商標拒絶査定不服審判
2022-021318
ホッタラカシチョーリ、ホッタラカシ
- 審判番号
- 2022-021318
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-135570
- 請求日
- 2022年12月28日
- 審決日
- 2024年08月19日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社葉山社中
- 【請求人代理人】石原 一樹
- 【請求人代理人】石森 昭慶
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W43) / T18 .272-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-135570拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月29日の登録出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和4年 6月29日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月 3日受付:意見書、手続補正書
令和4年11月 1日付け:拒絶査定
令和4年12月28日受付:審判請求書、手続補正書
令和6年 5月22日付け:審尋
令和6年 6月30日付け:回答書
第2 本願商標
本願商標は、「ほったらかし調理」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第11類、第42類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、最終的に、第43類「飲食物の提供,日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,業務用調理台又は業務用流し台の貸与及びこれらに関する情報の提供」と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ほったらかし調理」と標準文字で表してなるところ、「ほったらかし」の文字は「気をつけたり手を加えたりしないで、そのままに放置しておくこと」の意味、「調理」の文字は「料理すること」の意味を有する。
そして、近時、食材をセットし、スイッチを押すだけで料理が完成することを「ほったらかし調理」、また、そのような調理機器を「ほったらかし調理家電」や「ほったらかし調理機器」と称して、様々な電気メーカーがスイッチ一つで料理が完成する家電や調理機器を製造・販売している実情がうかがえる。
また、IoT家電の普及に伴い、スマートフォン等のアプリを通して操作できる、ほったらかし調理家電が販売されている実情がうかがえる。
してみると、本願商標を、補正後の指定商品・指定役務の分野に使用しても、「スイッチを押すだけで料理が完成することを目的とする商品・役務」であることを認識するものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示するものといえ、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合い以外の商品・役務に使用した場合、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲1(1)ないし(12)及び別掲2のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答の要旨
請求人は、上記第4の審尋に対し、回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
本願の指定役務を取り扱う業界において、「ほったらかし調理」の文字そのものを使用して、飲食物の提供や機器の貸与が行われている事実はないこと等から、本願商標を、本願の指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと、審尋において通知された事実を考慮しても、たとえ間接的には認識し得たとしても、直接的かつ具体的に認識するとまではいい難く、また、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるということもない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「ほったらかし調理」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ほったらかし」の文字は、「めんどうをみないで放置しておくこと。」の意味を有する語であり、「調理」の文字は、「食品を料理すること。」(いずれも「大辞林第四版」株式会社三省堂)の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「めんどうをみないで料理すること」ほどの意味合いが容易に理解されるものである。
そして、別掲1のとおり、幅広い業界において、「ほったらかし調理」の文字は、具材等を入れるだけで、焼き物、煮物等の多彩なメニューにも対応し、めんどうをみないで(自動で)調理ができる商品等を表すものとして、当該語が一般に使用されている事実が認められる。
また、別掲2のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、自動で調理が可能な機器を用いた飲食物の提供や、自動で調理が可能な機器の貸与が行われている事実が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「めんどうをみないで(自動で)料理することによる飲食物の提供、めんどうをみないで(自動で)料理するための機器の貸与」であること、すなわち、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
また、本願商標を、前記に相応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定役務を取り扱う業界において、「ほったらかし調理」の文字そのものを使用して、飲食物の提供や機器の貸与が行われている事実はないこと等から、本願商標を、本願の指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと、審尋において通知された事実を考慮しても、たとえ間接的には認識し得たとしても、直接的かつ具体的に認識するとまではいい難い旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品及び指定役務の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、商品の品質や役務の質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。
そして、上記1のとおり、「ほったらかし」及び「調理」の語の意味や、幅広い業界において、「ほったらかし調理」の文字は、具材等を入れるだけで、焼き物、煮物等の多彩なメニューにも対応し、めんどうをみないで(自動で)調理ができる商品等を表すものとして、当該語が一般に使用されている事実、本願の指定役務を取り扱う業界において、自動で調理が可能な機器を用いた飲食物の提供や、自動で調理が可能な機器の貸与が行われている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「めんどうをみないで(自動で)料理することによる飲食物の提供、めんどうをみないで(自動で)料理するための機器の貸与」であること、すなわち役務の質、用途を表示したものと一般に認識されるというべきである。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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