、前記ローターが回転した後、電源用の電力を同期に出力できることを特徴とする、請求項1または請求項2または請求項3に記載の発電機セット。 【請求項5】 前記発電機セットは複数のユニットで設置でき、前記ローターは共有され、同軸に配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2または請求項3に記載の発電機セット。」 2 発明の詳細な説明の記載 令和4年12月28日付け手続補正書により補正された明細書には、発明の詳細な説明として、次の事項が記載されている。なお、一部、改行と空白を省略した。 (1)「【技術分野】 【0001】 本発明は、モーターの干渉効果の逆起電力とジェネレーターの反力をプラス効果に変換できる発電機セットである。」 (2)「【背景技術】 【0002】 モーターとも呼ばれる電気モーターは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気デバイスであり、機械エネルギーを再利用して動的エネルギーを生成し、他のデバイスを駆動することができる。ほとんどの電気モーターは、磁場と巻線電流を介してモーターにエネルギーを供給する。ジェネレーターは、まず原動機を介してさまざまな一次エネルギー源に蓄えられたエネルギーを機械的エネルギーに変換し、次にジェネレーターを介して電気エネルギーに変換し、送電および配電ネットワークを介してさまざまな電気を使用する場所に送電する。したがって、ジェネレーターは、運動エネルギーまたは他の形態のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。モーターとジェネレーターの原理は基本的に同じで、違いはエネルギー変換の方向にある。ただし、モーターは通常の動作中に誘導電位を生成し、これは逆起電力(counter-electromotive force ,cemf)と呼ばれる。逆起電力は、誘導電位を発生させる導体の移動方向を防ぐことができるため、逆起電力はモーターに干渉効果を及ぼす。ジェネレーターが作動しているとき、それは反力を生成し、ジェネレーターにとってマイナスの干渉効果である。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本出願人は従来のモーターおよびジェネレーターは、通常の動作中にマイナスの逆起電力および反力の干渉効果を有するという事実を考慮して、改良を行い、本発明に至った。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明の主な目的は、モーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果をプラス効果に変換する発電機セットを提供することである。 【0005】 本発明の主な特徴は、モーターおよびジェネレーターの磁場を同じ結合磁場および同じローターに改善し、その結果、モーターおよびジェネレーターのローターの回転方向が同じになることである。さらに、モーターの励磁コイル巻線は、DCブラシレス駆動コントローラーを介して電源を与えるために順序に整流される。このようにして、モーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果がプラス効果に変換される。 【0006】 上記の目的および効果を達成するために本発明によって採用される技術的手段および構造について、以下の実施形態および図を使用して説明する。 【発明の効果】 【0007】 本発明はモーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果をプラス効果に変換することができる。本発明の適用はまた、複数の発電機セットを同じローターの同軸方式で直列に接続することにより、出力および電力を増加させることができる。」 (4)「【図面の簡単な説明】 【0008】 【図1】本発明の実施形態による、モーターおよびジェネレーターの同じ結合磁場を有する励磁コイル巻線および磁界コイル巻線の構成図である。 【図2】本発明の実施形態のブロック図である。 【図3】本発明の実施形態における複数のジェネレーターの組み合わせのブロック図である。 【図4】本発明の実施形態に係る発電機の組合わせにおけるモーターの励磁コイル巻線と、ジェネレーターの磁界コイル巻線の三相巻線とを△結線で構成されていることを示す図である(モーターの励磁コイル巻線、ジェネレーターの磁界コイル巻線の配線方式は同じであるが、破線部分は△結線がジェネレーターの磁界コイル巻線に適用した場合の電流導出端のみである。)。 【図5】本発明の実施形態に係る発電機の組合わせにおけるジェネレーターの磁界コイル巻線と、ジェネレーターの磁界コイル巻線の三相巻線とをY結線で構成されていることを示す図である(モーターの励磁コイル巻線、ジェネレーターの磁界コイル巻線の配線方式は同じであるが、破線部分は△結線がジェネレーターの磁界コイル巻線に適用した場合の電流導出端のみである。)。 【図6】本発明の実施形態に係る発電機の組合わせにおけるモーターの励磁コイル巻線と、ジェネレーターの磁界コイル巻線の三相巻線とを△-Y結線で構成されていることを示す図である(モーターの励磁コイル巻線、ジェネレーターの磁界コイル巻線の配線方式は同じであるが、破線部分は△結線がジェネレーターの磁界コイル巻線に適用した場合の電流導出端のみである。)。 【図7】本発明の実施形態に係るDCブラシレス駆動コントローラーがモーターの励磁コイルの巻線に順次通電を示す図である。」 (5)「【発明を実施するための形態】 【0009】 図1を参照されたい。本発明の実施形態の発電機セット1は、モーター1aおよびジェネレーター1bの機能を有する。発電機セット1はモーター1aと、ジェネレーター1bとで構成され、モーター1aは、ジェネレーター1bと各自に作用して、動力機械エネルギー及び発電量エネルギーを同期出力する。発電機セット1は、ステーター10と、ステーター10の内部中央に配置されたローター20とを含む。 【0010】 ステーター10は中空であり、複数の円形スロット11が内壁に配置されている。スロット11は、モーター1aの励磁コイル巻線12aおよびジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bと交差するように配置されている。例えば、奇数スロット11は、モーター1aの励磁コイル巻線12aで構成され、偶数スロット11は、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成される。 【0011】 図2に示されるように、バッテリー30が追加的に提供される。バッテリー30の出力電流は、それぞれ、DCブラシレス駆動コントローラー40によって、モーター1aの励磁コイル巻線12a電源を、順次整流モード(すなわち、図7に示されるように、相の通電および非通電であるが、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bには通電されていない)で提供する。モーター1aの励磁コイル巻線12aおよび磁界コイル巻線12bが通電されると、結合磁場がステーター10の内部に生成されて、ローター20を回転させる。ローター20が回転した後、電力エネルギーの出力および供給に加えて、ローター20は、モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとの間の中間で回転し、モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bは、磁力線の動きをカットし、誘導電位を発生させる。発電された電力は端子から引き出され、一方、引き出された電力は、電圧調整器(AVR)50および変圧器60によって変換され、次にAC電源用に出力される。他方の変圧器60、整流器70は、整流された直流を出力してバッテリー30を充電し、バッテリー30の電力を増加させ、相互接続ループ共生回路を形成する。 【0012】 モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bは、ステーター10のスロット11内に交差して配置されているので、そして、DCブラシレス駆動コントローラー40を介して、順次に相を変えて通電し、モーター1aの励磁コイル巻線12aの電流を提供し、このモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは同一の結合磁界を有するため、さらに、モーター1aおよびジェネレーター1bのローター20は同じであり、同じものを共有し、モーター1aおよびジェネレーター1bのローター20は同じ方向に回転する。フレミングの左手ルール(モータールールとも呼ばれる)とフレミングの右手ルール(ジェネレータールールとも呼ばれる)によると、モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果になり、ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる。」 (6)「【0013】 次に、図3を参照されたい。本発明の適用はまた、複数の発電機セット1、2、3を同じローター20の同軸方式で直列に接続することにより、出力および電力を増加させることができる。」 (7)「【0014】 本発明の実施形態における発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは、それぞれ、三相コイル巻線の△結線である例として、図4に示されるように、モーター1aの励磁コイル巻線は、相と相との接続点a、b、cは、三相交流の出力点(すなわち、逆電位の電圧出力点)である。各コイル巻線の中心点A、B、Cは電源入力点であり、ジェネレーターの磁界コイル巻線は、△形接続であり、すべては電圧出力点であり、三相コイル巻線の構成を完成させる。」 (8)「【0015】 本発明の実施形態の発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは、それぞれY字形接続された三相コイル巻線を例にとり、図5に示すことができる。Y字形接続線は、各相の端点a、b、cにおける励磁コイル巻線12aが電源出力点として適用される。コイル巻線の中性点は△形接続されており、△形接続された線の中心点A、B、Cは電源入力点であり、そして、このY結線は、モーター1aの励磁コイル巻線に適用され、△形結線の中心点A、B、Cは、いずれも電圧出力点であり、これで三相コイル巻線の構成を完成させる。」 (9)「【0016】 本発明の実施形態における発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bは、図6に示されるように、例として、△形とY字形接続の三相コイル巻線をとる。図4に示す接続の内部には、図5に示すY字形接続が配置され、Y字形接続の各相の終点は、△形接続の相間の接続点a、b、およびcに接続される。