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商標拒絶査定不服審判

2022-019146

サイキョーノラーメン、サイキョー

審判番号
2022-019146
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-024333
請求日
2022年11月28日
審決日
2023年11月24日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日清食品チルド株式会社
  • 【請求人代理人】香原 修也
  • 【請求人代理人】古井 かや子
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .16 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、特許法第150条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-24333拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年3月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年11月30日付け:拒絶理由通知書 令和4年 4月18日 :意見書の提出 令和4年 8月23日付け:拒絶査定 令和4年11月28日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「最強のラーメン」の文字を標準文字で表してなり、第30類「ラーメンの麺,具及びスープ付きのラーメンの麺,即席ラーメン,調理済みのラーメン,ラーメン用調味料,ラーメン用香辛料,ラーメン用(つけ麺用)のたれ」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「最強のラーメン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「最強」の文字は「一番強いこと」という意味を、「の」の文字は格助詞であり、「ラーメン」の文字は「小麦粉に鶏卵・塩・かん水・水を入れてよく練り、そばのようにしたものを茹で、スープに入れたもの。」という意味を認識させる語であるから、商標全体として、「一番強いラーメン」程の意味合いを理解させるものである。 そして、本願の指定商品を含む業界において、もっともおいしい、一番人気のあるラーメンであることを端的に「最強のラーメン」と称している実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「もっともおいしい、一番人気のあるラーメン」であることを表したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 当審においてした証拠調べ 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、その結果を令和5年8月29日付け証拠調べ通知書によって請求人に通知し、意見を求めた。 5 証拠調べ通知に対する請求人の意見 請求人は、前記4の証拠調べ通知に対し、要旨以下の意見を述べた。 (1)本願の指定商品の分野における用例は、一見するとあたかも「最強の○○」の語が即席ラーメンとの関係で使用されているかのように見えるものの、その実は複数の商品についての人気ランキングや演出の一環で使用されていると見るべきものばかりであり、特定の商品の目印として「最強のラーメン」の語が使用されたことを示すものではない。また、麺料理の分野における用例が挙げられているが、本願は麺料理の提供を指定するものではないから、これらの用例が本願商標の登録性を否定するための論拠となるものではない。 (2)証拠調べ通知書において挙げられた用例から、本願商標が特定の商品との関係で「一般的に使用される標章」ではないことがかえって明らかになった。むしろ、既に固有の名称を有している数多ある麺商品の中から一部の商品を評価・抽出する際の代名詞として使用されてきた「最強の○○」の語を敢えて出願人の固有の商品名称として採用している点にこれまでにない特徴が認められる造語であり、そもそも自他商品の識別力を欠くものですらない。なお、通知書用例では「最強の○○」についての用例が多数挙げられているが、本件審判で争点となっているのは、「最強のラーメン」の識別力の有無であるから、これ以外の用例が本願商標の識別力の検討の材料に用いられることは適切ではない。 (3)本願商標は、標準文字からなるところ、各文字は同一書体・同一大・同一色彩・等間隔であり、外観上まとまりよく一体的な商標である。また、構成文字全体より生ずる「サイキョーノラーメン」の称呼も、一体のものとしてリズミカルに淀みなく一気一連に称呼し得る。そして、連体格助詞である「の」で結合された本願商標は、その一部が分離抽出されて把握されるのではなく、全体をもって一体不可分の造語として認識される。本願商標を一体としてみた場合、その文字に即応して、「第一に強い中華そば」という程度の極めて抽象的な観念が生じるものの、一口に「最強」と言っても、この語自体、様々な意味合いを想起させる(「とても麺が多い」、「とても麺が太い」、「とても麺が硬い」、「とても辛い」、「とても脂っこい」、「とてもトッピングが大きい」、「とてもトッピングが多い」等。)極めて暗示的な語であるから、本願商標が具体的に特定の意味合いを生じさせるものではないことは明らかである。そうすると、需要者は本願商標を造語として理解せざるを得ないというのが自然であり、本願の指定商品との関係において、特定の観念を生じさせるものとは認められないものである。 (4)「最強のラーメン」という商品は、請求人のみが製造・販売しており、他メーカーによるものが見受けられないのも、まさに本願商標が「ありそうでなかった造語」であることに他ならない。「最強のラーメン」という文字は、一般的に使用される標章ですらなく、これを商標的使用態様で具体的な商品の出所識別標識として用いた場合には、需要者において造語として認識されることから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものとはいえない。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、「最強のラーメン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「最強」の文字は「一番つよいこと」の意味を有し(「広辞苑 第七版」岩波書店)、「ラーメン」の文字は、本願の指定商品との関係においては、商品名を表したと看取、理解されるもので、これらを格助詞「の」で連結した結合商標であると容易に認識させるものである。 ところで、証拠調べ通知で示した用例(別掲参照)によれば、本願の指定商品を含めた麺製品を評価する際に、「一番おいしい麺製品」、「一番人気の麺製品」、「一番おすすめの麺製品」であることを誇称するための表示として、「最強の○○(○○は商品名)」の文字が一般に使用されている実情が見受けられる。 そうすると、「最強のラーメン」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、「一番おいしい(人気の、おすすめの)ラーメン」程の意味合いを認識させるにすぎず、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識するというよりはむしろ、商品の特性や優位性を示す語の一類型として認識、理解するにとどまるとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、証拠調べ通知で示した用例は、複数の商品についての人気ランキングや演出の一環で使用されていると見るべきものばかりであり、特定の商品の目印として「最強のラーメン」の語が使用されたことを示すものではないことから、これらの用例が本願商標の登録性を否定するための論拠となるものではない旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の製造販売元のみならず、第三者による商品説明又は商品紹介において使用される文言も、需要者の認識を推し量るための取引の実情として勘案されるものであるし、別掲で示した用例に加えて、本願商標に係る各語の構成を総合的に勘案した上で、本願商標は、その指定商品分野の取引者、需要者をして、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであると認定、判断したものである。 イ 請求人は、「最強のラーメン」という商品は、請求人のみが製造・販売しており、証拠調べ通知で示した用例によって、本願商標が特定の商品との関係で「一般的に使用される標章」ではないことがかえって明らかになった旨述べるとともに、本件審判で争点となっているのは、「最強のラーメン」の識別力の有無であるから、これ以外の用例(「最強の○○」)が本願商標の識別力の検討の材料に用いられることは適切ではない旨主張する。 しかしながら、商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号、同年11月14日判決参照)。 そして、仮に「最強のラーメン」の文字が、請求人の商品以外には使用されていないとしても、本願商標をその指定商品に使用した場合における需要者の認識を推し量る際に、当該指定商品に係る取引の実情を勘案することは、合理的であるというべきであって、そのような取引の実情を勘案したときに、本願商標が、需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であること、上記(1)のとおりである。 ウ 請求人は、「最強」は様々な意味合いを想起させる(「とても麺が多い」、「とても麺が硬い」、「とても辛い」等。)語であるから、本願商標が具体的に特定の意味合いを生じさせるものではないことは明らかで、需要者は本願商標を造語として理解せざるを得ないというのが自然であり、本願の指定商品との関係において、特定の観念を生じさせるものとは認められない旨主張する。 しかしながら、別掲で示した用例によれば、本願商標に接する取引者、需要者は、請求人主張のような意味合いで認識するというよりも、本願商標について、「一番おいしい(人気の、おすすめの)ラーメン」といった、商品の特性や優位性を示す語の一類型として認識、理解するにとどまるとみるのが相当である。 エ 請求人は、構成中に「最強(の)」を含む過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。 しかしながら、上記アのとおり、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。 オ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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