商標拒絶査定不服審判
2022-019508
ストロングライトシステム、ストロングライト
- 審判番号
- 2022-019508
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-154447
- 請求日
- 2022年12月02日
- 審決日
- 2024年05月17日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】山内 広之
- 【請求人代理人】酒井 壮士
- 【請求人代理人】野村 幸一
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W08) / T18 .272-Z (W08)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-154447拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ストロングライトシステム」の文字を標準文字で表してなり、第8類「家庭用脱毛機械器具」を指定商品として、令和3年12月10日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月13日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月22日付けの意見書が提出されたが、同年9月1日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年12月2日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ストロングライトシステム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ストロング」の文字は、「強いこと」を、「ライト」の文字は「光、光線」を、「システム」の文字は「方法、方式」を意味する語として、それぞれ知られており、構成全体として「強い光の方式」ほどの意味合いを想起させるものである。そして、本願の指定商品である「家庭用脱毛機械器具」において、「強い光を当てる方式」のものが取引されている実情が認められるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単にその商品が「強い光を照射する方式」のものであることを認識するにとどまり、商品の品質、特徴を普通に用いられる方法で表示したものと判断するのが相当であるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和6年2月6日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人に対し、別掲1及び別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和6年3月22日付けの回答書を提出し、要旨、以下、1ないし3のとおりの意見を述べた。
1 本願商標の構成中の「ライト」の文字が有する様々な意味を捨象して、殊更「光」の意味だけを認識させるとするのは、早計である。本願商標は、「ライト」の文字を、「ストロング」の文字と共に対比的に用いることによって「ライト」の文字から様々な意味合いが暗示的に想起され得る点が考慮されていない。
2 本願商標の構成中の「ストロング」の文字は、本願の指定商品である「家庭用脱毛機械器具」においては、商品の耐久性が注目されるという実情を踏まえれば、「丈夫な」という意味合いも暗示的に想起され得るといえる。本願商標の構成中の「ストロング」の文字が有する様々な意味を捨象して、殊更「強い」という意味だけを認識させるとする合理的な理由はない。
3 本願商標「ストロングライトシステム」の文字から、「強い光の方式」のような意味合いが一義的かつ直接的に認識されるとはいえず、間接的・暗示的に認識されるにすぎないから、本願商標は、本願の指定商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものではない一連の造語として認識されるものであり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。
第5 当審の判断
1 本願商標を構成する文字の語義及び使用状況並びに指定商品の取引の実情について
(1)本願商標は、「ストロングライトシステム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ストロング」の文字部分は、「強い、強力な」等の意味を有する英語「strong」の、「ライト」の文字部分は、「光、光線」等の意味を有する英語「light」の、「システム」の文字部分は、「装置、方式」等の意味を有する英語「system」の、それぞれ表音であって(いずれも「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店発行)、いずれの英語も平易かつ広く一般に知られたものである。
なお、本願商標の構成中の「ライト」の文字は、「軽い」等(前掲書)の意味を有する英語「light」の表音としても一般に知られた語である。
(2)本願の指定商品である家庭用の脱毛器の分野においては、原審で示す事例(別掲3)に加え、別掲1の事例においても見られるように、光を利用して脱毛を行う方式(光脱毛)が多く採用されている実情がうかがえる。
また、本願商標の構成中の「ライト」の文字は、別掲2のとおり、脱毛の分野において、「光」を表す語として使用されている。
さらに、本願商標の構成中の「ストロング」の文字は、上記(1)のとおり「強い、強力な」等の意味を有するものであるところ、家庭用の脱毛機は、クリニック等で使用される脱毛器と比較して強い力で照射できないことから、メーカーによっては、家庭用の範囲内での高出力化を試みるなど、従来品よりも強化された光の照射を特徴として掲げる商品も見られる(別掲3参照。)。
(3)上記(2)のとおりの取引の実情及び「ライト」の文字の使用状況からすると、本願商標の構成中の「ライト」の文字は、上記(1)のとおり、「光、光線」等の意味の他に、「軽い」等(前掲書)の意味を有する英語の表音として知られたものであるとしても、本願の指定商品との関係においては、「光」の意味を理解させるものというのが相当である。
そうすると、本願の指定商品の分野においては、本願商標「ストロングライトシステム」の構成文字全体からは、「強い光の方式」ほどの意味合いを理解させるものであるとともに、商品の優位性や特徴を表す語として認識され得るものというのが相当である。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
上記1によれば、「ストロングライトシステム」の文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、「強い光の方式」ほどの意味合いをもって、商品の品質、特徴を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。
加えて、本願商標は、上記1(1)で述べたとおり標準文字で表されたものであるから、普通に用いられる方法で表されたものである。
したがって、本願商標は、商品の品質、特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を、「ストロングライトシステム(強い光の方式)」と関連のない商品(例えば、光を利用せず、毛を挟んで抜くローラー式の家庭用脱毛機械器具)に使用をするときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標の構成中の「ライト」の文字が有する様々な意味を捨象して、殊更「光」の意味だけを認識させるとするのは、早計である。本願商標は、「ライト」の文字を、「ストロング」の文字と共に対比的に用いることによって「ライト」の文字から様々な意味合いが暗示的に想起され得る点が考慮されていない。」旨主張する。
しかしながら、別掲1及び別掲3のように、本願の指定商品である家庭用の脱毛器の分野においては、光を利用して脱毛を行う方式(光脱毛)が多く採用されている実情がうかがえることからすると、本願商標の構成中の「ライト」の文字は、「光、光線」等の意味の他に、「軽い」等の意味を有する語であるとしても、本願の指定商品との関係においては、「光」の意味を理解させるものであると判断するのが相当である。
(2)請求人は、「本願商標の構成中の「ストロング」の文字は、本願の指定商品である「家庭用脱毛機械器具」においては、商品の耐久性が注目されるという実情を踏まえれば、「丈夫な」という意味合いも暗示的に想起され得るといえる。本願商標の構成中の「ストロング」の文字が有する様々な意味を捨象して、殊更「強い」という意味だけを認識させるとする合理的な理由はない。」旨主張する。
しかしながら、別掲2のように、家庭用の脱毛機は、従来品よりも強化された光の照射を特徴として掲げる商品が見られる実情を考慮するならば、本願商標の構成中の「ストロング」の文字は、「強い」の意味を理解させるものであると判断するのが相当である。
(3)請求人は、「本願商標「ストロングライトシステム」の文字から、「強い光の方式」のような意味合いが一義的かつ直接的に認識されるとはいえず、間接的・暗示的に認識されるにすぎないから、本願商標は、本願の指定商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものではない一連の造語として認識されるものであり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。」旨主張する。
しかしながら、上記1及び2のとおり、本願の指定商品との関係において、「強い、強力な」等を意味する「ストロング」の文字と、「光、光線」等を意味する「ライト」の文字を結合した「ストロングライト」の文字は、「強い光」の意味を理解させるとともに、指定商品の取引の実情との関係において、商品の優位性や特徴を表す語句として機能するものであることから、これと「システム」の文字を結合した「ストロングライトシステム」の文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、「強い光の方式」ほどの意味合いをもって、商品の品質、特徴を表したものと直接的かつ具体的に認識し、また、本願商標を、「ストロングライトシステム(強い光の方式)」と関連のない商品に使用をするときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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