△形接続の相間の接続点a、b、cは三相交流の出力点(すなわち、逆電位の電圧出力点)であり、△形接続の各コイル巻線の中心点A、B、Cは電源入力点であり、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bはすべて電圧出力点となり、このようにして、複合効果を実現することができる。」 (10)「【0017】 前述のDCブラシレス駆動コントローラー40は、発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線に対して順次整流を実行して、電源を与える。図7に示されるY接続を例として取り上げると、A~Bが通電され、A~Cが通電され、B~Cが通電され、このようにして、整流とコイル巻線への通電の効果を順番に達成する。」 (11)「【0018】 上記の説明は、問題を解決するために使用される技術的手段の好ましい実施形態または例を説明することのみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。すなわち、本発明の特許出願請求項範囲または特許出願請求項範囲に従ってなされた同等の変更および修正は、本発明の範囲に含まれる。」 3 図面について 本願の願書には、次の図1ないし図7が添付されている(令和4年5月16日提出の手続補正書)。 [図:0001419603000001.jpg] [図:0001419603000002.jpg] 第3 当審で通知した拒絶理由 当審が令和6年3月15日付け拒絶理由通知書により通知した拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。 1 (実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 発明の詳細な説明には、「モーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果をプラス効果に変換する発電機セットを提供すること」([0004])を解決する課題とした発明が記載されている。ここで、「プラス効果に変換する」とは、「モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果になり、ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる」([0012])と記載されていることから、モーターによって生成された逆起電力がジェネレーターにより発電される電力を増加させるように変換すると共に、ジェネレーターによるマイナスの干渉効果がモーターの出力を増加させるように変換することを意味していると解される。 そして、上記課題を解決するために、発明の詳細な説明には、ステーター10の「複数の円形スロット11が内壁に配置され」([0010])、「例えば、奇数スロット11は、モーター1aの励磁コイル巻線12aで構成され、偶数スロット11は、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成され」([0010])、これら励磁コイル巻線12aと磁界コイル巻線12bとが、概ね図4ないし図6に記載されるように接続されたものが記載されている。なお、発明の詳細な説明の記載から、モーター1aは、DCブラシレスモーターであると解されること([0011]、[0012]参照)から、技術常識からみて、ローター20には、永久磁石等の磁力を発生させるものが適切な方向に磁界を発生させるように配置されていると解される。 そうすると、発明の詳細な説明には、例えば、ステーター10の奇数スロットをモーター1aの励磁コイル巻線12aで構成し、偶数スロット11をジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成することにより、偶数スロット11がジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成されていないもの(すなわち、奇数スロットだけにモーター1aの励磁コイル巻線12aが構成されているもの)に比べて、モーター1aの出力が増加することで上記課題を解決したとするものが記載されていることとなるが、このような励磁コイル巻線12aと磁界コイル巻線12bにより、どのようにしてモーター1aの出力が増加するのか不明であるから、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1ないし5に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。 すなわち、ローター20に配置された永久磁石等がモーター1aの励磁コイル巻線12aに順次通電されることにより駆動力を得て、ローター20が回転すると、このローター20に配置された永久磁石等により発生している磁束線がジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bを通過するが、この通過する磁束線の量は、ローター20が回転することにより変化し、これによりジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bに電流が生じ、発電されることとなる。このとき、ローター20には、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bに電流が生じることに伴い、回転方向とは逆方向の力(発電制動力)が生じるから、この力の分だけ、ローター20の回転する力は減じられ、結局、モーター1aの出力が増加することにはならない。