商標拒絶査定不服審判
2022-019102
クラウドゼームソーダン
- 審判番号
- 2022-019102
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-046751
- 請求日
- 2022年11月28日
- 審決日
- 2023年08月31日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】弁護士ドットコム株式会社
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W09353638414245) / T18 .272-Z (W09353638414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-46751拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「クラウド税務相談」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第36類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年4月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年3月3日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月8日に意見書が提出されたが、同年8月25日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「クラウド税務相談」の文字を、標準文字で表してなるところ、その構成中の「クラウド」の文字は、「(雲の意)それを提供するサーバーなどについて意識することなく、ネットワークを通じて様々な場所から利用可能なコンピューターのリソース。」の意味を有し、「税務」の文字は、「租税、特に内国税の賦課・徴収に関する行政事務。」の意味を有し、「相談」の文字は、「互いに意見を出して話しあうこと。談合。また、他人に意見を求めること。」の意味を有する、いずれも一般的に知られた平易な語であるから、本願商標は、全体として、「クラウドで(行う)税務の相談」程の意味合いを容易に認識させるものである。また、本願商標に係る指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、税務に関する業務をクラウド(オンライン)で行うソフトウェアやサービスが提供されており、「クラウド税務」の文字が使用されている実情、クラウドの税務ツールを利用した税務相談が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば、「クラウドによる税務の相談のための電子計算機用プログラム」、「クラウドによる税務相談の媒介又は取次ぎ」、「クラウドによる税務の相談のための電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」、「クラウドによる税務の相談のためのアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)」等、「クラウドによる税務の相談のための(を内容とする)商品又はクラウドによる税務の相談に関わる役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質を表示したものとして認識するにとどまり、本願商標は、単にその商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
4 証拠調べに対する意見
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、何らの意見も述べていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「クラウド税務相談」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「クラウド」の文字は、「(雲の意)それを提供するサーバーなどについて意識することなく、ネットワークを通じて様々な場所から利用可能なコンピューターのリソース。」を、「税務」の文字は、「租税、特に内国税の賦課・徴収に関する行政事務。」を、「相談」の文字は、「互いに意見を出して話あうこと。」(いずれも「広辞苑第七版」)をそれぞれ意味するものである。
また、当審における証拠調べ通知(別掲2)のとおり、オンライン又はインターネットで行う税務相談の役務が提供されており、それらが「オンライン税務相談」又は「インターネット税務相談」と称されており、また、クラウドで行う相談の役務が提供されている取引実情が確認できる。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の取引実情に照らせば、本願商標は、全体として「クラウドで行う税務相談」の意味を認識させるとみるのが相当であり、これを本願の指定商品のうち、クラウドで行う税務相談のための「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」やクラウドで行う税務相談を内容とする「電子出版物」(第9類)、指定役務のうち、クラウドで行う税務相談のための「税理士のあっせん及び紹介」(第35類)、クラウドで行う税務相談を内容とする「税務相談の媒介又は取次ぎ,税務相談に関する助言・指導及び情報の提供,税務代理の媒介又は取次ぎ,税務代理に関する助言・指導及び情報の提供,税務に関するコンサルティング,税金・税務に関する情報の提供」(第36類)、「法律問題に関する助言」(第45類)、クラウドで行う税務相談のための「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析」(第42類)等、「クラウドで行う税務相談」に係る商品及び役務に使用したときは、取引者、需要者は、「クラウドで行う税務相談」のための商品及び役務であることや、「クラウドで行う税務相談」を内容とする商品又は役務であることを認識するにすぎず、本願商標は、その商品の品質、用途、役務の質(内容)、用途、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記の指定商品及び指定役務中「クラウドで行う税務相談」のための商品及び役務や、「クラウドで行う税務相談」を内容とする商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標からは、少なくとも「クラウドで行う税務の相談」「税務相談用のクラウド」「クラウド税務に関する相談」の3つの意味合いが生じるから、実際にどのようなサービスが提供されるかを消費者が判断することは不可能であり、商品や役務の品質、質を表しているとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の各構成文字の意味と、上記の取引実情に照らせば、本願商標は、全体として「クラウドで行う税務相談」の意味を認識させるというべきである。
イ 請求人は、ウェブ上で「クラウド税務相談」をいう名称を使用しているのは請求人だけであるから、「クラウド税務相談」は請求人のサービスを表す一種の造語であり、識別力を有する旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質、指定役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解される(東京高等裁判所 平成12年9月4日言渡 平成12年(行ケ)第76号等)。
ウ 請求人は、登録例を挙げ、そのような登録例があるにも関わらず、本願商標についてのみ登録が認められないのは公平性を欠く旨主張する。
しかしながら、請求人の援用する登録例は、本願商標とはその構成が異なる商標に関する事例であって事案を異にするばかりか、商標登録出願された商標の登録適格性は、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきであるから、請求人の援用する過去の登録例は、本願商標の登録適格性に係る判断に影響しない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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