商標拒絶査定不服審判
2022-019949
ブライトニングウオッシュ、ブライトニング
- 審判番号
- 2022-019949
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-039037
- 請求日
- 2022年12月08日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社長寿乃里
- 【請求人代理人】植村 貴昭
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .17 -Z (W03)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-39037拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年4月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 8月 4日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月 2日 :意見書の提出
令和4年10月25日付け:拒絶査定
令和4年12月 8日 :審判請求書の提出
令和5年10月30日付け:審尋
令和5年12月 6日 :回答書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「BRIGHTENING WASH」の文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,化粧せっけん,化粧品,歯磨き,口臭用消臭剤,香料」を指定商品として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「BRIGHTENING WASH」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「BRIGHTENING」の文字は、「化粧で肌を明るくすること」の意味を、「WASH」の文字は「洗う」の意味を有する語である。そして、本願の指定商品中、「せっけん類,化粧せっけん,化粧品」の分野においては、「BRIGHTENING WASH」の欧文字を片仮名で表した「ブライトニングウォッシュ」の文字が、くすみをなくし、肌を明るくする効果のある洗浄用商品に使用されている実情があることから、本願商標は、全体として、「くすみをなくし、肌を明るくする効果のある洗浄」ほどの意味合いを認識させる。そうすると、本願商標を、本願商品中「せっけん類,化粧せっけん,化粧品」に使用しても、これに接する取引者又は需要者は、「くすみをなくし、肌を明るくする効果のある洗浄用商品」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲1ないし別掲4に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
1 別掲1について、(3)及び(4)は、一定の英語を勉強しようとする者向けの辞書であり、(2)は、一会社のウェブサイトであり、「専門用語」「業界用語」と記載されていることから一般の需要者には通じないことを前提にしている。したがって、(1)のみでは、一般的な需要者が「肌を明るくすること」「(肌の)美白」という意味内容を理解できるとはいえない。
2 別掲2について、「BRIGHTENING」の語は、いずれも商標的な使用であり、さらに、いずれも、「BRIGHTENING」の意味内容について、Webページ上で説明的な文言を加えていることから、これは、BRIGHTENINGが美白や、肌を明るくするという意味として一般の3 別掲3について、「WASH」の語は、いずれも商標的な使用であり、その使用の際には「必ず、洗浄用のものである」ということがわかる表記がある。
4 本願商標は「BRIGHTENING WASH」であり、別掲2及び3の使用例は意味がない。
また、別掲4について、いずれも商標的な使用であり、さらに、いずれも、どのようなものなのか説明する説明的な日本語での記載がほぼ必ず記載されているから、「BRIGHNING」と「WASH」が需要者にどのような意味なのか分からないことを意味している。
5 仮に、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、需要者においては、「BRIGHNING WASH」といえば、請求人の商品であると認識されており、商標法第3条第2項の要件を具備する。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地,販売地,品質,原材料,効能,用途,形状(包装の形状を含む。),生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴,数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日第3部判決・同27年(行ケ)第10107号参照)
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標は、前記2のとおり、「BRIGHTENING WASH」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「BRIGHTENING」の文字は「肌を明るくすること。(肌の)美白。」の意味(別掲1)を、「WASH」の文字は「洗う」の意味を有する語(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館)として、いずれも辞書等に掲載されている既成の語である。
イ そして、本願の指定商品中「せっけん類、化粧せっけん、化粧品」を取り扱う業界では、以下、(ア)ないし(ウ)の実情が認められる。
(ア)「BRIGHTENING」の文字及びこれに通ずる「ブライトニング」の文字が、「BRIGHTENING ○○」、「ブライトニング○○」等(○○は、lotion、essence、mask、ローション、乳液、美容液等)の態様で、「1(くすみをなくし)肌を明るくする商品」「2美白(メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぎ、透明感のある肌へ導く)用商品」を表す語として使用されている(別掲2)。
(イ)「WASH」の文字が洗浄用商品に使用されていることは、原審の拒絶査定における用例及び別掲3のとおりである。