発明の詳細な説明には、「ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる」([0012])と記載されているが、上記のようにジェネレーター1bの発電に伴って、発生する力は、回転方向とは逆方向の力となるから、どのようにして、モーター1aの出力が増加するのか不明である。 また、発明の詳細な説明には、「モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果にな」([0012])ると記載されているが、上記のように、モーター1aの励磁コイル巻線12aに順次通電されることにより、モーター1aのローター20が回転するものであり、この通電方向とは逆方向に電流を流す逆起電力が生じても、モーター1aの励磁コイル巻線12aには、供給される電流と逆起電力に相当する電流との釣り合いがとれた電流が流れるだけであり、逆起電力だけを取り出すことはできないから、どのようにして、「モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果」([0012])とできるのか不明である。 なお、下記理由2に示すように、励磁コイル巻線12aと磁界コイル巻線12bとの接続関係が、本願の各請求項に係る発明においては不明であるが、上記の事項は、励磁コイル巻線12aと磁界コイル巻線12bとをどのように接続したとしても、上記のように、「モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果になり、ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる」([0012])のか不明である。 2 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項1ないし3に記載された「前記発電機セットの前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線」(請求項1ないし3)の接続関係、及び「出力点」、「電源入力点」、「電圧出力点」の位置が下記(1)ないし(3)に示すように明確でない。 (1)請求項1について 請求項1には、「前記発電機セットの前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線と、を△形で接続され」と記載され、発明の詳細な説明にも「モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは、それぞれ、三相コイル巻線の△結線である例として、図4に示されるように・・・」([0014])と記載されている。 この記載によれば、モーター1aの励磁コイル巻線12aは、△結線されると共に、ジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bも△結線されているから、1組が3つのコイルからなる△結線が2組あることとなる。しかし、図4をみても△結線されているコイルは1組しかなく、他の3つのコイルは、それぞれの一端が△結線されているコイルの中間位置に接続されているだけである。そうすると、請求項1に記載された「前記発電機セットの前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線と、を△形で接続され」とは、これらのコイル巻線をどのように接続した状態を特定するのか不明である。 さらに、請求項1には、「前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点」が「三相交流の出力点であ」るとしているが、「ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点」とはどこであるのか不明であるから、結局「出力点」の位置が不明である。また、「前記モーターの励磁コイル巻線の中心点」及び「前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点」も不明であるから、「電源入力点」及び「電圧出力点」の位置も不明である。 (2)請求項2について 請求項2には、「前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線はY字形に接続されており」と記載され、発明の詳細な説明にも「モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは、それぞれY字形接続された三相コイル巻線を例にとり、図5に示すことができる」([0015])と記載されている。しかし、図5をみてもY字形に接続されているコイルはなく、「前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線はY字形に接続されており」とは、どのようにこれらのコイル巻線を接続したものか不明である。 また、請求項1と同様に、「中性点」、「電源入力点」、「電圧出力点」の位置も不明である。 (3)請求項3について 請求項3には、「モーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線は△形とY字形接続で構成され、前記Y字形接続の各相の端部は前記△形接続の相間の接続点に接続され」と記載され、発明の詳細な説明にも「モーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bは、図6に示されるように、例として、△形とY字形接続の三相コイル巻線をとる」([0016])と記載されている。