特許拒絶査定不服審判
2022-019179
陳列パンの支持構造
- 審判番号
- 2022-019179
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-162415
- 請求日
- 2022年11月29日
- 審決日
- 2023年12月18日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】中野冷機株式会社
- 【請求人代理人】小川 眞一
- 審判長/審判官
- 審判長 柿崎 拓
- 審判官 関口 哲生
- 審判官 西 秀隆
- 分類
- P18 .113-WY (A47F) / P18 .121-WY (A47F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2018-162415「陳列パンの支持構造」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月 5日出願公開、特開2020- 31985、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年8月31日の出願であって、令和4年6月6日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月7日に意見書が提出され、同年7月20日付けで拒絶理由通知がされ、同年9月22日に意見書が提出され、同年10月12日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年11月29日に拒絶査定不服審判の請求がされ、その審判の請求と同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項3号に該当し、特許を受けることができないか、または、引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開平6-50655号公報
第3 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和4年11月29日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
前面に開口が形成されて内部に商品陳列室が形成されたショーケース本体と、
前記陳列室内に上下方向に配列された複数段の商品陳列部と、
前記商品陳列室の内周部に沿ってこの商品陳列室との間を背面板により仕切って形成された冷気ダクトと、
前記背面板に形成され、前記冷気ダクト内を流れる冷気の一部が前記商品陳列室内に吹出す複数の冷気孔と、
最下段の前記商品陳列部である陳列パンを支持し、水平状態と後方上がりに傾斜した状態とに切替可能な陳列パン支持部と、
を有し、
前記陳列パン支持部は、
前端部が前記ショーケース本体の手前側に上下方向回動可能に取付けられる手前側フレームと、
前記手前側フレームに前後方向スライド可能に取付けられ、後端部が前記背面板に上下方向位置切替可能に取付けられる奥側フレームと、
前記奥側フレームに設けられ、前記陳列パンが引っ掛けられる陳列パン引掛部と、を有し、
前記陳列パン支持部の傾斜状態を切替える前後において、前記陳列パン引掛部に引っ掛けられた前記陳列パンの後端部と前記背面板との間隔は近接した状態で一定に維持されていることを特徴とする陳列パンの支持構造。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。以下同様。)。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオープンショーケースに関し、特に陳列室の底部に配されるデッキパンを陳列効果を高めるために傾斜設置するのに好適なデッキパン取付構造に関する。」
イ 「【0002】
【従来の技術】一般にオープンショーケースは棚が複数段配された陳列室となっており、商品はこの各棚上に、また陳列室の底部に配すデッキパン上に陳列して販売される。
【0003】ここでこの多段オープンショーケースでの売上げの大半以上がデッキパン上の商品と言えるほどであり、デッキパンが販売上重要な部分となっている。そしてデッキパンは陳列室の背壁と、陳列室前部の下部に上方へ突出し冷気吸い込み用のフロントダクト部の形成を成す前壁部にそれぞれ直接係止する取付方としている。従って大きな傾斜角度をつけてデッキパンを取り付けた場合に、デッキパンと陳列室背壁との間、またはデッキパンとフロントダクト部形成用の前記前壁部との間に隙間ができてしまう。
【0004】隙間ができると冷気吸込口から陳列室内空気を吸込み、陳列室を取り囲むよう形成した冷気循環路を介してその循環路内に配した冷却器を通り、冷気吐出口から吐出され又冷気吸込口に吸い込まれ、冷気のエアーカーテンを陳列室の前面開口部に形成する冷気の正常な流れにショートサイクルが発生し、冷却性能が悪化してしまう問題があった。
【0005】また、デッキパンを確実に傾斜設置させるために、背壁に係止するラック支えを要する(実開昭62-63056号公報の場合)こととなり、部品点数、構成的な複雑さ、またコスト上昇となる問題があった。」
