商標拒絶査定不服審判
2022-019634
ファミリーコーポレーション、ファミリー
- 審判番号
- 2022-019634
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-009770
- 請求日
- 2022年12月05日
- 審決日
- 2023年09月26日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ファミリーコーポレーション
- 【請求人代理人】友野 英三
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .23 -Z (W353637394142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項8号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第8号、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-9770拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「株式会社ファミリーコーポレーション」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第36類、第37類、第39類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、令和4年1月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年7月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同年8月19日に意見書が提出されたが、同年9月1日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年12月5日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、宮城県仙台市青葉区木町通1丁目5番22-903号及び兵庫県加古郡稲美町中村174番地の2所在の「株式会社ファミリーコーポレーション」(以下、これらをまとめて「引用会社」という。)と同一の文字からなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号は、他人の肖像又は他人の氏名、名称、その著名な略称等を含む商標は、当該他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないとする規定である。その趣旨は、肖像、氏名等に関する他人の人格的利益を保護することにあると解される。したがって、他人の肖像、氏名等を含む商標につき商標登録を受けようとする者は、他人の人格的利益を害することがないよう、自らの責任において当該他人の承諾を確保しておくべきものである(最高裁平成15年(行ヒ)第265号同16年6月8日第三小法廷判決)。
また、同号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち、人は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである(最高裁平成16年(行ヒ)343同平成17年7月22日第二小法廷判決)。
(2)本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「株式会社ファミリーコーポレーション」の文字を標準文字で表してなるところ、その表示態様からして、これは法人の名称を表示したものであることが明らかである。
そして、当該名称と同一の名称からなる法人は、請求人以外にも原審が拒絶の理由で通知した引用会社が実在するところであり、当該引用会社が本願の商標登録出願時に存在していたことも認めることができる(https://xn--zcklx7evic7044c1qeqrozh7c.com/companies/search?q%5Bname_eq%5D=%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)。
しかしながら、請求人は、当該他人である引用会社から、何ら承諾を得ていない。
したがって、本願商標は、他人の名称を含む商標であって、かつ、当該他人の承諾を得ているものとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものといわざるを得ない。
(3)請求人の主張について
請求人は、「産業的規模が圧倒的に大きく産業的貢献度が圧倒的に大きい」ところ、請求人に係る本願商標が、これと比較して圧倒的に小さな産業的貢献としかいい得ない引用商標に係る「人格的利益」を守るがために、商標登録をなし得ないことから、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図れず、法趣旨を却って毀損する旨主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第8号は請求人と他人との間での、いずれの産業的貢献度が高いかということなどは考慮せず、「他人の氏名若しくは名称」を含む商標をもって商標登録を受けることは、そのこと自体によって、その氏名、名称等を有する他人の人格的利益の保護を害するおそれがあるものとみなし、その他人の承諾を得ている場合を除き、商標登録を受けることができないとする趣旨に解されるべきものである(知財高裁平成20年(行ケ)第10309号判決参照)。
さらに、具体的な株式会社の商号(例えば「株式会社ファミリーコーポレーション」)から株式会社の文字を除いた部分(例えば「ファミリーコーポレーション」)は、商標法第4条第1項第8号にいう「他人の名称の略称」に当たる(最高裁昭和57年(行ツ)第15号昭和57年11月12日第二小法廷判決・民集36巻11号2233頁参照)。したがって、それが著名なものでない限り、他人の株式会社なる文字を除いた部分と同一の名称の商標登録を受けることは、商標法4条1項8号によって妨げられることはない(知財高裁平成21年(行ケ)第10005号判決参照)のであるから、本願商標を上記(1)の趣旨に則って登録しないと判断することが、商標法の法趣旨を毀損するとはいえない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、他人の名称を含む商標であり、かつ、その他人の承諾を得ているものとは認められないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
したがって、本願商標は、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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