特許拒絶査定不服審判
2022-020503
燃料給油管
- 審判番号
- 2022-020503
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-121791外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月19日
- 審決日
- 2024年02月05日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社キーレックス
- 【請求人代理人】井関 勝守
- 【請求人代理人】大西 渉
- 【請求人代理人】有川 智章
- 分類
- P18 .121-Z (B60K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-121791号「燃料給油管」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月 9日出願公開、特開2020- 1517号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年6月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 4年 5月 2日付け:拒絶理由通知書
令和 4年 6月 9日 :意見書、手続補正書の提出
令和 4年10月13日付け:拒絶査定
令和 4年12月19日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~3に係る発明は、令和4年6月9日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
燃料タンクに一端が接続される円筒状の樹脂製給油管本体と、
一端側が上記給油管本体の他端開口に組み付けられる一方、他端開口に給油キャップが着脱可能に取り付けられ、当該給油キャップが取り外された状態で、給油ガンのノズルを上記給油管本体の内側に案内する円筒状のノズルガイドとを備えた燃料給油管であって、
上記給油管本体は、その外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さいブロー成形体であり、当該給油管本体の他端側外周面には、筒中心線周りに環状に延びる環状凹条溝が形成され、
上記ノズルガイドの一端側には、上記給油管本体の他端側外周面を環状に覆う環状カバー部が設けられ、
上記環状凹条溝には、当該環状凹条溝の内周面と上記環状カバー部の内周面との間をシールする環状のゴム製シール部材が嵌合していることを特徴とする燃料給油管。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、令和4年5月2日付け拒絶理由通知書に示された次の理由1を含むものである。
1.(進歩性)
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2013-23168号公報
引用文献2:特開2005-199757号公報
第4 引用文献の記載等
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項(下線は当審が付与。以下同様。)
・「【請求項1】
車両の給油口に取り付けられる燃料給油装置(10)であって、
燃料タンク(FT)へ連通する流入路(23)を形成するフィラーネック(20)と、
上記流入路(23)に連続して通路を形成するように上記フィラーネック(20)の車外側の開口部(24)に直列に配置され、燃料キャップ(FC)がねじ込み装着されるキャップ装着部(31)と、該キャップ装着部(31)の外周に拡径した拡径部(35)と、該拡径部(35)から該キャップ装着部(31)と連続して形成されている上記フィラーネック(20)に外挿される筒状の接続部(36)とからなるリテーナ(30)と、
上記フィラーネック(20)内に挿入される円筒のガン案内部材本体(51)と、上記拡径部(35)と上記開口部(24)とで上記フィラーネック(20)の軸方向に挟持される被保持部(55)とからなる金属製のガン案内部材(50)を備える
燃料給油装置。」
・「【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料給油装置に関し、詳しくは燃料キャップがねじ込み装着されるリテーナと給油ガンを案内するガン案内部材とを有する燃料給油装置に関する。」
・「【0013】
(1)燃料給油装置の概略構成
図1は、燃料給油装置10が燃料タンクFTに組付けられている概略構成図である。燃料給油装置10は、車外から燃料を燃料タンクFTに供給する燃料供給通路10Pを形成するように、フィラーネック20と、樹脂製の燃料パイプ60と、タンク接続部材70によって、主に構成されている。
【0014】
(2)各部の構成
フィラーネック20の車外側には、燃料キャップFCが螺合され装着されるためのリテーナ30が組みつけられている。燃料を車外から燃料タンクFTに供給する場合は、燃料キャップFCを取り外し、リテーナ30に給油ガンのノズルを給油可能となる位置まで挿入して、燃料を供給する。この場合に、フィラーネック20の内周側に配置されたガン案内部材50に給油ガンのノズルがあたりながら案内される。
【0015】
