商標拒絶査定不服審判
2022-019727
オンセンキブン
- 審判番号
- 2022-019727
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-124144
- 請求日
- 2022年12月06日
- 審決日
- 2024年01月18日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社財宝
- 【請求人代理人】猪狩 充
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .16 -Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-124144拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 4月 5日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月15日 :意見書の提出
令和4年 9月 5日付け:拒絶査定
令和4年12月 6日 :審判請求書の提出
令和5年 3月 3日付け:刊行物等提出書
2 本願商標
本願商標は、「温泉気分」の文字を標準文字で表してなり、第5類「医療用入浴剤」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「温泉気分」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中の「温泉」及び「気分」の各文字は、それぞれ、「地熱のために平均気温以上に熱せられて湧き出る泉。多少の鉱物質を含み、浴用または飲用として医療効果を示す。」及び「きもち。心もち。あたり全体から醸しだされる感じ。雰囲気。」の意味を有する平易な語であり、一般家庭で使用される入浴剤を取り扱う分野においては、温泉地に行かずとも自宅で温泉気分を味わうことができる入浴剤について、「手軽に温泉気分を楽しめる入浴剤」、「温泉気分を手軽に楽しめる入浴剤」、「おうちで優雅な温泉気分」、「お家でも温泉気分な入浴剤」等のように「温泉気分」の文字を使用して商品「入浴剤」の広告宣伝等をする事業者が多数いることが認められる。そうすると、本願商標をその指定商品である「医療用入浴剤」について使用する場合であっても、当該需要者は、上記した一般家庭で使用される入浴剤と同様に、温泉気分を味わうことができる医療用入浴剤であることを表した商品の広告宣伝文句の一として認識するにとどまるとみるのが相当であって、これを超えて、何人かの業務に係る商品表示であると認識することはないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり「温泉気分」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「温泉」の文字は「地熱のために平均気温以上に熱せられて湧き出る泉。多少の鉱物質を含み、浴用または飲用として医療効果を示す。」の意味を、「気分」の文字は「きもち。心もち。あたり全体から醸しだされる感じ。雰囲気。」の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有する語としてそれぞれ一般に慣れ親しまれているものであるから、その構成文字全体より「温泉の気分」ほどの意味合いを容易に認識し得る。
そして、一般の消費者を対象とした入浴剤や薬用入浴剤(医薬部外品)を取り扱う業界では、温泉の有する効果、効能に着目し、温泉の肌ざわり、香り、色、効果などを再現する商品や湯の華(鉱泉中に生じる沈殿物。石灰泉からは石灰華、珪酸泉からは珪華、鉄質泉からは褐鉄鋼、硫黄泉からは硫黄を沈殿する。(前掲書))を原材料とする商品が多数製造、販売されているところ、そのような商品について、温泉地へ行かなくても、自宅のお風呂で温泉に入ったような気分を味わうことができることを端的に表現する販売促進のための標語若しくは宣伝広告として、「温泉気分」の文字が広く使用されていることは原審における用例、前記1の刊行物等提出書及び別掲からうかがえるものであり、枚挙に暇がないものである。
そうすると、上記のように一般の消費者を対象とした入浴剤や薬用入浴剤(医薬部外品)を取り扱う業界において、本願商標と構成文字を同じくする「温泉気分」の文字が幅広く使用されている事実から、本願商標をその指定商品である第5類「医療用入浴剤」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「温泉に入ったような気分を味わうことができる」という商品の販売促進のための標語若しくは宣伝広告を表示したものと認識、理解するにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、その指定商品に使用されても、これに接する需要者には、商品の販売促進のための標語若しくは宣伝広告を表示するものであると理解、認識され、需要者が何人かの業務に係る商品であること認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かの判断において、商標審査基準には、(ア)出願商標が、その商品若しくは役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等としてのみならず、造語等としても認識できる場合には、本号に該当しないと判断する、(イ)商品の宣伝広告以外を認識させる事情がある場合(例1:指定商品との関係で直接的、具体的な意味合いが認められない場合)は、上記(ア)のとおり、本号に該当しないと判断するとの記載があり、本願商標は両者を満たすから本号に該当しない旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「温泉気分」の文字が辞書等に採録されていないとしても、当該文字は「温泉」と「気分」の文字を結合したものであると容易に理解されるものであって、上記(1)のとおり、一般の消費者を対象とした入浴剤や薬用入浴剤(医薬部外品)を取り扱う業界において、温泉の有する効果、効能に着目し、温泉の肌ざわり、香り、色、効果などを再現する商品等が多数製造、販売されているところ、そのような商品について、温泉地へ行かなくても、自宅のお風呂で温泉に入ったような気分を味わうことができることを端的に表現する販売促進のための標語若しくは宣伝広告として「温泉気分」の文字が広く使用されているものであるから、これら使用例から、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は「温泉気分(温泉に入ったような気分)を味わうことができる」という意味合いを端的に表したものと認識し得るものであるから、商品の宣伝広告以外を認識させる事情があるものともえいない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願も同様に登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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