商標拒絶査定不服審判
2022-019260
サッポロミソギョウザ、サッポロミソギョーザ、ミソギョーザ、サッポロミソ、サッポロギョーザ
- 審判番号
- 2022-019260
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-111725
- 請求日
- 2022年11月30日
- 審決日
- 2023年10月03日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社イートアンドホールディングス
- 【請求人代理人】古谷 栄男
- 【請求人代理人】松下 正
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .13 -Z (W3043) / T18 .272-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-111725拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月28日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月13日 :意見書、手続補正書、手続補足書の提出
令和4年 8月26日付け:拒絶査定
令和4年11月30日 :審判請求書、手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、「札幌みそぎょうざ」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、前記1の手続補正により、第30類「味噌を餡に練り込んだ餃子,餃子,餃子のたれ」及び第43類「餃子・麺類・中華料理を中心とした食物とアルコールを主とした飲料物の提供,飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「札幌みそぎょうざ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「札幌」の文字は「北海道石狩平野南西部にある政令指定都市。」を、「みそ」の文字は「調味料の一つ。大豆を主原料に、米または大麦、大豆のこうじと塩とをまぜて発酵させて製したもの。」を、「ぎょうざ」の文字は「小麦粉をこねて薄く伸ばした皮に、挽肉・野菜を包んで焼き、または茹で、あるいは蒸したもの。」を表す語である。
また、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「味噌ぎょうざ」又は「味噌餃子」の文字が、「味噌を使用した餃子」であることを表示する語として使用されている実情がある。
そうすると、上記した構成からなる本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「北海道札幌市で生産又は販売される味噌を使用した餃子,北海道札幌市で生産又は販売される味噌を使用した餃子のたれ」であること、又は、その役務が「北海道札幌市で提供される味噌を使用した餃子を主とした飲食物の提供,北海道札幌市で提供される味噌を使用した餃子を主とした飲食物に関する情報の提供」であること、すなわち、商品の産地、販売地若しくは品質又は役務の提供の場所若しくは質を表示したものと認識するにすぎない。
したがって、本願商標は、商品の品質等及び役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本願商標は、前記2のとおり、「札幌みそぎょうざ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「札幌」の文字は「北海道石狩平野南西部にある政令指定都市。」の意味を、「みそ」の文字は「調味料の一つ。大豆を主原料に、米または大麦、大豆のこうじと塩とをまぜて発酵させて製したもの。」の意味を有する「味噌」に通じるものであり、「ぎょうざ」の文字は「小麦粉をこねて薄く伸ばした皮に、挽肉・野菜を包んで焼き、または茹で、あるいは蒸したもの。」の意味を有する「餃子」に通じるもの(いずれも「広辞苑 第七版」(岩波書店)から引用。)として、それぞれ我が国において広く親しまれているものである。
イ 原審において示された事実(別掲1)及び当審における職権による調査(別掲2及び別掲3)によれば、本願の指定商品及び指定役務に係る業界において、味噌を使用した餃子が「味噌餃子」や「味噌ぎょうざ」、「みそ餃子」の名称で一般に製造、販売、提供されているほか、「味噌餃子」等の文字に、その製造地、販売地の地名を冠して、例えば、「房総みそ餃子」や「信州味噌餃子」、「京都白味噌餃子」のように表記した商品が製造、販売されている実情が認められる。
ウ 以上によれば、「札幌みそぎょうざ」の文字からなる本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「北海道札幌市で生産又は販売される、味噌を使用した餃子,北海道札幌市で生産又は販売される、味噌を使用した餃子のたれ」であること、又は、その役務が「北海道札幌市で提供される、味噌を使用した餃子を主とした飲食物の提供,北海道札幌市で提供される、味噌を使用した餃子を主とした飲食物に関する情報の提供」であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示したものと認識するにとどまり、これを商品若しくは役務の出所を表示する標識又は自他商品若しくは自他役務の識別標識として認識することはないというべきである。
してみれば、本願商標は、その商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記商品又は役務以外の指定商品又は指定役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、漢字「札幌」と平仮名「みそぎょうざ」が不可分一体に結合された一種の造語商標であり、一部に地名を含んでいるという理由で分離して認識すべきでなく、一体として認識すべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、請求人も述べるとおり、漢字と平仮名からなるものであって、その文字種の違いから、視覚的にも「札幌」の漢字及び「みそぎょうざ」の平仮名を結合してなるものと容易に看取、把握されるものであるし、各語の語義及び本願の指定商品及び指定役務に係る取引の実情を踏まえると、本願商標全体として一種の造語というよりは、上記(1)のとおり、「北海道札幌市で生産又は販売される、味噌を使用した餃子」等の意味を容易に認識させるものである。
イ 請求人は、別掲1の用例のように、「味噌餃子」の漢字表記が一般的であり、本件のように「みそぎょうざ」と平仮名表記する用例は存在しないこと、また、「札幌みそぎょうざ」の文字をGoogleで検索すると、検索結果には全て請求人の完全子会社の商品が表示される旨主張する。
しかしながら、「みそぎょうざ」と平仮名で表記することにより、「味噌餃子」や「味噌ぎょうざ」、「みそ餃子」と異なる意味合いを想起させるものとはいい難く、また、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を判断するに当たり、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないから、仮に、請求人以外に「札幌みそぎょうざ」の使用例がないとしても、本件の判断が左右されるものではない。
ウ 請求人は、構成中に地名を含む過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品又は自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品又は指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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