図2は、燃料給油装置の断面図である。図3は、燃料給油装置の分解斜視図である。フィラーネック20は、樹脂製のフィラーネック本体21と燃料パイプ60と接合する管接続部22とからなり、流入路23を形成している。車外側の開口部24には複数の凹所25が形成されている。外周側には環状溝26が形成されている。管接続部22は、開口部24の逆側であって、フィラーネック本体21よりも縮径しており流出孔27を形成している。管接続部22の外周は、燃料パイプ60の圧入方向にかけ拡径しており、車外側は略直角となっている環状突部28が複数形成されている。この環状突部28により燃料パイプ60の引抜を防止し結合している。
【0016】
リテーナ30は、キャップ装着部31と接続部36とで構成されている。キャップ装着部31は、給油ガンのノズルが入る注入孔32を形成する注入部33を形成している。注入部33の内周には、燃料キャップFCが脱着できるよう雄ねじ部34が形成されている。注入部33から外周方向へ拡径している拡径部35が連続して形成されており、さらに、拡径部35から、軸方向に円筒に連続して接続部36が形成されている。接続部36は、フィラーネック本体21の環状溝26に収納されるゴム製のOリング40を挟むように開口部24に外装される。」
・「【0019】
燃料給油装置10の組み付けについては、Oリング40を環状溝26に収納し、ガン案内部材50を組み付けた後に、リテーナ30を外挿されることで組み付ける。組み付け後の構成については、図2に示すとおり、フィラーネック本体21の開口部24は、径方向で外周側からリテーナ30の接続部36、内周側からガン案内部材本体51が組みつけられている。軸方向では、ガン案内部材本体51の被保持部55が、開口部24の凹所25に収納され、開口部24と被保持部55をリテーナ30の拡径部35が当接している。このとき、リテーナ30のキャップ装着部31と開口部24は、軸断面で直列に並んでいる。」
・また、以下の図面が示されている。
「【図1】
[図:0001408610000001.jpg]
【図2】
[図:0001408610000002.jpg]
【図3】
[図:0001408610000003.jpg]
」
(2)引用文献1からの認定事項
引用文献1には、上記(1)の記載事項から、次の事項が認定できる。
ア 段落【0013】の「燃料給油装置10は、車外から燃料を燃料タンクFTに供給する燃料供給通路10Pを形成するように、フィラーネック20と、樹脂製の燃料パイプ60と、タンク接続部材70によって、主に構成されている。」との記載、及び段落【0015】の「フィラーネック20は、樹脂製のフィラーネック本体21と燃料パイプ60と接合する管接続部22とからなり、」との記載、並びに【図1】から、フィラーネック(20)は、樹脂製のフィラーネック本体(21)と樹脂製の燃料パイプ(60)と接合する管接続部(22)とからなり、前記燃料パイプ(60)はタンク接続部材(70)によって前記燃料タンク(FT)に接続されていること。
イ 【図1】~【図3】から、フィラーネック(20)と樹脂製の燃料パイプ(60)は、円筒状であること。
ウ 段落【0016】の記載と【図2】から、リテーナ(30)の接続部(36)は、フィラーネック本体(21)の環状溝(26)に収納されるゴム製のOリング(40)を挟むようにフィラーネック(20)の開口部(24)に外装されていること。
(3)引用文献1に記載された発明
上記(1)及び(2)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「車両の給油口に取り付けられる燃料給油装置(10)であって、
燃料タンク(FT)へ連通する流入路(23)を形成するフィラーネック(20)と、
上記流入路(23)に連続して通路を形成するように上記フィラーネック(20)の車外側の開口部(24)に直列に配置され、燃料キャップ(FC)がねじ込み装着されるキャップ装着部(31)と、該キャップ装着部(31)の外周に拡径した拡径部(35)と、該拡径部(35)から該キャップ装着部(31)と連続して形成されている上記フィラーネック(20)に外挿される筒状の接続部(36)とからなるリテーナ(30)とを備える
燃料給油装置(10)であって、
前記フィラーネック(20)は、樹脂製のフィラーネック本体(21)と樹脂製の燃料パイプ(60)と接合する管接続部(22)とからなり、前記燃料パイプ(60)はタンク接続部材(70)によって前記燃料タンク(FT)に接続されており、
フィラーネック(20)と樹脂製の燃料パイプ(60)は、円筒状であり、
前記リテーナ(30)の前記接続部(36)は、前記フィラーネック本体(21)の環状溝(26)に収納されるゴム製のOリング(40)を挟むように前記フィラーネック(20)の開口部(24)に外装されている、
燃料給油装置(10)。」
2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
・「【技術分野】
【0001】
本発明は、給油ガンから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプに関する。」
・「【0017】
以下、本発明のフィラーパイプの実施の形態について説明する。まず、本実施形態のフィラーパイプの構成について説明する。図1に、本実施形態のフィラーパイプの長手方向断面図を示す。図2に、同フィラーパイプの上部分の拡大図を示す。図に示すように、フィラーパイプ1は、フィラーネック2と連結パイプ3とを備えている。
【0018】
フィラーネック2は、PE(ポリエチレン)製であって、ブロー成形により作製されている。フィラーネック2は、給油筒部20とブリーザチューブ接続筒部21と連結パイプ接続筒部22とを備えている。」
・「【0020】
ブリーザチューブ接続筒部21は、給油筒部20の底壁から、下方に向かって突設されている。ブリーザチューブ接続筒部21の下端には、ブリーザチューブ8が外嵌される。ブリーザチューブ8は、燃料タンク7とブリーザチューブ接続筒部21とを連結している。」