しかし、図6をみても、どれが「モーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線」であるのか示されておらず、どのようにモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線を接続したのか不明である。 また、請求項1と同様に、「三相交流の出力点」、「電源入力点」、「電圧出力点」の位置も不明である。 よって、請求項1ないし3及びこれらを引用する請求項4、5に係る発明は明確でない。 第4 当審の判断 1 特許法第36条第4項第1号に規定する要件(実施可能要件)について 本願の発明の詳細な説明には、上記第2・2に示すとおりの事項が記載されており、これより、本願発明は、「通常の動作中にマイナスの逆起電力および反力の干渉効果を有するという事実を考慮して、改良を行」(上記第2・2(3)に示す【0003】)うことで、「モーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果をプラス効果に変換する発電機セットを提供すること」(上記第2・2(3)に示す【0004】)を解決しようとする課題としたものと認められる。ここで、「モーターの逆起電力とジェネレーターの反力の干渉効果」とは、モーターは通常の動作中に逆起電力と呼ばれる誘導電位を生成し(上記第2・2(2))、「逆起電力は、誘導電位を発生させる導体の移動方向を防ぐことができるため、逆起電力はモーターに干渉効果を及ぼす」(上記第2・2(2)に示す【0002】)、と共に「ジェネレーターが作動しているとき、それは反力を生成し、ジェネレーターにとってマイナスの干渉効果である」(上記第2・2(2)に示す【0002】)としていることから、モーターの通常の動作中に逆起電力により、移動方向を防ぎ、ジェネレーターが動作しているときに反力が生成されることをいうと解される。そして、「プラス効果に変換する」とは、「モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果になり、ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる」(上記第2・2(5)に示す【0012】)と記載されていることから、モーターによって生成された逆起電力がジェネレーターにより発電される電力を増加させるように変換すると共に、ジェネレーターによるマイナスの干渉効果がモーターの出力を増加させるように変換することを意味していると解される。 そして、発明の詳細な説明には、例えば、ステーター10の奇数スロットをモーター1aの励磁コイル巻線12aで構成し、偶数スロット11をジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成することにより、偶数スロット11がジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bで構成されていないもの(すなわち、奇数スロットだけにモーター1aの励磁コイル巻線12aが構成されているもの)に比べて、モーター1aの出力が増加することで上記課題を解決したとするものが記載されているが、このような励磁コイル巻線12aと磁界コイル巻線12bにより、どのようにしてモーター1aの出力が増加するのか不明であるのは、上記第3に示す当審が令和6年3月15日付け拒絶理由通知書により通知した拒絶の理由に示すとおりであるから、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1ないし5に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。 請求人は、令和6年6月10日提出の意見書において、「本発明は、図4に示すように、上述したモーター干渉効果の逆起電力をa、b、c(すなわち、モーター1aの励磁コイル巻線の位相間の接続点)から導出し、導出された逆起電力は、ジェネレーターのセット全体の出力電力を増加させることができ、これはジェネレーターの出力電力を増加させることと同等である。したがって、ジェネレーター1bにとっては正の効果であり、ジェネレーターのセット全体の出力電力を増加させるため、モーター干渉効果の逆起電力が導出されると言われ、ジェネレーターにとっては、逆起電力が導出された後にジェネレーターのセット全体の出力電力が増加し、ジェネレーターにとってプラスの効果となる。」(「二.拒絶理由に対する意見」、「(一)拒絶理由1について」)と主張する。ここで、図4(上記第2・3参照)に示されるa、b、cにつながるコイル(図4には、A,B,Cに接続され、これらを接続点としたΔ接続されているコイルと、これらのコイルの中点に接続され、他端にa、b、cと示されたコイルが示されている。)が図1に示される発電機セット1の円形スロット11にどのように設けられているのか(あるいは、これとは別の位置に設けられているのか)明らかではないが、発明の詳細な説明の記載からは、どのようにすれば、「モーター干渉効果の逆起電力をa、b、c・・・から導出」できるのか不明であり、請求人の主張は採用することができない。すなわち、請求人が主張するように、「ジェネレーターのセット全体の出力電力を増加させる」ためには、ジェネレーターとして発電した結果、得られる電力が減少する以上の電力が「a、b、c・・・から導出」されるモーターの干渉効果の逆起電力として得られることが必要であるが、図4に示される「a、b、c・・・から導出」される電力は、請求人の主張するモーターの干渉効果の逆起電力だけでなく、モーターとして回転させる電力も導出されることとなる。