商標拒絶査定不服審判
2022-021001
トーキョーヌーボー、ヌーボー
- 審判番号
- 2022-021001
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-153011
- 請求日
- 2022年12月26日
- 審決日
- 2023年11月09日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】久慈 知明
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 【請求人】木村 聖也
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 【請求人】永松 祐弥
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 【請求人】久慈 隆介
- 【請求人代理人】青木 孝博
- 【請求人代理人】小笠原 匡隆
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W091620323335384244) / T18 .16 -Z (W091620323335384244) / T18 .272-Z (W091620323335384244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第6条第1項、商標法第3条第1項第6号、商標法第6条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-153011拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月 5日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月30日付け:拒絶査定
令和4年12月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和5年 8月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年 9月 4日付け:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Tokyo Nouveau」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、第33類、第35類に属する願書記載のとおりの商品(役務)を指定商品(指定役務)として登録出願されたものであり、その後、指定商品(指定役務)については、上記1の手続補正により、第9類、第16類、第20類、第32類、第33類、第35類、第38類、第42類及び第44類の別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下のとおりに認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号
本願商標は、「Tokyo Nouveau」の文字を表してなるところ、その構成中の「Nouveau」の文字は、第33類の指定商品との関係においては、「ワインの新酒。」を意味する語として広く使用されているものである。そして、指定商品の分野において、例えば、オーストラリア産のワインの新酒が「オーストラリア・ヌーヴォー」、チリ産のワインの新酒が「チリ・ヌーヴォー」と称されている実情があることを踏まえれば、本願商標は全体として、「東京産のワインの新酒」ほどの意味合いを認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば「東京産のワイン,東京産のブドウ酒」等に使用したときは、これに接する需要者に、商品の産地、品質を表示したものと認識させるにとどまるというべきである。したがって、本願商標は、単に商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第6条第2項
この商標登録出願は、政令で定める商品及び役務の区分第33類及び第35類に属さない商品・役務を包含しているから、商標法第6条第2項の要件を具備しない。
(3)商標法第6条第1項及び同条第2項
この商標登録出願の指定商品・指定役務は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められず、政令で定める商品及び役務の区分に従って第33類及び第35類の商品・役務を指定したものと認めることもできないから、この商標登録出願は、商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備しない。
4 当審における拒絶の理由の要点
当審において、令和5年8月15日付けで通知した拒絶の理由は、次のとおりである。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号
本願商標の全体の文字からは、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」であると理解させるものであり、これを本願の指定商品中、第33類「ワイン,日本酒」に使用した場合には、当該商品が「東京で生産又は販売されるワイン等の新酒」であることを認識させるにとどまる。
また、これを本願の指定商品中、第9類「電子書籍」及び第16類「書籍,印刷物」に使用した場合には、当該商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させる。
さらに、これを本願の指定役務中、第35類「アルコール飲料の販売に関する広告,アルコール飲料の販売に関する広告のためのチラシの配布,ポスターによる広告,デジタルサイネージを用いた広告」に使用した場合には、当該広告が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させ、また、「酒類の販売に関する情報の提供,アルコール飲料の販売に関する情報の提供」に使用した場合には、提供される情報が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」ではない第32類「ぶどうを加味したビール」、第33類「ワイン,ぶどうを加味したアルコール飲料(ビールを除く。),清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,酎ハイリキュール,日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」に使用した場合、また、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容としない、第9類「電子書籍」、第16類「書籍,印刷物」、第35類「アルコール飲料の販売に関する広告,アルコール飲料の販売に関する広告のためのチラシの配布,ポスターによる広告,デジタルサイネージを用いた広告,酒類の販売に関する情報の提供,アルコール飲料の販売に関する情報の提供」に使用した場合には、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号
