商標拒絶査定不服審判
2022-019597
スムーズソーニュー
- 審判番号
- 2022-019597
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-127805
- 請求日
- 2022年12月02日
- 審決日
- 2023年09月11日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-127805拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を標準文字で表してなり、第21類「デンタルフロス,歯間清掃デンタルピック,舌ブラシ,歯茎マッサージ用ブラシ,入れ歯洗浄ブラシ,歯間ブラシ,歯ブラシ,電気式歯ブラシ,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用刷毛,船舶ブラシ,家事用手袋,ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),陶磁製包装用容器,プラスチック製の包装用瓶,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ペット用食器,ペット用ブラシ,小鳥かご,小鳥用水盤,洋服ブラシ,化学物質を充てんした保温保冷具,トイレットペーパーホルダー,香炉,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,コッフェル,ブラシ用牛毛・たぬきの毛・豚毛および馬毛」を指定商品として、令和3年10月14日に登録出願されたものである。
原審では、令和4年5月19日付けで拒絶理由の通知、同年7月4日付けで意見書の提出、同年8月31日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年12月2日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表してなる。
ところで、本願商標を構成する「スムーズ」及び「挿入」の語は、それぞれ「動作が円滑に進む様子」及び「さしこむこと」の意味で広く一般に親しまれている。
また、本願商標の指定商品中には、例えば、デンタルフロスなどの歯間をケアする商品が存在しており、それらは歯間の隙間に挿入して歯垢を除去するものである。
してみれば、上述の歯間をケアする本願商標の指定商品との関係では、「スムーズ挿入」の文字からなる本願商標は、その商品が、歯間にスムーズに挿入できることを、その指定商品の需要者に一般に認識させるにとどまる。
そうすると、本願商標は、上述の歯間をケアする本願商標の指定商品の効能、品質を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
4 請求人の意見
(1)別掲の事例は、商品形状の文字や、商品の使用箇所を表す文字とともに密接に関連付けて使用されているが、本願商標は、「スムーズ挿入」の6文字のみから構成され、商品の素材や加工、形状を表す文字はなく、商品の使用場所を表す文字もないから、これら事例に基づき、本願商標の自他商品の識別標識としての機能を否定できない。
(2)本願商標は、デンタルフロスその他の指定商品について使用した場合、商品の取引者、需要者をして、原審指摘の意味合いを暗示的に想起することがあり得るとしても、商品の品質を直感的に認識することはなく、請求人が案出した一種の造語として把握されるから、商品の品質を直ちに想起させるものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 本願商標は、「スムーズ挿入」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、間隔なく、横一列にまとまりよく表示してなるから、構成文字全体で一連一体の語を表してなると看取できる。
そして、本願商標の構成中、「スムーズ」の文字は「物事・動作が円滑に進むさま。」の意味を有する外来語、「挿入」の文字は「さし入れること。」の意味を有する語(甲1)であり、いずれも我が国で親しまれた語であるから、本願商標は、構成文字全体として、各語の語義を結合した「スムーズに挿入すること」程度の意味合いを想起させる。
イ また、本願商標の指定商品と関連する取引業界において、別掲のとおり、例えば「・・・スムーズに歯と歯の間に挿入可能です。」、「・・・臼歯部の頬側・舌側にもスムーズに挿入が可能です。」、「・・・歯間のせまい方でも、スムーズに挿入できます。」、「・・・奥歯の歯間にもスムーズに挿入できます。」、「・・・歯と歯の間にスムーズに挿入できます。」、「・・・歯間のせまい方でも、スムーズに挿入できます。」、「・・・きつい歯間部にもスムーズに挿入可能。」などのように、歯間などの使用箇所にスムーズに挿入できることを商品の機能や特徴としてうたう商品(フロス、歯間ブラシなど)が、広く流通している取引の実情がある。
ウ そうすると、本願商標は、その指定商品中、例えば「デンタルフロス,歯間清掃デンタルピック,歯間ブラシ」などに使用するときは、その需要者及び取引者をして、(歯間などの使用箇所に)「スムーズに挿入すること」が可能な商品であることを認識、理解させるもので、単に商品の品質(機能)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「スムーズ挿入」の文字から、「滑らかにさし入れる」や「快調にさしこむ」という意味合いを暗示させることがあり得るとしても、歯と歯がきつく接している箇所をゆっくりと慎重かつ安全に通過させるイメージとはかけ離れるから、デンタルフロス等の商品の品質、効能を直ちに想起させることはないこと、また、「スムーズ挿入」の語は、請求人が商標のネーミングを検討する際に案出したもので、実際の商取引の場において、デンタルフロスを歯と歯の間に通す際の状態を表す言い回しとして広範に使用されている事実はないことを踏まえると、本願商標は、その指定商品に使用した場合、その取引者、需要者をして、原審指摘の意味合いを暗示的に想起することがあり得るとしても、商品の品質を直接的に認識することはなく、一種の造語として把握される旨を主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、本願商標の指定商品と関連する取引業界において、歯間などの使用箇所にスムーズに挿入できることを商品の機能や特徴としてうたう商品(フロス、歯間ブラシなど)が、広く流通している取引の実情があることを踏まえると、本願商標は、その指定商品中、例えば「デンタルフロス,歯間清掃デンタルピック,歯間ブラシ」などに使用するときは、その需要者及び取引者に、(歯間などの使用箇所に)「スムーズに挿入すること」が可能な商品であることを認識、理解させるもので、単に商品の品質(機能)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
イ 請求人は、別掲の事例は、商品形状の文字や、商品の使用箇所を表す文字とともに密接に関連付けて使用されているが、本願商標は、「スムーズ挿入」の6文字のみから構成され、商品の素材や加工、形状を表す文字はなく、商品の使用場所を表す文字もないから、これら事例に基づき、本願商標の自他商品の識別標識としての機能を否定できない旨を主張する。
しかしながら、本願商標「スムーズ挿入」は、上記(1)アのとおり、各語の語義を結合した「スムーズに挿入すること」程度の意味合いを想起させるところ、上記(1)イのとおり、歯間などの使用箇所にスムーズに挿入できることを商品の機能や特徴としてうたう商品(フロス、歯間ブラシなど)が広く流通している取引の実情があることを踏まえると、その指定商品中、例えば「デンタルフロス,歯間清掃デンタルピック,歯間ブラシ」などに使用するときは、その需要者及び取引者に、(歯間などの使用箇所に)「スムーズに挿入すること」が可能な商品であることを認識、理解させるもので、単に商品の品質(機能)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採択できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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