そうすると、「a、b、c・・・から導出」される電力があれば、その分だけ、モーターとしての回転トルクが減少し、それに伴って、ジェネレータとして発電される電力も減少することとなる。そして、発明の詳細な説明には、「逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレータ1bのプラス効果にな」(【0012】)ることに関し、「フレミングの左手ルール(モータールールとも呼ばれる)とフレミングの右手ルール(ジェネレータールールとも呼ばれる)によると、モーター1aがオンになった後に生成される逆起電力の干渉(マイナス)効果は、ジェネレーター1bのプラス効果になり、ジェネレーター1bの反力の干渉(マイナス)効果は、モーター1aのプラス効果となる。」(【0012】)と記載されているが、この記載を含む、発明の詳細な説明の記載全体をみても、なぜ、「ジェネレーターのセット全体の出力電力を増加させる」こととなるのか記載されておらず、請求人の主張は採用することができない。 また、請求人は、上記意見書において、「本発明の発電機セットのモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとが同一のステーター内に配置されており、かつ、同一の結合磁界、同一のローターその他の本体構造、及び三相コイル巻線の分布の電磁界平衡の改善により、本発明の発電機セットの発電量が2倍になる。この発電の大部分は外部負荷に利用できるほか、一部をバッテリー30に充電することもできるため、発電機セット1は永久電気磁気誘導サイクルの共生と連続運転を行い、永久サイクル電力エネルギー源が生成され、特許法の進歩的かつ実用的な規定に準拠し、特許法に適合する。」(「二.拒絶理由に対する意見」、「(二十)」)とも主張するが、発明の詳細な説明の記載からは、発電機セットの発電量が2倍になるとは、理解できず、請求人の主張は失当である。さらに、請求人のこの主張は、発電機セットを回転させるために必要な電力よりも、この回転により得られる電力が大きくなることをいうものと解されるが、本願の発明の詳細な説明に記載された発電機セット1をどのように動作させても、回転させるために必要な電力よりも、この回転により得られる電力を大きくすることは、エネルギー保存の法則に反し、実施できるものではない。したがって、請求人の当該主張は、自然法則に反したものであり、失当である。 2 特許法第36条第6項第2号に規定する要件(明確性)について (1)請求項1について 請求項1には、「前記発電機セットの前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線と、を△形で接続され」と記載されているから、請求項1に係る発明の発電機セットは、モーターの励磁コイル巻線がΔ形で接続されると共に、ジェネレーターの磁界コイル巻線がΔ型で接続されていると解される。さらに、請求項1には、「前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点は三相交流の出力点であり、前記モーターの励磁コイル巻線の中心点は電源入力点であり、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点は電圧出力点であり」と記載されているが、この記載における「前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点」、「前記モーターの励磁コイル巻線の中心点」及び「前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点」とは、どのような「点」をいうのか請求項1の記載からは明確でない。 すなわち、請求項1には、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線との接続関係が特定されていないから、「前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点」とは、どのような点をいうのか不明である。また、仮に、この記載が、「前記モーターの励磁コイル巻線」「の相と相との接続点」と「前記ジェネレーターの磁界コイル巻線」「の相と相との接続点」をいうものとしても、Δ形で接続されたこれらのコイルのどの点を「相と相との接続点」というのか不明である。 また、Δ形で接続されたモーターの励磁コイル巻線と同じくΔ形で接続されたジェネレーターの磁界コイル巻線の「中心点」とは、どのような点をいうのか不明である。 これらの点について、発明の詳細な説明には、「図4に示されるように、モータ1aの励磁コイル巻線は、相と相との接続点a、b、cは、三相交流の出力点(すなわち、逆電位の電圧出力点)である」(【0014】)と記載されて、図4に示される接続点a,b,cが「相と相との接続点」であるとしているが、図4において、点A、B、Cからモーター1aの励磁コイル巻線に電流を流すと、接続点a、b、cの両側にあるコイルの相は同じであるから、接続点a,b,cが「相と相との接続点」であるとは解されず、発明の詳細な説明の記載をみても不明である。さらに、中心点について、「各コイル巻線の中心点A、B、Cは電源入力点であり」(【0014】)と記載されているが、図4に示される点A、B、Cは、Δ形に接続された各励磁コイル巻線の端部でありり、中心点といえるものではないから、発明の詳細な説明の記載をみても、各コイル巻線の「中心点」とは、どのように定義される点なのか不明である。 