ウ 「【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑み成されたもので、簡単な構成であって、デッキパンを広範囲の傾斜角度で容易に取付でき、しかも冷却性能を十分に維持できる状況で設置できるように図ったデッキパン取付構造を提供するものである。」
エ 「【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】1は全体が断面略コ字型をした本体ケースにして、外板2aと内板2bとの間に断熱材3を充填して形成され、前面を開口した陳列室4を有している。
【0012】陳列室4の前面開口部5の下方には冷気吸込口6が、そして上方には冷気吹出口(図示せず)が設けられ、これら冷気吸込口6と冷気吹出口とは冷気循環路7で連通している。冷気循環路7にはファンケーシング8に取り付けられた冷気循環ファン9と冷却器11とが配設され、冷気循環ファン9の運転時、陳列室4内の空気は冷気吸込口6より冷気循環路7に吸い込まれ冷却器11にて冷却後、冷気が冷気吹出口から冷気吸込口6へと向かって流れて前面開口部5に冷気のエアーカーテンを形成する。
【0013】ところで陳列室4には、一般に商品棚(図示せず)が上下に複数段配されると共に、底部にデッキパン12が配される。そして陳列室4の背壁13においては、商品棚の後端を係止してその高さ位置を変えての取付、またデッキパン12を後述するように水平あるいは前下がりに傾斜しての取付けが可能なようにデッキパン受け(後述する)の後端を係止させる複数の取付孔14を有させている。15は陳列室4の前方下部に立設形成されて、本体ケース1の前壁部1bとの間で冷気吸込口6及び吸込ダクト16等の形成部となる壁板である。そして、デッキパン受けの先端はこの壁板15に形成した取付孔17に係止される構成とされている。
【0014】ここでデッキパン12は陳列室4の底面に直に置かれるのではなく、線材で形成されたデッキパン受け18の上に載せられるようになっている。12bはデッキパン12を取付、取外しのための手挿入穴である。
【0015】デッキパン受け18は、図1に示すように縦横に組み合わせて結合した2本の主線材19、19と4本の横線材21、21・・・と、この横線材21・・・のうちの前部2本の横線材21、21との間にスペース22を作るようその下方に配された補強線材23、23とから成る主支持部材25と、一本の線材を略コの字形に折曲形成し、その屈曲部26aを前記スペース22に挿入してスライド自在に前記主支持部材25と組み合わせて、かつ開放側脚部26b、26b間に一本の横線材27が橋架された構造の補助支持部材26とから成る。
【0016】従って、主支持部材25と補助支持部材26とが組み合う部分の重り代を調節することで全体長さを変えられるデッキパン受け18となっている。」
オ 「【0017】また、デッキパン12が載る主支持部材25の横線材21および補助支持部材26の横線材27には、複数の凸部21d、27dを設けて、この凸部21d、27dにてデッキパン12を接触抵抗少なくして受けて、全面的に密着してデッキパン12が載ると水漏れ等にてデッキパン12の着脱が不利となるのを避けている。」
カ 「【0018】28は前記デッキパン12の横幅wと同等の長さ寸法を有し、主支持部材25の主線材19、19の後端部19b、19bに挿通され、前後に摺動自在に装着されて、デッキパン12の後端部と陳列室4の背壁13との間の隙間dを塞ぐ断面コ字形をしたカバー部材である。
【0019】29、29は主線材19、19との取付用の挿入穴である。そして、このカバー部材28を具備したデッキパン受け15は、陳列室4の底部に水平に取り付けられたり(図2の状態)、前下がりに傾斜して取り付けられたり(図3の状態)するが、その取り付けは補助支持部材26の開放側脚部26b、26bを前記壁板15の取付用孔17に係止し、主支持部材25の主線材19、19の端部を背壁13の取付用係止孔14に係止することで行う。取り付けた後、主線材19、19の先端の係止部31、31および補助支持部材26の先端の係止部32、32によって抜け止め係止される。」
キ 「【0021】次にデッキパン12を傾斜して設置し、その上に商品を並べてボリューム感のある陳列をし、集客力を向上させる場合、デッキパン12を取り除いた後、主支持部材25を左方にスライドさせて主線材19、19を背壁13の下端の取付孔14より抜く。その後、上の方の取付孔14に主線材19、19の先端を挿入して係止すれば図3に示すようにデッキパン受け18は傾斜状態に取付けできる。この時、主支持部材25は右方にスライドして引き出され、デッキパン受け18の全長は水平設置時より長くされている。また補助支持部材23の横線材27が壁板15の裏に当たって位置決めされる。そして、この傾斜したデッキパン受け18の上にデッキパン12を置くと、図3に示すようにデッキパン12は横線材21、27上を滑ってその前端を壁板15に当接して止まる。このデッキパン12が手前に移動することで、デッキパン12の後端と背壁13との間に隙間dが生ずるが、この隙間dはカバー部材28が補って閉塞される。従って隙間があると、陳列室4内を巡る冷気がこの部分でショートサイクルを発生し冷気流の流れを乱し、冷却効率を下げていたのがこのカバー部材28にて防止される。またデッキパン12の前端は前述したように壁板15に当たるので、デッキパン12の前方部分にも隙間が生じず、冷気吸込口6近辺でのショートサイクルの発生も防止される。またデッキパン12を斜めにして使用した場合、デッキパン12の前端部側に、載せた商品による荷重が強く掛かるが、補助支持部材26にも横線材27があり、この横線材27にてデッキパン12を保持しているので、強度が保てる。」
