商標拒絶査定不服審判
2022-020304
クリニカルコスメ、クリニカル
- 審判番号
- 2022-020304
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-085852
- 請求日
- 2022年12月14日
- 審決日
- 2023年11月14日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】医療法人社団衣明会
- 【請求人代理人】林 栄二
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W0305) / T18 .272-Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 85852拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「クリニカルコスメ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」を指定商品として、令和4年2月7日に登録出願された商願2022-13621に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年7月25日に登録出願されたものである。
原審では、同年9月12日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月17日に意見書が提出されたが、同年11月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「クリニカルコスメ」の文字を標準文字にて表してなるところ、その構成中の「クリニカル」の文字は、「臨床の、病院の、医療用の」の意味を有する「clinical」を認識させる語であり、「コスメ」の文字は、「コスメチックの略。化粧品全般を指す。」の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として、「病院で取り扱われる化粧品」ほどの意味合いを容易に認識させる。そして、本願の指定商品の分野においては、「クリニカルコスメ」の文字が、病院で取り扱われる化粧品や、医療機関や医師等が関わって医学的知見に基づいて開発されたような化粧品を表す際に使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品中、第3類「化粧品」、第5類「薬剤」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「病院で取り扱われる化粧品」、あるいは「医療機関(医師)が開発に関わった化粧品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「クリニカルコスメ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「クリニカル」の文字は「臨床の、病床の、病院の」を意味する「clinical」(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館)の表音を片仮名表記したものと認められ、「コスメ」の文字は「コスメチックの略。化粧品全般を指す。」の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有する語として、いずれも広く親しまれた語であるから、「クリニカル」の文字と「コスメ」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識され、その構成文字全体より「病院の化粧品」ほどの意味合いを看取し得る。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野では、「病院で取り扱われる化粧品」、「医師により開発された化粧品」や「医師により開発され、クリニック(病院)で処方される化粧品」を表す語として「クリニカルコスメ」の文字が使用されていることは、原審において示した用例及び別掲より認められるものであり、これらの使用事実からは、「クリニカルコスメ」の文字が、出所識別標識としてではなく、化粧品の種類を表す語として使用されていることは明らかである。
以上の内容を踏まえると、前記意味合いを認識し得る本願商標をその指定商品中、第3類「化粧品」及び第5類「薬剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「病院で取り扱われる化粧品」、「医師により開発された化粧品」若しくは「医師により開発され、クリニック(病院)で処方される化粧品」の意味合いを表したもの、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。
そして、本願商標は、何ら文字に特徴のない書体である標準文字からなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「病院で取り扱われる化粧品」、「医師により開発された化粧品」若しくは「医師により開発され、クリニック(病院)で処方される化粧品」以外の第3類「化粧品」及び第5類「薬剤」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「病院において取り扱われる化粧品」には、本願商標「クリニカルコスメ」の文字が使用されているというよりは、「ドクターズコスメ」や「メディカルコスメ」の文字が使用されているものであり、本願商標が原査定の認定のとおりの意味合いで一般的に使用されている社会的な事実は見出しえない旨主張する。
しかしながら、「ドクターズコスメ」や「メディカルコスメ」の文字が、「病院において取り扱われる化粧品」を意味する語として使用されているとしても、「クリニカルコスメ」の文字が「病院で取り扱われる化粧品」、「医師により開発された化粧品」若しくは「医師により開発され、クリニック(病院)で処方される化粧品」を意味する語として複数の者により使用されていることは上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、過去の審決例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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