(ウ)「BRIGHTENING WASH」及び「BRIGHTENING ○○ WASH」の文字若しくはこれに通ずる「ブライトニングウォッシュ」及び「ブライトニング ○○ ウォッシュ」の文字が、洗顔料等に使用されており、明るい肌(輝く肌、透明感のある肌等)へ導くとうたわれている(別掲4)。
ウ 本願商標は、何ら文字に特徴のない標準文字で表してなるものである。
エ 以上の内容を踏まえると、上記意味合いを有する「BRIGHTENING」及び「WASH」の文字を結合したにすぎない本願商標を、その指定商品中「せっけん類、化粧せっけん、化粧品」に使用するときは、これに接する商品の製造業者、卸売業者、小売販売業者等の取引者及び需要者に、「(くすみをなくし)肌を明るくする洗浄用商品」、「美白(メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぎ、透明感のある肌へ導く)洗浄用商品」という商品の品質、効能を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、自他商品を識別する標識としての機能を有さないものというべきである。
そして、本願商標を構成する「BRIGHTENING WASH」の文字は、本願商標の指定商品との関係において、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないものである。
したがって、本願商標は、商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
(1)商標法第3条第2項について
商標法第3条第2項が、同条1項3号等所定の商標であっても、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品(役務)であることを認識することがきるものについては、商標登録を受けることができるとする趣旨は、特定人が、当該商標を、その者の業務に係る商品(役務)の自他識別標識として、永年の間、他人に使用されることなく、独占的排他的に継続使用した実績を有する場合には、当該商品(役務)に係る取引界においては、事実上、当該商標の督該特定人による独占的使用が事実上容認されているといえるので、他の事業者にその使用の機会を 開放しておく公益上の要請が乏しくなるとともに、当該商標が、自他商品(役務)識別力を獲得したことにより、商標としての機能を備えるに至ったことによるものと解される(知財高平成18年(行ケ)第10450号・同19年4月10日判決)。
(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、検索サイトにおいて本願商標「BRIGHNING WASH」が検索された際に、本願商標を付した請求人の商品(以下「請求人商品」という。)が、ほぼ上位を独占していること、そして、2021年12月24日から2023年11月19日の販売期間で、1,002,279個を売り上げていることから、需要者においては、「BRIGHNING WASH」といえば、請求人の商品であると認識されているから、商標法第3条第2項の要件を具備する旨主張する。
しかしながら、上記の販売期間及び売上個数を裏付ける資料は提出されていない上、請求人商品の売上高や市場シェアについて確認することができず、請求人商品の広告宣伝について、媒体、回数、内容及び費用等についても確認することができない。
加えて、同項においては、出願人以外の者による本願商標と同一又は類似する標章の使用の有無及び使用状況も考慮される要素であるところ、別掲4のとおり、本願商標及びこれに類似する標章は、請求人以外の複数の者により使用されている事実も存在し、このような状況は、上記(1)の「特定人が、当該商標を、その者の業務に係る商品(役務)の自他識別標識として、永年の間、他人に使用されることなく、独占的排他的に継続使用した実績を有する場合」に該当するものともいえない。
したがって、上記主張によっては、未だ、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができるに至っているものとは認められない。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、前記第5の1において、「BRIGHNITING」の文字について、一般的な需要者が「肌を明るくすること」「(肌の)美白」という意味内容を理解できるとはいえない旨主張する。
しかしながら、「BRIGHTENING」の文字が「肌を明るくすること。(肌の)美白。」の意味を有する成語であることは、別掲1より明らかであり、上記1(2)イ(ア)のとおり、当該文字及びこれに通ずる「ブライトニング」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において「1(くすみをなくし)肌を明るくする商品」「2美白(メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぎ、透明感のある肌へ導く)用商品」を表す語として使用されていることから、本願商標が本願の指定商品に使用された場合において、これに接する一般需要者等は、「BRIGHTENING」の文字の意味を理解できないということはない。
(2)請求人は、前記第5の2ないし4において、「BRIGHTENING」、「WASH」、「BRIGHTENING WASH」の語は、いずれも商標的な使用であり、それぞれ説明的な文言を加えていることから、その意味合いは一般の需要者に浸透していない旨主張する。
しかしながら、上記1(2)アのとおり、「BRIGHTENING」及び「WASH」の文字が、それぞれ「肌を明るくすること。(肌の)美白。」及び「洗う」の意味を有する成語であり、上記1(2)エのとおり、「BRIGHTENING WASH」の文字からなる本願商標を、その指定商品中「せっけん類、化粧せっけん、化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「(くすみをなくし)肌を明るくする洗浄用商品」、「美白(メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぎ、透明感のある肌へ導く)洗浄用商品」という商品の品質、効能を表示したものと認識、理解するにすぎないというべきである。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項に規定する要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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