・「【0032】
また、上記実施形態においては、フィラーネック2に連結パイプ3を外嵌したが、フィラーネック2と連結パイプ3とは溶着してもよい。また、フィラーネック2と連結パイプ3とを、例えばブロー成形により、一体に作製してもよい。ブロー成形により一体に作製する場合、連結パイプ接続筒部22の内周径D2と連結パイプ3の内周径D3との較差は、ブロー型の型面により形成すればよい。また、上記実施形態においては、ブロー成形によりフィラーネック2を作製したが、射出成形などによりフィラーネック2を作製してもよい。」
・また、以下の図面が示されている。
「【図1】
[図:0001408610000004.jpg]
」
(2)引用文献2に記載された事項
上記(1)から、引用発明2には、次の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「給油ガンから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプにおいて、フィラーネック2と連結パイプ3とを、ブロー成形により、一体に作製すること。」
第5 対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
1 後者の「燃料タンク(FT)」は、前者の「燃料タンク」に相当し、後者の「前記フィラーネック(20)は、樹脂製のフィラーネック本体(21)と燃料パイプ(60)と接合する管接続部(22)とからなり、前記燃料パイプ(60)はタンク接続部材(70)によって前記燃料タンク(FT)に接続されており」、「フィラーネック(20)と樹脂製の燃料パイプ(60)は、円筒状であり」との構成における「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」を併せたものは、前者の「燃料タンクに一端が接続される円筒状の樹脂製給油管本体」に相当する。
2 後者の「燃料キャップ(FC)」は、前者の「給油キャップ」に相当し、後者の「上記流入路(23)に連続して通路を形成するように上記フィラーネック(20)の車外側の開口部(24)に直列に配置され、燃料キャップ(FC)がねじ込み装着されるキャップ装着部(31)と、該キャップ装着部(31)の外周に拡径した拡径部(35)と、該拡径部(35)から該キャップ装着部(31)と連続して形成されている上記フィラーネック(20)に外挿される筒状の接続部(36)とからなるリテーナ(30)」は、図3からみて円筒状といえるとともに、引用文献1の段落【0014】の「燃料キャップFCを取り外し、リテーナ30に給油ガンのノズルを給油可能となる位置まで挿入して、燃料を供給する。」との記載から、給油ガンのノズルをフィラーネック(20)の内側に案内するものといえるから、前者の「一端側が上記給油管本体の他端開口に組み付けられる一方、他端開口に給油キャップが着脱可能に取り付けられ、当該給油キャップが取り外された状態で、給油ガンのノズルを上記給油管本体の内側に案内する円筒状のノズルガイド」に相当する。
3 後者の「燃料給油装置(10)」は、図1~図3を参照すると「管状」であることは明らかであるから、前者の「燃料給油管」に相当する。
4 後者の「環状溝(26)」は、前者の「環状凹条溝」に相当し、後者の「接続部(36)」は、「フィラーネック(20)に外挿される筒状の」ものであるから、前者の「環状カバー部」に相当し、後者の「ゴム製のOリング(40)」は、前者の「環状のゴム製シール部材」に相当する。
さらに、引用文献1の各図を参照すると、後者の「前記リテーナ(30)の前記接続部(36)は、前記フィラーネック本体(21)の環状溝(26)に収納されるゴム製のOリング(40)を挟むように前記フィラーネック(20)の開口部(24)に外装されている」との構成は、前者の「当該給油管本体の他端側外周面には、筒中心線周りに環状に延びる環状凹条溝が形成され、上記ノズルガイドの一端側には、上記給油管本体の他端側外周面を環状に覆う環状カバー部が設けられ、上記環状凹条溝には、当該環状凹条溝の内周面と上記環状カバー部の内周面との間をシールする環状のゴム製シール部材が嵌合している」との構成に相当する。
したがって、両者は、以下の構成において一致すると認められる。
「燃料タンクに一端が接続される円筒状の樹脂製給油管本体と、
一端側が上記給油管本体の他端開口に組み付けられる一方、他端開口に給油キャップが着脱可能に取り付けられ、当該給油キャップが取り外された状態で、給油ガンのノズルを上記給油管本体の内側に案内する円筒状のノズルガイドとを備えた燃料給油管であって、
当該給油管本体の他端側外周面には、筒中心線周りに環状に延びる環状凹条溝が形成され、
上記ノズルガイドの一端側には、上記給油管本体の他端側外周面を環状に覆う環状カバー部が設けられ、
上記環状凹条溝には、当該環状凹条溝の内周面と上記環状カバー部の内周面との間をシールする環状のゴム製シール部材が嵌合している燃料給油管。」
そして、両者は、以下の点で相違すると認められる。
[相違点]
本願発明は、「給油管本体は、その外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さいブロー成形体であ」るのに対し、引用発明の「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」は、その成形手段が特定されていない点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