ク 「【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、全体の長さが調整可能に互いの端部をスライド自在に組み合わせた線材より形成の主支持部材と補助支持部材から成るデッキパン受けを使用し、このデッキパン受けを自在に取付角度を変えて陳列室内に傾斜設置し、その上にデッキパンを置くことで手前下がりになるデッキパンの上に商品を陳列し、集客力、展示効果に優れるボリューム陳列を容易に達成できる。そしてデッキパン受けの傾斜設置で、その後部と陳列室の背壁との間に生ずる隙間はデッキパンに装着させたカバー部材にて閉塞するようにしたので、この隙間に冷気のショートサイクルは発生せず、陳列室内の冷却は良好に行われる。」
ケ 「【図1】
[図:0001405515000001.jpg]
【図2】
[図:0001405515000002.jpg]
【図3】
[図:0001405515000003.jpg]
」
コ 上記カ、キ及び図1~3の記載から、デッキパン受け18が、水平状態と前下がりに傾斜した状態とに切替可能であること、また、デッキパン受け18の補助支持部材26の開放側脚部26bが本体ケース1の手前側に上下方向回動可能に取付けられるものであること、更に、デッキパン受け18の主支持部材25の後端部19bが背板13の取付孔14に上下方向位置切替可能に取付けられるものであることは明らかである。
(2)引用発明
前記(1)ア~コから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「前面に開口が形成されて内部に陳列室4が形成された本体ケース1と、
前記陳列室4内に上下方向に配列された複数段の商品棚と、
前記陳列室4の内周部に沿って前記陳列室4との間を背壁13により仕切って形成された冷気循環路7と、
最下段の前記商品棚であるデッキパン12を支持し、水平状態と前下がりに傾斜した状態とに切替可能なデッキパン受け18と、
を有し、
前記デッキパン受け18は、
開放側脚部26bが前記本体ケース1の手前側に上下方向回動可能に取付けられる補助支持部材26と、
前記補助支持部材26に前後方向スライド自在に取付けられ、後端部19bが前記背壁13の取付孔14に上下方向位置切替可能に取付けられる主支持部材25と、を有し、
前記デッキパン受け18を前下がりに傾斜した状態において、前記デッキパン12の後端と前記背壁13との隙間dを閉塞するカバー部材28を設けたデッキパン12の取付構造。」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「陳列室4」は、本願発明の「商品陳列室」及び「陳列室」に相当し、以下同様に、「本体ケース1」は「ショーケース本体」に、「商品棚」は「商品陳列部」に、「背壁13」は「背面板」に、「冷気循環路7」は「冷気ダクト」に、「デッキパン12」は「陳列パン」に、「前下がりに傾斜した状態」は「後方上がりに傾斜した状態」に、「デッキパン受け18」は「陳列パン支持部」に、「開放側脚部26b」は「前端部」に、「補助支持部材26」は「手前側フレーム」に、「スライド自在」は「スライド可能」に、「後端部19b」は「後端部」に、「主支持部材25」は「奥側フレーム」に、「取付構造」は「支持構造」に、それぞれ相当する。
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「前面に開口が形成されて内部に商品陳列室が形成されたショーケース本体と、
前記陳列室内に上下方向に配列された複数段の商品陳列部と、
前記商品陳列室の内周部に沿ってこの商品陳列室との間を背面板により仕切って形成された冷気ダクトと、
最下段の前記商品陳列部である陳列パンを支持し、水平状態と後方上がりに傾斜した状態とに切替可能な陳列パン支持部と、
を有し、
前記陳列パン支持部は、
前端部が前記ショーケース本体の手前側に上下方向回動可能に取付けられる手前側フレームと、
前記手前側フレームに前後方向スライド可能に取付けられ、後端部が前記背面板に上下方向位置切替可能に取付けられる奥側フレームと、を有した、
陳列パンの支持構造。」
[相違点1]
本願発明では「前記背面板に形成され、前記冷気ダクト内を流れる冷気の一部が前記商品陳列室内に吹出す複数の冷気孔」を有するのに対し、
引用発明では、前記背壁13に形成され、前記冷気循環路7内を流れる冷気の一部が前記陳列室4内に吹出す複数の冷気孔を有するか明らかでない点。
[相違点2]
本願発明では、「前記奥側フレームに設けられ、前記陳列パンが引っ掛けられる陳列パン引掛部」を有し、「前記陳列パン支持部の傾斜状態を切替える前後において、前記陳列パン引掛部に引っ掛けられた前記陳列パンの後端部と前記背面板との間隔は近接した状態で一定に維持されている」のに対し、