本願商標をその指定役務のうち、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合には、その取扱商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」であることを認識させる。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当し、その取扱商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」ではない場合には、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
5 拒絶理由通知に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記4の拒絶理由通知に対して、要旨以下のとおり意見を述べた。
近年「Tokyo」は、顧客誘致のために商標に付けられる傾向があり、産地や販売地を表すだけでなく、ブランド表示として商標の一部に含むことが多くなってきていること、「Tokyo」は「Technology(テクノロジー)」「Futuristic(未来的)」「Morden(モダン)」なイメージを強く持たれていることから、「Nouveau」の文字は、「Tokyo」とともに用いられるときは、「新しいこと。新しいもの。」の意味で看取されることが自然である。
よって、本願商標は、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」と認識するよりも、「東京の何か新しいもの」のように特定の意味合いが生じない抽象的な概念を認識するものである。
6 当審の判断
(1)商標法第6条第1項及び同条第2項該当性について
本願は、その指定商品及び指定役務について、別掲1のとおり補正された結果、商品及び役務の内容及び範囲が明確なものになり、政令で定める商品及び役務の区分に従って商品及び役務を指定したものと認められる。
その結果、本願の指定商品及び指定役務は、商標法第6条第1項及び同条第2項規定の要件を具備するものとなった。
したがって、原査定の拒絶の理由(2)及び(3)は解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「Tokyo Nouveau」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、その構成中の「Tokyo」の文字は、「日本国の首都」を表す地名「東京」の欧文字表記であり、「Nouveau」の文字は、「ワインの新酒」(広辞苑第七版)の意味を有するもので、その表音は「ヌーヴォー」、「ヌーヴォ」、「ヌーボー」などとされるものである。
そして、当審における拒絶理由通知において示した事例(別掲2)のとおり、「Yoichi Nouveau」(余市:北海道余市町)や「Ajimu Nouveau」(安心院:大分県安心院町)などのように、地名を冠した「Nouveau(NOUVEAU、ヌーヴォー、ヌーヴォ、ヌーボー)」の文字が、その地で生産又は販売されるワインの新酒を表すものとして使用されている実情が認められる。
以上のとおり、本願商標を構成する文字の意味と、上記取引の実情に照らせば、本願商標の全体の文字からは、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」であると理解させるものであり、これを本願の指定商品中、第33類「ワイン,日本酒」に使用した場合には、当該商品が「東京で生産又は販売されるワイン等の新酒」であることを認識させるにとどまるものというのが相当である。
また、これを本願の指定商品中、第9類「電子書籍」及び第16類「書籍,印刷物」に使用した場合には、当該商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させるといえる。
さらに、これを本願の指定役務中、第35類「アルコール飲料の販売に関する広告,アルコール飲料の販売に関する広告のためのチラシの配布,ポスターによる広告,デジタルサイネージを用いた広告」に使用した場合には、当該広告が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させ、また、「酒類の販売に関する情報の提供,アルコール飲料の販売に関する情報の提供」に使用した場合には、提供される情報が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容とするものであることを認識させるといえる。
そうすると、本願商標は、上記商品及び役務との関係において、商品の品質、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」ではない、第32類「ぶどうを加味したビール」、第33類「ワイン,ぶどうを加味したアルコール飲料(ビールを除く。),清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,酎ハイリキュール,日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」に使用した場合、また、「東京で生産又は販売されるワインの新酒」を内容としない、第9類「電子書籍」、第16類「書籍,印刷物」、第35類「アルコール飲料の販売に関する広告,アルコール飲料の販売に関する広告のためのチラシの配布,ポスターによる広告,デジタルサイネージを用いた広告,酒類の販売に関する情報の提供,アルコール飲料の販売に関する情報の提供」に使用した場合には、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
上記(2)と同様の理由から、本願商標をその指定役務のうち、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合には、その取扱商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」であることを認識させるといえる。
そうすると、本願商標は、上記役務との関係において、その取扱商品の品質を表示する標章と認められる。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当し、その取扱商品が「東京で生産又は販売されるワインの新酒」ではない場合には、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、「Tokyo」の文字は、ブランド表示として商標の一部に含まれることが多くなってきており、「Tokyo」は「テクノロジー」「未来的」「モダン」なイメージを強く持たれていることから、「Nouveau」の文字は、「Tokyo」とともに用いられるときは、「新しいこと。新しいもの。」の意味で看取されるのが自然であり、本願商標は、「東京の何か新しいもの」のように特定の意味合いが生じない抽象的な概念を認識するものであると主張する。
しかしながら、請求人が主張するように「Tokyo」の文字が商標の一部に含まれることが多く、特定のイメージを強く持たれる場合があるとしても、本願商標は、第33類「ワイン」を始めとするワインに関係する商品及び役務との関係においては、「Tokyo」の文字は産地や販売地である地名として、「Nouveau」の文字は、「ワインの新酒」として理解されると考えるのが自然である。また、別掲2の取引実情に照らせば、地名である「Tokyo」と「Nouveau」を結合した構成にあっては、本願商標からは、なお「東京で生産又は販売されるワインの新酒」であることを認識させるといわざるを得ない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-021001