商標拒絶査定不服審判
2022-019081
キャリアデータ、キャリア
- 審判番号
- 2022-019081
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-109750
- 請求日
- 2022年11月28日
- 審決日
- 2023年06月19日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワンキャリア
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W09354142) / T18 .272-Z (W09354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-109750拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「キャリアデータ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年9月3日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年4月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年5月24日に意見書が提出されたが、同年9月20日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和4年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「キャリアデータ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「キャリア」の文字は「職業・技能上の経験。経歴。」を、「データ」の文字は「物事の推論の基礎となる事実。また、参考となる資料・情報。」を、それぞれ意味することから、全体として「経歴に関するデータ」ほどの意味合いが容易に認識される。そして、本願指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、「経歴に関するデータ(情報)」を「キャリアデータ」と称し、経歴に関するデータを内容とする商品・役務や、経歴に関するデータを使用して行う役務等が提供されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品・役務中、第9類「電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第35類全ての指定役務、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),文字情報の提供,インターネットを利用して行う映像の提供」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、例えば、「経歴に関するデータを内容する電子計算機用プログラム」、「経歴に関するデータを使用した職業のあっせん」、「経歴に関するデータを内容とするウェブサイトの作成又は保守」等のように、「経歴に関するデータに係る商品・役務」であること、すなわち、単に商品の品質、役務の質(内容)、提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示したものとして認識すると言うべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「キャリアデータ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「キャリア」の文字は、「(商業・生涯の)経歴。」の意味を、「データ」の文字は、「(1)立論・計算の基礎となる、既知のあるいは認容された事実・通史。資料。与件。(2)コンピュータで処理する情報。」(出典:いずれも、広辞苑第七版)を意味するものであり、いずれも容易に意味が理解できる親しまれた語であるから、本願商標は、「キャリア」の語と「データ」の語からなるものといえ、その構成全体から、「経歴のデータ」程の意味合いが理解されるものと認められる。
そして、原審における職権による調査(別掲2)及び当審における職権による調査(別掲3)によれば、「経歴のデータ」を「キャリアデータ」と称して、経歴のデータを元に求人情報を提供したり、転職に役立つデータベースを提供したり、経歴のデータを元にしたアプリやツールが販売又は提供されていたりする実情がある。
そうすると、本願商標の構成全体から理解される意味及び別掲2並びに別掲3の実情を考慮すれば、「キャリアデータ」の文字からなる本願商標をその指定役務中、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,ビジネスコンサルティング」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が経歴のデータを元にしたものであること、すなわち、役務の質(内容)を認識するにとどまるというべきである。
また、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品及び役務が経歴のデータを内容とするものであること、すなわち、商品の品質及び役務の質(内容)を認識するにとどまるというべきである。
よって、本願商標は、上記の指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質及び役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に相応する商品及び役務以外の第9類「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,ビジネスコンサルティング,コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング」に使用するときは、商品の品質及び役務の質(内容)の誤認を生じるおそれがあるから、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「キャリア」には、「経歴」と「通信事業者」という2つの全く異なる意味合いがあるため、「キャリア」の意味合いを職業関連に限定して解釈するのは妥当とは言えず、キャリアからは複数の意味合いが生じることをベースに、本願商標の識別性を判断するべきである旨主張し、「キャリアデータ」でウェブ検索した結果を提示している。
しかしながら、「キャリア」の文字が「経歴」の意味合いでより親しまれていること(上記広辞苑第七版の「キャリア」の欄には「通信事業者」の意味の掲載もない。)、「経歴」自体がデータとして利用、提供されることは想像しやすいが、「通信事業者」自体がデータとして利用、提供されることは想像しにくいこと、別掲2において、「キャリアデータ」と称されている事例は、すべて「経歴のデータ」の意味合いで使用されているものであることから、前記(1)のとおり、本願商標の構成全体から理解される意味及び別掲2並びに別掲3の実情を考慮すれば、「キャリアデータ」の文字からなる本願商標を前記の商品及び役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「経歴のデータ」の意味合いを認識すると判断するのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきであると主張する。
しかしながら、商標登録出願された商標の登録適格性は、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきであるから、請求人の援用する過去の登録例は、本願商標の登録適格性に係る判断に影響しない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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