商標拒絶査定不服審判
2022-021149
ビューティーセラピスト
- 審判番号
- 2022-021149
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-019996
- 請求日
- 2022年12月27日
- 審決日
- 2023年12月21日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人日本ビューティーセラピスト協会
- 【請求人代理人】有吉 修一朗
- 【請求人代理人】森田 靖之
- 【請求人代理人】筒井 宣圭
- 【請求人代理人】遠藤 聡子
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W4144)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 19996拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年2月22日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 7月19日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月26日受付:意見書、手続補正書
令和4年 9月26日付け:拒絶査定
令和4年12月27日受付:審判請求書
令和5年 9月20日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「ビューティーセラピスト」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格試験の実施及び資格の認定,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」及び第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用・理髪店用若しくはエステティックサロン用の機械器具の貸与」と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ビューティーセラピスト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ビューティー」は「美。」、「セラピスト」は「物理療法や心理療法の治療士。」を意味するものであり、本願指定役務の分野において、美容に関する治療士が、「ビューティーセラピスト」と称され、「ビューティーセラピスト」になるための知識の教授や、「ビューティーセラピスト」による美容の役務が提供されている実情が見受けられることから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、美容に関する治療士に関する役務(例えば「美容に関する治療士による知識の教授」、「美容に関する治療士による美容」)であることを理解するにとどまり、本願商標は、単に役務の質・特徴を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2のとおりの事実を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「ビューティーセラピスト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ビューティー」の文字は、「美。」等を意味する語であり、「セラピスト」の文字は、「物理療法や心理療法の治療士。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、本願商標は、「ビューティー」の文字と「セラピスト」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識されるものである。
また、別掲1及び2のとおり、本願指定役務を取り扱う業界において、美容に関するセラピスト(治療士)を養成するための役務や、美容に関するセラピスト(治療士)による役務等が提供されている事実が認められる。
そして、別掲2のとおり、美容に関するセラピスト(治療士)について、「ビューティーセラピスト」等の文字が使用されている事実が認められる。
そうすると、本願商標は、上記の事実や「ビューティー」及び「セラピスト」の意味合いから、全体として「美容に関するセラピスト(治療士)」ほどの意味合いが理解され、本願商標を、その指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「美容に関するセラピスト(治療士)を養成するための役務、美容に関するセラピスト(治療士)による役務、美容に関するセラピスト(治療士)のための役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「ビューティーセラピスト」の語は、「美容に関する治療士」の意味を想起させるが、役務との関係において、「ビューティー(美容)を用いてセラピーを行う」と解釈しても、「ビューティー」の語が非常に多義的であって極めて漠然としており具体性に欠けるので、直ちに役務の質や特徴を表示しているとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を充分に果たすと考えるのが自然である旨主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10061号、同年9月16日判決参照)。
そして、上記1のとおり、「ビューティー」及び「セラピスト」の語の意味や、本願指定役務を取り扱う業界における美容に関するセラピスト(治療士)を養成するための役務や、美容に関するセラピスト(治療士)による役務等が提供されている事実及び美容に関するセラピスト(治療士)について、「ビューティーセラピスト」等の文字が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「美容に関するセラピスト(治療士)を養成するための役務、美容に関するセラピスト(治療士)による役務、美容に関するセラピスト(治療士)のための役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識するというべきである。
(2)請求人は、原審において引用した事例について、具体的なセラピーの内容は必ずしも一定ではなく、「ビューティーセラピスト」の語が一定の意味合いの語として一般に認識されているとは言えない旨主張する。
しかしながら、上記2(1)のとおり、本願商標が、本願の指定役務との関係で役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるのであって、請求人がいうところの「具体的」なものであることまで、求められるものではないというべきであり、別掲1及び2の事実も併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「美容に関するセラピスト(治療士)を養成するための役務、美容に関するセラピスト(治療士)による役務、美容に関するセラピスト(治療士)のための役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識するというべきである。
(3)請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる審決例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(4)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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