商標拒絶査定不服審判
2022-019974
スライドリッド
- 審判番号
- 2022-019974
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-143987
- 請求日
- 2022年12月09日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】NASCO株式会社
- 【請求人代理人】阿部 伸一
- 【請求人代理人】太田 貴章
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W2021) / T18 .272-Z (W2021)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-143987拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「スライドリッド」の文字を標準文字で表してなり、第20類及び第21類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年11月18日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月27日付けで意見書が提出され、本願の指定商品は、同日付けの手続補正書にて、別掲1に記載のとおりの商品(以下「原審補正商品」という。)に補正されたが、同年9月1日付けで拒絶査定され、これに対し、同年12月9日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、本願商標は「スライドリッド」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「スライド」の文字は「滑ること」を意味する英語「slide」の片仮名表記と、「リッド」の文字は「蓋」を意味する英語「lid」の片仮名表記と認められ、構成全体からは「滑る蓋」の意味合いを容易に認識し、本願の指定商品の分野において、「スライドリッド」の文字が、「滑って開閉する蓋」を意味する語として使用されている実情があるから、本願商標を原審補正商品中、第20類「滑って開閉する蓋を有するプラスチック製の包装用容器,滑って開閉するプラスチック製のふた,滑って開閉する蓋を有するMAP包装可能なプラスチック製容器」又は第21類「滑って開閉する蓋を有する食器類,滑って開閉する蓋を有する食品保存用プラスチック製容器,滑って開閉する蓋を有するMAP包装可能な食品(保存)用プラスチック製容器,食品(保存)用の再封可能なプラスチック製容器」に使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、「滑って開閉する蓋」又は「滑って開閉する蓋を持つ容器」の意味合いを認識するにすぎず、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の指定商品に使用した場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、令和5年11月21日付け審尋(以下「審尋」という。)により、別掲2ないし別掲5のとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、審尋に対し、令和5年12月21日付け回答書(以下「回答書」という。)を提出し、要旨以下の1及び2のとおりの意見を述べた。
1 本願商標「スライドリッド」からは、「スライド式のふた」以外にも、「そっと動くまぶた」や「すばやく移動する蘚蓋」、「滑り台抑制」及び、「スライド板を除去する」等、多様な意味合いが生じ得るといえるから、同書、同大かつ一連に書してなる本願商標を、単純に「スライド」と「リッド」に分離した上で、本願商標は、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させると断定することは、不合理である。
2 本願商標「スライドリッド」は、その構成から全体として一体のものとして把握されるべき商標であり、請求人が本願商標を「プラスチック製の包装用容器」や「食器類」等について使用しても、商品の品質等を表示するものではなく、自他商品識別標識としての機能を果たすものであって、かつ、商品の品質誤認を生じさせるおそれもない。
第5 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「スライドリッド」の文字を標準文字で表してなり、これは、「スライド」及び「リッド」の語を組み合わせてなるものと容易に理解できるところ、別掲2のとおり、「スライド(slide)」の語は、「滑ること。滑らせること。」の意味を有し、「リッド(lid)」の語は、「ふた」の意味を有し、本願の指定商品との関係においては、別掲3のとおり、「リッド」の語が「ふた」を意味するものとして実際に使用されている事実があり、また、別掲4のとおり、「スライド」の語は、「滑ること。滑らせること。」を意味するものとして実際に使用されている事実があることからすると、本願商標は、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
そして、別掲4のとおり、ふたの一部がスライドして開閉する商品が販売されている事実や、別掲5のとおり、ふたの一部がスライドして開閉する商品が「スライドリッド」や「スライド式リッド」と称され販売されている事実がある。
そうすると、「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させる本願商標を、原審補正商品中の「プラスチック製のふた」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品がスライド式リッド(ふたの一部がスライドして開閉するふた)であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
上記1のとおり、本願商標は、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
そして、別掲4のとおり、ふたの一部がスライドして開閉する商品が販売されている事実や、別掲5のとおり、ふたの一部がスライドして開閉する商品が「スライドリッド」や「スライド式リッド」と称され販売されている事実がある。
そうすると、本願商標をその指定商品中、第20類「ふたの一部がスライドして開閉するプラスチック製の包装用容器,ふたの一部がスライドして開閉するMAP包装可能なプラスチック製容器」及び第21類「ふたの一部がスライドして開閉する食器類,ふたの一部がスライドして開閉する食品保存用プラスチック製容器,ふたの一部がスライドして開閉するMAP包装可能な食品保存用プラスチック製容器,ふたの一部がスライドして開閉する再封可能な食品保存用プラスチック製容器」に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品がスライド式リッド(ふたの一部がスライドして開閉するふた)を有する商品であるということ、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を、スライド式リッド(ふたの一部がスライドして開閉するふた)を有する商品以外の「プラスチック製の包装用容器,MAP包装可能なプラスチック製容器,食器類,食品保存用プラスチック製容器,MAP包装可能な食品保存用プラスチック製容器,再封可能な食品保存用プラスチック製容器」に使用するときは、あたかも、当該商品が、スライド式リッド(ふたの一部がスライドして開閉するふた)を有する商品であるかのように、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、回答書において、本願商標「スライドリッド」からは、「スライド式のふた」以外にも、「そっと動くまぶた」や「すばやく移動する蘚蓋」、「滑り台抑制」及び、「スライド板を除去する」等、多様な意味合いが生じ得るといえるから、同書、同大かつ一連に書してなる本願商標を、単純に「スライド」と「リッド」に分離した上で、本願商標は、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させると断定することは、不合理である旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「スライドリッド」の文字を同書、同大で空白なく一連で書されたものであるとしても、本願の指定商品との関係においては、「リッド」の語が「ふた」を意味するものとして実際に使用されている事実があること、「スライド」の語は、「滑ること。滑らせること。」を意味するものとして実際に使用されている事実やふたの一部がスライドして開閉する商品が販売されている事実があること、ふたの一部がスライドして開閉する商品が「スライドリッド」や「スライド式リッド」と称され販売されている事実があることからすると、本願商標は、「滑らせる」の意味を有する「スライド」の語と「ふた」の意味を有する「リッド」の語を結合したものと理解するのが通常であり、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させると判断するのが相当である。
(2)請求人は、回答書において、本願商標「スライドリッド」は、その構成から全体として一体のものとして把握されるべき商標であり、請求人が本願商標を「プラスチック製の包装用容器」や「食器類」等について使用しても、商品の品質等を表示するものではなく、自他商品識別標識としての機能を果たすものであって、かつ、商品の品質誤認を生じさせるおそれもない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、構成全体として、「滑らせる方式のふた」すなわち「スライド式のふた」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、ふたの一部がスライドして開閉する商品が販売されている事実や、ふたの一部がスライドして開閉する商品が「スライドリッド」や「スライド式リッド」と称され販売されている事実があることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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