請求人は、令和6年6月10日提出の意見書において、「請求項1の内容を次の図示のように説明する」として、次の図を示している。 [図:0001419603000003.jpg] しかしながら、請求項1の記載から、この図に示されるような接続関係は、特定されず、また、仮に、この図に示されるようにモーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの励磁コイル巻線を接続した発電機セットが請求項1に係る発明に含まれるものであるとしても、これによって、請求項1に係る発明の「前記モーターの励磁コイル巻線と、前記ジェネレーターの磁界コイル巻線との相と相との接続点」、「前記モーターの励磁コイル巻線の中心点」及び「前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点」がどのように特定されるものなのか明確ではないから、請求人の主張は、採用することができない。 (2)請求項2について 請求項2には、「前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線はY字形に接続されており」と記載されているから、モーターの励磁コイル巻線はY字形に接続されており、ジェネレーターの磁界コイル巻線もY字形に接続されていると解される。そして、請求項2には、「前記モーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線の中心点は△形接続されており」と記載されているが、この中心点とは、どのような点をいうのか不明であるから、結局、それぞれがY字形に接続されたモーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線のどのような点がΔ形に接続され、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線のそれぞれが、どのような形に接続されているのか請求項2の記載から不明であり、その結果、請求項2に係る発明は明確でない。 発明の詳細な説明には、「本発明の実施形態の発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bとは、それぞれY字形接続された三相コイル巻線を例にとり、図5に示すことができる。Y字形接続線は、各相の端点a、b、cにおける励磁コイル巻線12aが電源出力点として適用される。コイル巻線の中性点は△形接続されており、△形接続された線の中心点A、B、Cは電源入力点であり、そして、このY結線は、モータ1aの励磁コイル巻線に適用され、△形結線の中心点A、B、Cは、いずれも電圧出力点であり、これで三相コイル巻線の構成を完成させる。」(【0015】)と記載され、図5には、上記第2・3に示すとおりの図が記載されており、また、請求人は、令和6年6月10日提出の意見書において同様の図を用いて、コイルの接続関係について主張しているが、これらの図をみても、Y字形に接続されたコイルはなく、発明の詳細な説明の記載及び請求人の主張を参照しても、請求項2に係る発明は、明確でない。 (3)請求項3について 請求項3には、「前記発電機セットのモーターの励磁コイル巻線と前記ジェネレーターの磁界コイル巻線は△形とY字形接続で構成され、前記Y字形接続の各相の端部は前記△形接続の相間の接続点に接続され」と記載されているが、これは、モーターの励磁コイル巻線とジェネレーターの磁界コイル巻線がそれぞれどのように接続されているのか不明である。 発明の詳細な説明には、「本発明の実施形態における発電機セット1のモーター1aの励磁コイル巻線12aとジェネレーター1bの磁界コイル巻線12bは、図6に示されるように、例として、△形とY字形接続の三相コイル巻線をとる。図4に示す接続の内部には、図5に示すY字形接続が配置され、Y字形接続の各相の終点は、△形接続の相間の接続点a、b、およびcに接続される。」(【0016】)と記載され、図6には、上記第2・3に示すとおりの図が記載されており、また、請求人は、令和6年6月10日提出の意見書において同様の図を用いて、コイルの接続関係について主張している。ここで、これらの図における「△形接続の相間の接続点」とは、各相間の接続点であるから、点A、B、Cが接続されているところと解され、この点に接続されているコイルはないから、結局、請求項3に記載された「前記Y字形接続の各相の端部は前記△形接続の相間の接続点に接続され」とは、どのような状態をいうのか不明である。 よって、発明の詳細な説明の記載及び請求人の主張を参照しても、請求項3に係る発明は、明確でない。 (4)請求項4及び請求項5について 請求項4及び請求項5は、「請求項1または請求項2または請求項3」の記載を引用した形式で記載された請求項であり、請求項1ないし3に係る発明が上記(1)ないし(3)に示すとおり明確でないのと同様の理由により、請求項4及び5に係る発明も明確でない。 第5 むすび 以上のとおり、本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法36条4項1号に規定する要件を満たしておらず、また、特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-021342

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