引用発明では、主支持部材25に、前記デッキパン12が引っ掛けられる引掛部は設けられておらず、また、前記デッキパン受け18を前下がりに傾斜した状態において、前記デッキパン12の後端と前記背壁13との隙間dを閉塞するカバー部材28を設けた点。
2 判断
以下、相違点について検討する。
(1)事案に鑑み、まず相違点2について検討する。
ア 引用文献1の段落0021に「この傾斜したデッキパン受け18の上にデッキパン12を置くと、図3に示すようにデッキパン12は横線材21、27上を滑ってその前端を壁板15に当接して止まる。」(上記第4の1(1)キを参照。)と記載され、これら記載によれば、主支持部材25を含むデッキパン受け18に、デッキパン12の後端を引っ掛ける引掛部が設けられていないことは明らかである。
したがって、相違点2は、実質的な相違点であるといえる。
よって、本願発明は、引用発明であるとはいえない。
イ また、引用文献1には、更に、段落0021に「このデッキパン12が手前に移動することで、デッキパン12の後端と背壁13との間に隙間dが生ずるが、この隙間dはカバー部材28が補って閉塞される。従って隙間があると、陳列室4内を巡る冷気がこの部分でショートサイクルを発生し冷気流の流れを乱し、冷却効率を下げていたのがこのカバー部材28にて防止される。またデッキパン12の前端は前述したように壁板15に当たるので、デッキパン12の前方部分にも隙間が生じず、冷気吸込口6近辺でのショートサイクルの発生も防止される。」と記載され、また、段落0023に「このデッキパン受けを自在に取付角度を変えて陳列室内に傾斜設置し、その上にデッキパンを置くことで手前下がりになるデッキパンの上に商品を陳列し、集客力、展示効果に優れるボリューム陳列を容易に達成できる。」と記載されるように、デッキパン12の後端と背壁13との間に隙間dの閉塞については、カバー部材28を設けることで対応することが示されており、また、デッキパン12の配置については、デッキパン12の前方部分に隙間を生じさせず、また、手前下がりになるデッキパンの上に商品を陳列し、集客力、展示効果に優れるボリューム陳列を容易に達成させるためにデッキパンの前端を壁板15に当てるように配置することが示されている。
そうすると、引用発明において、デッキパン12の後端と背壁13との間の隙間dにより冷却性能が低下するといった課題は解決済みであるといえる。
また、引用発明において、デッキパン12の後端と背壁13との配置に関し、デッキパン12の後端と背壁13の間隔を近接した状態で一定に維持する配置に変更すると、デッキパン12の前方部分に隙間を生じさせず、また、手前下がりになるデッキパンの上に商品を陳列し、集客力、展示効果に優れるボリューム陳列を容易に達成させる、といった効果が得られなくなることから、引用発明において、上記のような配置に変更する動機はない。むしろ、引用発明は、上記のような配置に変更しないものであるといえる。
したがって、引用発明において、本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項とする動機はない。
よって、引用発明において、本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項とすることは、当業者であっても容易に想到し得たことではない。
(2)上記のとおり、当業者が本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項を容易に想到し得たとはいえないから、上記相違点1について検討するまでもなく、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
上記第5で示したように、引用文献1には、本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項について、何ら記載がなく、また、デッキパン12の後端と背壁13との間の隙間dにより冷却性能が低下する、といった課題もカバー部材28を設けることで解決済みであるから、引用発明において、本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項とする動機はない。
したがって、引用発明において、本願発明の上記相違点2に係る発明特定事項とすることは、当業者であっても容易に想到し得たことではない。
以上によれば、本願発明は、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明ではなく、また、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。よって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明ではなく、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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