1 引用発明において、「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」を併せたものは、本願発明の「燃料タンクに一端が接続される円筒状の樹脂製給油管本体」に相当するものであり、「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」を作製する際には、ブロー成形、射出成形等が技術常識的に考えられるところ、引用文献2には、上記「第4 2(2)」で述べたように、「給油ガンから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプにおいて、フィラーネック2と連結パイプ3とを、ブロー成形により、一体に作製すること。」が記載されている。
2 引用発明と引用文献2に記載された事項とは、給油ガンから供給される燃料を燃料タンクに導くフィラーパイプという技術分野で共通しているから、引用発明に引用文献2に記載された事項を適用して、引用発明の「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」をブロー成形により、一体に作製することは、当業者であれば適宜なし得たことである。
3 ここで、ブロー成形品において、その内周面の表面粗さのばらつきが外周面の表面粗さのばらつきよりも大きくなることは、技術常識である(例えば、特開2015-163780号公報の段落【0035】の「ブロー成形では外型の金型のみで成形するため、吸気管の内面の粗さを制御しにくい。このため、吸気管の内部を流れる空気の流速が大きい場合には、吸気管の内面の粗さの影響を受けて気流が乱れ、圧力損失がさらに増大するおそれがある。」にも示されるように、一般に、ブロー成形品の内面の粗さは、外面の粗さよりも制御しにくいから、内周面の表面粗さのばらつきが外周面の表面粗さのばらつきよりも大きくなる傾向がある。)。
4 そうすると、引用発明の「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」に引用文献2に記載された事項を適用して一体に作製したものは、当然にその外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さくなるといえる。
5 したがって、引用発明において、引用文献2に記載された事項を適用することにより、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
6 本願発明の作用効果も、引用発明及び引用文献2に記載された事項から当業者が予測し得る範囲のものであって、格別なものとはいえない。
7 請求人の主張について
(1)請求人は、
ア 審判請求書の(3.(3)ア)において、
「引用文献2(文献2)には、上記構成Aに対応する構成(フィラーパイプ1の外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さいものとなっている)について開示されておりません。」と述べるとともに、
イ 審判請求書の(3.(3)オ)において、「本願の請求項1は、上記構成A等を備えることにより、『内周面の表面粗さのばらつきが大きいブロー成形により製造した給油管本体を用いたとしても、樹脂材よりも比較的柔らかいゴム製のシール部材を用いて表面粗さのばらつきが小さい給油管本体の外周面とノズルガイドの内周面との間の隙間が埋まるように給油管本体とノズルガイドとを組み立てているので、高い気密性を有する燃料給油管にすることができる。』という顕著な作用効果を奏するものであります。」
と主張している。
(2)検討
ア 上記アの主張について
上記3、4で述べたように、引用発明の「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」をブロー成形により、一体に作製すれば、当該「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」は、その外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さくなることは技術常識といえる。
イ 上記イの主張について
引用発明も、「前記リテーナ(30)の前記接続部(36)は、前記フィラーネック本体(21)の環状溝(26)に収納されるゴム製のOリング(40)を挟むように前記フィラーネック(20)の開口部(24)に外装されている」との構成を有するから、燃料給油装置において、高い気密性を保つという課題は内在しているといえる。
そして、上記アで述べたように、引用発明の「フィラーネック(20)」と「樹脂製の燃料パイプ(60)」をブロー成形により、一体に作製すれば、当該「フィラーネック(20)」は、その外周面が内周面よりも表面粗さのばらつきが小さくなることは技術常識であるから、引用発明に引用文献2に記載されている事項を適用した際に、「内周面の表面粗さのばらつきが大きいブロー成形により製造したフィラーネック(20)と樹脂製の燃料パイプ(60)を用いたとしても、樹脂材よりも比較的柔らかいゴム製のOリング(40)を用いて表面粗さのばらつきが小さいフィラーネック(20)の外周面とリテーナ(30)の内周面との間の隙間が埋まるようにフィラーネック(20)とリテーナ(30)とを組み立てている」との効果は、当業者が予測し得る範囲のものであって、顕著な作用効果を奏するものとはいえない。
ウ 小括
以上のとおり、請求人の上記ア、イの主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-020503